Category Archives: kdp

自主セールやろう!

本日夜頃から明日いっぱいもしくは設定終了まで、自著の大セールをやろうかと計画しています。
セルパブ勢の何人かには声を掛けていて、

#セルパブ1日限りのクリスマス大セール

って感じのハッシュタグイベントにしようかと。
今回、僕の著書に関しては文芸作品限定にします。つまり、Blender99は除外。Blender99の影に隠れて文芸作品がちっとも読まれないからセールでもやるか……、という不純な動機なので(笑。

電子書籍の価格、値付けに対する考え方は人それぞれなので、セールをやったからといっていきなり「値ごろ感」を創出できるわけでもないのですが、そこはそれ、「#セルパブ1日限りのクリスマス大セール」ということで、安い感じというノリを出せればなあと。

どうですかね────、

良かったら参加しません?

参加方法を書いておきましょう。

・自著をAmazonで手動値下げ。25%程度を目安としますが、実際の値下げ額はそれぞれにお任せします。
 Amazon以外でも、手動で値下げ出来るプラットフォームをお使いの方はぜひご参加下さい!

・開始は今夜、適当な時間から。価格変更を行なってから実際の販売価格に反映されるまでにかかる時間は読めないので、そこはそれぞれ適当なタイミングで。

・終了も「だいたい一日」が経過したあたりで手動にて戻して下さい。

・同時期に無料キャンペーンを計画中の方は、本ハッシュタグは使わないで下さい。もちろん、実施を邪魔したりはしません!

・参加する方は、Twitterやfacebook、Google+など、ご自身が使っているSNSでハッシュタグ「#セルパブ1日限りのクリスマス大セール」を付けて告知してください。
 互いに拡散しましょう!


あなたさまの参加をお待ちしております!

僕個人の作品で言えば、下記の13作品で行なう予定です。
(詩集と童話は除外、各種分冊版も除外しました)

基本的には25%オフで、1円単位は切り捨てで価格設定をします。

『壁色のパステル』
『さよなら、ロボット 』
『孤独の王』
『ケプラーズ5213』
『奇想短編集 そののちの世界』
『光を纏う女』
『ガラスたちの永遠』
『太陽の子孫』
『段ボール箱になった男』
『ナンセンスちゃんがやって来たよ』
『飛ぶ夢なんて、飛ぶ夢でしかないのに』
『コンピューテッド・ブレインズ』
『痛みの見せる夢』

読みたい本があると良いのですが……。

よろしくねっ!

ヘイ、9月のKUはどんなもんだった!?

セルパブ作家のみなさん、9月はどうでした?

KU(Kindle Unlimited=Amazonの読み放題サービス)が始まって2ヶ月が経過しました。

さて、出版社がかなりの読み放題本を引き上げ、お試し需要も一段落したKUですが、かなりの利用数低下が懸念されましたね。僕の場合はどうだったでしょう?
悪影響がなかったとは言えませんが、もろに受けた感じでもありません。
8月にどーんと増えたわけでもないので、山谷が小さいだけとも言えますが……。

では、まずは世間の出版社関連状況の観察から。
日本独立作家同盟理事長、鷹野凌さんのツイートを貼っておきますね。

いろいろと減少している中、アダルトの登録点数がかなり増加しています。
これは、アダルトカテゴリーで何百万ページも読まれたという方の存在が大きいのでしょうね。別のチャネルで売られていたアダルトコンテンツが大挙してKUに押し寄せたような感じでしょうか。

そうそう、8月のKENPのレートは多くの方が予測したような超低水準ではなく、0.5円@ページという比較的安心できる水準だったことも書き添えておきます。

では、僕個人の状況です。

KU開始後1ヶ月で書いたこの記事(KINDLE UNLIMITED、どうですかね?)と同じように、グラフ化して見てみましょうか。

先月のグラフに9月分を足しました。KENPページ単価は、仮に8月と同じ0.5円で入れています。

(まあ、単位は今回も内緒w)
(まあ、単位は今回も内緒w)

KENPページ数は8月の半分ほどになったものの、それ以前のページ数と比較すれば、特別低いものではないように思われます。印税額も、低い水準ではありながらもぎりぎり平常運転を維持、という感じでしょうか。

では次に、売上げ冊数と無料DL数の推移です。

kenp_1609_02

これもやはりKUの影響云々というより、長期的な傾向が大きいです。
これまで無料公開していた小説のうち、『壁色のパステル』と『夜啼く鳥』の無料を止めましたが、大きな悪影響は出ていないように思います。KUの影響だけで無料本のDL数が大きく減るということはなかったのではないかと思います。
もちろん、無料キャンペーンという飛び道具を使っていませんので、そのあたりの影響具合は計れないのですが。

最後に、印税額の推移です。
こちらはやはり、悲しいものがありますねえ。

kenp_1609_03

まあ、KUの影響はない。と言い切りたいところですが、やはり有料本の売上げは低いです。価格の高い本もほとんど動いていませんし、この1年以上で最低の印税額になりました。
でも、これからですよね、いろいろと。

10月は新SF雑誌『現実以外 -オルタニア-』も出ますし、それでちょっとだけ知名度が上がったりするかもしれないなんて、期待していたりなんかしています。
(期待してるだけじゃだめだ。自分で動くんだ!)

そんなこんなの今日この頃です。

じゃ、また明晩!

お知らせ─無料本を有料にするよ!

Kindle Unlimited云々の話とは直接関係がないのですが、一つ思ったことがあり、すぐに実行しました。

これまで無料配布してきた小説のうち、次の2冊を有料に戻します。

『壁色のパステル』
『そののちの世界1 夜啼く鳥』

それぞれ理由があります。

『壁色のパステル』は、僕が初めて書いた小説。有料にしておいてもほとんど売れないし、淡波亮作を知っていただくために無料にしようと思って無料にしていました。
──でも、気付いたんです。

無料にするのは、自分に興味を持ってもらって、次の有料本に手を伸ばしてもらうため。
ところが、『壁色のパステル』には《その次に読む本》がありません。家族小説で、SF要素もファンタジー要素も一切ありません。もちろん誰も死んだりしませんし(笑)、不思議なことは何も起こらない平和な物語です。
内容にはそれなりの自信がありますし、初めて書いたからといって、別に文章が拙いということもない(はず)。
であれば、無料にしておく意味がないのではないのかな?
そう思ったわけです。
せっかく広橋悠さんをはじめ、素敵なレビューをいただいている本でもあるので、これはこれで一冊の独立した本として考えた方が良いだろう、とも思い。

『そののちの世界1 夜啼く鳥』については、10冊で構成される同シリーズの3冊も無料というのは、お金を出して買うモチベーションを減らしてしまうかもしれないな、というのが一つの理由。
もう一つの理由は、無料にするのは、シリーズ内でも最も面白い部類の本にすべきだろうと。

『夜啼く鳥』はかなり軽い内容で、さくっとすぐ読めて冒頭にはちょうどいいと思いますが、同様に無料化している5巻の『プロテイン・パック』や6巻の『段ボール箱の中の人形』に比べるとちょっと面白さのレベルは落ちます。これを最初に無料で読むと、せっかく無料の5巻や6巻に手が伸びにくくなるのではないだろうかと、思ったのですね。
逆に、5巻や6巻を気に入ってくだされば、「1巻から全部読みたい」と思う可能性も高いのではないかと。

まあ、そういった訳で、この2冊を有料に戻します。価格は元々設定していたとおりの250円(壁色)、99円(夜)です。
さっそく、BWインディーズと楽天KOBOで価格改定の申請を上げました。
『壁色のパステル』は楽天KOBOで出版停止手続きをして、Amazonではセレクト登録出来るようにしました。
これが通り次第、Amazonサポートさんに有料化をお願いする予定です。
(『壁色のパステル』については、セレクト登録を押すだけで良いかもですが)

と、いうことで、この2冊がAmazonで無料なのはあと数時間かもです。数日かもですが。
(この記事が公開された頃には、BWでは有料になっているはず)

もし、まだお持ちでない方は、今のうちにどうぞ!



彰子(しょうこ)はいったいどこへ? なぜ?
何ひとつ不自由なく、だが無為な日々を過ごす専業主婦の瀬口彰子。突然姿を消した彰子に、夫広平は戸惑い、自らを責める。
妻が隠すように持っていた伝説の抽象画家ヒルダ・ヴーハーの額を見つけるが、娘の言葉から、それが自分の不在時にのみ飾られていたことを知る。
──妻の失踪をきっかけに、平凡で平和な家族に訪れた小さな危機と再生を描きます。



いつもと同じ朝、恭一の目の前を飛び去った二羽のカラス──。
右手の青い袋に顔を向けると、そこには一羽のカラスが陣取っていた。この荷物は自分のものだと主張するかのように。
壊れ始める日常と、非日常がいつの間にか日常になってしまう違和感。そして、更なる非日常の連鎖が、あり得ない出来事を招く──。

Kindle Unlimited、どうですかね?

まあ、最近もっともホットな話題のひとつですから、今週もKindle Unlimitedの話題でいきます。

8月のKENPのページ単価はかなり下がるだろうと、誰もが予測していると思います。
最終的な数字はAmazonからの売上げレポートが出るまで分からないと思いますが、多くのひとは0.5円@ページか、それを下回るくらいじゃないかと予測していますよね。
僕は、もっとかなり下なんじゃないかなあと思ってます。KENPの数字が何倍にもなったひとがたくさんいそうですし、出版社も8月はかなりKU対応本を投入しましたもんね。特にコミックとか。
あまりにKUで読まれ過ぎて、この本はKU撤退させてと出版社がAmazonから言われるとか、そんな話題もありました。

これですね。

Amazonからの分配総額(KDPセレクトのグローバル基金)は劇的に増えたりしませんし、KU契約の分が増えたとしても、それを世界中の(日本中の?)本が喰い合うわけなので、読まれれば読まれるほどページ単価は下がるわけですよね。
そうすると、これまでよりグッとKENP既読数が増えていれば印税額が激減することもないでしょうが、これまでと同じレベルの既読数だった場合、目も当てられないレベルになる可能性があります。

僕の場合を見てみます。

推移が分かりやすいように、昨年9月から1年間の各数値をグラフにしてみました。
(単位はご想像にお任せしますが……!)
KENP

多少の揺れはあるものの、昨年の11月をピークに減少し続け、7月にはね上がった傾向が8月も維持され……と見るのが普通でしょうか。
KUの始まった8月にいきなり急伸しているということはないようです。
昨年11月というと出版作品もなく、特に目立った動きはないのです。当時の淡波ログを一ヶ月分ひっくり返して見ると、ひとつ「もしかしたら?」というものが見つかりました。

《日々更新》を開始してから3ヶ月あまり、まだいろいろな連載を始めてはおらず、日々、エッセイ的な記事を書いていました。
『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の毎日連載が終了したのが10月5日で、10月と11月は、日々いろいろな記事。
12月に入ると今度は『ルルルとリリリ』の連載が始まり、通常の記事は減ります。そして、記事を書く負担を減らすために思いついた、《雑誌的な進め方》として、数々の新連載記事を始めたわけです。「ツイートまとめ」「今週の一枚」などなど。
そしてとても残念なことに、この12月からKENPがまた落ちているんですよね。
これ、相関関係がありそうです。
連載の体裁を取ることで、初めて来た方が興味を持ちづらくなっているのかもしれません。「第○回」と書いてあるだけで、「あ、オレには関係ない」って思われて引いてしまう可能性があるのではないか、と。
7月のKENPがいきなり復活するわけですが、これの理由はよく分かりません。もしかして、このころは『ルルルとリリリ』の挿し絵ネタを何度も書いていましたし、Twitterなどにも絵をアップしていました。このあたりで、絵の好きな人に少々アピールしたのかな、と思ったりはしますが──。

では、引き続き他の要素を見てみます。
売上げ冊数と無料DL数を並べたものです。
売上げ冊+無料DL

なんと、無料DL数に於いてはKENPと全く同じ傾向が出ています!
これは驚きました。
売上げ冊数の傾向はそれほど明確ではありませんが、この春から減少しているのは明らか。8月は地を這うような数字です。

次は棒グラフにしてみました。
売上額とKENP印税額の推移です。
売上げ+印税

Kindle Unlimitedの始まった8月の売上額は少ないですが、実は4月や7月のほうが低くなっています。
と、いうことは、売上額に対するKENPの影響は決して大きくはない、と言ってもいいかもしれません。むしろ、ここ淡波ログで掲載している記事の内容が、本の売上げ、無料DLに大きく影響しているという推論が成り立つのですね。
KENPのページ単価が劇的に下がれば、8月の売上総額はかなり悲惨なことになりますが……。

そしてもう一つ、最近の淡波ログ、CG関連の記事にアクセスが集まる傾向にあります。
ちょっと本日午前中のアクセスランキングをキャプってみました。

スクリーンショット 2016-09-04 11.16.21

おいおいおい……、こんなか!?

見事に90%以上のアクセスがCG関連記事です。しかも、Manuel Lab関連が大半を占めているという……。毎日、数人の方がManuel Labの記事を順番に読んでくださっている感じ。これ、その方たちが小説に全く興味がなければ、作家としての淡波にはまるで興味が湧かないということですよね……。
まあ、いずれCG関連の電子書籍を出してドカンと!(と言い始めて早一年以上……)

数字は正直です。

現在の方法を続けている限り、ジリ貧は避けられないのではないかとびくびくしてきた、今日の淡波です。
でも、『魔女と王様』と『ティプトン』の連載は続けますし、他の連載も続けますよ。

【教訓】
 ・ブログの内容と小説の売上げには、実は相関関係があった!
 ・連続性のない連載には、「第○回」と書かない方が良さそう
 ・連載という体裁を取らない連載の方が、初めて来た方には優しいかも
 ・自分を探してここへ来たひとが、迷子にならずに興味を持ってくれる記事が大切

あなたの傾向は、どうでしょう──?

じゃ、また!

見つけた!読んだ!新しい作家さん。

その名はキリユキマサハラさん!
いいなあと思う作家さんを見つけると、とても嬉しい。それが、誰かからの紹介ではなくて自分で見つけた人だったりすると、更に嬉しい。
セルパブ夏100にも載っていなかったし、まさにお宝発見!って感じで。

キリユキさんのことは、ほんとうにたまたま、Amazonのサイトをぐるぐる回遊している時に何番目かのオススメにぽこんと現われたのでした。
出てきたのは『ランナーズ・ナイト』という最新短編作。

あ、0円だ。と思い、まずは作品紹介をチラ見。
あ、スポーツのお話だ……。
実は、スポーツのお話はあまり好物ではなく、どちらかというと興味をそそられることはなかったんですよね。で、内容をちゃんと読みもせず。

で、次に目が留まったのが、本のボリューム。
あ、12ページ。短い。すぐ読めそう。

そしてそのままスクロール。自己紹介を読んでみました。
ここまではまあ、WEBサーフィン・モードです。うん。
で、ここで、「ん? なんかこの人、文章上手そうだぞ……」
と思ったわけです。

キリユキさんの自己紹介に出てくる作家では、どちらかというと村上春樹さんも好きではないし、読んだことがあるのはジョン・アーヴィングくらい。しかも、よせばいいのに原書で読んで途中で挫折……。

でもなぜか、興味が湧いたんですよね……出会いと言うのは不思議なもので。

はい。で、読みました。
読んで大正解!

『ランナーズ・ナイト』、いいですよ、これ。
文章は端正で、文学らしい嘘とリアルな描写がとてもいいバランスで入り混じり、読んでいて心地よく、また、ズンと重い部分もあり。
意外なほど普通な結末も、とても納得できる良い結末だなあと思いました。
なにより、たった12ページの中にとても濃いドラマが詰め込まれているし、何気ない伏線も嫌みがなくて好み。

もちろん、第一作目の『大蟻とウィスキー』もすぐにポチりましたよ!
30ページあるので、倍の時間楽しめそう。
(こちらも無料でした!)

この感想にピンと来た方は是非、読んでみてくださいね〜!

読んだよ:月野玉子さんのショートショート

ども。

タイトルを「月野玉子さんのショートショート」としたのは、読んだのが1冊ではなかったから。
読んだ本はこちらの3冊です。

・ショートショートの戦線1
・ショートショートの衰退2
・ショートショートの衰退3

どうして同じシリーズじゃないかというと、たまたま積んでいたので……はい。
他にもショートショートの反撃というシリーズが5巻まで出ていたりしますね。たくさんショートショートを書いている方です。

で、3冊一気読みなのは、何しろ軽い読み口ですぐ読める。本を開いた時に出る読書時間の目安では合わせて2時間ほどだったと思うのですが、3冊で1時間も掛からず読めたんじゃないかと思います。

どれも同じテイストの水彩画の表紙で、とても可愛らしいイメージです。
イメージが同じだと、続けて読むときに安心感がありますね。装丁全体の雰囲気もなんとなくプロっぽくて、ブランドイメージになっているんじゃないでしょうか。

Amazonの著者ページによれば、
「講談社主催の小説現代ショートショート・コンテストに3回入選。
また、「ショートショートの花束 6」「ショートショートの花束 7」「ショートショートの花束 8」に作品が収録されています。」
ということです。
選考委員を阿刀田高さんが務めてらっしゃる賞ですね。それに3度入選したのですから、つわものです!

さて内容は、ということですが、なにぶんショートショートなので、作品数はたくさんあります。一話ずつの紹介はできないので、全体感を。

僕の感覚では、《もっと軽い星新一》というイメージでしょうか。
文章はこなれていて読みやすく、簡潔で感情を排した文体は、深入りせずにさくさくっと読めます。ショートショートですから、このくらいのスタンスが心地よいですね。
たまに落ちらしい落ちがなくて置き去りにされたりしましたが、それはそれ。まあ、単純に落ちるだけのストーリーばかり書いていると書き手としても飽きちゃうんじゃないかなあと思ったり(笑)。

もちろん、さらりと皮肉や風刺を忍ばせることも忘れてはいないけれど、星新一さんのようなドキリとさせる毒はありません。あくまでもさらりとしています。

宇宙船が地球を訪れて……というお決まりのストーリーが何作かありますが、それぞれにひねりがきいていて、なかなかにニヤリとさせます。

お値段もKDPにおける最低価格設定の99円がほとんど。セレクト登録もされていて、無料キャンペーンもたびたび行なっているようですよ。
KUなら全部無料で読めちゃいますね!

例えば、病院での時間待ち、待ち合わせ、ちょっとした時間つぶしに最適ではないでしょうか。

ルビ、どうしてる?

本日の記事は昨日の続きです。
昨日の記事はちょっと文字数が増えてしまったので、「自分だったらこのくらいまでしか読まないかも」というあたりで切りましたw。

さて、ルビについて、いま一つどうしようかなあと考えているのが、Furi『振り仮名』サイトを利用するかどうか。
このサイト、日本独立作家同盟の鷹野理事長が教えてくださったもの。テキストファイルをアップロードするか、テキストボックスにペーストすると、自動的にルビ付きのHTMLファイルを生成してくれる優れものなんです。

こんな、超シンプルなページです。
こんな、超シンプルなページです。

シンプルなページながら、機能はちゃんと備わっています。
見ての通り、書き出す形式は「BCCKS」「HTML5」「でんでんマークダウン」の3種。
そして、開くひらがなのレベルも選べるのです。

総ルビなら小学1年生向けですね!
総ルビなら小学1年生向けですね!

僕もちょこっとテストをしてみたのですが、振り間違いもほぼなく、手で振ったものと遜色のないルビが振られました。
僕の場合は総ルビということもあり、文章量が多いとエラーが出てしまいます。いろいろ試したところ、1話分(1,000〜1,200字くらい)なら問題なく変換できます。

今までかなりルビ振りには苦しんできたので、これは本当に福音。
でもね、僕のワークフローにはちょっとはまらなさそうなんですよね。この方法だと。

愛用のエディタHagoromoでは、執筆時にルビや圏点を振りながら、縦中横や行の下揃えなども全部最終形のepubと同じ形で盛り込めます。

Hagoromoからepubを書き出すと、ほぼそのままの形で販売できるepubが出来上がるのですよね。僕の場合はそこにちょこちょこ手を入れるのですが、一度HTMLに書き出してしまったものを再びHagoromo形式に戻すことは出来ませんから、後々のepub編集が逆に辛くなってしまいそうなのですよね……。

『振り仮名』サイトにはルビ機能しかありませんから、縦中横や圏点、他の書式は後から手作業でやらざるを得なくなります。もちろん、cssも自分で手編集し直さないといけないでしょうし。
う〜む。

それでも、ルビが自動で付くのは非常に魅力的ですよね〜。

さて、まだ連載をいつから開始するのかも決めていない状況ですから、もう少し悩もうかと思います。いいやり方が見つかるかもしれないですし。

WEBページに載せるものに振るルビならばっちりですから、ご存知なかった方はお試しになってはどうでしょう?

最後に、『魔女と王様』第一話の前半部分をFuriで変換したものをお見せします。

まずは、ページのキャプチャから。

HTMLのタグを見慣れていないとびっくりするかも。
HTMLのタグを見慣れていないとびっくりするかも。

 

こんな風に、変換結果が直接ページ上に表示されますが、慌てなくて大丈夫。例えばブログ上に掲載するのであれば、この文字すべてをテキストエディタにコピペするだけでオッケーです。

独立したHTML書類にするのであれば、HTML書類であることの宣言や各種のタグが必要になりますが、皆さんの使っているワープロやエディタに、HTMLの書き出し機能はありますよね?
あれば大丈夫。適当な短い文章をHTMLで書き出しておいて、<body>タグから</body>までの中身をそっくり入れ替えてしまえば良いんです。

では、この文字をこのブログのエディタに「そのまま」貼り付けてみますね!


1 (ぎん)(きつね)

「そら()けー、ほれ()けー!」

ほんとうは(ちい)さい(こえ)でしたけれど、ニーダマは愛馬(あいば)パカラの(みみ)(くち)(ちか)づけて()いながら、かかとで(はら)()りました。あの、(うつく)しい(ぎん)(きつね)が、(いま)まさにニーダマの()(まえ)姿(すがた)(あらわ)したのです。これは、興奮(こうふん)しないわけにはいきません。

ニーダマは一瞬(いっしゅん)たりとも()(はな)さないようにしながら、(こし)にゆわいた弓矢(ゆみや)(うし)()にまさぐりました。すると突然(とつぜん)、パカラの(あし)()(しろ)(こおり)(うえ)(すべ)り、キラキラと(ひか)(こおり)(きり)()()げました。そうです、夢中(むちゅう)でパカラを(はし)らせているうちに、いつの()にやらニーダマは(こお)った(みずうみ)(はい)ってしまっていたのです。

ニーダマは、ふと背後(はいご)()(かえ)ります。(しろ)(けむ)視界(しかい)()こうには、(いろ)とりどりの(はる)(はな)()(みだ)れていました。

(ぎん)(きつね)(あし)()め、こちらに(かお)()けました。そして、(くび)をちょっと()ってコーンとひと(こと)()くと、(こおり)(うえ)悠々(ゆうゆう)(ある)()しました。

「おのれ、(きつね)め! おれ(さま)馬鹿(ばか)にするなよ」

ニーダマはパカラの(はら)を、(ちから)いっぱい()()げます。びっくりしたパカラは、ヒヒーンといななくと(はし)()しました。


どうです、ばっちりでしょう?
みなさんも是非、チャレンジしてみてくださいね!

じゃ、また明晩!

─そしてKU来たる。

KU──。
つまり、もう誰もが知っているKindle Unlimitedのことだ。既にアンリミという愛称で呼ばれているらしい……。
(「いやいや、そんなにみんな知らないだろ、おれは聞いたこともないぜ」って突っ込みはなしだよ)

最近、Amazonでも楽天でも電子書籍の売上げがさっぱりだった。もちろん、もともとそんなに売れていたわけではないけれど、まあ、両ストアを合わせれば一日一冊程度は売れていた。

それが、7月半ばくらいからもうゼロの行進が続いていた。時々思い出したようにぽろっと売れる以外は、もう絶望的な状況。
きっと、KUの開始を待っている人が買い控えをしていたんじゃないかと思ったりしたのだ。
8月になれば、会員になりさえすればKUの登録本はいくらでも読み放題になるのだから、何も今、お金を出して買う必要はないよな。と思うのは当然だろうな。電子書籍はデータなんだし、所有欲に訴えるものはあまりない。
Kindleの本棚にずらりと並んでいても、そんなに嬉しくはないんだろう。
(僕はもともとあんまりコレクション癖がないので、そこはよくわからないけど──)

これまでじゃんじゃん売れていた人でも、アンリミの到来と共に返本ばかりが増え、ちっとも売れなくなってしまったと聞く。
うーむ……。

そして、僕は考えた。

アンリミを申し込むような人は、きっとヘビー読書家だ。こういう人たちの眼に、自分の作品を触れさせるチャンスを増やさなきゃいけない。
なんてったって、アンリミ者にとってアンリミ本は無料なのだから、読むスピードさえ付いて来られれば、いくらでも読んでくれるはずだ!
(はず、だ……!)

そんなことで、楽天で、ブックウォーカー・インディーズで、ちっとも売れない作品を、僕は引き上げることにした。
決まれば簡単。どちらも、管理画面から出版を停止するだけだ。楽天は、一晩(10時間程度)で作品が販売ページから消えた。
BWインディーズは、配本停止申請から実際に本が消えるまで、しばらく掛かるようだった。

そしてKindleのみで販売し、KDPセレクトに登録。
もちろんそれで自動的に、アンリミ対応になったという算段。こちらも、登録から数時間でストアにアンリミ対応として更新されていた。

今回アンリミ対応にしたのはこの三作。

unlimi_new

いずれもページ数が少ないので、収入に影響が出るほどではないのだけど、何しろ、手に取ってもらえるのがいい。
そして、ずっとは端末に入れておけない(同時に入れておけるのは10冊らしい)から、恐らくはDLしたら読みはじめてくれるはず。
そうなると、もう無料キャンペーンや常時無料本よりずっと読んで貰える可能性が高いのではないのかとさえ思えてくる。

さ、どうなるやら……。

1ヶ月か2ヶ月経過したら、影響がどのくらいあるかを報告するからねっ!

じゃあ、また明晩!

報告:ツイッター広告を打ってみた!

セルパブ夏の100冊の発刊に合わせた最後の無料キャンペーンを行なった『ケプラーズ5213』ですが、その効果を高めるために初のツイッター広告を実施してみました。
ほんと、急な思いつきで。

こんな広告です。@マーク以降はちょっと違いますが。
こんな広告です。@マーク以降はちょっと違いますが。

キャンペーン開始当日の夜から約5日間。
シンプルに、結果を報告します。

スクリーンショット 2016-07-31 17.07.16

これがインプレッション。つまり、どれだけの人の目に触れたか、ですね。
合計で74,704です。これが多いのか少ないのかは分かりませんが、僕の普段のツイートに対するインプレッション数から言えば破格の多さ。
5日間くらいの固定ツイートで、まあ740いくかというと、きっと無理でしょう。
つまり、100倍以上の人の目に触れたわけです。
こんなGIF動画を入れましたので、ツイートが表示されれば自動的に再生されます。

実際には動画が再生される前に流れて行ってしまったり、ツイッタークライアントの仕様で自動再生にならない場合なんかもあるようで、動画の再生数は7,664回でした。

しかも、ツイッター広告というのは自分のフォロワーさんに対しては発信されない仕様。
だから、僕のことを知らない人のタイムラインで、これだけ見られたということです。これはすごいかも!

次、エンゲージメントです。
リンクのクリック数が97、動画のクリック数が30(これは別画面で動画が出るだけだと思うので意味はないですね)、リツイートは2回のみ(ただし、僕のフォロワーさんではない方!)、このツイートによって新規に得られたフォロワーさんは1。

ちなみに、投入額は7,500円でした。

そして、無料キャンペーンへの効果はいかに?
と、いうところで腰砕けになります。

5日間のダウンロード総数は、恐らくこれまでの無料キャンペーンの中でも最も少ない、たったの59冊。
無料なのに、リンクをクリックした人の数よりこんなに少ないとは……。
いやあ、難しいもんですねえ。
「僕のことを元から知っている人の手元には、きっと既に行き渡っているだろうから、このキャンペーンは効果が少ないだろうなぁ」とは思っていましたが、この結果はやはり残念でした。。

広告を見たひとの大半は、それを見た次の瞬間には全く覚えていないという調査もあります。
僕の名前、作品の名前をツイッターで1回見てくれた人が、何かの機会に思い出してくださる確率は、まあゼロ%でしょうねえ……。

みなさんは、どう思われます?

じゃ、またあとで

【追っかけ企画】読んだよ:コユキキミ著『むささびレディーは君のために翔ぶ』

まずはじめに、白状しておかなければならないことが一つあるんですよね……
今回取り上げさせていただいたコユキキミさんのお名前、僕はずっとコユキミミさんだと思ってたんですよ。
で、ぶくにぇーのツイートを見た時、アレ、こいつ間違ってんじゃん。と思ったんです、実は。

後でコユキさんの著書を探そうと思ってAmazonで「コユキミミ」をサーチしたら、結果がゼロ。
出てきた候補は当然、女優の小雪さんだったり(牛野さんではないっ)。
まっさかあ、と思って「コユキキミ」でサーチしたら、出ました出ました。当然です……。

ツイッターで会話させていただいたこともあるのになあ。本当にゴメンなさい、キミさん!

と、まあゴタクはいい加減にして、本題に入りましょうか。

コレです、コレ。

自分が今まで読んできたセルパブ本を振り返ると、こういうテイストのものにはまず触れたことがなかった。
ぶくにぇーがこう言うなら読んでみようじゃないの。というのが今回の主旨なわけです。

あはは。
面白かったですよ。子供向けなのか大人向けなのかちょっとつかみきれないけど、軽い読み口。読みやすくわかりやすい。
ちょっと凝った伏線もあったりして、きちんとしてます。
惜しむらくは、こういったタイプのお話が好きな人向けに書かれてることがにじみ出ているので、始めのつかみで乗り切れないと辛いかも。
いやいや、それって、美点じゃないの? 対象を絞っているということは、描きたいものが絞られてるし、ターゲティングも出来てるってことだもんなあ。
怪人やヒーローたちの設定がおふざけ要素たっぷりなのも、もちろん狙ってるんだろうし、これはきっと、《振り切って》書いてみたって感じなのだろうなあと思ったり。

物語の内容をちょこっと。
スーパーヒーローが当たり前に存在する世界が舞台。例えて言うなら、映画『ミスター・インクレディブル』のご近所版か。敵も味方も生活感丸出しで。
主人公のムササビレディーが、その能力にも関わらずちょっと引退間際っぽく思われてるところなんかも、『ミスター〜』を彷彿とさせます。パクリとかって言うんじゃなく、これはもうスタンダードですよねー。

ムササビレディーがどうしてシングルマザーになったのかというのがミソで、なかなか読ませます。

──やられました。

うむ。他の作品も読まねばな……と思った今日この頃。

じゃ、また明晩!