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短編第六話の表紙が完成

段ボール箱の中の人形
段ボール箱の中の人形

『奇想短編集 そののちの世界』の第六話にあたる『段ボール箱の中の人形』の表紙が完成しました。これまでで最も手間をかけたものになっています。いやー、これさえやらなければ、もっとどんどん小説執筆が進むんですが……。
この、少しでも注目されるための作戦、本当に効果があるのかどうか。でも特徴のあるプロっぽい表紙を作るのは、とても大切なことだと思います。今後も続けますよ!

さて、せっかくブログでお見せするからには、ここに見に来て良かったなと思える追加情報を。

Twitterを読んで下さっている方はすでにご存知のものもあるかと思いますが、途中経過や別バージョンの画像をいくつか載せちゃいます。

階段を作り始めたところ
階段を作り始めたところ
階段を作り始めたところ
階段の途中経過。形が出来上がり、質感をつけています。
球体間接人形
球体間接人形。初めてきちんとリトポロジーした人体型モデル。頭だけはきれいなベースメッシュを作ったので、今後このモデルをベースにしていろいろ展開するのが楽しみ!
ついでにアニメーション
ついでにアニメーション。筋肉の流れに沿ってメッシュを切っているので、笑わせると自然に頬が上がります。
顔のトポロジー
顔のトポロジー。まだまだ無駄なポリゴンや流れの美しくない部分があり、改善の余地はたくさんありますが…
段ボール箱
段ボール箱
人形アップ
人形アップ。妙に目力が強い。
階段のアップ
階段のアップ

さて、人形のアップを見て、あれ? と思った方は鋭いです。
人形や段ボールの「汚し処理」は別にレンダリングした画像をコンポジット(合成)したもの。ここに載せるアップカットを作るためにそこまでの労力はかけなかったので(つまり手抜き!)、リアリティが足りなくて雰囲気がかなり異なりますね。

完成画像のアップ
完成画像のアップ:箱や人形が適度に汚れていてリアルですね(自分で言うなよ)。

下に、今回書き出したエレメントをまとめます。

レンダリングした各種エレメント
レンダリングした各種エレメント

中央がフルレンダリング。Kindleの表紙用フル解像度よりやや大きめ(長辺3,000pix)で、約1時間半のレンダリング時間です。サンプル数は1,000。
上の画像は32bitデータの現像処理前なので、白っちゃけて見えますね。

以下、順に左側から。
・1番目:アンビエント・オクルージョン版、光の当たらない凹んだディティール部に影を追加で加えるためのものです。
・2番目:ダート(汚し)版。これで人形と段ボール箱をはじめ、全体に汚しをプラスしています。
・4番目:スポット版:段ボール箱の辺りにだけ、追加で光を当てるためのもの。雰囲気を左右する光は、こうやって後調整出来るようにしておくと便利です。
・5番目:Zバッファ版。こちらも32bit画像なので、現像処理前のものは真っ暗ですね。カメラからの距離をグレースケールで表したもので、距離に応じたレンズのぼかしを調整します。
ディスプレイで見えるラチチュードに調整した画像を載せておきましょう。こちらの場合、明るいほど画像がぼけていく、ということになります。

Zバッファ画像
Zバッファ画像

今回はCG画像の解説のような記事になりましたが、分かる人には物足りない、分からない人には意味不明、という微妙な内容だったかもしれませんね……。でも、ハリウッド映画のメイキング映像も、別に内容を全部理解して見ているわけではないですよね。「すっげー!」という感じが面白い、ということだと思うので、まあ、今回の記事もそういうことで。
丸三日も掛かってしまったので、まあ作者の自己満足だと思ってくださいな。

最後に、表紙用デザイン抜きの画像だけにしたものを、参考までに載せておきますね。

表紙用画像、オリジナル
表紙用画像、オリジナル

この記事がいつか、ちょっとだけ、誰かの役に立つといいな。

種明かし:Make Humanは便利です

Make Human
Make Human

今まで制作してきた動画作品に登場する人物は、実は全てMake Humanで制作されたもの。
Make Humanはオープンソースでフリーの3D人間モデラー(なんか他の言い方ないのか)。その昔、Blenderのアドオンとして開発され、その後独立したアプリケーションになったものです。
そのため、Blenderと連携しやすく、人体のベースを作成するにはとても便利です。WEBサイトの説明を見ると、スカルプトのベースとしても良い、というような記述があります。なるほど、それは考えたことがありませんでしたが、確かに良さそうですね。

初期の頃はなんだか何をやりたいのか分からないようなところがあって、宇宙人とか変なクリーチャーもどきを作れたりしましたが、最近のバージョンではすっかりリアルな人間作成指向になっています。

性別、年齢、人種、背の高さ、体型などをどんどん入力していけば、リアルな人物が出来上がります。

デフォルト画面
デフォルト画面

こんなインターフェイスです。初期設定では性別パラメーターが男女の中間になっています。首から下は……ご自分でお確かめください。(そう、このソフト、リアルへのこだわりからか、ここで書けないようなパーツも備え付けられています。誰が使うのかなあ)

Make Humanのパラメータを色々といじるだけで、このくらいの人物はすぐ出来ます。顔の表情も付けられますので、遊んでいるだけでも楽しいかも。

アジア人の男で僕の年齢と背格好に設定……。
アジア人の男で僕の年齢と背格好に設定……。(ちなみに僕とは全然似てませんよ)

一応、ライブラリに洋服もいくつか入っているのですが、それだけではちょっと淋しい。

mh_cloth
身に付けるもののライブラリ

僕の場合は、データを書き出してBlenderに持っていき、あちこち加工します。

0_manKnife_compo_0091
この手もMake Human製。Blenderに持っていけば手のポーズも自在に変えられます。
発掘現場の考古学者も
発掘現場の考古学者も(『孤独の王』予告編より)

この服は、Make HumanのシャツをBlenderで加工したもの。ほとんど原型を留めていませんが……。

Grownol_compo_0090
独裁者グロウノル王も(『孤独の王』予告編より)

Seniro_bow_compo_0124

Seniro_compo_0120
主人公セニーロくんも(『孤独の王』予告編より)

 

さ、気になった方、いじってみたくなった方は、http://www.makehuman.org/でダウンロードしてみましょう!

Make Humanじゃなくて『孤独の王』を読んでみたくなった方は、こちらですよ!

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

BLENDER 2.73a、出てますね

2.72がちょっと不安定だったので期待していた2.73。バグはかなりフィックスされているようですが、突然何の前触れもなく落ちるのは同じ。最近、2.72まではかなり安定していただけに、ちょっと残念です。早く2.73bが出ないかなあ、と勝手な期待を持ったりしています。
え? 僕だけですか。

それはそうと、2.7系のFBX書き出しがようやっと分かってきたので、少し書いておきます。

2.72の記事でFBX書き出しが駄目だなんて書きましたが、単に僕のノウハウ不足・テスト不足でした。相当やってみた積もりだったんですが、節穴だらけの目で済みません……。

で、ポイントは下図のとおり。

Blender 2.7系 FBX Export
Blender 2.7系 FBX Export

・Versionを6.1 Asciiにする
・Selected Objectにチェック(これは当然)
・Unityに持っていく場合は、Scaleを100倍に
・Unityに持っていく場合は、ForwardをZに。-Zでなく。
・そしてもう一つ、最も大事なのが、All Actions のチェックを外す

これだけ守れば、Unityに余計なゴミを持っていかずに済み、データ量も多くの場合は半分以下になりそうです。僕の場合、ArmatureのボーンアニメーションをUnityに持っていく機会が多いのですが、3分の1以下に軽量化できたりします。もう、2.6系に戻る必要はなさそうですよ!

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

短編第五話の表紙が完成

奇想短編集 そののちの世界 第五話『プロテイン・パック』
奇想短編集 そののちの世界 第五話『プロテイン・パック』

先日途中経過を掲載した『プロテイン・パック』の表紙画が完成しました。子供の頃に夢見たような、懐かしい未来都市です。空はどんより曇って、街は冷たい感じ。決して明るい未来ではないけれど、冷たい街に差した暖かな夕陽がチューブの中のバスに乗る主人公の二人を優しく照らしています。
(そんなん見えねえよ! って声が聞こえてきそうですが)

上の画像をクリックすると、ワイヤーフレームから表紙デザイン完成までのタイムラプスGIFを見ることが出来ますよ。これから自作の表紙をデザインしようと考えている方の参考に、ほんの少しはなるかもしれません。
ちょっと重いので、モバイルの方は要注意。
小サイズのGIFも用意しましたので、こちらからもどうぞ。

ところで、絵のどこが変わったかと言うと、ビルの構造を見直し、空っぽだったエアチューブの中にはバスが走って(飛んで)います。そのバスには、前述のようにカップルが乗っています。まあ、細かい部分はよく見えませんが、ちゃんと見えない前提の精度でしか作っていないのでご勘弁。
クジラ型の何かの口の先には、何かがありますね。これが何であるかは小説を読んでのお楽しみです。
読んでいると「お、このシーンか!」と分かりますので、イメージが湧きやすくなりますよ。

珍しく、自分でもこの絵は気に入っています。表紙ではちょっと隠れていたり小さくて見えにくいので、お気に入り要素を二箇所、トリミングしてお見せしましょう。

Mini Buss in Airtube
Mini Buss in Air-tube (クリックしても大きくなりません)
whale
So called “Whale” (クリックで拡大します)

 

小説は2月5日にAmazon Kindle Store楽天KOBO電子書籍ストアにてどちらも同じ99円にて発売されます。このシリーズの例に漏れず、あらすじを言ってしまえば怖い怖い未来なのですが、ちっとも怖い話じゃありません。血とか、グロテスクな描写もないですよ。子供の頃に初めてSFを読んだときのような読書体験を、昔子供だった大人の方に味わって欲しくて書いた話なのです。

楽天では無料キャンペーンを行なう予定です。お急ぎでない方は(急いで読みたい方はいないんじゃないかと思いますが)、無料になるまで待つといいかも。

万が一、お急ぎの方は、既にAmazon Kindle Store で予約を受け付けてますよ。ペットボトル一本より安いけど、それ以上の満足を得られると思うんです。

僕なら買っちゃうけどな、と言ってみる。

短編:Amazonと楽天のはざまで

現在刊行中の短編、『そののちの世界』のシリーズですが、Amazon Kindle Store と楽天KOBO電子書籍ストアの二カ所に置いていただいています。Amazon では99円、楽天では三話目までは0円です。少しでも多くの方に読んで欲しいと考えて経験値の全くない楽天では無料で出しているのですが、無料にも関わらずダウンロード数は極めて少ない状況です。
Kindle Storeの場合は、初めから無料という設定はできず、無料キャンペーンをやれば数百人の方にダウンロードしていただけるのですが…。

楽天では、現在、短編三本分でまだ一桁なのです。やはり、無料にしただけでは人目につかないということなのですね。これでは、気軽に読める新作をじゃんじゃん出して多くの人に手に取ってもらうという計画が、全くの無駄に終わりかねません。
そのため、次の手として、第四話の『フローラ』は楽天でもAmazonと同じ99円に設定。発売後、無料キャンペーンを打つ予定です。これで結果を見て、楽天におけるダウンロード数が伸びなかった場合、その次からは楽天には出さないかも知れません。

Amazonでは独占販売にしない限り無料キャンペーンを打つことができないので、このままでは、せっかく10日ごとに新作を出しても、Amazon でも全く注目されることがありません。せっかくの集客力を無にしてしまうので、ここらが判断のしどきなのかな、と考えている次第。。
→1/20追記、これは、全く無名の僕だからという事情にすぎません。売れている方はちゃんと楽天でも注目されていますね…。せっかく初期から参加したのだし、あまり早く決めつけるのは良くない姿勢かな、と思い直している最中。

ところでこちら、制作中の第五話目、『プロテイン・パック』の表紙です。子供の頃に科学雑誌や図鑑、子供向けSFなどで夢想した<懐かしい未来>のイメージです。まだ途中なので、出来上がったらまた画像を載せますよ。こちらもお楽しみにお待ち下さい!

Work in Progress『プロテイン・パック』
Work in Progress『プロテイン・パック』

 

さて、第四話の配布数はどうなりますことやら…。結果の報告にご期待下さいね!

この記事が、いつか独立系作家の方の役に立てるといいのですが。

短編第四話の表紙が完成

短編集『そののちの世界』の第四話、『フローラ』の表紙が完成しました。今回は一日であがり、ほっとしています。

フローラ
フローラ

 

今回はサクッと出来たので、途中の画像がありません。それが分かるくらい僕の作品に詳しい人はいないかと思いますが(笑)、実はこれ、過去の作品からのシーン流用です。

地形、木、草と石は全て『孤独の王』で作った予告編の大枯れ木のシーンから持って来ています。今回変更したポイントは…

・大枯れ木は焦げて真っ黒い木なので、テクスチャを普通の木に差し替え
・元々あった丘を無くすため、地形を平たく潰して変形
・砂利道をアスファルトの道に変更(全然分かりませんね)
・頂点ペイントをやり直して、草の分布を変更

そしてもう一つ、花は『Waiting』というショートアニメーションから持って来ています。
三色の花を、上述の草原にバラまき直しています。

さて、Twitterで三種のパーティクルを使用、と呟きましたが、もう分かりましたね。
1.草 240万株(12万+Children各20ヶ)
2.石 900個
3.花 3000本 です。
草、石、花とも何種類かずつを作成してグループ化し、それぞれ別のパーティクル・システムでグループをピックしてバラまいたものです。草は一株6本セットで、今数えてみたら一株あたり26クアッドポリでした。つまり、合計では草だけで6240万ポリゴン!

こうなったら、全部数えてみよう。石は3つセットで32ポリ。32×900個で28,800ポリ。花も3本セットで287ポリ。287×3,000本で861,000ポリ。その他に、木が11,167ポリ、地面と道路で1,914ポリ。。。あ、これ、もう誰も読んでないですね。

で、合計は、63,302,881ポリゴン!

しかも、マシンはMacbook Proですから。いやあ、Blenderって凄いですねえ。

今日は訳の分からん投稿でした。

(この記事は誰の役にも立ちません! ← きっぱり)

短編集第三話の表紙用に猫を制作中_2

ようやく続編です。というか、表紙画像完成の報告です。

奇想短編集 そののちの世界 第三話『可愛くてしかたがない!』

 

今回はかなり苦労しました。可愛くなったかどうかは別として、ようやく完成です。まあ、主役として目力のある猫にはなったんじゃないかと…。

うちの子(ブリティッシュ・ショートヘア)とは全然違う種類の猫にする積もりが、ちょこちょこ参考に見ているうち、やっぱりそれっぽくなってしまいました。

前回のウェイト・ペイント後にパーティクルで毛を生やした直後のレンダリング画像が下図。多少、長さは調整できているのですが、法線からまっすぐ毛が生えているため、固い針金のようです。

呪われそう?
呪われそう?

 

パーティクル・エディットの中でコーム機能を用いて毛を梳かしてみたのですが、どうにも難しく、上手くいきません。ここで、コームを用いると頂点ペイントの値が無視されることが発覚。結構時間を掛けた作業が無駄に…。

毛に覆われた変な化け物?
毛に覆われた変な化け物?

 

パーティクル・エディット機能で、梳かしたり短くしたりカットしたりしながら調整。だんだんそれらしくなってくるも、全く可愛くない、犬みたいという問題に遭遇!再度スカルプトモードに入って顔全体の形を整え、Photoshopでちょこちょこと整えたのが最終の表紙画像となりました。

犬ねこ?
犬ねこ?

 

さて、楽しんで頂けましたでしょうか?

肝心の小説は1月15日の刊行予定です。これまで通り、Amazon Kindle Storeでは最低価格の99円、楽天Booksでは無料で配信します。タイトルには「可愛い」と入っていますが、実は、ちょっと怖い話です。猫好きの方はご用心かも!

 

短編集第三話の表紙用に猫を制作中

奇想短編集『そののちの世界』の第三話として予定している『可愛くてしかたがない!』の主役は猫です。表紙のために猫のCGを制作し始めました。

まだまだ途中ですが、適宜、状況をアップしたいと思います。

第一段階はフリーのCG彫刻ソフト Sculptris で形を作ります。ソフトを起動すると、こんな球体が現れます。Blender ではキューブですが、彫刻ソフトの場合はこんな球体が多いです。球体からだとキャラクターの頭などが作りやすいんですよ。

作り始め
作り始め

途中のスクリーンショットを撮っておかなかったのですが、Sculptris ではこの辺りまでざっくり作り込みました。ざっと二時間ほどでしょうか。今一つ猫っぽくないですね…。

Sculptris
Sculptris

全体の大きさや位置を調整するために、一旦 obj で書き出して、Blender にインポートします。

Mirror
Mirror

編集モードで左半分(X軸のマイナス側)を完全に削除し、Mirrorモディファイヤで左右対称に編集できるようにします。いきなり Sculpt モードにしてX軸対象にしてもいいのですが、そうするとScultprisから Blender にせっかく持ってきた意味があまりありません。

こうして下ごしらえすれば、編集モードで頂点をずらしたり部分で拡大縮小したり出来るため、Sculptris で行うより効率良く全体のバランスを取れるのです。

Dyna topo オン
Dynatopo オン

Sculpt ツールバーにあるDynatopo 機能をオンにすれば、 Sculptris と同じようにメッシュを増やしたり減らしたりしながら彫り込んでいけます。ただし、Mirror がかかった状態でDynatopoをオンにすると、Sculpt 時には図のように Mirror 側が非表示になります。しかも、Mirrorのセンター付近を編集すると、センターがずれて隙間が空いてしまうので、注意が必要です。

間が空いてしまったら、一つ上の図のようにMirror センターのエッジをぐるりと選択(編集モードで Alt + クリック)し、X軸方向に0縮小をかけてから、プロパティのTransformでX Locationを0と数値入力します。これで、Mirror軸の隙間がぴったり埋まります。

スクリーンショット 2015-01-04 22.56.07

さて、Blenderに持ってきてからかれこれ1時間。何だか人間ぽくなってしまったかな…。でも、最後は毛も髭も生やす予定なので、気にせず先へ進みます。

ウェイト・ペイント
ウェイト・ペイント

次は毛を生やすための準備、ウェイト・ペイントを行います。毛のないところは青、最も毛の長いところが赤で、毛の長さの分布を考えながら、頂点カラーを塗り分けてゆきます。

さて、今日はここまで。続きはまた数日(?)後に!

新作短編『完全なテロメア』:表紙が出来あがりました!

完全なテロメア
完全なテロメア

 

一月五日刊行予定の短編集二話目、『完全なテロメア』の表紙が完成しました。CG部分は昨日のチュートリアルからほとんど変わりがありませんが、全体デザインは『奇想短編集 そののちの世界』のシリーズでずっと同じものを踏襲します。

今回のレンダリングはCyclesで。20分ほど掛かっています。白く浮いているダストは別レンダリングでのコンポジットですが、同じ長辺4800pixのレンダリングでも、ダストは数分でレンダリング完了しています。被写界深度を浅くして、サンプル数も500くらいに上げていますが、Cyclesのレンダリングは速くなりましたねえ!

レンダリング後、最初はPhotoshopで加工し始めたのですが、Dispersion(レンズ収差)の表現がきれいにいかないのでBlender内でのコンポジットに切り替えました。Vignet(ヴィネット=周辺減光)やちょっとしたフレアの感じもBlenderのCompositorで処理する方がいい雰囲気になりました。最後に文字や色網などのレイヤーを重ねる部分だけPhotoshopに戻しています。

まずは予定通り、二話目まではデータ完成です。

Sculptrisで使えるMatcap画像を公開

スカルプトを分かりやすく美しく表示してくれるMatcapシェーダー用の画像をBlenderで作成しました。
左側のメニューにある「REPOSITORY」からどうぞ。
《2015.11月捕捉:REPOSITORYへの掲載内容が少しずつ増えてきたので、こちらの直リンクもご利用くださいね!》

と、その前に、「Matcapって単に画面表示用じゃん、それだけきれいにしてもな…」と思ったあなた、画面プレビューの書き出し機能を使えば、動画だって出来ちゃうんですよ。
例えばBlenderなら、OpenGL render active viewportの機能(下図では右下のカチンコのボタンです)を使えば、画面表示状態のアニメーションをそのままレンダリングしてくれます。

OpenGL Render Active Viewport
OpenGL Render Active Viewport

動画のサンプルとして上げた下記のティオセノス号のシーンは200フレームの長さですが、ほんの数分でレンダリングが上がりました。

(クリックしてYoutube動画を再生)
(クリックしてYoutube動画を再生)

ちょっとしたコツとして、背景色をWorldの設定で黄緑色にすると、コンポジットする時に簡単にキーイング出来ます。船体には当然リフレクションは入りませんので、完璧に抜けますしね!

グリーンバックで映画っぽく!
グリーンバックで映画っぽく!

 

<12/24 補足:
Render設定/Shading/Alpha の設定をTransparent にすれば、ビューポートレンダリング時に背景は透明になります。背景色を設定する必要はなかったですね!>

どんどん過去へと消えてしまうブログページでなく、固定ページにリポジトリーを設けましたので、これから色々な配布物を載せていこうかなと考えています。

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!