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シンチョク0723

さて、一週間はセルパブノミクスの矢のように過ぎました。今週の執筆状況はいかに!?

先週、何を言ったか振り返ってみると……

さて、来週末もシンチョクを報告しますよ。37話くらいまで進んでいるといいのですがねえ……。

じゃん、結果です。

スクリーンショット 2016-07-23 17.06.25

つい先ほど、第37話を書き終わったところです。先週末の27,000字から42,000字まで、約15,000字進みました。日曜、月曜と何かと忙しくて1文字も書けず、実質火曜スタートの今日まで五日間です。まあ、僕の生活リズムの中で──平日メインで──これだけ書ければオッケーとしましょうか、ね。文字数の問題じゃないんですけど。

物語の内容としては、概ね四分の三までは来ているかと思います。プロットの行数で言えば、もう九割方まで来てます。上手くいけば、来週末に書き終わってホッとしている姿が思い浮かぶようじゃあ、あ〜りませんか!

新作『魔女と王様』のお話はここまで。
(今のうちにシリーズ第一部第二部を読んでおこうぜ)

さて、ちょこっと冒頭で触れた『セルフパブリッシング夏の100冊 2016』ですが(触れてねえ!)、もちろん僕も参加しています。著者オススメの一冊を掲載しているんですけど、実は僕の場合、ぱぶにゃんちゃんのオススメなんですよね〜。「淡波さん、参加するにゃんね? 掲載の本はケプラーズで決まりにゃんね?」と、イエスとしか言いようのない口説き文句で誘われたんですから(にっこり)。

そしてそして、またも《もう一匹のゆるネコ》ぶくにぇーのつぶやきにヒントが潜んでましたよ。
(ちょっと存在感の薄いぶくにぇーよ、がんばれ!)

これ。

それから、これ。
きっと、ぶくにぇーの情報源はここからだなw

積んでます……読まなきゃ!

と、いうことで、僕も便乗して無料キャンペーンを行なうことにしました。

明日、7/24(日)午後5時開始で、5日間たっぷりやっちゃいます(お金を出して買ってくれた方、済みません!!──しかも、「無料キャンペーンはもうやらない」って宣言した気も……。まあ、人の心は移り変わるものですからねえ……)。
久し振りの無料キャンペーンだし、きっと既に僕を知っている人にはそれなりに行き渡っているような気もする『ケプラーズ5213』ですが、どのくらいダウンロードされるか楽しみでもあり、恐ろしくもあり、です。

しかしまあ、このくらいのこと自分で思いつけよ! という感じがして情けない淡波です。

前述の作品、花笠香菜さんの『光を超える未知』ですが、児童書なのですね。ブログでの紹介に、「(時間がある時に本文にルビ打ち処理したいのですが今はなかなか、、、)」と書いてあり、とても共感しました。総ルビの作業って、本当にきついんですから!
早速僕もダウンロードしました。
読ませていただきますねー(う……思ったより長い!)。

じゃ、今日はここまで!


「また会おうね。約束だよ……」

今から十の百乗年という気の遠くなるような年月が過ぎた時代。
かつて数多存在した銀河はその生涯を終え、宇宙はわずかな素粒子だけが彷徨う暗く冷たい空間となり果てた。
はるか昔に滅亡寸前の地球を出発した世代宇宙船スプートニクの中で、最後の乗組員ミチは終焉の時に向けて静かに日々を過ごしていた。
そこに使者と名乗る謎の白いクモが現れ、ミチが間もなく始まる「六番目の世界」を担う伝説の女神だと告げられる。クモに誘われるままスプートニクを降りてみたら……
「宇宙船泥棒!」
運命の歯車が回り始める。

スプートニクを取り返すべくショウリョウバッタのコアトルと、船外で出会った青年ケイとともにクモの行方を追っていくミチ。
創世を阻む闇の存在と自らの使命、そしてかつて星が交わした「約束」を少しずつ知ることになる。

未知の世界をめぐるスペース・ファンタジー。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。

初の連載小説にしてほんわかしたお伽話『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』。

大変好評を戴いた物語はそのままに、新たに描き下ろしの挿し絵を加えた電子書籍版です。



本作は、ほんわかとしたお伽噺『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の五年後のお話。著者ブログに連載されたものに加筆修正し、全話の扉に描き下ろしの挿し絵を加えました。挿し絵の数は上下巻合わせてなんと93点!
(前作をお読みになっていなくてもお楽しみになれます)

大変好評を戴いた物語はそのままに、新たに描き下ろしの挿し絵を加えた電子書籍版です。


「ぶくにぇー」って参考になるかも?

この夏、ぱぶにゃんに続いて謎の猫が生まれたらしい。
(ぱぶにゃんは春の生まれか?)

セルパブの作品をいろいろと紹介してくれているので、そこから未読の作品を読んでみるのもいいかなあと思ったりした。

ツイートを見ていると、たぶんエゴサはしていないっぽい。
《外に発信する》のが目的で、あまり積極的にセルパブ界隈と会話したいようにも見えないし。

だからこの記事が彼(彼女?)に気づかれることもないだろう、と(笑)。

いいなと思ったのが、こんな点かな。

・順位付けをしていない
・存在が曖昧で謎
・埋もれたものを掘り出そうともしている(?)らしい
・実際に本人(猫?)が読んでるかは分からないが、それなりに選定ラインはあるっぽい
 (絡んだ人だからといって紹介してないみたいだし、リクエストも受け付けてなさそう)

客観的な立場で紹介するなら、好きとか嫌いってのは言わない方がいいんでないの? とは思うけどね。
(言ってないか? 済まん、それほどこまめにチェックしてなかったりするんで)

僕の本もいつか(企画相乗りじゃない形でちゃんと)紹介されるといいな、と思いながら、ぶくにぇーのオススメしてた本を読んでみようかと思う、今日この頃。

こういう企画キャラは長続きしないことが多そうだから、長続きするといいんだけどなぁ。

あ、そうそう、忘れちゃいけないのが『セルバプ!夏の100冊2016』ですよね。
いい点を挙げたら、さっきのとかなり近くなったし(⇒ぶくにぇー、真似か?)。

そろそろ発刊のようですし、こちらも読書の参考にはまさにうってつけのカタログです!
(この記事がアップされる頃にはもう発刊されてるかも!?)

たくさんあると迷っちゃう人は、ぶくにぇーの緩さも合ってるのかもしれないね。
僕みたいに……

はい、ではまた明晩!

読んでるor読み始めた:広橋悠『ヘクトセント・テトラルキア』

もう、タイトルだけでかっちょええ。表紙もいい。紹介文を最初に読んで以来、ずっと気になる作品だった。もう、1年以上経っている。
──でもね、読んでいなかった。

横書きだし、今読んだらもったいないという気持ちが勝っていたのだよね……。

かつてのご本人の談によると、既刊の縦書き化を少しずつ進めているということだったし、やっぱり縦書きで読みたいなあと思っていたので。

でもね、最新作『IMAGO』を読んで、その気持ちがぐらぐらと揺らいだ。
やっぱり早く読みたい。

ファンタジーやSF寄りの作品、この『ヘクトセント・テトラルキア』と『エンドフォールズの手紙』を読まないで取っておいたのは、なんとも自分らしいなあと思ったりして失笑する。
──好きな食べ物を最後の一口に取っておきたいタイプだからなあ。

最近の情報によると、新作を2作並行で書き進めているとのこと。ダークファンタジーと青春物語という正反対?のものらしい。既刊の縦書き化は滞っている、とも。
(僕自身もお伽噺とサイバーパンク(──自分だって正反対!)を並行で書いていたりするので、縦書き化作業の余裕がないのもよくわかるんだよね……)

先日、ちょっと広橋作品について書く機会があって更に読みたい熱が高まり、ついには我慢出来ずに読み始めた──というわけ。

さて、前置きが長くなった。
読み始めたばかりなので、内容について言及することはほぼないのだけど……。

期待にたがわず、面白い。
……と思われる(笑)。

黒羽虫によって文明の滅ぼされた世界。
人類は地中、陸地、空、そして天(!)に分かれて住み、それがそのまま社会の階層になっている。という世界。
《天》って何だろうと思いながら読んでいたのだけど、Amazonの紹介文にしっかりネタバレがあった。まあ、ネタバレというほどのものではないか、な。

どうやら、戦争が起きているらしい。というところまで。

登場人物の名前もまだ飲みこめていないし、僕の中で作られつつあるこの小説の世界観もまだおぼろげ。
お楽しみはまだまだずーっと続くのだ。

とは言いながら、僕自身も新作の執筆を始めてしまったので、読書時間がなかなか確保出来なくなっていたりもする。

ゆっくり、読もうかな。
でも、早く読みたいな。
でも、自分の作品が進まないと……。

あ、既読の方、教えないでくださいよ!

読んだよ:丸木戸サキ著『四月馬鹿』

しばらくセルパブ本は読めないと言った舌の根も乾かぬうちにどんどん読んでる淡波でございます。
(もちろん、「このセルパブがすごい!」の影響が大きいですね〜)

今回読んだのは丸木戸サキさんの『四月馬鹿』。
出版からそろそろ3年が経とうとしている本だけれど、変わらず評判は良いですね。僕もずっと気になっていた本の1冊だけど、テーマがずばりエロ、ということで、なかなか手が伸びづらかった作品。
丸木戸さんの筆力は昨年のホラーアンソロジー『春禍秋冬』で存じ上げていましたので、次はこれを読みたいなとずっと思ってはいたのですよね。

 
では、本題へ。

エロい、嫌らしい。でも、嫌らしさはない──矛盾?──。

ちょっと上品めな『蛇にピアス』と言えば遠くはない感じかもしれません?
いやいや全然違うかな──。
女性が書いているからか、男の視点ではないエロさが、男にとっては上品に感じるのか。
内容を言えばかなりエグいですし、AVよりもエッチかもしれない。でもよく考えると、直接的な行為自体の表現は抑えられているし、より心に来るエロさとでも言うべきなのかも……。

ストーリーをごくかいつまんで紹介すると、こんな感じかな。
────
画家、というより芸術家の彼と、四月が巡るごとに男を替えてしまうわたし。
彼は、俺は違うという。自信満々に。
恋人未満、恋人以上の情夫。いとなみ。揺れ。迷い。
ふとしたすれ違い。
そして1年が過ぎ、四月は巡る。
主人公は──?
────

描写が巧みで、一気に読ませます。だから短くてもったいない。情事以外の描写をもっと読みたいという気にさせる、読みやすくも彩りに溢れた文体です。
丸木戸さんの作品を読むのはまだ3作目だけど、もっともっと長い物語をじっくり読みたくなりました。

誤字脱字などは一箇所もなかった(気付かなかった)し、全体に完成度が高いなあと。巧い!って感じを強く受けました。
もちろん、重箱の隅をどうのこうのという類の完成度じゃなくて、キチンとした短編小説としての完成度ですよ!
これは、文芸誌に読み切りとして掲載されていても全く違和感はないのではないでしょうか。官能小説の特集に、ね。

寝る前の読書にオススメです。
寝られなくなっても責任は持てませんが!
なお、電車で読むのはオススメ出来ませんよ、念のため!

では、本日はここまで!



今週の一枚──デジタルの恩恵にあずかる

ようやっと『ルルルとリリリ』の発売が秒読み段階になってきたのですが、今週も挿し絵を3枚修正しました。
1枚はもう完全に描き直さないとNGなレベルだったのですが、あとの2枚はデジタルで修正するという今どきの技を使ってしまいました……。

どっちが修正前でどっちが修正後かは、言うまでもないですね──
どっちが修正前でどっちが修正後かは、言うまでもないですね──

 

まあ、これで格段に上手い絵になったかというと全然そんなことはないのですが、これ以上やり直しが増えるともう発売できないような気もしてきました。
一発で納得出来る絵を描けることもあれば、何度描き直してもダメなものもあります。内容を考えるところからやり直すという手もあるのですが、今回はデジタルの恩恵にあずかることにしてみました。

とにかくなんとかして、《最低限の合格点》を付けられるものにしていかないことには、先の予定も全然立たないですからねえ……。

章のタイトルが『ずるいぞ、卑怯者!』というのも何だか微妙ですが、別に自分を卑怯者だと思っているわけではないですよ。

最初からデジタルで描く場合は、途中段階で形を修正したり、部分的に拡大縮小回転移動……して整えるなんてことは普通に行なうことですからねえ。手描きだとゼロからやり直すしかないのが本当ですが、電子書籍のための挿し絵で最終的にはデジタルデータになるわけです。しかも、扉絵にするために多少の加工はしますから、「デジタルでは手を入れないぞ!」みたいなこだわりも、あまり意味がないとも言えますし。

さてさて、残りはあと1枚。いつになったら発売日決定の告知を出来ることやら──。

では、また明晩!

あるひととの会話と。

ちょっと前に、「内輪って分からない」とつぶやいたことがある。僕は何十人ものセルパブ作家さんたちと、この一年半くらいで知り合いになり、本を読み、楽しみ、笑い、泣き、苦しみ、喜び、充実した時を過ごしてきた。だからといって、そのひとたちとぐるりと小さな環を作って閉じこもろうとなんて思っているひとはいない。

偶然知り合ったひとたちは、何かの必然を持って繋がり合ったのだと思う。内輪とか、なれ合いとか、そんなものでは断じてない。

リアルの友達は、こんなにたくさんいない。セルパブ作家同士が友達といえるかどうかはまだ判らないけれど、ある領域で理解し合い、尊敬し合い、高め合い、リアルの友達からは望んでもなかなか得られないものを貰ってきた。

と、思う。心から思う。

でも、リアルの世界と同じように、いや、顔が見えないだけそれ以上に、人間関係は難しいのかもしれない。

僕がセルパブ作家さんの本を読む時、結構ドライな取捨選択をする。つまらなければ、途中で止める。最後までどころか、数ページしか読み続けられない本もある。そういう本は、読み終わっても黙っている。良いものにもっと注目を集めたいという気持ちは、面白くなかったものを面白くなかったと言いたくなる気持ちより遥かに勝るのだから。
(これって、先日のラノベの話と矛盾する? いや、そんなこともないんだ。まだ判断がつかないし、読み終えるまで読むつもりだから。それに、その作品が今後読者を得るための邪魔にはならないようにと思ってる。好きか嫌いかなんて僕の中の問題であって、作品を悪く言うつもりは、決してないし)

あまりにもたくさんの面白い本が、いい作品が、あちこちに埋まって、隠れてる。だから、出来るだけたくさん読んでみたいと思うけど、そうもいかないし、読書傾向が偏らないようにすることも難しい。

それはそうだ。人には好みがあるし、それはそれで仕方がない。

そんな風にしてやってきた中で、何人かの大好きな作家さんができた。新作が出たら必ず読みたいと思う作家さんが何人かいる。もちろん積ん読の数も半端じゃないから、そうそう読めるものではないけど──。

 

自分の作品は、自分で宣伝するしかない。電書ちゃんやぽっきゅんや、日本独立作家同盟のお世話にはたくさんなっているけれど、それだって、まずは自分が動かなければ誰も気づいてはくれない。

そんなセルパブ作家をつないで文脈を作り、少しでも大勢の目に触れるようにいろいろな人が努力している。なかなか上手くいかない試みもたくさんあるけれど、その熱量ときたら、たいしたものだ。

セルパブ作家同士は確かに相互の読者であって、共依存の関係かもしれない。でも、誰だって本当は、世間の普通の本好きのひとに自分の本を届けたいはずだ。だから逆に、同じことをやっている人とは関わりを持ちたくないという人もいるのだろう。

せっかく尊敬できる仲間に巡りあって、様々な刺激を受け、もっといい作品を生み出したいと思っているのだから、そのエネルギーを使って、どうにかして一般読者に本を届けたいと思う。

これはきっと、そんな思いの流れる短い会話──。

「例えば似たジャンルの本に手を広げる時を思い出すと、面白かった本のあとがきで触れられている本には興味が湧きますね。それから、同じ出版社の同じシリーズの別作者。これは、出版社の編集部がキュレーションをしていた(今のことは分からないので過去形ですが)と考えると、納得できる気がします」

「僕たちがどうやって知り合いになって、互いの本を読むようになったのか。そこにヒントがあるような気がします。僕らは自分自身で自分の読みたい本をキュレーションして、自分の本棚に並べているようなものですよね」

「ジャンルや内容は違っても、そこにある共通の何か。次々と読みたいと思わせてくれる何か。ですよね。僕らがもっと周囲の人たちの本を読みたいと思うのは、やはり面白いと思うから。本屋で売っている本と遜色のない喜びを与えてくれるからなんだと思います」

「もっと具体的な何かがないと、読者には伝わらないですが、もっと、考えます。。」

もっと考えて、もっと考えて、届けたい。

挿し絵を《容量の軽い》扉絵データにするために、加工しよう。

はい、どうも!
ついに終わりましたよ、挿し絵が!

と、言っても、描くのが終わったという話です。
結局2枚をいちから書き直し、6枚を部分的に修正しました。
本日全ての絵をスキャンし、扉絵にするための加工を始めたところです。これがまた、手間が掛かるんですよね。電子本のデータができるかぎり重くならないようにしたいので、白黒2値のGIF画像にしても汚く見えないよう、明るさなどを調整しています。

今日は、挿し絵などを入れる場合に参考になるかもしれない簡単な画像処理の話をしてみましょう。
では、まず見本を貼りますね。

元のイラストをスキャンし、そのまま扉画像としたもの。画像の大きさは、Kindle用の表紙画像サイズと同じ2,560×1,600ピクセルとしました。

標準画質で保存したJPG画像。データは141KBあります。
標準画質で保存したJPG画像。データは141KBあります(もちろん、ここに貼った画像は縮小したものですが)。

これでは紙の色が暗くて変ですので、明るさを補正します。いろいろなやり方がありますが、今回は「レベル補正」を用います。例はPhotoshopですが、GIMPやKRITA、メディバンペイントでも同様の機能はあります。

Photoshopの「レベル補正」
Photoshopの「レベル補正」

一番右の白い部分が、紙の色(明るさ)を示しています。このグラフの下にある白い上向き三角が、《これより明るいものは無視して》という設定です。紙の色より左側に持ってくることで、それより明るい色は全て真っ白になります。
それだけだと絵の線までつられて明るくなってしまいますので、真ん中の灰色の上向き三角を右に動かします。これはグレーレベルといって、《ここの明るさをグレーとします》ということです。もっと明るい部分をグレーと解釈させることで、黒い線をぐっと締めることが出来るわけです。

せっかくなので、メディバンペイントで「レベル補正」をしたところのキャプチャも用意しました。

メディバンペイントの「レベル補正」
メディバンペイントの「レベル補正」

見掛けは違いますが、考え方は同じです。入力側の右端にある三角を左にずらすことで、紙の色を白くします。線の色を黒く締めるために、真ん中の三角を(こちらの場合は)左にずらします。メディバンペイントの場合は入力と出力に分かれているので、「入力されたグレー値はもっと暗いです」と教えてあげることで、暗い側をより暗くします。
(専門的な説明ではありません。あしからず)

ついでにGIMPの画面も。GIMPでは、名称が「レベル」です。こちらはPhotoshopとほぼ同じですね。さすが、フリーのPhotoshopを目指しているソフトだけのことはあります。

GIMPの「レベル」
GIMPの「レベル」

さて、では次に保存です。
いろいろな端末で、パッとページが開くようにしたいので、出来るだけデータを小さくします。先ほどのレベル補正済みデータをJPG標準画質で保存すると、約141KBでした。これを、JPG最低画質で保存してみます。ほとんど白黒の画像なので、画像の荒れは気にならないはず!(画質が分かりやすいように、大きく載せますね)

レベル補正後、JPG最低が質で保存
レベル補正後、JPG最低画質で保存。ファイル容量は約90KBです。

これで、約90点の画像を入れると8MB。これで充分だと思う方もいるでしょうが、もっとずっと軽くできます。最も軽くなるのが、GIF形式です。線画イラストなので、思い切って白黒2色のみのデータにしてしまいます。つまり、中間のグレーを全てなくしてしまうわけです。線を滑らかにするためのアンチエイリアス処理※も掛かりませんからアップで見るとがたがたになりますが、解像度が高い画像なので心配はいらないでしょう。

白黒2値のGIF形式で保存。ファイル容量は40KB
白黒2値のGIF形式で保存。ファイル容量は40KB。ぱっと見て、違いは分かりませんよね?

※「アンチエイリアス処理」という言葉を聞いたことがない方のために、アップ画像を並べてみますね。

上、アンチエイリアス処理あり。下、なし。
上、アンチエイリアス処理あり。下、なし。

電子書籍を読むとき、挿し絵をここまでアップにしてみる読者はいないでしょうから、原寸ではまったく分かりませんし、むしろくっきりして見やすかったりする場合もあります。

では、本日はここまで!

カラー画像にはまた別のやり方がありますが、もしも参考になれば幸いです。

じゃ、また明晩!

読んだよ:牛野小雪著『火星へ行こう、君の夢がそこにある』

牛野小雪さんは嘘つきだよ。
プロフィールを見てよ、書くのが牛のように遅いと言うのだから。
だってさ、待ってくださいよ。去年はしっかりした(?)長さの長編を3冊出しているし、そのうち1冊は大長編だ。今年だってつい先日新作を出したと思ったら、もう次の表紙を作っているという。
そろそろ、プロフィールに書いてある自己紹介を修正した方がいいんじゃないかと、真面目に嫉妬する自分がいる。

僕についてはたくさん出版してるイメージを持っている人もいるようだけど、そうでもない。大長編の執筆には3年掛かったし、去年から今年の年始にかけてサクサクと何冊も出せたのは、ブログの連載をまとめたり、短編だったりしたからだ。
ステディなペースで長い作品をきちんと出し続けている牛野さんと違い、僕の出版ペースはなんと気まぐれなことか。いかんいかん。
まあ、そんなことはどうでもいいとして、どんどん出る、どんどん書けるということは、ファンにとってはとっても嬉しいことだ。
(ご自分では昨年あたり、ずいぶん書けない書けないと「書いて」いたけど、いやあ、むしろコンスタントに書いてますって!)

僕は牛野小雪さんの小説のファンだ。
どんどん書けることに嫉妬はするけど、小説には嫉妬しない。
だって、そもそも僕にはああいったタイプの文学作品は書けないもの。読んで、楽しんで、じわる。単純に、ファンでいられるのだ。

彼の小説は、文学だ。
と、僕は思っている。ときどき、夏目漱石の小説を読んでいるような気がすることがある。褒めすぎだろうか?

そんな彼の初めてのセルパブ作品がSFだったということを、何かの拍子に思い出した。そういえば、未読だった。

『火星へ行こう、君の夢がそこにある』
という作品だ。ちょうどこの冬に話題になった映画との共通性もあって、気になっていた。牛野小雪さんが書くと、どんな話になるのだろう、と。
約3年前の作品だから、くだんの映画とはもちろん何の関わりもない。氏が原作を読んだ可能性も低いだろうと思う。「火星移住モノ」といえば、ジャンルの一つとも言えるだろうし。

SFといえばSFだった。
SFではないといえば、そうではなかった。

いつもの牛野文学が、そこにはあった。いまの作品につながる萌芽どころか、もう既に完成されていた。もちろん、編集が入らないことによる粗削りさは置いておく。脱字もあったし、てにをはのおかしなところや気になる重複表現もあった。だが、それが何だというのだろう(もちろん、直すべきだとは思っている)。

プロの作家が完璧な作品を上梓できるのは、作家と出版物の間にスタッフがいるからだ(もちろん、それを必要としない天才作家もいるけど、それは例外として)。そこに作品の完璧性(誤謬を追放すると言う意味での完璧性)を担保するシステムがあるからだ。セルパブ作家にはそれがない。
──もちろん、僕はある意味、そのシステムの一角を担いたいと密かに思ってはいるけどね。

今回は、「おかしいな」と思った箇所をほとんどメモらなかった。済まんです……。
でもね、それには理由がある。
夢中で読んだからだ。Kindleにハイライトを付けたりする手間も惜しかった。どんどん読みたかった。読むのを止めたくなかった。長い作品ではないといっても、一日で読み切るにはそれなりの量だ。2時間半超はかかったと思う。
その間、夢中でどきどきしながら、じわりながら、読み続けていた。中だるみも、肩透かしもなかった。

特別何も起こらないのがいい。
火星まで行っといて、私小説なのだ。取り立てて文学っぽく飾ろうともしていない。美文でもない。でも、読後感はと聞かれれば、文学作品を読んだ後の感慨と同じなのだった。これこそが牛野ワールドなのだな。

三人称で書かれているけれど、限りなく一人称に近い主人公視点の三人称。だから、主人公の知らないことは書かれていない。書かれていなくても違和感がない。SFにありがちなバックグラウンドの説明もほとんどない。火星開発公団のひとたちから聞いて鵜呑みにしたり勝手に解釈したことが書かれているだけだ。そこにまた、現実っぽさがある。
僕らは何もかも分かって生活しているわけではない。分からないことばっかりだ。

SFとしての考証はきちんとしていない部分があるだろうけど、それは主人公の頭の中で解決していればいい話として納得できる。主人公の知らない技術のこと、間違って覚えている技術のことは、それを作者が正す必要もないのだ。

ああ、こんなSFの書き方もあるんだなあと、氏独特の文章を読み終わって惚れ惚れした。

牛野小雪さんの小説には、裏切られたことがない。
今後もきっと、裏切られることはないだろう、な。
──と期待に目を輝かせて。
(プレッシャーをかけてはいませんよ)


鑑賞したよ:折羽ル子さん『画集魔獣ケモノノ村』

《緻密》、というのとはまた違う《過剰な》描き込みと共存する、それとは相反する筈の《力の抜き具合》が同居した画集だ。
これ、個性の塊にして、流行りの《キモカワ》とは次元の異なるなんとも言えない迫力を宿している。
言うなれば、不条理性か。絵の底に流れる諦めと孤独と、攻撃性とユーモア。
勢いなのか、巧妙に構築されたものなのか、ただ、力に任せて描いたというものとは異なる統一感と一貫したストーリー性が漂っている。
──これはもう、世界。

何箇所かに挟まれている線画のスケッチを見ると、達者な技術の持ち主であることがよく分かって、つい頷く。

過剰に線が描き込まれたメカに潜むエロティシズム(いや、潜んでいるというより、マンマか……?)。
明らさまに残虐かと思えば、本当は可愛く描きたかったのか? とも思われるようなピンクのハートがミスリードをも誘う。

もし、自分が編集者だったら、この個性を台無しにしてしまうかも知れないな、と思った。
「この個性を大事にしながら、もっと一般性のある表現ができたら無敵じゃない?」
そんな悪魔の囁きが、ページを閉じた僕の脳裏に去来していた。

一般性と個性は、ある種の創作家にとって完全に正反対のベクトルを持つ価値観だろう。小説家、漫画家でもある折羽ル子さんの場合、画集以外における文字の情報量もハンパじゃない。それが個性でもあり、アクでもあり、波長の合う人を惹きつけるフェロモンなのだ。

そんな作品群中で、最も一般性を持ち得る、いや、一般性を持たなくても鑑賞者を惹きつけることのできるのが、この画集という媒体なのではないか、と感じた。

毒を薄めれば個性が薄まる。しかし、例えばイラストレーターとして商業的に成功するには、広告としてサブ要素(脇役)に甘んじられるくらいの薄さもまた、必要だろう。
でも作家性という武器を武器のままで持ち続けるには、逆に濃さの維持こそが必須だ。だったらそれには、やっぱりアートとしてのあり方なのだろうなぁ。と、とりとめもなく考えた。

いろいろなことを考えさせてくれた画集だった。

百聞は一見に如かず。
プライスマッチで無料になってるからね、一家に一冊、どうでしょう


セール!セール!!セール!!!

はい。
(パクリタイトル絶好調の淡波です)
ということで、セールのお知らせ。
Twitterでフォローしてくださってる方は既にご存じかと思いますが、3月14日の《白井の日》を記念した──あやかった──便乗した──セールを始めました。
なぜ、3月14日が白井の日なのか、というと、理由は簡単。ホワイトデーだから。白い、でしょ?
(うひゃ ⇒僕が考えたんじゃないですから、白井市の公式ですから……ホワイト・フェスティバルとか、あるんですよ)

そうそう、白井市を「しらい」って読むと思ってる人が多いんですが、「しろい」です。関東の発音で白井って言うと、関西の方には「白い」って言う名前の市があんの? と思われてしまうらしいです。昔、大阪のひとにそう言われて笑いました。
人口が5万人ちょっとしかいないマイナーな市です。でも、梨の生産量・消費量は日本一なんですよ(自称?)。
武豊さんが卒業された競馬学校もありますし、ジネンジャーもいますしね(笑)。
──田舎ですけど、いいところです。

で、ですね、その314にあやかって314円セールを実施してます。対象は、通常価格がそれ以上の三作品です。

『孤独の王』850円⇒314円!
『ケプラーズ5213』550円⇒314円!
『そののちの世界』550円⇒314円!
お得ですねえ、太っ腹ですねえ……。

sale314
こんな広告GIFも作ってみましたよ〜!

最近、ゼロの行進が続くようになったので、ちょっとてこ入れのためにセールでもしなきゃ。て感じです。
(楽天KOBOさんでの201円効果はひっそりと続いてます。釣られて(?)、そうでない作品も売れたりして、Amazonで売れてない分を助けてくれてる感じ。まあ、現時点での売上げなんて子供の小遣い程度ですから、○冊売れた、とか、実はどうでもいいことなんですよね。とにかく、知ってもらうことが最優先ですから……)

ちなみに、『孤独の王』の分冊版は簡単な算数を間違ってしまい、変な値段になってます。合冊版の半分の価格にしなきゃいけないのに、現行価格の半分にしてしまったという……修正できる状態になり次第修正しますので、こちらを購入ご検討の方は、ちょっとお待ち頂くか、合冊版にした方がいいかも、です。
表紙が三種類ある、っていうこと以外に分冊版のメリットは何もありませんし。

──あ、ここでWord Pressの小ネタを一つ。
このGIFファイルですが、容量が3MBちょっとあります。通常のやり方でブログにアップしようとすると、容量オーバーではじかれてしまいます(1ファイル2MBまでしかアップできないので)。そのため、いったん軽いデータを用意して「メディアを追加」した後で、FTPでアップしたものと差し替えました。これまでは軽量にしたものを載せていましたが、自分のサイトに載せるデータがTwitterやFacebookにアップしたものより低画質というのはおかしいですもん。ちょびっと工夫してみたら出来た、というわけでした。

今夜はこんなところで。

じゃ、また明晩!