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おい、黄金比!

Kindleのアスペクト比は黄金比だって話を聞きかじって、じゃあ表紙を黄金比でデザインしてみるのも悪くないかと思い、画像に補助線を切ってみたのだ。でも、実はこれ、黄金比じゃなかった。
微妙に違うのだ。

何となく釈然としないのだけれど、これが、Kindle用表紙画像の画面比率。推奨サイズの2,500×1,563ピクセルを正方形で切って行ったのが黄緑色の線。これが黄金比なら、永遠に同じ比率の長方形が生まれ続けるけど、四分割目でいきなり正方形二つになって終わった。これはこれで面白いし、きっと、何とか分割って名前でもあるのだろうな。美しいかどうかは別として。

(美大──しかもグラデ──出身なのにそんなことも知らないのか、って聞かないで。習ったけど覚えてはいないだけかもしれないし……)

NotGolden
Kindle用表紙の推奨サイズは1:1.599なのだ
Golden
黄金比は1:1.618 微妙な違いがここまで差を生む

 

そしてこれが、黄金分割。ぱっと見はかなり似ているけど、正方形で切られた領域が螺旋になってずっと続いているのが分かると思う。ただ、これも《概ね》に過ぎないのだ。黄金比は整数ではないので、整数でなければならない画素数に落とそうとすると、どうしても四捨五入が生じる。小さく分割するほど狂いが生じてきて、上の図で最も小さい四角形はもはやまったく黄金比ではない。

これが自然界であれば、全体として調和がとれる方向に縮小されていくので、だんだんおかしくなるということはないのだけど。

実際、一応引いた補助線を頼りにデザインを起こしてみようかと思ったのだけど、どうも変な縛りになってしまって、却って面倒なだけだった。数字に頼ってもロクなことはない。自分の感覚を信じてバランスを取ったほうがずっといいな、と思っただけだった。

そもそも黄金比にしても、学生時代には「そんなんもある」程度しか学んでないし、僕自身デザインに一度も使ったことはない。《黄金比は都市伝説に過ぎない》とも言われるしね。

と、いうことで、まあ身も蓋もない話ではあるので、もし表紙作りの参考にと思ってこの記事を読んだ人がいると申し訳ない。
ここでもう一つ、便利な──もっと便利で簡単な──分割法を紹介しておこうかな。

恐らく最もシンプルな、でもかなり強力な画面バランスの取り方。それが三分割法だ。
画面を縦横三分割するだけ。そして、四本の線が交わる四つの点に、デザイン上の重みを持ってくる。または、色面の分割をその線を頼りに行なうというもの。映画の撮影などでもよく利用されているから、知ってる人も多いのではないかな。
(でもね、実は僕も数年前まで知らなかったんだ。そういうものに頼ったことがなかったから)

Kindle用の表紙サイズに当てはめてみたのがこれ。
RuleOfThird

例えば、こんな使い方をすると便利なんだ。

・海と空の映った画像があって、海が主役。タイトル文字は海の上に書く。

左:補助線あり 右:補助線なし  三分割の交点を中心に重要な要素を配置

 

・海と空の映った画像があって、空が主役。タイトル文字は空の上に書く。

左:補助線あり 右:補助線なし  三分割の交点を中心に重要な要素を配置

 

どうでしょう?

特に考えないで配置しても、《取りあえず落ち着いた感じ》にはなってるでしょ?

これなら、悩むことなく、簡単にレイアウトのバランスが取れそうだよね!

Kindle用表紙推奨サイズのテンプレート画像をリポジトリーに用意したので、もし良かったら使ってみてくださいね。

 

では、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

作品の表紙:共通デザインがあると、とっても便利!

昨日の記事で新作小説を公開しようと思った時に、一瞬、脳ミソが固まった。BiB/iでEPUB(今回から全て大文字に統一。この表記が正しそうなのでね)を公開するってことは、表紙が必要じゃん、って。

そこで、お! と思い出す。淡波e文庫ブランドは統一フォーマットがあるし、今回はプレーンな感じで行っちゃえば、すぐできるかなぁと。

これが統一フォーマット。見覚え、あるよね〜?
(これだけだとどうにも淋しいけど)

これさえ入っていれば、淡波e文庫の作品だと一目で分かるのだ!
これさえ入っていれば、淡波e文庫の作品だと一目で分かるのだ!

 

これは、『さよなら、ロボット』での試行錯誤が元になって、『孤独の王』でのフォーマット化に結実したもの。以降、僕の全小説作品は、基本的にこれを用いている。
(『光を纏う女』の掌編版で自作オープンオフィステンプレを活用したことは内緒。未発表だし)

この統一フォーマットをベースに、出来るだけシンプルに構成してみようと考えたわけ。何しろもう夜中だったし、寝なきゃいけないしで。そうしてデザインを考え始めたのだ。この新作はテーマが《波》だから、文庫のイメージエレメントである波線を利用すれば早いだろう。そう思うのは当然の流れだよね。

で、これが完成した表紙。

初のWEB限定公開作品『波』(昨日の記事から)

 

ちょっとした画像処理テクニックを使っているけど、作業時間としては10分程度だったかな。統一フォーマットがあって、そのためのテンプレを用意してあれば、とっても簡単にバリエーションを作れるという好例になったか。

ここで使った簡単な画像処理のテクニックについても、追ってチュートリアルを書いてみようかと思っている。(リクエストがあれば……)

それと、知ってる人は知っている、例のオープンオフィステンプレだけど、使い方次第でバリエーションが作れるようになっている。ただ、自分で考えて加工する必要もあるので、ちょっと難しい部分もあったかもしれないな。今後、ワンタッチでいろいろ作れるテンプレ集を考えてみようか、とも思った今夜の淡波。

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

サポートさんに叱られてしまった件

Amazon KDPにて出版している自著4作を同時無料化し、無料化直後に《無料版》用の表紙への差し替えを行い、そのために書籍データを更新することになり……という経緯は一昨日書いたとおりです。

さて、その時にKDPサポートさんに問い合わせメッセージを送ったわけなのですが、不勉強に気付かされる予想外の返信が届きました。

いわく、

KDPサポートより抜粋
KDPサポートメールより抜粋

 

とのこと。そうか、ルールになっていたのだなあ。これはいけないことをしてしまった。でも、ちょっと待てよ、と思い至りました。無料版、しかも度々表紙を差し替えているKDP小説といえば『キミコロ』ですよね。たしか、表紙に無料版と入っていたはず!
そう思い、さっそくストアで確認してみました。

藤崎ほつま作『キミコロ』

 

おお、入っていますね、僕の名前が。あ、でなくて、《無料版》って。
まあ、文字は表紙画像の一部として(しかも斜めに)入っているので、これを機械的な手段で発見するのはほぼ不可能でしょう。だからといって、お世話になっているKDPサポートのかたにああ言われてしまったのは、やっぱり気になります。
表紙でことさら《無料》を強調しなくても、これだけで充分、読者には無料だと分かるよな、とも思いました。

価格表示を見りゃ、表紙より先に無料だと気付くよなあ
価格表示を見りゃ、表紙内の表示より先に無料だと気付くだろうさ

 

ね?
ここ、真っ先に見ますよね?

と、いうことで、藤崎さんには《無料版》と入れたままで頑張っていただきながら、僕は修正しちゃおうかなあと思いましたよ。
でもね、そうは言っても表紙の左上には、何かしらデザイン的な要素を入れるのにちょうどいいスペースがあります。ので、それを何にするか思い付くまで、差し替え作業が終わるまではこのままで許していただこうかな、と、勝手に思っているわけです。

だって、そんなに度々表紙を差し替えてたら、それこそプライスマッチ解除になってしまいそうじゃないですか!

 

《7/4(梨の日)追記:
 新規無料全4作の表紙を差し替え終わりました。あとはストアの更新を待つだけ。ただ、無料のままでいてくれるかが気になりますね……》

こんな感じです
一枚に合わせるとこんな感じです

《7/5(ナーゴと鳴く猫の日/淡波発案)追記:
 KDPサポートさんの素晴らしき神対応。昨夜寝る前にチェックしたところ、既に表紙が差し替わっていました。その間なんと3時間弱、しかも土曜日の夜なのに! 中の人に大感謝です》

あ、この本だけ、著者名がローマ字なんだよな。大分前に修正したんだけど、何度更新してもここは直らない。サポートさんにお願いしてみよう
あ、この本だけ、著者名がローマ字なんだよな。大分前に修正したんだけど、何度更新してもここは直らない。サポートさんにお願いしてみよう。

 
さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

お勧めの画像編集ソフトは?

セルフ作家が表紙を自作するために向いているのはどんなソフトだろう……?
Open Office用のテンプレートを作って以来、自分のような半専門家ではなく普通の人が表紙を自作する場合に向いた環境はなんだろう? 使いやすくて高機能な画像編集ソフトは何だろう? と考えていた。
Open(&Libre) Officeの図形編集は文字を入れて全体のレイアウトを調整するには便利だし、高機能ではないから覚えるのも簡単だけど、果たして僕がお勧めするソフトとして最適のものだったのだろうか? そう考えていたんだ。

表紙ワークショップに参加してくださった楠樹暖さんはGimpをお使いだし、丸木戸サキさんはInkscapeを愛用していると、最近のブログ記事で知った。
さて、僕のお勧めは?

何といっても、まずはPixelmatorがお勧めだろう。Mac用のソフトだけど、iPhone用とiPad用もある。WinやLinuxオンリー環境の方、ごめんなさい。Photoshopと非常に近い使い勝手で、プロ用の高度な機能を求めない限り、Photoshopが持つ機能のかなりをカバーできる。機能が絞られている分、覚えるのも簡単だ。価格は3,600円で、他の類似ソフトと比較してもお安いのではないかと思う。
起動すると、まずインターフェースが美しい。Macのソフトが昔から持っていた独特の美しさを継承していて、コンピューターを使う悦びを感じさせてくれる。

インターフェース。フィルタをかけるにはアイコンを画面にドラッグするだけ
インターフェース。タイトル文字の加工も簡単。画像にフィルタをかけるにはアイコンを画面にドラッグするだけという手軽さ

 

フリーウエアの雄、Gimpはたしかに凄まじく高機能だけど、独特の使い勝手のせいで、今一つMacユーザーにはアピール出来ていない気がする。レイヤーや透明度の扱いなど、とてもじゃないが直感的とは言えないから、ちょっといじってみて敬遠している方も多いのではないかと思う。僕もいっとき愛用していたけど、どうしても手に馴染まなかった。だから、一昨年だったかBlender GuruのポッドキャストでPixelmatorが紹介されたとき、僕は真っ先に飛びついた。僕の小説の表紙では、『壁色のパステル』InkscapeGimpという王道オープンソース・フリーウエアの組み合わせで作った。『さよなら、ロボット』『孤独の王』の途中まではこのPixelmatorだ。ちなみに、『さよなら、ロボット』の表紙イラストは手描き(水彩)だけど、最新バージョンではこういったものまでも描けるようだ。ベクターの機能も使いやすいので、Inkscapeも不要になってしまったほど。

最新バージョンの水彩機能

 

Win環境の方を置いてきぼりにしてしまったので、ここでフォロー。僕は使ったことがないのだけれど、クラウドアルパカというコミック用無料ツールは凄そうだ。何しろ、《世界最高峰のイラスト・マンガ制作ツール》と謳ってるんだから。文字入れと調整、レイアウトも自在だし、画像編集もそこそこ出来そう。

そうそう、忘れちゃいけない。画像編集が目的でなく絵を描くのが目的だったら、もっともっとたくさん素晴らしいソフトがある。フリーで言えば、例えばKritaファイアアルパカ(前述のクラウドアルパカの姉妹ソフトと思われる)などだ。Sketchbook(Pro版は有料)なんかもいい。低価格の有料ソフトだと、僕の愛用しているMischiefがあるし、Artrageもいい。これらはいずれもWin版とMac版の両方があったはずだし、ここに上げたものはごく一部で、それこそ、僕の知らない優秀なグラフィックソフトはいくらでもあるんじゃないかと思う。

僕は仕事でPhotoshopを愛用しているのだけれど、ちょうどPixelmatorが手に馴染んできた頃、Photoshopの《Photographer’s plan》という購入プランを知って、すぐにそちらへと乗り換えてしまった。当時、たった980円@月でPhotoshopが使えるなんて夢のようだったし、仕事で20年以上も使っているものがプライベートでも、しかも常に最新バージョンで使えるのだから。
そんなことでPixelmatorの使用歴は極めて短くなってしまったのだけれど、素晴らしいソフトであることに疑いはない。

この記事を書くために改めてPixelmatorをいじってみて、やっぱりとてもいいソフトだと感じている。手頃な価格帯の画像編集ソフトを探しているMacユーザー(特にセルフ作家諸氏)には、是非、手に取ってもらいたいと思っているんだ。

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

セルフ作家のための表紙ワークショップ……的な。

(前置きが長いです。本題はかなり後に出てきますので、ご面倒な方はスキップしてくださいな)

2年半ほど前、KDPを利用してセルフパブリッシングを始めようと思った時、まずは参考にしようとAmazonで様々な自己出版書籍を見て回りました。そのとき、最初に気になったのは表紙のクオリティでした。ぱっと見て、その本を手に取ってみたいと思うより先に、まずは素人っぽさが目に付いてしまって、何とも言えない寂しさを感じたものです。

実はここだけの話、一冊目の本をリリースした2012年、僕は他のセルフ作家さんの作品には全く興味がありませんでした。というより、自分の小説を出すことだけにしか興味がなくて、ストアに並んでいるセルフ作家の作品を「読む」という発想がまるでなかったのです。いやあ、ひどいですねえ、それで自分の書いたものを「他人に買って欲しい」と思っていただなんて!

これを読んでくださっている方の中にも、セルフ作家の作品を未読の方がいらっしゃいますでしょうか?

それは、もったいない!

僕が初めて読んだセルフ作品は、澤俊之さんの『440Hz』でした。澤さんのセルフパブリッシング・ノウハウ本を先に読んでいて、その中に書いてあった『440Hz』の想定読者層が、あまりにも自分にぴったりとはまっていたからです。ノウハウ本を読んだだけで文章の上手い方だということは分かりましたから、初めてセルフ作家の小説を読むことに対する不安はありませんでした。

そして、そこで眼からウロコが落ちまくったのです。
これはすごい! もう、びっくりです。普通に書店に並んでいても全然おかしくないクオリティ。“ギター小説”という独特なジャンル、読者を引きつける滑らかな語り口に、スナップの効いた、でもストレートなストーリー。夢中で読んで、シリーズ物を読むようになりました。
そこから、色々なセルフ作家の方の本を読むようになり、それに伴って、Twitterなどで他の作家さんとの繋がりも出来ました。今では購入済みの商業作家の本をほっぽって、次々にセルフ作家さんの本を読んでいるほどです。
澤さんのお名前を出してしまったので、他にも僕の好きな方の名前をいくつか書いておきましょう。

・広橋悠さん:『妄想する子供たち』が最新作。はっきり言って大ファンです。「芥川賞レベル」と評していた方がいましたが、そう思えるほど文学的で美しい文体、表現力をお持ちだと思います。

・藤崎ほつまさん:『キミコロ』という青春推理小説が素晴らしく面白いです。KDPでは頻繁に話題になる作品の一つです。

・牛野小雪さん:今盛り上がっているは『ターンワールド』ですね。このブログでも感想を書かせて頂きました。

・新潟文楽工房 ヤマダマコトさん:最新作『山彦』中巻が発売になったばかり。この方の文章も、書店に並んでいて全く遜色のないものです。『山彦』はサンカという山の民族をテーマにした物語です。民俗学や文化の香り漂う文学作品ですが、エンタメ性も強く、わくわくドキドキが止まりません。

・王木亡一朗さん:『アワーミュージック』という短編集しかまだ読んでいませんが、端正で文学的な表現が素敵です。表紙のおしゃれさでも定評がありますね。

他にも面白いなあ、と思う作家さんはいますが、このくらいにしておきましょう。(僕が言及するまでもなく充分に有名な方々は省かせて頂いていますし、僕が知っているのはほんのごく一部。素敵な本を出されているセルフ作家さんは、それこそ何百人もいると思いますよ!)

ここでお名前をあげさせて頂いた作家さんの作品は、いずれも表紙が良いものばかりです。作品世界をイメージさせる表紙は、やはり無名作家の作品にとっては重要な要素だと、僕は思います。
(中には、「白地に文字のみ」という体裁でもヒット作があったりするようですが、作品が読まれるポイントは様々ですので、表紙が良ければ読まれる、という単純なものではありませんが)

さて、表紙の話に戻ります。

今でこそ、プロの方にお願いして素敵な表紙を作っているセルフ作家さんも多いですが、当時は《ワードで打った文字を四角で囲っただけ》《スナップ写真にとりあえず文字を乗っけてみた》レベルのものが多かったように思います。もちろん、それでもいいのですが、その場合、そこには一つの大事な要素が必要です。そう、デザインですね。
(澤さんの表紙はとてもシンプルなのものが多いですが、良いと思います。WEBのお仕事をなさっているだけあって、押さえるところはきちんと押さえたデザインになっていますね)

作家が自ら表紙を作るということは、デザインするということになります。美術やデザインの勉強をしたことがない方にとっては、頭の痛い作業なのではないかと思います。
僕は幸いデザインの専門教育を受けているので、グラフィックに関しては見る目があるつもりです。現役のグラフィックデザイナーではありませんが、アートディレクションが僕の商売の大部分なので。
(あ、自分の作ったモノに対してはちょっと評価が甘いかもしれません。そこは突っ込まないでくださいね。)

本来ならばこのブログで、少しずつ表紙デザインのノウハウを書いていこうと考えていました。でも、なかなかそれもままならず……。
たまたま、ある方の表紙画像にアドバイスさせて頂く機会があって(勝手に!)、少しだけお役に立てたかもしれないと思ったのです。それから、こんな方法もありかな、と思い付いてしまったのでした。(墓穴掘りまくりか?)
 

■ここで、ちょっと無謀なプランを立ててみました。

《先着10名様に表紙デザインの添削指導を行ってみよう》というものです。もちろん、お代は頂きませんし、見返りも求めません。セルフパブリッシング作品のクオリティアップが、セルフパブリッシング界の盛り上げに繋がると信じていますので。

見るポイントは、概ね下記の項目かなぁと思います。
・書体の選択、色、処理
・文字間、行間
・紙面全体でのレイアウトバランス
・画像の使い方、トリミング
・可読性と目立ち具合のバランス
我こそは、と思う方は、下記の要項をお読みの上、メールでご連絡くださいね。(10人なんてそうそう集まらない気がしますが……淡波じゃあなー、と思うひともいるでしょうし……)
 

【応募資格】

・セルフ作家であること、またはセルフパブリッシング準備中の非商業作家であること。
・対象は小説作品のみとします。実用書は含みませんので、ご注意ください。
・表紙はご自分で制作したものであること
・使用する写真や画像の著作権に利用上の問題が存在しないこと
→ご自分の作品、商業利用可能なパブリックドメインの画像、作者の許諾取得済み画像であること。もちろん、それがどういう経緯で作者さんの手元にあるのか、僕には分かりません。信頼だけがよりどころとなりますので、そこはご配慮ください。
・メールのほかに、Twitter、Google+などのアカウントを持ち、連絡が取れる手段が複数あること。
・淡波の赤字通りに表紙を作っても、売り上げが伸びる保証はまったくございません!
 そのことに同意してくださること。批判の材料にしないこと。
・自分としては、「そこそこ出来上がり」と思う表紙画像が既にあること。
 デザインできないので白紙とタイトルのみ、というものはNGとします。
 

【応募要項・必要な情報】

・作者名
・作品のタイトル
・作品の簡単な概要

・画像サイズ:1563×2500ピクセル、またはその50%程度に縮小したもの
(勝手ながらKDPの推奨サイズを基準とさせて頂きます)
 このサイズでないものは、その旨ご記入ください。
 画像をトリミングしている場合、全体の画像も合わせてご送付くださいますと、トリミングのバランスも添削できます。

・画像フォーマット:jpgまたはpng

・画像の容量:可能な限りメールで添付できるサイズ(10MB未満程度)にしてください。
 ご自分のサイトやFTPなど別の送付方法をお持ちの方は、容量に制限はありません。(常識と良識の範囲内で)

・送り先:awaあっとnewday-newlife.com
(あっとは@に置き換えてください。添削の戻しはメールへの返信で行ないます)
 

【添削の方法】

・表紙画像上に赤字を直接入れます。
・画像とは別途、その赤字の説明を書かせて頂きます。
・赤字の送付後、可能なら修正後の画像を再度ご送付ください。
 修正状態をチェックし、もっと良くなるポイントがあるかどうか検討します。

・表紙画像をご送付頂いてから、赤字の発送までには二週間程度掛かることがあると思われます。
 出版までのお時間に余裕を持って、ご送付くださいね。
 

【締め切り】

・特に締め切りは設けません。10名に達した時点で、このブログとTwitterでお知らせします。
 もしも応募数のカウントが間に合わなかった場合、締め切りのお知らせが遅れることもあるかと思います。その際はご容赦ください。

 
なお、もしも表紙画像に著作権上の問題が生じた際は、淡波亮作は一切の責任を持ちませんので、予めご了承ください。淡波亮作が行なうのは出来上がった表紙作品に対する添削のみで、画像に付随する一切の権限とは関わりがありません。

以上です。

それでは、奮ってご応募ください!

 

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

孤独の王の分冊版を出版

兼ねてからツイッターでは折りに触れアナウンスしてきましたが、原稿用紙にして千三百枚超の大長編古代史ファンタジー『孤独の王』を分冊化しました。(合冊版としてオリジナルもそのまま残します)
僕の本の中で一番買われているものなので、長いから読まれないということでは決してないとは思うのですが、いかんせん絶対数は少なすぎで……。
やはり、まずは人目に触れないことには手に取って貰えません。それで考えたのが、分冊化。本日、Amazonと楽天の両ストアに同時提出しました。
三部構成とし、楽天では第一部を無料に設定しています。
メリットは下記の三つくらいかな、と思います。

・長くないので、読むのに時間は掛からないかな、と思って頂ける
→手に取ってもらいやすくなる

・一冊あたりを比較的安価に設定でき、購入しやすくなる

・部分的に無料化できる。キャンペーンでなく永続無料化です。
もちろん、Amazonで無料設定は出来ませんので、出版と同時にプライスマッチの申請を行なう予定です。

なお、第二部、第三部は、ともに250円の設定としました。通常、250円にするのはKDPセレクトに登録することで70%の印税を確保するためだと思います。今回の場合は楽天でも同時刊行しますので、KDPセレクトには登録出来ません。過去既にこの本を買ってくださった方は450円を払ってくださっているので、分冊版の合計額を500円とし、先に作品を認めてくださった方が損した思いをせずに済むように、との考えもあります。
もちろん、作品にそれだけの価値があると信じての価格設定ではありますが。

さて、気になる表紙を公開しますね!

最近、僕の作品の定番になりつつある帯付きで登場です。
3DCGは便利ですね。いずれも今回の表紙のために起こし直した絵ですが、全て予告編からのシーン流用です。縦長の表紙のために、またそれぞれの雰囲気を高めるために色々と手を入れてはいますが、先日完結した短編集の表紙に比べれば遥かに少ない手間で出来ました。

せっかくですから、元となった予告編の画像と並べてみましょうか。

cover_分冊版_第一部s

今回の表紙よりかなり暗いですね。
映像版:今回の表紙よりかなり暗いですね。薄暗い中で腕環の石がきらりと光る様子を見せていたのです。

 

cover_分冊版_第二部s

第二部の表紙画像は、予告編では別々のアングルから分けて見せていたシーンを一つに合わせています。セニーロ少年の背後から、グロウノル王の天幕を望み見る形にしたのです。わくわくしますね!

こちらは表紙より明るくてよく見えますね。表紙ではあまりストーリーがはっきり分からないよう、ちょっと曖昧にしたのです。
映像版:こちらは表紙より明るくてよく見えますね。表紙ではあまりストーリーがはっきり分からないよう、木々で隠すことによってちょっと曖昧にしたのです。
こちらは逆にかなり暗いです。これでは何だかよく分からないので、表紙では明るく光を当てています。
映像版:こちらは逆にかなり暗いです。これでは動いていないと何だかよく分からないので、表紙では明るく光を当てています。

cover_分冊版_第三部s

映像版:第三部の表紙ではサブタイトルと合わせ、赤いイメージにしています。夕方の光が溢れる表紙は、予告編とは随分イメージが異なりますね。さあ、これから何が起こるのでしょう!?

 

Amazonでの第一部の価格設定は、当初99円になります。ボリュームに対してはかなり安い感じもしますが、すぐにプライスマッチで無料化する予定ですので、くれぐれもしばらくはポチらないでくださいね。
(いや、敢えて払いたいんだ。という奇特な方を止める気はありませんが……)

では、少しでも多くの方にこの物語が届きますように!

帯の効果は?

さて、作品に帯を付け始めて一週間。その効果は?
ということで、これまでの経緯を簡単に書きましょう。

スクリーンショット 2015-04-18 18.25.42

スクリーンショット 2015-04-18 18.33.59
これがキミコロ! 現在読書中です

まずはこれ。キミコロの藤崎ほつまさんのブログに表紙デザインのことが色々書かれているのを拝読。タイトルは『電子書籍は表紙が九割』。とてもためになりました。この時点では自分の作品に帯を付けることにはまだ慎重。『壁色のパステル』を最初に刊行するときは帯っぽいデザインも考えましたが、それってまずいんじゃない? という気がしてやっていませんでした。
で、今回のキミコロに入った素敵な帯の発見。

ちょうどその後で無料キャンペーンを開始した『希望の船』、表紙画像はこちら。悪くはないんですが、やはりちょっと地味な感じはします。特に、SFに興味のない人にはあまり響かないかな?

出だし好調だった無料キャンペーンですが……
出だし好調だった無料キャンペーンですが……

キミコロに触発され、この事態も予測して一念発起、帯デザインを行い、速効でAmazonさんに提出しました。(おぉ、なかなかの行動力!)
さらに、AmazonのKDPのヘッドである小菅さん(@yoshikosuge)インタビューでこんなことを仰っていたのを発見!

オフィシャルで推奨されていた!
オフィシャルで推奨されていた!

そして出来上がったのが、この帯付き表紙です。

牛野小雪氏に推薦文を寄せていただいたのです!

どうです?
ずっと目を引きますよね!
引き続き、こちらの本にも帯を追加。
スクリーンショット 2015-04-18 18.45.36

さらに、

だじゃれはご愛嬌
だじゃれはご愛嬌

『希望の船』は、この『ケプラーズ5213』の前日譚。巻末にはたっぷり試し読みを載せていますから、ケプラーズの販売ページに来てくださる可能性もある。よし、こっちもやっちゃおう。というわけです。これが表紙。

文字はちゃんと3DCGで作ったんですよ!
文字はちゃんと3DCGで作ったんですよ!

こちらは、新潟文楽工房ヤマダさんがブログで書いてくださったレビューを転載させて頂きました。ヤマダさん、素晴らしいレビューをありがとうございます!
あんなにお褒め頂いて、とろけました。

さて、帯追加後の効果は?

最近四冊の無料キャンペーン
最近四冊の無料キャンペーン

左から、『サタンと呼ばれた男』『五感の嘘』『希望の船』です。右端は、始まったばかりの『未来からの伝言』ですね。
サタン〜は、僕の短編としては標準的なレベルのDL数で、期間内に161冊。これを基準とすると、どうです? 効果、ありますよね。希望〜は348冊だったので、実に倍以上です!
実は、五感の嘘についてはキャンペーン途中で表紙とタイトルを入れ替えるという大実験(この件についてはこちらをご参照)を行い、そこで結構な効果が出ています。帯を追加することで、更なる効果が認められたということになりますか……。

いやあ、この間、何人もの方に応援、激励をいただきました。拡散もしていただき、その効果も大きかったのではないかと思います!
この場を借りまして、改めてお礼をさせていただきます。本当にありがとうございました!

そして、気になるのは昨晩から始まった『奇想短編集そののちの世界』、最後の連続無料キャンペーン『未来からの伝言』のDL数です。そうなんです。帯だけじゃあなあ、という感じが既にしています。(いや、もちろん内容には自信がありますし、表紙、タイトルも悪くないですよね!?)

推薦文はありませんが…
推薦文はありませんが…

ここにはもしかすると、二つのネガティブ・ファクターがあるかもしれません。

1.「完結編」、「最終巻」と書いていること。
→これによって、今までこのシリーズを読んだことのない人が躊躇するかも。
2.「賛否両論」と入れたこと。
→この『否』という言葉のネガティブ・イメージによって、クリックを止めてしまうかも。「あ、駄目だと言ってる人もいるのね。」という判断が下ってしまう可能性ですね。

タイトルはどうでしょう?
Amazonさんの販売ページで、なぜか《評論・文学研究》に分類されています。説教臭い感じ、自己啓発本的なイメージがしてしまうでしょうか??
普通のSFなんですよ、しかも結構エンターテイメント性の高い!

来週の前半まで、まだまだ無料キャンペーンは続きます。
一人でも多くの読者さんに届くといいのですが……。

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

タイトルと表紙を同時変更の件、続編。

このブログやTwitterでみっともない姿を晒してしまいましたが、短編集第八話の『五感の嘘(旧題:センス・オブ・デリカシー)』について、無料キャンペーンの顛末を書き残しておきたいと思います。

4/3(金)17:00、
無料キャンペーン開始。
夜半、あまりにDLが少ないことに気付く。表紙を差し替えようと決意。CGのシーン編集を開始。DL計12冊。

4/4(土)朝、
やはりDLが増えていない。買い物に行っている間に新しい表紙用CGをレンダリング。午後、コンポジットとレタッチを行い、表紙デザインを差し替え。
眠い。ePubを編集し、データを変換。Amazonに提出。

14:50、新表紙Ver.01が出版される。(Amazon上の表示がすぐ差し替わらず、正確な時間は不明)
ここまでDL数、20冊強。

17:08、表紙の差し替わりを確認。

20:52、タイトルを『五感の嘘』に変更し、再度Amazonに提出。DL増加。4/4の計、39冊

4/5(日)朝、
新表紙Ver.02が出版されているのを確認。
やはり表紙のデザインが気に入らず、再度色調を変更して差し替え、Amazonに提出。

17:02、新表紙Ver.03、最終版の出版を確認。4/4の計、88冊。

4/6(月)
35冊

4/7(火)
35冊、キャンペーン終盤、平日だが、いつものようにはDL数が落ちない。

4/8(水)
10冊、さすがに最終日はガクッと落ちる……。

五日間の合計で219冊。短編集では一番のDL数となりました。元が99円と安いだけに、あまり無料キャンペーンの効果は大きくないと思っていましたが、これだけ出れば少しは露出が上がるかなあとほのかに期待。
ブログとTwitterで変に騒いでしまった効果が出たのかもしれませんが、タイトルと表紙デザインを人目につ引やすいものに変更した効果も、決して低くはないと思います。最初の24時間は20冊ちょいしか行かなかったのですから。現実の世界に「もしも」はありませんし、実際に何も替えなかった場合と比較することはできないのですが。。

タイトル、表紙デザイン。とても大事です。それを再確認した一週間でした。

そして今週末からの五日間は、『そののちの世界』最後のKDP、KWL同時無料キャンペーンを行います。
対象作品は:
KDP『希望の船』、KWL『プロテイン・パック』です。
どちらも力を入れた作品です。とくに『希望の船』は、最大の自信作『ケプラーズ5213』の前日譚となっています。なぜ、どうやって超巨大宇宙船が建造され、遥か彼方へと旅立っていったのか、がスリリングに描かれます。
短編としては61ページ(巻末付録込み)と長めですが、ぐいぐい読める内容で、とってもお勧めです!
(SFの苦手な妻が、僕の予想の半分以下の時間で読み終わっていました。構成はちょっと複雑で、登場人物も多いのですが、読みやすい物語に仕上がったと思います)

『希望の船』を読んだ後は、短編集完結編の『未来からの伝言』に進むか、『ケプラーズ5213』に進むか、二通りの楽しみ方がありますよ。
ちなみに、巻末付録は『ケプラーズ5213』の冒頭から三章分。読み始めたら止められないこと請け合いです!

いっぽうKWLでキャンペーン展開の『プロテイン・パック』は、ほししんいちさん的な世界観から始まり、世界が軋みを立てていく様子が刻々と描かれます。
湿っぽさのない、カラッとした懐かしい未来が、あなたに読んでいただけるのを待っています。

 

どちらもお勧め。是非二冊とも読んでみてくださいね!
どちらもお勧め。是非二冊とも読んでみてくださいね!

 

では、金曜日をお楽しみに!!

最後に、ここでお気付きの方もいるかもしれません。同時キャンペーンなのに、KWLの話が出ていませんね。実はKWLではここのところ一切表示が更新されていないのです。前回の無料キャンペーン時にはDLしてくださった方が最低一人はいることを確認できたので、何がしかDLされていることは確か。ですが、今回のキャンペーンでも、ダウンロード数は一冊もカウントされていません。
恐らく、なのですが、KWLでは無料キャンペーンのDL統計は記録されないのではないでしょうか。ダッシュボードには「販売数」と「ダウンロード数(無料作品)」しか表示欄がないので、元が有料の作品については表示する欄がない。ということなのかもしれません……。

さて、この記事がいつか誰かの役に立ちますように!

タイトルと表紙を同時変更、の件

新旧表紙を並べてみました
新旧表紙を並べてみました

ご覧の通り、現在無料キャンペーン開催中の短編作品の表紙とタイトルを変更しました。右が旧版、左が新版ですね。どうしてこうなったかというと、キャンペーン開始時のダウンロード数がちっとも増えなかったためなのです。
これまでに行なったキャンペーンの中でも最低レベルだったため、冷静に、原因を分析してみたというわけです。
で、結論として辿り着いたのが、この二つ。

・小さく表示した時によく分からない地味めな表紙
・あまりなじみのない片仮名のタイトル

もちろん、旧版にした時もそれなりに合理的な理由がありました。

【表紙絵】
・高度に工業化され、高密度に集積された野菜生産工場のイメージ

これを表現するためには《何フロアにもわたって続く野菜工場を引きの絵》で、《象徴的なシンメトリ構図》で、という判断もまた間違ってはいなかったと思うのですが、ぱっと見て何だか分からない、という危険性の方が大きかったのですね。で、新しい表紙、《なんか、ロボットアームが植物を育ててるみたいだぞ》と一目で感じられるものに変更しました。ロボットの色も農業機械にありがちな赤にして少々目立たせています。物語中にはロボットは出て来ないのですが……。

【タイトル】
・物語冒頭に出てくる自称グルメなダメ男と本当に繊細な舌を持つ主人公の対比で、《(美)食の感覚》のような意味合いのタイトルを付けていました。

こちらは本当に作者の勝手な思い入れに過ぎず、多くの人が何のイメージも喚起できないタイトルだったと思います。しかも、物語は《食》に留まらず全ての五感へと広がっていきます。その五感がいままで信じていたものと違っていたら? という裏テーマを感じさせるもの、何かありそうだと感じさせるタイトルにしよう、ということで、『五感の嘘』に辿り着きました。

旧版についてもそれなりに検討した結果、最も良いと思われるものにしていたわけなのですが、それはそれ、これはこれ。《作者の思い》と読者にとって《喚起されるイメージの強さ》は別物、ということです。クライアントがいるCGの仕事だったらそこまで考えてビジュアルを判断するところですが、ここは個人の思い入れが先行してしまったため、そこに思い至らなかったのでした。作品を世に出す時は読者というクライアントを思い浮かべていなきゃな、と反省です。

ここで両方とも変更することで、その効果も分かるというもの。

キャンペーン開始から一日半と少し経過した現時点で、100DLを少々超えたところです。タイトルと表紙を変更した効果なのかどうか、はっきりとは分かりませんが、概ねいつもの水準に戻りつつあります。

表紙、タイトル、とても大事ですよね、というお話でした。

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!