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MANUEL BASTIONI LABを使おう! その27:いよいよVer.1.61だっ!

さてさて、先週鼻の差で公開されたVer1.61ですが、もう皆さんはお使いになりましたか?
僕もようやくインストールして使い始めたところです。
(ダウンロードはこちらから

さて、ここで早速1つ、注意点があります。

以前のバージョンアップでもそうだったような気がしますが、このManuel Bationi Labは、旧バージョンのデータが残っているとインストールしても動作しないことがあります。インストール時に意味不明なPythonエラーが出て困ってしまったひと、原因はここですよ!

まず、Ver1.6をリムーブして、Blenderを再起動しここ重要!、更な状態になっているのを確認してからインストールしましょう。

はい。
ちゃんと動きましたね。

では、大幅にアップデートされた内容を見ていきましょう。

新機能としてリリースノートに書かれているのは、以下の8つ。

・Assets library, with four hair models
 アセットのライブラリー化。4種の髪の毛形状を含む!
 しかもこれ、将来的にどんどん拡充するとのことです!

・Automatic transfer of rigging weights from body to proxy
 リギング(つまり骨設定)の頂点ウェイトを、プロキシ(つまり服や髪の毛)に自動転送!

・Improvement of human base models
 人体モデルのベースを改善! →いつもの、「解剖学的により正しい」というやつですね。

・Improvement of proxy fitting process using a subset of polygons
 ポリゴンのサブセットを用い、プロキシをフィットさせる工程を改善!

・Human hair shader for Cycles
 Cycles用のヘアシェーダーを実装!

・Toon hair shader for Cycles
 Cycles用のトゥーン・ヘアシェーダーを実装!

・Custom name for finalized characters
 ファイナライズしたキャラクターに、カスタムで名前を付けられるように!

・Expressions parameter for eyes rotations
 眼の回転が、表情設定として行える!

たっくさんありますねえ!
これ以上便利になると、人体を自分でモデリングするモチベーションがますます下がってしまいそうです(笑


髪形は、この四種。
・女性用ポニーテール
・古風な男性ヘア(なんじゃそれ
・アニメ女子用ショートヘア
・アニメ男子用ショートヘア
それぞれの髪形は、タイプが違うモデルには使用出来ないそうです。つまり、キャラクターのカテゴリーが決まったら髪形も1種類の固定になっちゃうということです。まあ、贅沢は言っちゃいけません。将来的に拡充する計画なんだし。

順に見ていきましょう!

まずは基本の「北欧お姉さん」でスタート。
161_01

おっと、ここでいきなり引っ掛かります。

髪の毛を出すためのメニューが、どこにも見当たりません!
髪の毛を出すためのメニューが、どこにも見当たりません!

髪の毛全種類どころか、どうやって髪の毛を出すのか分からない。
さすが、マニュエルさん、今回もやってくれます。きっちり僕の出番を残しておいてくれたわけですね!

……簡単でした。
前回もたしか同じところで引っ掛かりましたね。
プロキシを適用するためには、モデリングを確定して、「ファイナライズ」を行う必要があります。
すると、メニューに「アセット」が現れるのです。
161_03
 

アセットの中から現在のモデルに合う髪の毛を選択し、ロードボタンを押します。

161_04
ほら、こんなに簡単に髪の毛が出来ちゃった!

でも、ちょっとアップにしてみると……

耳のところ、髪の毛が突き出てしまってます。
耳のところ、髪の毛が突き出てしまってます。
GIFアニメが再生しない場合はクリックしてください

覚えていますか?
こういう場合に自動修正してくれるのが、「プロキシ・フィット」ツールでしたよね。

人体と髪の毛を選択して、「Fit Proxy」ボタンを押すと、ほらこのとおり! 耳の部分がきれいに直りました。
人体と髪の毛を選択して、「Fit Proxy」ボタンを押すと、ほらこのとおり!
耳の部分がきれいに直りました。

(まあ、ほんのちょっと被ってますけど、これくらいなら全然オッケーの範囲ですよね)

男性です。
高身長のエルフにしてみました。

髪の毛を加えた時はかなり下の方にあります。プロキシをフィットさせると、ちゃんと頭に乗っかりました!
髪の毛を加えた時はかなり下の方にあります。プロキシをフィットさせると、ちゃんと頭に乗っかりました!

ちなみに、アニメヘアをエルフさんに乗せようとすると……

ぜんぜんフィットしません。
ぜんぜんフィットしません。三角マークで「このヘアは選択したキャラ用に作られたものではありません」とメッセージが出ていますね。

アニメキャラとリアル人物ではトポロジーが異なりますし(頂点の数、構成が違いますね)、そもそもモデリングの手法もシェーダーもまったく違うので、無理やり当てはめる意味はなさそうです。

残りのアニメ少女ヘアはこんな感じです。


 
シャドウに反射、輪郭線の感じもいいですね。

新機能の2つめと4つめにあたる「リギング頂点ウェート自動転送」は、ポーズを変えてもプロキシの形状がしっかり変形されて付いてくる、ということ。前バージョンでは、ポーズを変更するたびにフィットし直さなければなりませんでした。今回のバージョンからは、ボーンを動かすとプロキシも追従します。
つまり、服や髪の毛がちゃんと付いてくるアニメーションを作成出来るようになったというわけです!

3つめは、いつものやつですね。素人目には違いがよくわかりませんが、より「解剖学的に正しい人体」の形状に近付いた。のでしょう。

5つめ、6つめがヘアシェーダーでしたね。
アニメは先ほど見たので、リアルのヘアを見てみましょう。

161_10
シェーダーのネットワーク全体を見ると、こんな感じ。
重要なのは、「main Color」ですね。
カラー設定と実際の髪の毛の色が同じになっています。
161_11

髪の毛の色の編集は、こんなに簡単。


 

これは便利ですね。
ノードエディターで立った1つのパラメーターをいじるだけで、簡単に色を変えることが出来ます!

一方、アニメ調ヘアのシェーダーはパラメーターが複雑。
見栄えの全てをコントロール出来ます。


 
面白いですね!
どのパラメーターが何をコントロールしているか、まあこれは説明の必要はありませんよね。理屈より、結果の見栄えでいじれば良いのではないでしょうか。

7つめ、ファイナライズしたキャラへのカスタムネーム設定です。
キャラクターを作ってファイナライズすると、Manuel Labでは「MBlab_bd1517132758.466452」のような名前(パラメーターの数字を元にしたユニークなランダム数字)がメッシュに付けられます。
これでは分かりづらいですよね。

ファイナライズ時に名前を付けると……
ファイナライズ時に名前を付けると……
オブジェクト名、ボーン名としてそれぞれ設定されます。
オブジェクト名(ボーン名にも!)として設定されます。

最後、目の表情ですね。
Jamesくんの動画でどうぞ。


 

眼の回転に合わせて、ちゃんとまぶたやら周囲の皮膚が動いています。これはリアルな動きですね。
いやあ、もうこれだけで何かドラマが出来ちゃいそうです!

さてさて、今回のバージョンアップもなかなかに凄いです。
次はどんな進化を見せてくれるのか、ほんとうに先が楽しみなアドオンです。
Blenderユーザーで良かったなあ!!

では最後に、アイキャッチ画像では見えない金髪女性の指先の表情も分かる画像をどうぞ(笑
いい雰囲気でしょ?
161_eyecatch

では、またバージョンアップした時に!

Happy Bationing !!!

Manuel Lab 1.6特集-3(MANUEL BASTIONI LABを使おう! その26)

先週、先々週に引き続きまして、Manuel Bastioni Lab Ver.1.6の新機能を紹介します。

え、それって何? というあなたへ、簡単な解説を。

マニュエル・バッショーニ・ラボ(通称「マニュエル・ラボ」としてます)は、BlenderのAdd-on(つまりプラグイン・ソフト)で、人体モデリングを効率良く行う高機能なシステムです。
特徴:
1.かの有名な「Make Human」の開発者の一人でもあるManuel Bastioni氏が、さらなる高みを目指してBlender内部で動くソフトとして開発
2.Blenderとの統合が進み、ボーンはもちろん、マテリアル、ライティングまでそのまま使える
3.先進的なオートモデリングシステムを実装
4.プロキシの仕組みを使い、Blender内や外部ソフトで作成した衣服を簡単に組み込める

もっとたくさんあるのですが、書き切れないので割愛します。詳しく知りたい方は、このシリーズを頭から読む、という方法もありますね!


今回の特集は、残りの2つです。

Big improvement in usability and algorithm of proxies.

使い勝手の大幅な改善。プロキシシステム(洋服を着せたりするシステム)の大幅な改善!

New fantasy targets.

新たな『ファンタジー』キャラ用のターゲットを追加。

 

最後の一つが未だにどんな機能なのかわからないのですが、まあいじっているうちに分かるかもしれませんし、分からなかったら誰か教えてください(笑

では、スタート。

プロキシシステムを使うには、まず服がないと出来ませんね。
先日発売した小説の表紙に使ったモデルの服を流用して使うことにします。
飛ぶ夢Cover_s

用意しましたのがこちらの服です。
163_01

え、欲しいですか?
こんなので良かったら、どうぞこちらからダウンロードしてくださいね!
(無償といえど、とても人様にお見せ出来るものではなかったので、少々手直しを入れましたが)

さあ、作業開始!

Blenderを起動したらデフォルトキューブを削除し、お好きなタイプのキャラクターを作成します。
(もちろん、女性が前提ですよ)

 

服のファイルから、服のグループをアペンドします。
(グループをアペンドすれば、マテリアルなど必要な情報も同時についてきます)

読み込んだ服の位置と大きさを、適宜調整します。
必ずエディットモードで行ってください。オブジェクトモードで行うと服の原点がずれてしまい、プロキシシステムを適用したときにモデルとの位置がずれてしまいますので。
163_06
これでだいたいの形は合いました。
でも、胸が飛び出てしまったりして、ぴったりは合いませんでした。

ちなみに、胸の先にポチッと出ているのはボーンの先ですよ(笑
紛らわしいので、今は非表示にしておきましょう。
163_04

プロキシシステムを使うためには、ファイナライズ処理をする必要があります。
ファイナライズを行うとモデリング作業が完了したということになりますので、もうモデルの種類などは変更出来ません。
163_05

プロキシシステムを適用します。
胸のはみ出した部分は覆い切れないので、マニュエル・ラボ用のマスクを用いて頂点を隠すことが出来ます。
オブジェクトデータのタブを開くと「mbastlab_mask」が選択されています。エディットモードに入り、更に隠したい頂点を選択して「Assign(適用)」ボタンを押します。
オブジェクトモードに戻ると、胸が隠されているのが分かります。
163_07
〈最後に少し微調整〉
服との境目など、マスクで隠してしまうと不自然な場所にある頂点は、手作業で編集します。
プロキシシステムを適用後は、エディットモードでポリゴンなど移動してもリアルタイムでは反映されません。
オブジェクトモードと行き来しながら少しずつ調整します。

163_08

マテリアル表示にしてみました。
一見いい感じに出来ていますが、よく見ると服と肌が接する部分など、穴が空いたり真っ黒になっています。
真っ黒になっているのは、元からモデルに適用されている「黒水着」部分ですね。
これは、全部選択して肌のマテリアルを当て直せば良いでしょう。


 

次に、穴あきを修正します。
(時々「Assign」と「Remove」を間違えたりして、動画はちょっと長めですが)


 
どうやら出来たようですね。

なお、少しだけ全体的にモデルがはみ出す時には「Offset」の調整で、フィットさせた服のポリゴンが交差するなどの問題が起きたときは、「Influence(影響度)」の値を調整することによっても、直すことが出来るようです。
163_11

では、せっかくですからいろいろなポーズをさせてみましょうか。
163_12

GIFアニメを見ると分かるように、操作は次の繰り返しです。

・ポーズを選択すると即適用される(少々待ちます)
・服がついてこないので、「Fit Proxy」ボタンを押す
・マスクで修正した突き出し部分が反映されないので、エディットモードに入る
・隠したいポリゴンが選択されていることを確認し、「Assign」ボタンを押す
・オブジェクトモードに戻る

かなりの追従性ですが、さすがに最後の平行棒ポーズは無理でした。

さて、公式ビデオでは、別の形状(ベースモデルは同じものに限る)の人体モデルにも簡単に適用出来るという説明があります。
現在の画面では出来ないので、それはどうやるのか、ちょっと調べてみました。

どうやら、いったんモデルを削除して再びイニシャライズ(「Init Charactor」)し、プロキシ(服など)を再度フィットさせれば良いようです。
結果がこちら。
GIFアニメは、元のモデルを削除したところからです。
163_13
この追従性、すごいですね。
脇腹のあたりなど、完璧に貼り付いたごとくフィットしています。

■秘密■
実は、この完璧さには秘密があります。
ここで使用している服のモデルデータは、基本的に同じトポロジーの人体を改造して作ったもの。
だから、頂点の配置が共通していて、動きに対する追従性が高いのです。
体にフィットした服を作成したいときには、体の形状をコピーして編集すると便利ですよ!

これで、かなり自在に使いこなせるようになったのではないかと思います。


最後の機能紹介はこちらでしたね。
New fantasy targets.

新たな『ファンタジー』キャラ用のターゲットを追加。

 

よく分からないので、2つのバージョンを同時に起動し、「Fantasy Female」を作成した直後の画面を比較してみました。
163_14

お、今さらながらですが、1.5ではポーズがレストポーズになっていませんね。レストポーズというメニュー自体がなかったのでした。
キャラクターの種類によってそれっぽいモデル立ちが1.5までの初期ポーズだったわけです。

「ターゲット」ということで頂点グループを比較してみましたが、新旧での違いはありませんでした。
163_15

体型のタイプはどうかと思って比べましたが、これも同じです。
163_16

っとまあ、順にキャプチャを載せていっても脳がないので、途中は端折ります。
──見つけました。

左が1.5、右が1.6です。 設定項目が倍に増えていますね!
左が1.5、右が1.6です。
設定項目が倍に増えていますね!

「ターゲット」なので、モデリング時の変形に使うパラメーターですね。

もうVer1.5は閉じて、新しい設定項目を見てみましょう。

なるほどなるほど。
エルフの耳はとんがり耳ですから、その形を詳細に調整出来るようになったのですね!

耳の新しい設定項目を試してみました。


 

おおおーっ。こりゃあいいですね!

次は歯。ヴァンパイアの歯に加えて、オークの歯が設定出来るようになりました。
オークの歯……どんな風になりますでしょうか?

163_19

これは素晴らしい!
歯が突き出すと同時に、しっかり受けアゴになって、口の周囲も形が変化しています。
これで、猫目エルフ耳のオークなんて変なクリーチャーも作り放題ですよ!


ということでお送りしてきましたManuel Lab 1.6特集ですが、今回を持ちましてミッション・コンプリーテッドとなりました。
でも、もうすぐ1.6.1(待望のヘアー機能搭載)がやって来ますからね、ぼーっとしてはいられません。

ではまたその時まで、サラヴァ!

Happy Bationing !!!

Manuel Lab 1.6特集-2(MANUEL BASTIONI LABを使おう! その25)

先週に引き続きまして、Manuel Bastioni Lab Ver.1.6の新機能を紹介します。

え、それって何? というあなたへ、簡単な解説を。

マニュエル・バッショーニ・ラボ(通称「マニュエル・ラボ」としてます)は、BlenderのAdd-on(つまりプラグイン・ソフト)で、人体モデリングを効率良く行う高機能なシステムです。
特徴:
1.かの有名な「Make Human」の開発者の一人でもあるManuel Bastioni氏が、さらなる高みを目指してBlender内部で動くソフトとして開発
2.Blenderとの統合が進み、ボーンはもちろん、マテリアル、ライティングまでそのまま使える
3.先進的なオートモデリングシステムを実装
4.プロキシの仕組みを使い、Blender内や外部ソフトで作成した衣服を簡単に組み込める

もっとたくさんあるのですが、書き切れないので割愛します。詳しく知りたい方は、このシリーズを頭から読む、という方法もありますね!


今回の特集は、この3つです。

Support for phonemes. Unified expressions for anime and humans.

『音素』をサポート。アニメキャラでも人間型でも、表情を統合。

Custom rest poses.

好みのレストポーズを設定出来るようになった。

Improvements in shaders and skeleton structure.

骨構造とシェーダーの改善。

【4. 音素のサポート】

では始めましょう、と言いたいところですが、まずは前回の補足から。

「複雑な表情」では、モデリング時にそれぞれの顔パーツの動きを見てました。
でも、Manuel Labの表情システムの真骨頂は、モデリング終了後にありました。
即ち、「ファイナライズ」を行った後で、表情の調整を行うのが本当のやり方でした。

今回の「音素」も含まれますので、まずはファイナライズしてみます。

北欧系27歳のファッションモデルさんに登場していただきました。北欧にしては色黒ですが。
北欧系27歳のファッションモデルさんに登場していただきました。北欧にしては色黒ですが。

ツールパネルの下から2番目に、ファイナライズ用のツールがあります。
ML_16_02
ボタンを押すと「どこに保存するか」聞いてきますので、適当なフォルダーを選択し、画面右上のこのボタンを押します。
ML_16_03
しばらく待つと、作成前と概ね同じ表示に戻ります。
ML_16_04
「Face Expressions」を開くと──
ML_16_05
凄い数の設定項目が現れました。
真ん中あたりから、「Phoneme_a_」などの項目がずらり。これが音素ですね。

音素の前に、いろいろな表情を作ってみました。


これ、楽しいです!

表情のパラメーターの上に、「Insert Keyframe」というボタンがあります。
これを押すと、その時点での表情がアニメーションデータとして保存されます。
画面の右側を見ると、「Shape Key」に登録された頂点情報がアニメーションキーとして保存(記録)されているのが分かります。
(項目が多いため、文字の周囲が緑色になっているのが見えるだけですが)

低画質ですが、レンダリングして動画に書き出してみました。


変化のさせ方が均等なので人工的な感じが激しいですが、キーを打つタイミングをきちんと調整すれば、これは相当に有効ですね!

続いて音素です。
アイウエオを喋らせてみます。


ちょっと控えめな感じがまたいいですね。
感情的な表現にしたければ、ある音の口の形を作った上で、表情のパラメーターを適度にブレンドしてやればばっちりです。
動画では、日本語の「え」の音の口の形を作ろうとして、「o」を少し混ぜてみています。
Blender標準のシェイプキーの仕組みに準拠しているので、複数のキーを混ぜるのも簡単なのですね。

先ほど同様に、低品質でレンダリング。


ちゃんと、喋ってるように見えますよね!


次、いきます。

【5. 好みのレストポーズ】
休憩レストポーズとは、何もしていない時のポーズ。通常は、ボーンを仕込んだり調整するときのポーズを指しますが、MB Labの場合は最初からボーンが仕込まれていますし、調整も不要です。
今ひとつ何のためにあるのか分かりませんが、この機能を、「いつでも外部に保存出来るポーズライブラリ」と考えても便利かもしれません。

扱いはきわめて簡単。 選択メニューに保存したものが出ないのは残念ですが、ここがどんどん肥大していくよりもファイルとして選べた方が良いとも考えられますね。
扱いはきわめて簡単。
選択メニューに保存したものが出ないのは残念ですが、ここがどんどん肥大していくよりもファイルとして選べた方が良いとも考えられますね。

本日の最後は、
【6. 骨構造とシェーダーの改善】

シェーダーについては、公式紹介動画から、キャプチャで抜粋してみました。
ML_16_09
歯の形状が更にリアル化されると共にシェーダーも更新されています。瞳には屈折とコースティクス(集光効果)が入り、さらに高度な表現が出来るようになっていますね。

骨について詳しいことは分かりませんが、前回も紹介したものと合わせてお読みくださればと。
前回、Bendy Boneについて書きました。あれはあれで大きく間違ってはいないと思いますが、Bendy Boneの主たる目的は、どちらかというと筋肉の表現のようですね。

最初は非表示になっているボーンレイヤーを表示すると、筋肉に沿うようにBendy Boneが配置されていることが分かります。
体格や年齢を大きく変化させてもこのボーンは追従し、筋肉の動きをきっちり表現してくれます。
いやあ、すごいですねえ!
ML_16_10

さて、いかがだったでしょうか。

本日の講義はここまでとします。

来週も、続きがありますので宜しくお願いしますです!

では、Happy Manueling!!

Manuel Lab 1.6特集!(お待たせしました:MANUEL BASTIONI LABを使おう! その24)

Ver.1.6公開からずいぶん時間が経ってしまいましたが、ようやくこちらで特集するチャンスがやって参りました。
(サボってただけじゃないか! って言わないで……)

今回のミソは、たしか表情とプロキシシステムの刷新、だったはず。

さっそくリリースノートを見て意訳してみましょう。

Basic muscle system, based on standard Blender bending bones, in order to offer the max portability.

様々なタイプのモデルにおけるシステムの可搬性(柔軟性)を最大限にするため、Blender標準に含まれているBending Bone(つまり、一本のボーン自体を曲げられる仕組み)を、基本的な筋肉系システムに採用。ここでいうBending BoneはBlenderで言うところの「Bendy Bone」ですね。意味は同じです。

Inverse kinematic controllers for skeleton rigging.

骨のリグにIKコントローラーを実装。

Advanced mix algorithm to easily create complex expressions.

複雑な表情を作るための先進的な(頂点座標をミックスする)アルゴリズムを実装。

Support for phonemes. Unified expressions for anime and humans.

『音素』をサポート。アニメキャラでも人間型でも、表情を統合。

Custom rest poses.

好みのレストポーズを設定出来るようになった。

Improvements in anatomy of models.

解剖学上の改善(→これは毎回のようにありますね、お蔭でどんどんリアルな人物になります!)

Improvements in shaders and skeleton structure.

骨構造とシェーダーの改善。

Big improvement in usability and algorithm of proxies.

使い勝手の大幅な改善。プロキシシステム(洋服を着せたりするシステム)の大幅な改善!

New fantasy targets.

新たな『ファンタジー』キャラ用のターゲットを追加。

 


次に進む前に──
まだ持っていない方はこちらからDLしてくださいね。
もちろん、母艦のBlender同様に無料ですから!


さっそく一つずつ見ていこうと思いますが、なかなかに数が多いので、何回かに分けて連載していきましょう。

では──、

【1. Bendy Boneへの対応】
キャラクターを作成する前に、「Use Basic Mastles」にチェックを入れると良いかも。
ボーン表示が「B-Bone」になり、Bendyの分割具合が分かりやすくなりますので。
ML16_00
今までと同じ、Bendy Boneなしで肩と肘を動かしてみました。
ML16_01
 

次は一本のボーンをBendy Boneでそれぞれ5分割します。
ML16_02
 

この状態で曲げると──
関節の内側部分が若干自然な感じの変形になっているのがわかるかと思います。
(ここでは極端な例として5分割しましたが、実際に使うときは「曲り方」「減り込み方」をよく見て、ベストな分割を決めると良いでしょう)
ML16_03
 

曲げた状態で、Bendy Boneの分割数を変えて見ましょう。
1に下げた「骨が曲らない状態」と比べると、腕の形状に無理がなくなっていて効果が実感出来ますね。
ML16_04
 

【2. IKコントローラーを実装】
これは強力です!
「Use Inverse Kinematic」にチェックを入れます。
ML16_05
 

見てください、このIKコントローラーっぷりを!
見てください、このIKコントローラーっぷりを!

 

さっそく動かします。
まずは顔の向き。
ML16_07
あちこちいじってみましょう。
ML16_08
こんな簡単にポージング出来るなんて!
きっと、「解剖学上の改善」てやつの効果も出ているのでしょうね。
無理な動きをさせればさすがにポーズが壊れてしまいますが、この追従性なら、自由度は相当高そうです。

【3. 複雑な表情】
これも楽しみですよ。
見てください、このパラメーターの多さを!
ML16_09

いくつかいじってみましょう。


 

Manuel Labの表情設定、素晴らしいですねえ。なんて豊かな表情なのでしょう!

ここまで見てきたものだけでも、かなりいろいろ楽しめそうです。
「deglutition」なんていう「飲み込むときのノドの動き」だとか、
「お腹の張り具合」まで表情の要素として含まれています。
これなら、およそどんな表情でも作れそうな気がしますね!

と、いうことで前半三つを見てきましたが、続きは次回のお楽しみに致しましょう。

ではまた(多分)来週。

Happy Blending !!

〜おまけ〜
どうやら次のVer.1.6.1では、とうとう髪の毛のモデル・ライブラリ(基本的なものが何種類か)が付くようですね。まだ開発中とのことですが、いいところまで来ているようです。

Manuel Lab 1.5登場!(MANUEL BASTIONI LABを使おう! その23)

ええ、そうです。今回のVer.1.5も、チェックを怠っている間に公開されていましたとも……。

公開日は4月14日ですから、まあ10日ちょっとの遅延です。ま、良しとしましょうか。
WIP段階ではこまめにチェックしていたんですがねえ……。

前回の「その22」から、約5ヶ月が経過しています。その前回はVer.1.4登場の記事でしたから、5ヶ月ぶりのバージョンアップということになります。

さて、今回の目玉はというと……?

・人体の構造がより正確になり、モデル形状がアップデートされました

・テクスチャがよりリアルになり、特にディスプレイスメント用のマップがかなり良くなったそう
それによって、別途使っていたディティールマップは不要になったとのこと

・首、肩、胸筋、腹部においてトポロジーの最適化が進みました。口腔側面にも形状追加

・スキンシェーダーが進化し、2レイヤーで反射を設定出来るマテリアルに。年齢をプロシージャルで制御。眼や歯のシェーダーを改善

・モーションキャプチャーのファイル(.bvh)をサポート

・ボーンの捻りをサポート
(〈脇の下〉やあぐらをかいたときの〈足の付け根〉など、自然な変形になりました)

・その他、新しいポーズが追加されていたり、アニメキャラ形状やテクスチャ読み込み、プロキシツールのバグが修正されていたり……

今回も盛りだくさんのアップデートですね!

詳しくは、こちらのリリースノートをご覧下さい(英語ですが、画像たっぷりなのでアップデート内容は分かりやすいです)。

さっそく、デフォルト設定のキャラ(ヨーロッパ女性、33歳)を作成し、そのままレンダリングしてみました。

600×600ピクセルでCyclesのサンプル数は256です。これで51秒です。
これまでよりちょっとレンダリング時間が遅くなったかもしれませんね。

気になったので、バージョンを1つ前に戻して同じようなものをレンダリングしてみます。

ML15_02_1,4

これで47秒。まったく同じ設定ではないので単純には比べられませんが、8%ほど遅くなっていました。肌の艶感など、リアリティはかなり増していますが、やはり表現がアップした分、レンダリング時間は我慢しなければならないようです。

1.4と同じくらいのノイズに減らすため、サンプル数を倍の512にしてみました。レンダリング時間は1分48秒。このサイズでこの時間なら、まあ待てる限度内でしょうか……。

ちょっと肌の色が浅黒いし、表情が儚げな感じですね。0.1のバージョンアップで随分と変わるものです……
ちょっと肌の色が浅黒いし、表情が儚げな感じですね。0.1のバージョンアップで随分と変わるものです……

にしても、全体的なリアル感はかなり増していますね!
なんというか、存在感がかなりリアルです。1.4までのものはまだいかにもCGぽいというか、今回のものは全体のバランス、ポーズも含めてかなりリアルな人間のように感じられます。

指のSSS感は減っていますが、確かに1.4では光が通りすぎていたのかもしれません。とてもきれいで好きでしたが、現実的にはこんなに明るくはならないのでしょう。

と、思いましたが、ちょっと待ってください。
設定済みのスタジオライティングが変更になっているようですよ。ちょっと比較してみます。
ML15_04

Ver.1.4までは逆光で下から照らしていたライトがなくなり、全て上方向からの光になっています。確かに、あの下からのライトはちょっと違和感があったのですよね。これもまた、改善点ということなのでしょう。

改めて、Ver.1.5に1.4のライティング設定を読み込んだものでレンダリング。
ML15_06

 

全体が程よい感じに調整されています。肌の色がかなり異なるのは、これまでは2枚のテクスチャを重ねて色を出していたのが1枚のテクスチャで表現出来るようになったことが大きいようです。

Ver.1.4の肌テクスチャ:

肌の表面用、皮下用、ディティール用、顔色用+ディスプレイスメント用で、合計5枚ものテクスチャを使用していました。

 

Ver1.5の肌テクスチャ:

肌用のテクスチャは、ディフューズとディスプレイスメントの2枚だけ。これなら、肌の色を調整するのも簡単そうですね。

 

シェーダーの構造はそれぞれこんな感じ。
(複雑すぎて、キャプチャーでは文字も見えませんが……)

1.4nodes
こちらは1.4のもの。複雑すぎて、どこをいじったらよいのか分からないですね。
1.5nodes
こちらが1.5のもの。これだけシンプルになれば、ノードのパラメーター調整もしやすそうです。

 

いろいろとパラメーターをいじってみましたが、肌色を調整したいときは、やはりディフューズマップの色を変えるのが早そうです。最もお手軽な方法として、ディフューズマップを接続している「Color Map」の前に、「Hue Saturation Value」ノードをインサートしてみました。

こんな感じです。

ML15_07

上の設定でレンダリングしたのがこちら。明るくして再度を抑えています。

彩度を90%に落とし、明るさを120%にアップしています。
彩度を90%に落とし、明るさを120%にアップしています。

 

元がこちら
元がこちら

 

肌の話で誌面が尽きてしまいましたが(笑、最後に追加になったポーズのことを少しだけ……。

瞑想のポーズ。間接の捻りが追加されているので、足の付け根での不自然な変形がなく、とても自然なポーズになっています。

ML15_08

 

セクシーな座りポーズ。脇の下の筋肉の伸び方などを見ても、かなり自然です。

ML15_09

 

その他にもいろいろ新しいポーズがありますよ。一覧はこちら。

ML15_10

お、と思ったポーズがあったら、ぜひ試してみてくださいね!

では、今回はここまでです。


なお、本バージョンのテストはBlender 2.78bを用いています。最新バージョンの2.78cでなくとも、無事動作したことを追加で報告しておきますね。

今後もますます注目のManuel Lab、また何かニュースがあればこちらに記事を書かせていただきます。

その時まで、チャオ〜!

Manuel Lab 1.4降臨!(MANUEL BASTIONI LABを使おう! その22)

おっと、うっかりしている間に1.4が!

国内Blender界で一番のManuel Bationi Lab通を目指していた僕ですが、完全に見落としていました。
もうちょっと先だろうと思っていたVersion1.4が、なんととっくに出ていたではありませんか!

リリース日は11/4ですから、もう三週間近く経過していました。なんとも情けない!
1.3リリースからしばらく経って、そろそろかなあと思った頃は頻繁にサイトをチェックしていたのですがね、まあそんなものです。

毎回そうですが、ご本人作のビデオがばっちり新機能を網羅していますので、今回はまずこちらを見ていただきましょうか。

ポイントはこちら。

・モデルのタイプに、リアルなアニメキャラ、エルフ、それからドワーフが追加に
・UIがコンパクトで使いやすくなった(そのとき必要なパラメーターが自動で開く)
・年齢表現(18〜80歳)がよりリアルに
・トポロジーが進化(特に目の周りはフレキシブルさを保ちつつ、よりスムーズに)
・UVレイアウトを効率的に再配置(シンメトリーで画像修正もしやすくなった)
・アニメキャラ用のトゥーンシェーダーが進化(非対称のシェーディングでいい感じ)
・トゥーンシェーダーはエレガントなアニメリアルっぽい表現も
・400を超えるモデリングパラメーターはグループごとに整理されて使いやすく
・「ファンタジー・モディファイヤ」の実装で、牙、とんがり耳、猫目もできる
・プロキシツールの進化(どんなポーズ、タイプ、身長でもプロキシが追従)

いやあ、かなりのすごい進化です。毎回ながら。

なかでも、自分で作った洋服や髪形などを人体に紐付けられるプロキシツールの進化は注目ですね。

蛇足ながら、デフォルトの水着風コスチューム(裸だとなんなので、便宜的に黒くしてある部分)の形が変わりましたねw
swimsuit

これ、ちょっと色を着ければ水着を身に着けている風になるかなと思ってやってみたら……

「裸に色を塗った感」が増しただけでしたよ……。
「裸に色を塗った感」が増しただけでしたよ……。
ちなみに、今回のVer1.4はBlender2.77との互換性に少々問題があるそうです。2.77をお使いの方は、Manuel Lab 1.4をインストール前に、Blenderを2.78に上げておくと良いかと思います。

さて、ちょっとだけ新機能をいじってみましょうか。

まずは注目のファンタジーから(プロキシじゃなくてw)。

ファンタジー属性のパラメーターはこちら
ファンタジー属性のパラメーターはこちら

draq

こんなかわいい(?)吸血鬼から、
olddraq
こんなに恐ろしげな太っちょおばあさん吸血鬼まで、ワンタッチで出来てしまうわけです!

新しいモデルの選択肢は、前述のとおりファンタジーとアニメのリアリスティックが増えています。

models

 

ちなみに、エルフの女の子はこんな感じ。なんだか意地悪っぽくないですか?

elf
表情はSmileです……

 

ドワーフはこんな感じです(男しかありません)。こちらは背が小さくて筋肉質な以外に、取り立てて特徴的でもないです。まあ、髭を作るのは難しいですからね……。

プロレスラーっぽい?
プロレスラーっぽい?

 

さて、ではプロキシツールを試してみましょうね。

超いいかげんに作ったコスチュームを着せ、かつらをかぶせてみました。

合わせて15分で作った省エネモデルなので、間抜けさはご勘弁!

 

関連付けの方法は簡単。モデリングしたコスチュームを選択して、Proxyツールの「Calibrate Proxy」ボタンを押すだけです。一つずつ順番に。

では、poseモードで好きなポーズを選びましょう。


pose1

あれれ、服もかつらもついてきません!

でもご安心を。これは、Proxyツールの「Fit Proxy」ボタンを押していないからです。

pose2
(あ、誤字がある!)
ばっちにモデルポーズにフィットしました!
ばっちりモデルポーズにフィットしました。引っ張られてしわになってる感じまで出てますね!

 

続いて、どんどんポーズさせてみました。

pose4 pose5

こんなポーズでもばっちり追従します。今度のProxy Toolはすごいぞ!
こんなポーズでもばっちり追従します。今度のProxy Toolはすごいぞ!

 

どうです?

Manuel Lab 1.4、すごいですね。使いたくなりますね。

今すぐ公式ページでDLして、Blender2.78に入れましょう!
インストール方法は、こちらですよ。
(注意:どちらの回し者でもありませんので、念のため!)

ではまた!

MANUEL BASTIONI LABを使おう!(その21):Proxy機能

はい、どうも!
予告通りManuel Lab標準の(まだ実験段階の実装機能ではありますが)、Proxyを今日は見てみましょう。

まず、結論を先に:
──まだ、実用には早い。

って、どういうことかと言うと、現段階では、この機能はManuel Lab内でしか成立しません。つまり、MLでポーズを付ければ衣服が追従してくれます(追従しない場合はFit Proxyを叩く)が、ファイナライズしてからポージングやアニメーションを行なおうとすると、衣服がついて来ないんですよ。これは残念。
結局、ボーンへの紐付けを再度行なうことになります。
ML内でポージジングを完結させれば良いのですが、後でいじろうとする場合は、先日第16回で解説したように最初からボーンと紐づける方が「今のところは」良さそうです。

では、気を取り直して行きましょう。
ボルト3冠ということで、今回は黒人男性で。

C3_1

1.今回はMakeHumanから服を読み込みます。服だけを書き出すことは出来ない(多分)ので、見づらくならないようにMLのモデルを別レイヤーに逃がします。今回は、レイヤー11に逃がしました。モデルを選択してmキー、移動先のレイヤー□をクリックですね。

2.MakeHumanからmhx形式で書き出したデータを、インポートします。(たまたま今回はmhx形式を使いましたが、第16回同様にobj形式で構いません。というか、その方が簡単で良かったですね……)

3.シャツと短パン以外は不要なので、無情に削除します。ポーズモードではボーンが削除できないので、ボーンを削除する時はオブジェクトモードに出ます。目玉も消します。(objの場合はボーンがないはずなので、ボーンの削除工程は不要です)

4.今回使うボルトくん、なかなか筋肉隆々で、左右の太ももがくっついています。これだと短パンの形状合わせが出来ないので、「Characters library」の「Types」から、「type_lightbody」つまりやせ形を選択します。太ももが分離しました。

服のレイヤーを表示させると(Shift+レイヤーの□)……体と服が大きくずれてますね。これを合わせ込んでいきます。

2

 

1.まずは、ポーズをリセットします。これをしないと、Proxyツールが効きません(僕はこれを忘れていて失敗しました。この後のスクリーンショットがちょっとこのポーズと違いますが、そこはご了承をば……)。

2.シャツをeditモード(tabキー)にして全頂点を選択(aキーで選択/解除のトグル)、Z(=上)方向に移動(G, Z, マウスを上方向へ)します。オブジェクトの原点や拡大率などが変化してしまうと面倒なので、必ずeditモードで(これを修正する機能も1.3から付いたんですけど、ね)。

では、細かく見ていきます。

3
いつもどおり、実際に打つキーは小文字ですが、見やすいように大文字で書いています。頂点選択はワイヤーフレーム・モード(zキーで切り替え)で行ないましょう。

 

1.左右が同じ結果になるようにしたいので、ミラーリングします。そのためにまず、縦の中心線をX=0に揃えます。option+クリックでシャツのセンターにある頂点を全て選択、後ろ側も、Shift+option+クリックで選択します。

2.プロポーショナル変形ツールがオンになっていたら、オフにします。青い○のやつですね。頂点を真直ぐ縦に整列させるため、s(スケールツール)、x(x軸に移動方向を固定)、0(座標をゼロに揃える)の順でキーを押します。オレンジの線が真直ぐになりましたか?

3.縦線が真直ぐに整列していても、頂点の位置がX=0からずれていたらきれいにミラー出来ません。プロパティ・パネルでXのローケーション値を0に打ち直します。

4.aキーでいったん選択を解除し、bキーで矩形セレクトモードにします。先ほど整列した頂点のすぐ隣の列まで、全頂点を選択します。

5.xキーで頂点を削除します。

6.objectモードに出てモディファイヤ・パネルを見ると、服にはArmatureモディファイヤが適用されています。これがあるとProxyツールが効きませんので、x印のクリックで消します。

7.モディファイヤからMirrorを選択します。

シャツから体がはみ出てしまっているところがたくさんあるので、これを頂点編集して修正します。

4

1.全頂点を選択し、体の位置とシャツの位置を大まかに合わせます。移動するのは縦方向(=Z軸)のみです。

2.プロポーショナル・エディットをオンにします。

3.体がはみ出した部分の凹んだ頂点をクリックして選択し、移動、回転を用いながら体を隠すように頂点を移動します。マウスホイールで、編集の影響範囲を拡大縮小しながら行なうと便利です。

4.この時に気を付けなければいけないのは、ミラーの中心軸を動かさないようにすることです。X方向に頂点を移動する時は、体の中心線の頂点が動かないようにしましょう。

5.様々な方向から見ながら、体がシャツからはみ出たところを全て修正します。

続いて、短パンも同じようにやりましょう。今度はミラーリングしないでそのままやってみます。

5

1. ミラーリングはしていませんが、形状のセンターがずれてしまうのは好ましくありません。全体を移動するのは、Z(=高さ)とY(=奥行き)方向だけにします。

2.シャツと同様、頂点を移動して修正します。

満足できる状態になったら、いよいよProxyツールを使ってみましょう。

6

1.シャツを選択し、Calibrate Proxyボタンを押します。
(Ver.1.2では「Store Proxy」ボタンという名称でした)

2.短パンを選択し、同様にCalibrate Proxyボタンを押します。今のところ、一度に複数のProxyを設定することは出来ないようです。

3.ポーズツールで別ポーズにしてみます。衣服が追従しない場合は、「Fit Proxy」ボタンを押します。

ポーズを動かすと、どうしても衣服とのずれが生じて体がはみ出てしまうところが発生します。ここは、辛抱強く、再度頂点編集をして修正します。

さて、今回のチュートリアル、実際にやってくださる人っているのかな?
最初にダメだよって結論を書いていますからねえ。
まあ、読んで少しでも面白ければいいんですよ、作家ですから……。

うーむ。感想が欲しいところだけど……。

まあそんなところで今晩の記事は終了!

じゃ、また次回!

(そろそろネタが尽きます。次回は先になるかもですね)

MANUEL BASTIONI LABを使おう!(その20):1.3新機能─3

なんとまあ、このシリーズもとうとう20回を迎えました。
あまり分かりやすい解説とも言えませんが、いつも見てくださいましてありがとうございます。
今回も頑張って書きますよ!

では、

今回取り上げる新機能はこれです

  • カスタムで付けたポーズを保存、読み込み可能に
  • 作成済みモデルを再度初期化できるオプションを搭載
  • 瞳のサイズを変更可能に
  • 左右均等の立ちポーズ(=Tポーズ)を追加

ちなみに、《左右均等の立ちポーズ(=Tポーズ)を追加》については前回触れましたね。
順番にやってみましょう。

【カスタムで付けたポーズを保存、読み込み可能に】

まずは、いつものように基本のモデルを出しましょう。今回は、ヨーロッパ系の男性です。オリンピック中ということで、なんとなくそれっぽい色付けにしてみました。
athlete1

1.ポージングをさせるために、両足の間にある棒状のボーンを選択します。

触るとオレンジ色になります。実線がボーンです。
触るとオレンジ色になります。実線がボーンです。

2.右側の設定パネルから「skelton(人型アイコン)」のタブを開きます。

3.「Display」で、「Stick」になっている表示を「Octahedron」に変更。

4.X-Rayにチェックを入れます。

これで、動かしやすくなりました。
これで、見やすく、選択しやすくなりました。

5.現在は「Object」モードなので、「pose」モードに変更します。

6.ポーズを変更するには、各ボーンを回転させます。ボーンの向きと回転ギズモの向きが合っていないとうまく回転させられないので、向きをローカルに変更します。

13_pose1

7.もも上げです。もものボーンを選択し、回転ギズモの赤い輪をドラッグすると、動きます。

自動的に回転角が表示されていますね。
自動的に回転角が表示されていますね。

8.同じ要領で、作りたいポーズになるよう、それぞれのボーンを回転させます。

反対向きから見たり、「.」キーでアップにしながら回転させます。
反対向きから見たり、「.」キーでアップにしながら回転させます。

9.「Object」モードに戻すと、Manuel Labの設定パネルがまた現われます。Poseツールをチェックして設定を開き、「Save pose」ボタンをクリックします。

スクリーンショット 2016-08-16 10.27.50

ファイル名に「run」と付けました。
ファイル名に「run」と付けました。

10.試しにいったんEvil beastにポーズを変更(笑

強そう……
強そう……

11.Load poseから、先ほど保存したrunを選択すると……

スクリーンショット 2016-08-16 10.39.14

12.ちゃんと戻りました!

スクリーンショット 2016-08-16 10.39.25

13.モデルを消して、別の人にしてみます。アジア系の女の子です。

athlete_asiangirl1

14.この子に先ほどのrunポーズを読み込んでみましょう。

athlete_asiangirl2

おお、一瞬で出来ました。走ってます!
これで、一度作ったポーズはいつでも簡単に、新キャラクターに取らせることができるようになりましたねっ!
Manuel Labすごい!

次、いきますよ!

【作成済みモデルを再度初期化できるオプションを搭載】

読んで字のごとく、各種のパラメーターをいじったモデルを初期状態に戻すもの、のようですが、戻らないものもありました。

Characters Libraryの「Reset all」ボタンを押した時、どうなるか見てみました。

あちこちいじってみてからリセット

・表情はリセットされて初期状態に
・体型はCharacters Libraryの設定に
・ポリゴン編集をした場合、初期状態に戻る
(胸の形が裸っぽかったので、少しスムーズを掛けていましたが……)
・マテリアル設定は戻らない
(肌の色も、服に設定した範囲も変更なし)
・ポーズは戻らない

参考になりますでしょうか……。

では、三つめです。

【瞳のサイズを変更可能に】

これは簡単。
「Body Parameters」の「Morphing Categories」から、「Eyes」を選びます。その中にある「Eyes_IrisSize」がそれです。

eye1

標準の0.5、最小の0、最大の1です。
瞳が小さいと、神経質そうでちょっと怖い感じ。
瞳が大きいと、かわいらしい感じが出ます。
瞳のサイズだけでこんなに雰囲気が変わって、面白いですね。

瞳を大きくすると、「黒目がちの美少女」に!
瞳を大きくすると、「黒目がちの美少女」に!

さてさて、今回も楽しんでいただけましたでしょうか?

次回は、インポートしてきた衣服のデータを、Manuel LabのProxy機能を用いて着せる方法をやってみましょう。

では、また次回をお楽しみにっ!

MANUEL BASTIONI LABを使おう!(その19):1.3新機能─2

さて、最新バージョン1.3の新機能は、まだまだあります。今回は【血管・皺・腱】について見てみましょう。

とは言っても、《血管》などという設定項目は特にありません。リアルが信条のManuel Labですから、筋肉量の多い設定にすると自動的に血管や腱が浮き出し、年齢を上げていくと皺が刻まれます。
これを行なうのがDisplacement Mapです。

簡単に、解説します。

- Displacement Mapping -
 自分でポリゴンをモデリングして細かい形状を作るのではなく、貼り付けたテクスチャ画像の濃淡を形状の凸凹として自動的に形状を膨らませたり凹ませたりする機能。
 疑似的に明暗を付けて立体を複雑に見せるBump Mapとは異なり、実際に形状を細かく操作してくれます。
 Blenderの場合、あらかじめ形状を細かく分割してあれば複雑な立体になりますが、分割の少ないローポリゴン形状では、効果は出せません。そのため、形状データは重くなり、ビューポートでの操作も遅くなることがあります。

Manuel Labで筋肉量などに関連するパラメーターをいじると、内部で自動的にDisplacement Mapの画像を生成し、その画像を用いて凹凸を生成してくれます。

さっそく、その効果を見てみましょう。

標準体型(ただし、ヒーロータイプ)
筋トレ後!(tone=1, 筋肉量最大)
同じ筋肉量でやせ形に
同じ筋肉量でやせ形に (mass=-1)

いやあ、リアルですねえ、オリンピック選手みたいですねえ……。

次に、年齢を変えて顔を見てみます。

最も若い (age= -1)
最も若い (age= -1)
デフォルト (age= 0)
デフォルト (age= 0)
最も歳上 (age= 1)
最も歳上 (age= 1)

こちらもすごいリアルさです。ちなみに、今回のモデルは北欧系です。確かに、それっぽいです。

で、関係のあるパラメーターはこちら。

設定
(前回記事からの流用だったりして)

Character_ageを増やせば皺が増え、 Character_massを増やせば太ったことに関連するディティールが増し、減らせば痩せたことに関連する皺などのディティールが増します。Character_toneを増やせば筋肉量の増加と共に血管などが浮き出します。

シンプルですね。

そして、このパラメーターをリアルタイムで確認できるのが、Skin editor tools内にあるこの設定。

スクリーンショット 2016-08-07 11.26.58

設定を変更した後は、Update displacementボタンを押して画面表示に反映させます。

注意事項:プレビューに関しては表示させなくても構いませんが、「Update displacement」ボタンは必ず押してください。そうでないと、設定の効果がレンダリングに現われません。

Enable displacement previewがオンになっていないと、画面上では変化はありません。ちょっと言葉的にわかりづらいですが、「Enable」と書いてあれば、「有効化する」という意味なので、「今は無効」という意味になります。

subdivisionという言葉、今まで何度か出てきていますね。前回も書きましたが、これは、ポリゴンを自動的に(かつ滑らかに)細かく分割してくれる機能です。ローポリゴンだとdisplacementの効果が出ませんが、このsubdivision(=再分割曲面)によって、細かなディティールが表現されます。

つまり、両方をオンにしていると、動作が重くなります。でも、とてもリアルにプレビューされます。どちらもオフの場合でも、プレビューはされなくともレンダリングの際は効果が適用されます。なんとなく雰囲気がつかめた後は、プレビューはオフで構わないでしょう。

いかがでしょうか、作成したモデルが、更にリアルな感じになりましたよね!

さて、最後に、Manuel Labのドキュメントページの下の方に文字だけで書かれた、「その他の新機能」を(わかるところだけ)ちょっと訳しておきますね(これまでに触れたものは除きます)。

この中から、自分で試してみて面白そうなorためになりそうな機能を、次回は解説しようかなと思います。

その他の新機能

  • カスタムで付けたポーズを保存、読み込み可能に
  • 作成済みモデルを再度初期化できるオプションを搭載
  • 瞳のサイズを変更可能に
  • 首のカーブを設定可能に
  • 頬の膨らみと硬さを設定可能に
  • 左右均等の立ちポーズ(=Tポーズ)を追加

改善された機能

  • ファイナライズのボタンから、カスタムプロパティを削除
  • エラーと警告をコンソールにも表示しログファイルにも含ませるように
  • プロクシ(外部から読み込んだ服などをモデルに適用する機能)のパネルに、操作性を向上させるツール類を追加
  • 胸のモーフィング機能を改善
  • 表情のリセットボタンを追加

また、機能ではありませんが、GUIの改善や、様々なバグフィックスも行われています。
Manuel Labをお使いの方は、ぜひ、1.3へのバージョンアップをご検討のほどを──。


では、また次回!

MANUEL BASTIONI LABを使おう!(その18):1.3 キタ!

来ました来ました、待望のVer.1.3
まずは追加機能を並べましょう。

・Skin Shader
読んで字のごとく、肌の質感をつかさどる設定。目の色も自在に変えられるし、なんど細かな筋肉や血管の表現まで搭載されているのだ。

・Age
年齢の設定がつきました。パラメーターは0〜1なので、具体的に○歳、というのはないのですが。

・Cycles対応、Lighting設定搭載
ここは微妙です。初心者向けに敢えてBlender Internal前提でこれまではチュートリアルを書いてきましたから、自動的にCyclesに置き換わってしまう本バージョンは、微妙な面もあります。

では、起動後の画面を。

Cyclesを使うか、尋ねてくれる
Cyclesを使うか、尋ねてくれるので、チェックを外せば Blender Internalで今までと同じように使えます。

 

このままキャラクターを作成すると、こうなります。

スクリーンショット 2016-07-30 17.28.24

画面最上部を見ると、レンダラーがCyclesに変更されていることがわかります。

光源も複数設定されています。WEBサイトの説明を見ると、プロのスタジオ・ライティング・セット、となっています。うーむ、ちょっと微妙ですが、ね。

──ところでCyclesって何?
  Blenderに内蔵されている、もう一つのレンダラー(CGデータを画像化するための計算を行なう心臓部)。光や影、質感の設定など、見栄えに関わるすべてがレンダラーによって計算されます。標準で設定されているBlender Internalは古いタイプのレンダラーですが、計算が速く、凝ったことをやろうとしない限りややこしいことがありません。初心者が計算能力の高くないパソコンでCGを作る時には、まだまだこちらの方が向いているのです。
  Cyclesは最新の技術を搭載した、フォトリアルな画像を作れる素晴らしいレンダラーです。でも、パソコンの計算負荷は非常に高く、短時間ではノイズだらけの画像しか得られませんし、初期値では更に時間のかかるパラメーター設定になっている(その分、時間をかければリアルになる)ので、ちょっとお薦めしづらい部分があるのです。
  (もちろん、僕が小説の表紙などで制作している画像はすべて、Cyclesによるものです)

何もいじらずに、ビューポートの表示設定を「Rendered(レンダリング・プレビュー)」に変更してみましょう。

画面下、中央あたりの白い球アイコンをクリック
画面下、やや左の白い球アイコンをクリック

 

僕のMacBookの場合、約18秒待つとこんな表示になります。

スクリーンショット 2016-07-30 17.41.14

リアルですね、すごいですね。今までとは次元が違います。

でも、ちょっと待って!
右手の下、なんだか赤い粒々がありますよね。これは、計算時間が充分でないため、光のノイズが残っているのです。「サブ・サーフェス・スキャッタリング(SSS)」といって、《透明でない物体の内部に侵入した光が拡散と反射を繰り返す計算》をさせています。リアルにするためには仕方がないのですが、これでは絵として使い物になりません。
試しに、どのくらいの時間できれいになるか試してみました。
画像が大きいと時間が掛かりすぎますので、画像サイズは小さめで。

全体の大きさを400×600ピクセルに設定(小さいです)しています。

完璧ではありませんが、概ねノイズが消えて滑らかな階調になっています。この画像のレンダリングに6分13秒掛かりました。僕のMacBookはCore i7のデュアルですし、それなりに高性能です。
で、この結果ですから……。

例えば電子書籍の表紙にキャラクターを使いたいと思ったら、天地2,500ピクセルほどで計算しなければなりません。長さ4倍強ですから、面積比は16倍。面積が倍になると概ねレンダリング時間は1.5倍になりますので、レンダリング時間は概ね30分です。

どうでしょうか。意外と現実的な時間で終わるかも、と思うか、そんなに待てない、と思うか……。

ただし、この画像の指先を見ると、ちょっとSSSの設定が深すぎるかもしれません。背後から光を受けた時、こんなに光を透過しなさそうですよね。このあたりを調整すれば、もう少し速くなるかも。

ちょっと設定を見てみました。

Skinの設定で下から2番目にあるSSSが、これ。
Skinの設定で下から2番目にあるSSSが、これ。

 

ちなみに、設定の奥ではこんな複雑怪奇なことが行われています。

このキャラクターの質感設定はこんな感じ。枠がオレンジ色にハイライトされている部分がSSSの設定です。

 

では、ちょっと実験してみましょう。

(僕はManuel Labメニューにあることに気がつかなくて、node editorからいじってしまいました。実際は、これを開く必要はありませんので、念のため)

sss1
デフォルト設定の1.0。28.57秒。
sss0
SSS=0.0、効果をなくした状態。22.38秒。
sss0.3
SSS値=0.3。25.73秒。
sss0.5
SSS値=0.5。27.39秒。

SSS値が0.5くらいが一番リアルな感じがします。レンダリング時間では、数パーセントしか変わりませんね……。

※ちなみに、Node Editorの出し方はこちらです。

画面左下の「3D View」となっているアイコンをクリックすると、各種エディターにアクセスできます。
画面左下の「3D View」となっているアイコンをクリックすると、各種エディターにアクセスできます。

さて、脱線(!)はこのくらいにして、Ver.1.3の機能をもう少し追いかけましょうか。

■Character Age(年齢設定)

設定はここ。
設定はここ。

デフォルトは0ですね。最大値である1.0にしてみます。

おおお。
おおお。マンマミーア!(なにもこんなに太らせんでも……)

お次は、中間の0.5です。

マダム!
マダム!

 

実際は、これで年齢を設定したあと、体型のパラメーターを細々といじって作り込んでいくと思います。でも、数字を1ヶ所変えるだけでこれだけのものが出来てしまうのですから、さすがです!

次、行きましょ。

■Skin editor tools(肌エディター)

チェックボックスをクリックするとこんな設定が広がります。

お、注意書きがあります。
お、注意書きがあります。

注意書きにある「Subd.」というのは、Subdivision Surface(=再分割曲面)のこと。Manuel Labは、レンダリング時には角張らず滑らかな曲面で、操作時にはローポリゴンでサクッと動作するようにSubdivision Surfaceのモディファイヤが始めから設定されています(ちょっとCG用語が多過ぎるか……)。

ま、要するに、Subdivision Surfaceのプレビューになってると計算時間がかかって、画面表示がのろくさくなるから注意してね、ということです(前回もちょっと触れましたね)。

subd_off
「Enable subdivision preview」を押していない状態。subdがoffです。おでこのエッジが角張っています。
subd_on
「Enable subdivision preview」を押していない状態。subdがonです。おでこのエッジが滑らかな曲面です。

細かな表情をいじる時以外は、これはoffでいいかと思います。

髪の毛がないのって、どうしても寂しいですよね。今後のバージョンアップでは髪の毛やベーシックな衣服も含まれる予定になってますから、そこは今後のバージョンに期待したいところです。

さて、次は目です。

・目の設定はこの三つ

スクリーンショット 2016-07-30 18.58.01

色相、再度、明るさ、ですね。

hue(=色相)が0.5でこの色。

eye_hue=0.5
eye_hue=0.5

1が最大値ですから、彩度と明るさはこれ以上にはならないということです。hueの値だけ変えてみます。

eye_hue=0.0
eye_hue=0.0, 1.0も同じ色になります(色環をぐるりと回って1周するので)。
eye_hue=0.2
eye_hue=0.2
eye_hue=0.4
eye_hue=0.4
eye_hue=0.6
eye_hue=0.6
eye_hue=0.8
eye_hue=0.8

単純に瞳の周りの色相を回しているだけのようなので、今一つリアルな色ではありませんが、ちょっと調整してブラウン・アイを作ってみます。

eye_hue=0.5, saturation=1, value=0.5
eye_hue=0.5, saturation=1, value=0.5

うーむ。今一つですね。

実はこの目、元からManuel Labに仕込まれているテクスチャ・マップの色を変えているだけです。どんなテクスチャが使われているのか見てみると……。

eye_map

これです。hue=0.5, saturation=1.0, value=1.0、つまりデフォルト設定の時に、この色が現われるようですね。

(サイズは半分に縮小しています)
全体を見るとこんな感じ(サイズは半分に縮小しています)

 

そう、お気づきですね(強引)。

Blenderはテクスチャ画像のペイント機能も持っています。この画像をBlender上でペイントして上書き保存することで、Manuel Labの設定にはない色に調整することもできますし、もちろん、保存した画像を別の画像編集ソフトで開いて目の色を描くこともできます。

ちょっとやってみたところ、Blenderで行なうより別のソフトでやる方が良さそうです。いろいろできるとは言え、レイヤーを持てないのは辛いですし。

Blenderのペイント機能で目の色を編集。へたくそです。
Blenderのペイント機能で目の色を編集。へたくそです。

 

さて、機能を網羅しないうちに、お時間が来てしまったようです。Manuel Lab、楽しいですね〜。

ちょっと長くなってしまいましたので、あとは来週に回しましょうか。

では、次回もお楽しみに!