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Blenderで出来る意外なこと

本記事は、Blender Advent Calendar の12月21日担当分です!

Blenderで出来る意外なこと、と題していましたが、お恥ずかしいことに自分の担当日付を勘違いしており、内容を絞らせて頂きました。お詫びに、今後このブログで適宜追加させて下さいませ!!

お題は、3DCGを知らなくても、モデリングとか出来なくても作れる「映像用のかっちょいいロゴアニメーション(飛んでくるタイプとは違うぞ)」となります。

全然意外なことじゃありませんでしたね。もっと意外なことはまた今度・・・・ということでご勘弁。

さて、仕上がりイメージは僕の新作小説『ケプラーズ5213』の予告編で使ったこんなロゴアニメーション。
title_keplers

こんなロゴアニメーションの作り方のチュートリアルなのですが、自分の小説のタイトルについて書いても仕方がないので、季節柄、下記のようなものを作ることにしました。
title_new
さて、最後までお付き合い下さいね。
ダウンロード、インストールなど基本的な使いかたやBlenderが初めてというかたは、藤堂++さんのページに詳しく書いてありますので、是非、参考にして下さい。
こちらから順にどうぞ。素晴らしいページです!)

なお、単位設定はBlenderデフォルト、インターフェースは英語版のままです。ご了承下さい。

・まず、Blenderを起動したら、お約束のデフォルトキューブを消しましょう。Xキーを押して、エンターですね。01

・Addメニューからテキスト・オブジェクトを作ります。02

・XYZ座標=0の原点から書き始められている「Text」と書かれたテキストオブジェクトが出来ます。03

 

・tabキーを押して編集モードに入り、deleteキーで全てのテキストを削除、好きな文字を入力します。04

 

・Merry Christmas! と打ってみました。入力が終わったら、再度tabキーを押して「オブジェクトモード」に戻ります。05

 

・書体を好きなものに変更しましょう。Blenderのデフォルトフォントもなかなか味があって好きなのですが、今回は『ケプラーズ』で用いたのと同じSFっぽいフォント、OCR A Stdを使います。(PCに入っていない人、ごめんなさい。ご自分で好きなものを 使って下さいね)

・画面右のPropertiesパネルから「F」の字アイコンのフォントパネルを選択します。

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・X印の左にあるフォルダボタンを押して、それぞれのシステム内にあるフォントフォルダから、お好きなものを選んで下さい。
(Regularのみで良いです)

font

 

・フォントのプロパティーを設定します。入力したままでは文字間がちょっと広過ぎてまとまりが悪いので、Spacingの値を調整します。全体でしか調整できませんので、一文字一文字のスペースについては、後ほど細かく気にすることにして、先に進みます。

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・テキストオブジェクトを立体化し、べベル(角の面取り)を設定します。Fontパネルを少し下のほうにスクロールし、Geometryの設定を出します。下図では、Extrude(押し出し)を0.02に、べベルを0.01に設定しています。

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・基本的な調整を終えた状態。ここまではオフィスでも出来たりしますよね〜。さあ、ここから先が3DCGの面目躍如です!

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・テキストデータをポリゴン化します。これを行うともう文字としてのプロパティ(内容、フォント、文字間調整など)を変えられませんので、念のため一回保存してから先へ進みましょう。
(FileメニューからSave)

・ポリゴン(=メッシュ)化は、テキストを選択した状態でAlt + Cキーを押します。下図の選択肢が出ますので、下のMesh from Curve..(カーブ、サーフェス、テキストからメッシュを作る)をクリックします。

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・Mの文字を大きくしたいので、Mの文字だけを選択します。
1. 現在はシェーディングされていて裏にある頂点が隠れているので、ワイヤーフレームモードにするために、Zキーを押します。
2. tabキーでEditモードに入ります
3. Bキーを押します(囲んだ範囲をセレクトする選択ツールのモードに入る)
4. Mの字の左上から右下までをドラッグして文字を選択。オレンジ色になります

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Bキーを押して選択するための縦横補助線が出た状態
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選択された部分はオレンジに。適宜マウスのホイールで画面を拡大し、選択されないで残っている頂点などがないことを確認しましょう!Bキーを押せば、選択されなかった部分を追加で選択できます。

 

・Mの文字を拡大します。高さ方向(=Z軸方向)には拡大したくないので、Z方向の拡大を制限します。まずSキーを押して拡大モードに、Shift+Zキーを押すと、Z方向への拡大が出来なくなります。マウスを動かすと、自由に拡大縮小出来るようになりますので、気に入った大きさでマウスクリックして拡大縮小モードを抜けます。
この時に気を付けなければいけないのが、Mの文字の近くにある白と赤の円。デフォルト設定の場合、この位置が拡大縮小の起点になります。Sキーを押した時点でマウスがこの近くにあり過ぎると、思うように拡大縮小出来ず、大きさが激しく変化してしまいます。マウスカーソルをそこそこ離した状態で試して下さい。 15

・Mの文字の位置を調整しましょう。Gのキーを押して移動モードに入り、マウスを動かします。マウスクリックかエンターキーで確定します。

・Mと同じようにCの文字を選択して大きさを調整したら、Chrismas ! 全体を同様に選択し、位置を調整します。Mの左足を伸ばすことになるので、伸ばした後のバランスを考えて調整しましょう。

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・全体の位置が決まったら、一文字ずつ細かく調整します。これまでと同様、一文字ずつ、または数文字ずつBキーを押してから選択し、Gキープラス移動したい方向を示すキー(ほとんどの場合はX方向ですね)を押します。
選択したオブジェクトの一部だけ選択解除したい時は、Bキーを押した後、中ボタンでドラッグします。

上の画像は調整前、下は調整後。違いが分かりますでしょうか?
–> Mとeの間を若干離します。
–> r、i、sの間をそれぞれ詰めます。
(文字詰めを行う時は、文字と文字との間にある全体の空間を見ます。文字間が一番狭いところや広いところを気にしてはいけませんよ、全体のバランスは空間の空きかたで把握します)
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・Mの字の左足を伸ばしましょう。上の図にあるようにMの左足の下部分だけを選択し、Yのマイナス方向に伸ばします。図では移動のギズモが出ていますね。これが出ていれば、緑色の矢印をドラッグすればOK。
出ていなければ、画面下のGlobalと書いてあるところの左側に並んでいるアイコンの矢印を選択します。これで選択オブジェクトから矢印が生えます。
もう一つのやり方として、Gキーを押して、移動モードに入り、YキーでY軸方向に移動を制限。というのがあります。慣れてくるとこちらが便利ですが、押すキーを忘れるとアウトなので、どのアイコンを押すとどうなるか、とか、どのメニューに何が入っているか、も見ておきたいところですね。
(Gキーで移動する方法は、文字の調整で使いましたね!)

・同様にCの下部分を右に伸ばし、びっくりマークを若干拡大して、全体のバランスを整えます。tabキーを押してオブジェクトモードに戻ったのが下図です。

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・いよいよ質感を作ります。右のPropertiesパネルからオレンジ色っぽい球体のアイコンが描かれたタブを選択し、マテリアルを作ります。右側の+ボタンとNewボタンを順に押して、三つの新規マテリアルを作りましょう。

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Newボタンを押してマテリアルが作られると、下にプレビューが出ます

 

・一番上の「Material」を選択し、色を付けましょう。Diffuseと書かれたところの下のボックスをクリックすると、色の設定が出来ます。メインカラーはちょっと深めのグリーンにします。

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・文字の色は後で光らせたいので、ShadingのEmit(発光)値を2にします。外部光源の光が当たったときに文字の表面色が白っぽくなると可読性が下がるので、右のShadeless(陰影を付けない)にチェックを入れます。

これで、自分自身は光って別のオブジェクト(今回の場合は地面)を照らし、自分は別の光源に照らされても影響を受けないマテリアルになります。

shadeless2

 

・続けて「Material.001」を赤に、「Material.002」を明るく淡い黄色にします。EmitとShadelessは緑と同様です。

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・地面も作っておきましょう。AddメニューからMesh / Planeを選択します。また、地面にも適当なマテリアルを作っておきます。plane

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Sキー、10を押して、10倍に拡大します。どこから見ても地面の下が見えてしまわないように。

 

・シェーディングされた状態では、こんな感じに見えていますでしょうか。

地面は作成したままの位置だと文字がくっついていますので、地面を若干下に下げます。下図では、ビューの右側にあるプロパティパネル(Nキーを押すと出したり消したり出来ます)のTransform / LocationのZの値を-0.1に設定しています。

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・ちょっと難しい部分に入ります。現段階では文字全体が緑色になっていますが、文字の面取りと裏をそれぞれ赤と明るい黄色にしていきます。

まずは、面取り部分を赤くしましょう。そのためには、全ての文字の面取り部分を選択します。

tabでeditモードに入り、画面下の「Global」と書いてあるところの右側にある三つの立方体アイコンのうち、一番右、「面」を選択するモードにします。(二つ下の図を見て下さい)

Altキーを押しながら、面と面との間のエッジをクリックします。

選択

 

・面取り部分のポリゴンがぐるりと選択出来れば成功。今度は更にShiftキーを押しながらAlt + クリックで、別の文字も順に選択します。

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・下図のように全て上手く選択出来たら、マテリアルから赤いマテリアルを選択し、すぐ下にあるAssignキーを押します。これで、今選択しているポリゴンのみに赤いマテリアルが設定されます。33

・アサインし終わると、下図のような感じになります。

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・次は地面を薄い黄色で照らすことになる、下向きの面を選択します。今度はちょっと面倒です。

1. 1のキーを押して、フロントビューにします。Bのキーを押してポリゴンを選択します。この時、一番下向きの面と面取りの面が囲われていることを確認しながらマウスを動かしましょう。

※押すのはテンキーの1です。文字キーの1を押すと、レイヤー切り替えになってしまいます。(デフォルトで1のレイヤーだけ使用しているので、ここでは問題ありませんが)
テンキーのないPCをお使いの場合は、Blenderの初期設定を変える必要があります。FileメニューからUser Preferenceを選び、出た画面でEmulate Numpadにチェックを入れます。これで、文字キーの数字が、ビュー選択キーになります。1〜0まで押してみてくださいね。pref

2. Shiftキーを押しながらマウスの中ボタンをドラッグして、画面を未選択の文字へ移動します。

3. Bキーを押してマウスを動かして選択したい面を囲みます。少しずつ、全ての文字を選択します。35

・全てを選択し終えたら、うす黄色のマテリアルを選択し、Assignボタンを押して面にアサインします。

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・カメラアングルを設定します。初めからシーンにあるカメラを選択し、回転と移動で位置を調整します。

カメラを動かしながら、カメラからのビューも見やすくするため、まず3Dビューを二つに分割します。画面の右上にある三本の斜め線のところにカーソルを持って行き、左へドラッグしましょう。

Divide

左のビューで0キーを押すと、カメラから見たビューになります。座標系のモードをローカルにしておくと調整がしやすくなります。(下図の中央より少し右下。Localとなっていますね)

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ローカル座標系で回転ツールが選択されている状態。Localの文字の左のアイコンで、“円弧”が回転ツール。色の付いたラインをドラッグします。

 

・カメラが決まったら、左斜め上あたりに光源を移動しましょう。これも、最初からシーンに置いてある「ポイントライト」です。

・光源の位置を調整したら、右のPropertiesで「World」タブを選択し、環境光などの設定をします。

1. Indirect Lighting(間接光)にチェックを入れ、Bounces(光の反射回数)を2回に設定
2.  GatheringをApproximateに。
3. Samplingの中のError値を0.001に。
(この値を下げると間接光の計算が正確になりレンダリング結果がきれいになりますが、計算時間がかかります。お持ちのPCの性能に合わせて、レンダリングテストをしながら値を決めましょう。最終レンダリングをする時以外は、デフォルト値のままのほうがいいかも知れませんね)

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・さあ、いよいよレンダリングです。画面上のRenderメニューからRender Imageを選択するか、Mac以外のFキーつきキーボードならF12を押すとレンダリングが始まります。下図では、地面を水色にしています。
(ちなみに僕は、初期設定でCommand + Rでレンダリングが走るようにしています。Macらしいでしょ!)

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・ちょっと雰囲気を出すために、光源の色をピンクにしてみましょう。ポイントライトのオブジェクトを選択しPropertiesからLampを選択、色を変更します。テストレンダリングをしながらEnergyの値を調整しましょう。レンダリングはESCキーで中止出来ますので、途中で止めて再調整出来ます。

※こまめにファイルを保存することもお忘れなく。

44・静止画としては、これでレンダリングが終了すれば終わりですが、今回は「ロゴアニメーション」なので、動作を付けます。

・最も簡単で効果的な「Buildモディファイヤ」によるアニメーションです。

PropertiesからスパナのアイコンのModidierタブを選択し、Add Modifierをクリック、下図のようにBuildを選択します。

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・モディファイヤをあてると、文字が消えました。これは、何もない状態から文字が出来上がるまでをアニメーションしてくれるモディファイヤだからなのです。画面下のタイムラインで緑色の太線が0にあれば、文字オブジェクトが作り始められる前、これが右へ進むとどんどん形が出来ていきます。

Buildモディファイヤの設定内を見ると、Startが0、Length(表示が消えてますが)が100になっています。100フレーム目、つまりBlenderの初期設定では約4秒後に形状が完成するということになります。

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・完成形が下のGIFアニメです。容量を落としているのでちょっと汚いですが、イメージ通りに出来ましたでしょうか?

Final

 

長い記事を最後まで読んで下さって、ありがとうございます!

明日は、Pronamaさんの、「テクスチャが紫で見れない現象を修正。プロ生ちゃん Blender オリジナルファイル付き」です。楽しみですね!

 

<SMMAW Project No.39>


そして、注目記事、『Blenderで出来るとことん意外なこと』はこちら!

『ケプラーズ5213』の表紙デザイン、上がりました!

『ケプラーズ5213』表紙デザイン
『ケプラーズ5213』表紙デザイン

表紙デザインを初公開!

最後に少しだけPhotoshopで合成、調整していますが、ほぼBlender完結です。文字も含めて!
しかもレンダラーはBlender Internalです。丸の中の宇宙船ティオセノス号は予告編のフレームから書き出したものなのでInternalとCyclesのハイブリッドですが。
元データは長辺4,800ピクセルもあるので、Cyclesだととてもレンダリングが終わりません。Internalだとほんの数分ですからね!

Blender標準マテリアルのエミッション値を上げたもの+GIでのレンダリングは意外ときれいで早いんです。よく見ると緑の光がサンプル不足で妙なエッジが出てますが、Fireflyもノイズもなくて、こんな絵を作るのには便利なんです。きれいでしょ?

ベースのデザインは予告編からの流用です。え、まだ見ていない? では、こちらからどうぞ!

さて、いよいよ小説の発表も近づいて来ました。

いよいよ新作の予告編を公開!

Kate Silverberg in a Fridge.
Kate Silverberg in a Fridge.

12月発売のSF小説、『ケプラーズ5213』の予告編を公開しました!ショット数は少ないですが、思いのほか手間が掛かりました。今日はヒロイン、ケイト・シルバーバーグの髪の毛を延々と描いていました…。
ちなみにこの画像、下記のような手順で作っています。

1. iPod touchのスカルプトアプリiDoughで頭部をモデリング
2. Blenderにインポートし、更にスカルプトと頂点編集で形状を整え
3. Blenderで質感設定し、周囲の環境(冷凍睡眠装置や毛布など)を作成してレンダリング→冷凍睡眠装置は映ってませんね!
4. Photoshopで髪の毛などを追加。ペンタブレットを使って、一本ずつ描きました
5. 顔と髪の毛の全体の明暗と色調をPhotoshopで調整
6. Motionで様々なフィルターやエフェクトをかけ、完成

是非、見て下さいね!

こちらからどうぞ!

Blender 101

やはり初心者バージョンのBlender101というソフトウエアが開発途上にあるようですね。Andrew Priceくんがずっと前にTon Roosendaal氏に聞いたという話を、またBlenderGuruで話していました。当分は出来上がらないような感じですが。

ちなみにBlender101をWEB検索すると、初心者向けチュートリアルやトレーニングの動画がたくさん出てきます。BlenderGuruにもBlender 101 seriesというのがありますね。「モディファイヤ百科事典」というものが載っていて、簡単なGIFアニメがたくさん! とても分かりやすいですよ。

僕もAndrewくんと同意見ですが、別ソフトを開発するより、スプラッシュ画面から機能限定の初心者モードが起ち上がるようにすればいいんじゃないかと思うんですが…。Game logicとかText Editorとか、Movie Clip Editorとか、Video Sequence Editorとか、初心者は当分使わないだろうという機能がたくさんありますけど、GUIが変わったりエンジンの部分が違ったりすると混乱の元ですし、そもそも別ソフトが必要になるほどBlenderのコードは肥大していないですもの。3ds Max、Mayaなんかインストーラがとうの昔にギガ超えだし。Blenderは最新の一番大きいMac版でも110MB、Win32だと51MBしかない!
ダウンロードするのもインストールするのも気軽でいいですよね。もっとたくさんの人が使わないかなあ。

新作の執筆状況6

新作『ケプラーズ5213』、まだ三回目の校正中です。もう少しなのですが、Kindle化までにはまだまだ時間が必要で…。そこで、ということで、予告編の一部が少しずつ出来てきていますので、Work in Progress動画をちょっとだけお見せしますね。←音はまだです。

マシンパワーが<これ以上は無理!>というので、これ以上の画質アップはご勘弁(最終はQHDサイズになります)。本当はもっときれいにレンダリングしたいのですが、やはり1フレーム1分以内のレンダリング時間に抑えたいですし。
このカットは全体で二十秒(=600フレーム)あるので、満足いく画質になるまでサンプル数を上げると100時間前後はかかってしまうのです。電気代はもちろん、愛機にそんな無理をさせたくないですもの。
ディティールをDisplacement Mapping で出しているため、Cyclesだけではかなり酷いノイズでした。それを少しでも目立たなくしようと、Blender Internalのレンダリングとハイブリッド・コンポしています。(あ、もちろんCaustics offとか、Filter Glossy、Multiple importanceとか、ノイズ軽減の基本は押さえた上で、Despeckleもかけて)

この記事は、誰の役にも立たないかなあ…。

改めて、Blender.orgのCyclesリファレンスページで、ノイズを減らす方法を読み直しました。

上記で書いた他に、マテリアルの色値を1(真っ白など)にしてはいかん、とか、透明の影に気を付けろ、とか、ありますね。これらの基本でしたね。このシーンは透明物のない、減衰光のない、遮蔽空間のない宇宙のシーンなのであれですが、インテリアシーンなどでFireFlyやノイズに困っている場合、先ほど上げたページを読んでみるといいかもです。

いつか、誰かの役に立ちますように!

アルファマップを使うな!

BlenderGuru podcastでのお言葉。
The Third and The Seventh解説書の復刊にあたり、その中から大いに学んだ点の一つとして上げられていたもの(Andrewくんは初版千冊の読者)。

大量の樹木を扱う時、葉っぱにアルファマップを使うと、積み重なった透明度の計算でレンダリング時間が2倍にもなってしまうんだそう。目からウロコ。max+V-Rayなら参照オブジェクトとProxyを使えばポリゴン量はそれほど気にせず、レンダリング時間の圧縮にフォーカスできますね。

Blenderの場合、やはり外部リンクオブジェクトを使って、パーティクルで配置すれば相当行けますよね。たしか、その昔Macbook Proの古い機種で通算一億ポリぐらい行けた記憶がうっすらあります。勘違いかな?

念のため、知らなかった方のために。

The Third and The Seventh:2010年ころ発表のショートフィルム。当時、世界最高のCGと呼ばれていました。今見てもやっぱりすごい。作者のAlex Roman氏は、これ一本で超有名人に。その後CMの映像作りなどやっています。

解説書 From Bits To The Lens:The Third and The Seventh の制作解説書。出版当時、千部限定であっという間に売り切れ、復刊の声が凄かったそうです。maxとV-Rayのテクニックについて書かれたものですが、Andrewくんによると、CGと写真についての知識を得られるので、Blender使いにもとっても役に立ちますよ、ということです。私は読んでいないんですが。当時、Alex氏のサイトでチュートリアルを見た程度で。

さて、この記事がいつか誰かの役に立ちますように!

今更知った機能シリーズ

Blender Guruの一番新しいpodcastで、また一つ知らなかったことを覚えました。Andrewくんも最近知ったそうで、いつからあったのかなあ、前からあったのかなあ、てなことを言ってました。Architecture Academyの講座を作っている最中に知ったとか。
Edit modeに入っている時にProperty(N)を出すと現れるMesh Displayの中に、Edge InfoとFace Infoというのがあります。Edge Infoにチェックを入れると、Lengthで各辺の長さ、Angleで角度をリアルタイムで表示してくれます。2番目の画像は手前の頂点をZマイナス方向に動かしていますが、角度表示がどんどん変化し、小気味よいです。3番目の画像はその時の辺の長さの変化です。

Edge Angle
Edge Angle
Edge Angle Move
Edge Angle Move
Edge Length Move
Edge Length Move

 

次はFace Areaにチェックを入れた状態。こちらも面白いです。下は各面の面積が4平米。2番目の画像は上のものと同様、手前の頂点を移動。面積が変化してますね。天面は平らな面でなく破綻しているので、ちゃんと曲面の面積なんでしょうかね?
ちなみに天面を対角で分割すると、2番目の画像とは面積が若干変わります。何らかの必要があって面積を知りたい時には訳に立ちますね。その昔、地図上である地域の面積を測ったりする需要がありましたが、あの頃(20年以上前ですが!)にこれがあったらとても便利だったなあと思ったり。
一番下の画像は、Cut Tool (K)でいい加減に分割したもの。全部ちゃんと計ってくれています! 当然ですが…。

Face Area
Face Area
Face Area 2
Face Area 2
Face Area 3
Face Area 3
Face Area 4
Face Area 4

 

さて、お楽しみいただけましたでしょうか?

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

好きな Podcast Best 3 その2

Blender Guru Podcast
Blender Guru Podcast

2. BlenderGuru podcast

ご存知BlenderGuruことAndrew Price氏のPodcast.

BlenderGuruにずっと注目していたこともあり、このpodcastは初回からずっと愛聴しています。Blenderについて話している部分は、それほど英語が得意ではなくても何となく分かるんじゃないかと思います。最初の頃は頑張ってBlender情報ばかり発信していたAndrewくんですが、脱線が激しく、そこがまた面白いんです。最近は話の大半がBlenderとは関係のない話。でも、総合的なクリエイティブの話であったり、ビジネスの話であったり、参考になるものは多いです。

ちょっと前、カナダでSIGGRAPHに行った時のpodcastでは、空港での愚痴からホテルの予約をミスって大変な思いをしたことなどを延々2時間もかけてくっちゃべりまくっていました。でもね、面白いんですよ、文句ばっかりなんですけど。

Blender関連の有名人にたくさんインタビューしているのも、このpodcastの魅力の一つ。これまでJonathan Williamson氏やColin Levy氏(Sintelで有名になり、今はPixarの人!)など早々たる豪華Blender有名人が出演しています。

番組の最後には大抵Q&Aのコーナーがあって、Blenderに関する様々な疑問に答えてくれます。でも彼は別にBlender foundationの人間でも開発者でもないので、Blenderはこれからどうなる? 的な質問は堂々と無視してます。その無責任な態度がまた、彼の魅力になっているのです。自分の分かること、責任範囲内では一生懸命だけど、知らんことは知らん。という割り切りが気持ちいい。

そう、一つ、微妙だけど一理ある発言について書いておきましょう。彼は、ニュースをほとんど見ないんだそうです。悲しいニュース、頭に来るニュース、ニュースは基本的にネガティブ情報ばかりです。そういうことで頭を悩ませるのは止めた。という話。よりクリエイティブであるために、そのための情報を集め、勉強し、努力する。それが大事。世間のことは雑音。表現者として、世界を知らねばならぬと僕は思いますが、どんどん世界は変化していって、不幸な人が数えきれないほどいて、手を差し伸べることもできない自分がいて…。

世界を少しでも住みやすい場所にするために、少しでもできることはやりたい。でも、クリエイターとしての自分を成長させることもまた、何にも替えられないほど大事なんだと、振り返らせてくれるのです。

彼はpodcastの中で自分の読んだ本をよく紹介してくれますが、その中で僕の読んだ本を一冊。
“the War of Art”という本です。これは英語版ですが、日本語訳も出ていたと思います。あ、ありました「やりとげる力」というタイトルですね。あのロバート・キヨサキさんがお勧めしているところがちょっと微妙ですが。
アーティストとして生きるための心得、というか覚悟について書いた本で、これを書いたスティーヴン・プレスフィールド氏自身が、さぼろうとしてしまう心、集中できない心と向き合いながら乗り越えていくための心構えを時に厳しく、時にゆるく、語ります。特に若い方にお勧めです!

新作の執筆状況4

Kindle校正とそこで入れた赤字のMac修正を終え、ようやく紙に出力します。つまり、いよいよ、自分以外の人の目が入ります!自分以外といっても家族ですが、緊張します。みんな僕より読書家なので、結構厳しいんですよ、これが。

そして、家族に読んでもらっている間に、予告編の制作を進めることになります。今回はあまり凝ったものにする積もりはないのですが、巨大宇宙船が出てきます。そのモデリングだけで、さあ大変!
こちら、現在作りかけ中のコロニー型巨大宇宙船、ティオセノス号です。

Work in Progress ティオセノス号
Work in Progress ティオセノス号

便利なショートカット

BlenderGuruとして有名なAndrew Price氏のメールニュースを購読しています。本日のニュースにBlenderGuruの新しい記事が紹介されていました。BlenderGuruのために働いているRenante Martinez(レナンテ・マルティネス)氏の投稿で、「11 Useful Blender Tricks You May Not Know(君が知らないかもしれない11の便利テク)」

僕自身も11の中で知らなかったものが半分以上あり、今後のBlenderでの制作をスピードアップさせてくれるんじゃないかと思わせてくれました。But、そこで終わってはいけない!

と、いうのも、記事の下には記事を読んだ人の感想だの意見だののスレッドが延々と続いているのですが、その中に、上記の11テクを凌ぐものがあったんです、これが!

#1: 選択オブジェクト以外を全て非表示に

SHIFT+H. VS /

何のことだか分かりませんね…。Shift+Hで選択オブジェクト以外を非表示にしますが、それより/(NumPadのスラッシュ)、つまりLocal Modeが便利だという内容です。さて、比べてみましょう。

Shift+H:文字通りの機能です。ただ周囲のものが消えるだけ。戻すためには、Alt+Hですね。ここにこの機能の弱点があります。Alt+Hはハイドさせたオブジェクトを全表示させますので、Shift+HとAlt+Hの関係はトグルではない、ということになります。

/:これは、周囲のものを消すと同時に、選択オブジェクトを視点の中心に持ってきてくれて、更にビューがリセットされます。つまり、画面を回転させると選択オブジェクトが常にローカル中心で回転されます。
これは、あるオブジェクトにフォーカスして編集したい、という時に大変便利です。そして、元のビューに戻すのが「/」です。完全にトグルの関係なので、既にその時に表示させたくないオブジェクトを消して作業していたとして、更に「/」で1オブジェクトだけを表示させて編集し、元の表示状態に戻す、ということが簡単にできるのです。

便利さで / の勝ち!

このテクニック、テンキーのないキーボードを使っている方は、自分でショートカットキーを登録する必要がありますね。非常に便利なので、僕は普通の「/」キーに登録しました。
登録の方法:File/User Preferences..でInputタブを表示させ、Name検索で「Local V」と入力。現在はNumpadの「/」にLocal Viewが割り当てられていることが表示されます。ここをクリックして入力受付状態にし、「/」キーをクリックすれば設定は完了です。

もう一つ。

#11: ポップアップメニューによる選択

Alt+Right Click VS Control+Click

こちらは、たくさんのオブジェクトで画面が埋まっているような時、Alt+右(選択ボタンを左に設定している人は左)クリックで、オブジェクトの名前をリストしたポップアップが出るので、それを選択すると便利、というものです。一方は、Control+Clickだけでいいじゃん、というもの。さて、比べてみましょう。

Alt+クリック:リストが出ますが、オブジェクトに名前を付けて整理していなければ、ほぼ無意味です。Plane.001, Plane.002, Plane.003….のようなリストが出ても、自分の選択したいオブジェクトの名前が何なのか分かっていなければ、結局選択出来ませんからね…。

Control+Click:これはコツがあります。まず、Aキーで全オブジェクトを選択状態にします。そうすると、オブジェクトの周囲にオレンジ色の枠が付きますね。それと同時にオブジェクトの中心点(Centroid)がオレンジの丸で表示されます。そこをControl +Clickする訳です。シェーディングされていて、実際のオブジェクトが奥の奥のほうにあっても、Centroidは表示されます。前者のリストは油断しているとリスト表示が消えたりして、選択しづらい、という弱点もあったりします。

便利さで Control+Click の勝ち!

今日はたくさん、勉強になりました。上記の二つはBlenderGuruより読者の勝ち、でしたが、他はとても有用なショートカットばかりです。是非、読んで役立てて下さいね。

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!