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シンチョクとシンキョク!

こんばんは。
エイプリルフールですが、もう嘘は吐き疲れたので、平常運転でいきましょう。

まず進捗。

小説は、例の新作『イン・ザ・フォグ』をようやくiPad miniからMacに移し、ばらばらのテキストファイルで書いてきたものを1つにまとめました。章の順番もだいぶ決まってきて、ストーリー上の矛盾点も少しずつ解決しています。
が、まだ書き終わるまでは遠そうです。
データをまとめている中で、途中でブツリと終わっている章が発見されたり(笑)、ぜんぜん終わりは近くなかったです……。
文字数としては10万字をちょっと超えた程度です。最終的には12万字くらいになるかなあと考えていますので、分量としてはまずまずいいところまで来ているのですが。


と、いうところでまた浮気して、5千字程度の掌編を一本書いてしまいました。
SF作家米田淳一さんの作家生活20周年を記念したサプライズ・トリビュート本であり、SF雑誌『オルタニア』の特別増刊号でもある『ヨネタニア』のために書いてしまいました。
タイトルは『プリンドーム・プライマル』。知ってるひとは知っている、米田さんの商業時代からの代表作である『プリンセス・プラスティック』の、パロディーです。

実は、この雑誌のためには曲を作っていたため、作家としての参加はしない予定だったのです。でも、皆さんから原稿が集まってきて編集部員の立場で読んでいたら、急に自分も書きたくなってしまったのです。
だって、米田さん本人までも巧みに騙して原稿を書いてもらったりしたんですよ。この盛り上がりに乗らない手はない、と。
究極の内輪ノリですが、なかなかこんな機会はありませんからね!

電子版はBCCKSストアにて無料配信中です。

表紙を見てください、実に豪華じゃないですか!

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(参加者の数からして、いつものオルタニアより賑やかです!)


そしてもう一つの進捗──『Blender99』の第3巻についてです。
きっと淡波ログに来てくださる方は、そっちの方が気になっているのではないでしょうか……?

第3巻、WEB連載時に使用している動画の数が半端ないんですよ。静止画の図版がほとんどなくて、動画のオンパレード。
たしかにCG制作の参考に、と思うと動くものの方がいいと思います。
でも、電子書籍に動画を埋込むと再生できない場合が多くなってしまうため、それは出来ません。動画はリンクで入れるしかないので、書面が文字ばかりになってしまうんです……。

CGの参考書でそれはあまりに辛い。
そのため第3巻は、動画を分解した連続静止画を多用する構成になっています。もちろんせっかくの動画が見られないのもよくないですから、動画と静止画による説明と、どちらも見られるようにしています。

文章の書き直しや追加もかなりあり、ビジュアル面でもほとんどが作り直しという状況です。
先週の時点で連載時の文章はBCCKSエディタに入力し終わっていたのですが、そこからまあ、直すこと直すこと。

というわけで、現在の進捗は50%くらいでしょうか。
GW中に5巻まで出したいと秘かに思っていましたが、それはまるで無理のようです。今は何しろこの第3巻をまとめなきゃ、という段階です。


──で、次は新曲の話題です。
もう、お分かりですね。しつこいくらいにツイートしていましたしw

鉄研でいず_s
(画像をクリックすると、Google Play Storeに飛びます)

人物イラストがソメイヨシノ氏、宇宙のイラストが山田佳江氏、デザインが波野發作氏という贅沢なジャケットです。かっちょいいですね。
肝心の曲は、というと、かっちょいいというより、にやにや笑いが止まらないような歌です。
ぜひヘッドホンで、爆音でお聴きください!


いやー、「企画モノ」、実に楽しいです。
何か面白そうな企画があったら、ぜひ声を掛けてくださいね。
音楽でも小説でもヴィジュアルでも、喜んで参加しますので!

今日はそんなとこ。

じゃ、また!

【再放送連載2周目!】『さよなら、ロボット』エピローグ

本作の無料公開期間は終了しています。現在はAmazon専売となっていますため、連載本文も『お試し読みとしての第1話』に差し替えさせていただきました。ご了承下さい

今週は久し振りに淡波無料本の中でダントツ首位の『さよなら、ロボット』です。やはりツイッターなどでシェアしていただいた後は、読んでくださる方が増えますね。
「再放送」と題して連載しているこのシリーズも、いよいよ前回で本編の物語は終わりを迎えました。

今回は事件後のマサルと、アンロックされた母のライフログを追います。
そこにはもう一つ、世界の真実が……。
それから、あの人がどうなったのか、気になりますよね?

もしも第1回を見逃してしまったあなたのために、こちらにリンクを張りますね!
第1話『シード』
(このページのタグクラウドで「さよなら、ロボット」をクリックすれば、連載を辿れますよ)

それでは、前回のお話は、少しだけおさらいしてみましょう。
世界からはロボットたちが去り、そして、動物たちが戻ってきました。

 ロボットのCPUが生きた脳組織を必要としていたという事実は、永遠に闇に葬り去られた。そして、始めはアメリカ国内から、続いて世界各国で少しずつ、秘密の畜産農場の動物達が解放され、一般への供出が始まった。種の保存のため、各国に設けた米国立の施設で密かに育て続けられていたという宣伝文句に、疑いの目を向ける者はいなかった。猫が、犬が、小鳥の囀りが帰って来るのだ! 《食糧保全及び人類の保護に関する法律》によって地球上からペットがいなくなって以来、一六年が経っていた。

 狂騒の十年を経験して成熟した筈の人類は、結局何も成長していなかったのかも知れない。いつ、突然に牙を剥くかも分からない自らの科学技術を真の友にする日は、まだまだ遠い未来だったのだ。

では、続きをどうぞ。

『エピローグ』
『さよなら、ロボット』エピローグ

BiB/iの表示に不具合のある方用のPDFは、こちらです!
『さよなら、ロボット』エピローグ(PDF版は、書式などが若干異なることがあります。ご了承下さい)


いかがでしたか?

これで『さよなら、ロボット』はおしまいです。
長い間ご愛読下さいまして誠にありがとうございます。

もしもこの作品を気に入ってくださいましたら、他の物語もぜひ読んでみてくださいね。
無料のものもありますので!

このページの各種リンクのほか、こちらにAmazonの著者ページがございます。


今すぐ『さよなら、ロボット』をまとめて読み直したい!
というあなたは、Amazon Kindle Storeに急ぎましょうか!

【再放送連載2周目!】『さよなら、ロボット』第1話

本作の無料公開期間は終了しています。現在はAmazon専売となっていますため、連載本文も『お試し読みとしての第1話』のみとさせていただきました。ご了承下さい

さて、かねて予告していましたとおり、ぼくの代表作のひとつ『さよなら、ロボット』を淡波作品の入り口にしておくために、【再放送連載】を継続します。
(「再放送」って何? と思ったかたは、こちらの記事をご参照くださいませ)

この『さよなら、ロボット』は、ぼくにとって、とても愛着のある作品です。
初めて書いたSF作品ですし、『孤独の王』という大長編を書いている途中で、いろいろな理由で執筆が停滞している間に一気に書き終えた勢いのある作品なので、迷いなく結末へと突っ走る心地よさがあるかと思います。
物語自体は少々ひねくれていて、決してストレートではありませんが……。

2014年にAmazonさんで発売してから3年弱が経過し、現在は「期間限定」で無料公開しています。淡波作品に興味を持っていただくための最初の1冊に最適だと思ったからということもあります。

今夜はその第1話、『シード』です。

この『さよなら、ロボット』を読み始めて、挫折してしまう方の多くはこの第1話なのだろうと思います。
この物語はカクヨムさんにも掲載させて頂いていますが、第1話のアクセス数に対して第2話は半数以下です。
そこを乗り越えると、比較的先まで読んでいただける割合が上がっていくのですが。

どうしてそうなってしまうかと言うと、ここに残念で明快な答えがあります。

冒頭でロボットとの会話が多く、ロボットのセリフがカタカナで書かれているためとっつきにくい!

もう、これが全てではないかと思います。自分としては、ですが……。

物語の内容としては、決して導入に失敗しているということもないと思うのですよね。きっちり謎を提示していますし、先を知りたくなるような引きのある終わりかたにしていますから、第1話の最後まで読めば次を読みたくなる読者さんが多いと思うのです(あくまでも自分としては)。
恐らくは最初の1ページか2ページで読むのを止めてしまうケースが半数以上ではないかと思われ……。

これは今後改善すべきポイントかとも思いますが、実はカクヨムで公開する際にも同じことを考えていて、最初に電子書籍で出版したバージョンに比べて、ロボットのセリフをかなり削ったのです。
それでもこれですから、そもそも冒頭部分にロボットのカタカナセリフを固め打ちしたこと自体が間違いであったのかもしれません。

さて、この説明を読んでロボットのセリフを読む気が起きたか、それとも読み始める気が失せてしまったかは微妙なところですが……。

どうかどうか、おつきあいくださいませ!

第1話『シード』
『さよなら、ロボット』第1話

いかがでしたか?

次回も是非、おいでくださいね!

BiB/iの表示に不具合のある方用のPDFは、こちらです!
第1話『シード』(PDF版は、書式などが若干異なることがあります。ご了承下さい)


この物語は、毎週木曜日に1話ずつ掲載します。


もう待ちきれない!
というあなたは、Amazon Kindle Storeに急ぎましょうか!

味方を作る、参加者を作る

 


■今、いるところ


「読まれたい・見られたい・聴かれたい」
「見つけられたい!」
「いったん触れてもらえれば作品の良さを分かってもらえるはずなのに!」

これは、創作を行なっていて作品を発表しているのに、まだ認められていない、広がっていない誰もが思うことなのではないでしょうか。

ぼくもずっと、こんなことを思いながら自作の宣伝をしたり、創作仲間と話をしていました。
でも、周囲にいるのは自分と同じようなことをやっている人たちばかり。

何年も活動をしているとそれなりに周囲に知られ、それなりに作品が売れるようにもなります。
でも、それは「それなり」にすぎません。
年末が近づくにつれ、ことしも「大ブレイク」出来なかった(笑)という事実が、両肩にのしかかってくるのです。

やっぱり同業者ばかりと仲良くしていてもダメだよな。
そんな当たり前の事実が、改めて重みを持ってきます。

 


■「参加者を増やす」ってどういうことだろう


「巻き込む」と言ったほうが良いのかもしれません。今まで無関係だった他者を、参加者にする。そして、商品(もちろん、小説のことだけど、何に置き換えて読んでも構いません)を欲しくさせる。欲しくなってもらうということです。

先日、にしのあきひろさんのブログ記事を読んで、それを改めて強く感じました。
僕はテレビを見る習慣がないので、この方のことは新聞記事でしか存じ上げません。煙突の絵本を描いた人ということくらいしか知りません。
本業はコメディアンらしいということを知っている程度です。

彼がブログで言っていることに対して、
「そんなの当然だ。おれたちはずっとやってるぜ」
と思う人は多いかもしれない。でもね、ちょっと立ち止まってみませんか。
振り返ってみませんか。

「セルフ・パブリッシングの読み手=書き手だ」
よく、そう言われるのはご存知のことと思います。
だから、前述のブログ記事についても、似たようなものだと思い込んで斜め読みすることも出来ます。
でもね、それは大きく違うのです。

彼がやったことは、単に「絵本の描き手を自作に参加させる」ことではありません。

36人のスタッフを結集し、それぞれ得意分野を任せて自分は監督としてクオリティをコントロールする。
そこまでは、現在僕らがやっているセルパブ雑誌制作と大きな変わりはないでしょう。
確かに、「様々な絵本の描き手を自作に参加させた」ということです。

でも、そこから先は全く違いました。
彼は制作コストを回収するために、そして宣伝・販促に使うコストを得るために、クラウドファンディングという資金調達の仕組みを用いたわけです。一万人からコストを調達して、その一万人を「味方」に、「参加者」に、「当事者」に、してしまったわけです。

制作の過程をいろいろと公開して、資金を出した人が実際の制作に参加しているような気持ちにさせたようなのです。

自分が参加した作品は、買いたくなりますよね。
手元に置きたくなりますよね。
そして、他人に奨めたくなりますよね。

資金を出してもらった上で、お客さんにもなってもらえる。
これ、まさに目からウロコが落ちる考え方じゃないでしょうか。

僕らのオルタニアも、参加人数の数倍くらいは発売と同時に売れます。
(電子書籍は制作参加者の手元には無料で残せますから、その人数は除いて)

でも、そこから先が厳しいのですよね。
どんなに面白い小説が掲載されていても、評判が良くても、知らないものは買いようがありません。読みようがありませんもの。

ツイッターで宣伝ツイートをしても、それはチラ見されて流れていくだけ。
気がつかれずに、ただ流れ去って行くだけのケースの方が多いでしょう。
元から参加者の作品に興味があって、雑誌になったことでお得感が得られる人には、宣伝しなくても買ってもらえます。でも、興味がない人に興味を持ってもらうことって、本当に難しいものです。

 


■殻を破り、外に出よう


では、無名セルパブ作家の僕らに出来ることはなんでしょう?
クラウドファンディングで資金を調達して、紙本を作ることでしょうか?
知名度が致命的に足りない僕らに、お金を出す物好きがいるでしょうか?

きっと、お金を出してくれる人がいるとすれば同業者。作品を気に入ってくれている同業者くらいのものです。
セルパブ小説に、まだ純然たるファンはほぼ存在しないのですから。ゼロではないにしても。

自分の小説を気に入ってくれた人がいて、たまたまその人とSNSなどで会話するようになって、そうすると、実はその人も物書きだった。ということがあります。
だって、自分で小説を書いていない人が、他人のセルパブ小説に興味を持つことって本当に例外的な出来事なのですよ。
今のところ。

だから、「セルパブ界隈」と言われている小さな小さな世界で、僕らは自分の手足を喰らうイカのようなものです。
宣伝しても、それは、「世間の読書好きの一般人」には届きようがない。

彼ら、彼女らがこれから読みたい本を探す場所とは、繋がっていないのですから。

では、それはどこにあるのでしょう?

残念ながら、その明確な回答はまだありません。

多くの人がそれを模索して、なんとかして一般読者にセルパブ小説の面白さを知らしめるために活動しています。

商業本と遜色ない装丁で発刊されている『SF雑誌オルタニア』だって、そんな模索活動の一つです。
幸い、商業SF誌を読むような人々の一部に知ってもらえるような流れも少しだけ作れましたが、まだまだほんの入り口にすぎません。

「1円ライター・高級ライター」というライター界の流行語を生み出した〈コグチスミカ〉さんだって、そんな模索を行なっている一人でしょう。
セルパブ小説書きではなく、一般ライターの世界に殴り込みをかけたあの勇気が、「専業のプロではないけど、何とかして物書きでお金を稼いでいる私たち」の存在を、界隈の外へ知らせ、押し出したのです。

セルパブ本の情報を毎日つぶやいてくれているゆるキャラの〈ぶくにぇー〉だって、界隈の外に情報を届けようと努力しているに違いありません。彼(彼女?)が、ツイッターでの絡みにあまり応えてくれないのも、界隈の中に閉じこもることを避けて広い世間にセルパブ小説を届けようと考えているように思えてならないのです。

 


■僕自身のこと


実は、この淡波ログのサブタイトルは開設当初から「淡波亮作の作り方」です。
まったく無名の状態から、ブログ読者と一緒に淡波亮作という存在を創り上げていきたい。その過程をつぶさに見ていて欲しい。
という想いがこもっています。
まったく無名の僕がちょっとでも知られるようになれば、きっと初期からの読者さんは育ての親のような喜びを味わってくださると思うのですよね。
新しい作品が出たら、
「よしよし、そうか、よく頑張ったね。じゃあ、買ってやろうか」
と思ってくれるかもしれません。「かも」ですが。

そして、小説や文芸に無関係なことばかり記事にしているのも、界隈の外にいる普通の人たちに読んでもらいたいからです。
セルフ出版のノウハウなどばかりを書いていたら、セルフ出版に興味のない人がたまたまこのブログに立ち寄る可能性はゼロに近いでしょう。
その人たちが電子書籍を読むかどうか分かりません。本を読むかどうかも分かりません。
でも、Webで文章を読む習慣はあるかもしれません。それなら、電子書籍との親和性だって、ないことはないのです。きっと。

僕にはたまたま、プロのCG作家という別の顔があります。
元プロミュージシャンという顔もあります。

作家として興味を持ってもらうために、この二つは邪魔だと最初は考えていました。
「どうせ、いろいろやっている人は全て中途半端だ」
そう思われるのが恐かったからです。
でもね、そんなことはないのです。
CGは職業ですから、ガチです。半端な要素は一切ありません。
ミュージシャンは元職業ですから、これもガチです。まあ、売れなかったから撤退せざるを得なかったという意味では、半端者なんですが(笑。

小説は、職業以外でいちばん打ち込んでいるものです。
だからここにも、半端な要素が入る隙はないのです。
もちろん、小説のために映像を作ったりする時間を考えると、小説を書くこと以外には何もしていない人のペースには敵いませんが。

CGをテーマにした記事を書くのは、セルパブ小説界隈の外から一人でも多くの人を招き入れるため。
この淡波ログは、固定読者よりも検索流入読者のほうが多いのが特長のひとつです。まだまだビュー数は悲しいほど少ないですが、それでも、CGのことを調べたい人に役立ちそうな記事を増やすたびに、少しずつ訪問者も増えているように思います。
開設当初は訪問者ゼロ@日ということもありましたから、それを考えればものすごい進歩です。
それは、自分で狙って実現したことなのです(実現というほどではないけれど)。

そうやって来てくださった「いちげんさん」が、この場所で連載している小説に興味を持ってくださったり、固定読者になってくださったりすると最高なのですが……。

 


■今年も色々ありました


決して総括記事を書くつもりはなかったんですが、何となくそれっぽい感じになってしまいました。
小説関連の総括記事は、また書きますけれど。

何しろ、色々な雑誌や小説以外の電子書籍に参加させていただいたのがとても大きかった一年です。

これからも、少しでも多くの〈本好きな普通の人〉に届けるために奮闘し続けます。

これを読んでいるあなたも、一緒に頑張りましょうね!


それでは、また明晩!

ヘイ、9月のKUはどんなもんだった!?

セルパブ作家のみなさん、9月はどうでした?

KU(Kindle Unlimited=Amazonの読み放題サービス)が始まって2ヶ月が経過しました。

さて、出版社がかなりの読み放題本を引き上げ、お試し需要も一段落したKUですが、かなりの利用数低下が懸念されましたね。僕の場合はどうだったでしょう?
悪影響がなかったとは言えませんが、もろに受けた感じでもありません。
8月にどーんと増えたわけでもないので、山谷が小さいだけとも言えますが……。

では、まずは世間の出版社関連状況の観察から。
日本独立作家同盟理事長、鷹野凌さんのツイートを貼っておきますね。

いろいろと減少している中、アダルトの登録点数がかなり増加しています。
これは、アダルトカテゴリーで何百万ページも読まれたという方の存在が大きいのでしょうね。別のチャネルで売られていたアダルトコンテンツが大挙してKUに押し寄せたような感じでしょうか。

そうそう、8月のKENPのレートは多くの方が予測したような超低水準ではなく、0.5円@ページという比較的安心できる水準だったことも書き添えておきます。

では、僕個人の状況です。

KU開始後1ヶ月で書いたこの記事(KINDLE UNLIMITED、どうですかね?)と同じように、グラフ化して見てみましょうか。

先月のグラフに9月分を足しました。KENPページ単価は、仮に8月と同じ0.5円で入れています。

(まあ、単位は今回も内緒w)
(まあ、単位は今回も内緒w)

KENPページ数は8月の半分ほどになったものの、それ以前のページ数と比較すれば、特別低いものではないように思われます。印税額も、低い水準ではありながらもぎりぎり平常運転を維持、という感じでしょうか。

では次に、売上げ冊数と無料DL数の推移です。

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これもやはりKUの影響云々というより、長期的な傾向が大きいです。
これまで無料公開していた小説のうち、『壁色のパステル』と『夜啼く鳥』の無料を止めましたが、大きな悪影響は出ていないように思います。KUの影響だけで無料本のDL数が大きく減るということはなかったのではないかと思います。
もちろん、無料キャンペーンという飛び道具を使っていませんので、そのあたりの影響具合は計れないのですが。

最後に、印税額の推移です。
こちらはやはり、悲しいものがありますねえ。

kenp_1609_03

まあ、KUの影響はない。と言い切りたいところですが、やはり有料本の売上げは低いです。価格の高い本もほとんど動いていませんし、この1年以上で最低の印税額になりました。
でも、これからですよね、いろいろと。

10月は新SF雑誌『現実以外 -オルタニア-』も出ますし、それでちょっとだけ知名度が上がったりするかもしれないなんて、期待していたりなんかしています。
(期待してるだけじゃだめだ。自分で動くんだ!)

そんなこんなの今日この頃です。

じゃ、また明晩!

お伽噺連載『魔女と王様』第11話

今晩もこんばんは!

土曜日と水曜日は、お伽噺『とっても小さな九つの国』シリーズの第三部、『魔女と王様』の連載です。
今夜はその、第11話『待て、何者だ!』です。

ようやくエックエックの都にたどりついたニーダマを、厳しい声が呼び止めました。
ひと月の間に、いったい何が……。

さてはて、どうなるのやら!

第11話『待て、何者だ!』
『魔女と王様』第11話
(表紙の絵はまだダミーですよ……w)

いかがでしたか?

ニーダマのまわりに、お城の人たちが集まってきました。
どうやらこれで、分かってもらえそうですが……。

次回も楽しみですねっ!

BiB/iの表示に不具合のある方用のPDFは、こちらです!
[第11話]


本連載は、基本的に毎週土曜日と水曜日に1話ずつ掲載します。


『とっても小さな九つの国』の既刊シリーズはこちら!
(どちらも未読でも、『魔女と王様』はお楽しみいただけます)


初の連載小説にしてほんわかしたお伽話『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』。
大変好評を戴いた物語はそのままに、新たに描き下ろしの挿し絵を加えた電子書籍版です。もちろん、Kindle Unlimited対応ですから、会員の方は無料で読めますよっ!




本作は、ほんわかとしたお伽噺『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の五年後のお話。著者ブログに連載されたものに加筆修正し、全話の扉に描き下ろしの挿し絵を加えました。挿し絵の数は上下巻合わせてなんと93点!

可愛くなきゃだめですか?

先日たまたま、CG関連の方との会話を辿って和牛先生という有名なCG講師の方のTwitterアカウントに行き着きました。
Blenderのマニュアル本を(紙で)出版している方なのですが、プロフィールをたどったらAmazonへのリンクに行き着いたので、踏んでみて驚きました。

そこには、僕が昨年購入したポストカード絵本が掲載されていたのです。
当時は、これがBlenderで作られたものだなんて考えもしなかったのに!


ミニチュアの写真?
いや、CGと写真の合成かな?
くらいに思ったけど、深く考えることもなかったのですね。

うーん、甘い甘い。
よーく見ていれば、これがフルCGであることは分かったはずですし、著者名から検索すればBlender作品であることも分かったはずですから!

まあ、そこで今回の僕は考えたわけです。

こういうの、自分も作りたいなあ……と。
もともと、Kindleで電子書籍を作る時に、マニュアルの中に絵本などの作り方の説明があって、ずっと気になっていたのです。

これまでにいろいろとCGの絵を作っていますから、それらを集めた画集を作るのもいいなあと。
前述のもののようにストーリー性というか、それぞれの絵の関連性は低いですが。

そこで、妻にちょっと言ってみたところ、
「えぐいからねえ」と一言。

「あ」

ダメですかね?
可愛くないと、受けないですかね?

グロい絵が好きなひとがいれば、ひたすらかっちょいい絵が好きなひともいますよね。
まあ、僕のはいずれでもない……。

可愛くもない、グロくもない、かっちょよくもない……

「えぐい……」

そんなこんなで、今、CG画集を作るべくちょこちょこ過去のデータを再レンダリングしたりして、手を入れています。

どうですかね、
──可愛くなきゃ、ダメですか?

WEBページでも字下げしようか?

先日たまたま、WEBページ(しかもWordpress上)に載せた小説の字下げが出来ないという相談を受けました。

ふだんKDPのような縦書き電子書籍ベースで活動していると、やっぱり小説の体裁は出来る限り紙の本に近いものにしたいと思いますよね。

僕も、Wordpressでこのブログを始めた時は、記事の文章も字下げしたいと思っていたし、特に小説だったら、やっぱり段落の始まりは字下げしないと落ち着かないものです。

でも、Wordpressで文章を書いていると、行頭に入れたスペースは勝手に削除されてしまうのですよね。書いている時はちゃんと字下げされて見えていても、保存する時にシステム側が勝手に削除してしまいます。

その時僕はいくつかの方法を試してみたのですが、Wordpress上に元から用意されている書式設定では、字下げをすることはできませんでした。

Wordpressの書式設定ボタン
WordPressの書式設定ボタン

この中に《インデントを追加》という機能があるのですが、これは見ての通り、段落全体を右に下げるものです。
(まさに、この段落がそうです)。

はい、もう皆さんは気がついてくださいましたね。そうです。今回の記事は段落の始めにちゃんと字下げされていますよね(よね? 自信なさげに……)。

これは、Wordpressの《css編集》機能でちょっとだけ書式をカスタマイズして実現しました。どうしてこれを思いついたかって? 答えを言えば簡単です。電子書籍のフォーマットはepub。そして、epubの中には《xhtml》というファイルが格納されています。これ、WEBページを作成するHTMLを拡張したものですから、中身はほとんど一緒なのです。epubの書式もWEBページと同様にcssを用いていますので、「これを流用したら、もしかして出来ちゃうんじゃなかろうか?」と思ってやってみたら、バッチリ出来たというわけなのです。

管理画面内、こちらのメニューから開きます
管理画面内、こちらのメニューから開きます

 

《CSSスタイルエディター》内で記述するのはこれだけ
《CSSスタイルエディター》内で記述するのはこれだけ

 

そして本文は、このようにPタグを指定して、記載します。

スクリーンショット 2016-07-23 20.30.23

この方法、別にWordpressに限ったことではありません。WEBページはHTMLとcssで作るのが基本ですから(あくまでも基本ですが)、いろいろなところで使える簡単なテクニックかと思います。

ただしこの方法は、あくまでもPタグで区切る。つまり、段落を変更する必要があります。そうすると、字下げをした時には必ず空行が一行出来てしまいますので、短い文章で頻繁に字下げしたいような場合には、残念ながら向かないでしょう。

もし、ブログやご自分のWEBサイトなどで字下げをしたくなったら、試してみてはいかがでしょうか?

では、本日はこれまで!

この記事がいつか、誰かの役に立ちますように!

よし、準備は万端整いつつある(!?)

珍しく強気(?)のタイトルを付けてみましたが、何のことだかはもうお分かりですよね?
ね?

これまでずっと出版準備中と称して推敲・校閲・絵の描き直しに邁進していた『ルルルとリリリ』。
とうとう、もう直せるところがなくなりました。
(もちろん、間違いがもうない、という意味ではないんですけどねぇ)

この淡波ログのヘッダにも掲載していますが、既に『太陽の子孫』の表紙リニューアル&内容修正版は、7/7の発売と決定しました。そして連載終了から2ヶ月半も経ってしまった『ルルルとリリリ』ですが、こちらもいよいよ7/7発売に決定することにしました。
(言い方が回りくどい……だって、まだ完璧には完成してないんだもの)

結局、今週も予定になかった2点の絵を描き直し、いや、3点だ。手描きで修正を入れたものが2点……。もちろん、100ヶ所を超える文字修正も全て反映し、もう1周し、更に入った修正も反映し、ようやくepubデータの準備も整いました。

発売前最後の『ルルルとリリリ』情報は、上下巻の表紙を並べて公開、といきましょう。
covers

はい、ここで気づきましたね?

シリーズタイトルの『とっても小さな九つの国』ですが、番号が2と3になっています。当然、1は『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』なのですが、表紙に統一性がないのはいやですよね。そのため、急遽エビネルさんのほうの表紙もリニューアルすることに相成りました。エビネルさんの表紙絵はモノクロ線画のみでしたから、これはちょっと寂しい。

発売日がどんどん迫る中、またもや追加工事が出てしまったわけですが……。何とかなるかな、なりますよね。

さて、7/7に出る淡波作品は、

『ルルルとリリリ』の上下巻(新刊)
『太陽の子孫』(リニューアル版)
『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』(表紙リニューアル版)

ということで、全4冊になります。
(マジで、間に合うのか──)

さあさあ、乞う、ご期待!

今週の一枚──デジタルの恩恵にあずかる

ようやっと『ルルルとリリリ』の発売が秒読み段階になってきたのですが、今週も挿し絵を3枚修正しました。
1枚はもう完全に描き直さないとNGなレベルだったのですが、あとの2枚はデジタルで修正するという今どきの技を使ってしまいました……。

どっちが修正前でどっちが修正後かは、言うまでもないですね──
どっちが修正前でどっちが修正後かは、言うまでもないですね──

 

まあ、これで格段に上手い絵になったかというと全然そんなことはないのですが、これ以上やり直しが増えるともう発売できないような気もしてきました。
一発で納得出来る絵を描けることもあれば、何度描き直してもダメなものもあります。内容を考えるところからやり直すという手もあるのですが、今回はデジタルの恩恵にあずかることにしてみました。

とにかくなんとかして、《最低限の合格点》を付けられるものにしていかないことには、先の予定も全然立たないですからねえ……。

章のタイトルが『ずるいぞ、卑怯者!』というのも何だか微妙ですが、別に自分を卑怯者だと思っているわけではないですよ。

最初からデジタルで描く場合は、途中段階で形を修正したり、部分的に拡大縮小回転移動……して整えるなんてことは普通に行なうことですからねえ。手描きだとゼロからやり直すしかないのが本当ですが、電子書籍のための挿し絵で最終的にはデジタルデータになるわけです。しかも、扉絵にするために多少の加工はしますから、「デジタルでは手を入れないぞ!」みたいなこだわりも、あまり意味がないとも言えますし。

さてさて、残りはあと1枚。いつになったら発売日決定の告知を出来ることやら──。

では、また明晩!