だから「困難だ」って言ったんだぁ

拙著『プロテイン・パック』をネタにしてくれたのは嬉しいんだけど、あれ、誤解を与えるよなあ。筋肉系の男が出てくる話じゃないんですよ。(もちろん、まだ読んでないんでしょ?)←あ、わざとだってのは分かってますけど。
《動物性蛋白質を半固形化した冷蔵または冷凍食品》これが、プロテイン・パックの正体だ。でもその動物性蛋白質の正体は、物語を読んで知って欲しいな。

さて、本題。

『Pの刺激』の感想文に対する著者ご本人からの感想に対する再説明・弁明・言い訳だ(何とでも言って!)

ヘリベさんだけでなくリアリティという言葉が引っ掛かってしまった部分も大きいようなので言い直すと、『構築されたその世界観を読者が受け止められるだけの説得力を持っているか』ということになるかな?
誤解を与えてしまったようなので書いておくと、『Pの刺激』には全体的にその《リアリティ》があるし、部分部分の描写にもそれがある。だけど1ヶ所だけリアリティを感じなかった大きなポイントがあったという話なのだ(後述)。
《感情移入》に問題があるとはまったく思っていないし、僕はちゃんと話中にどっぷり浸かって読んでいた。それは僕の言ったリアリティの問題ではないのだな。
きちんと解説し直すとすると、リアリティを感じなかった点、つまり僕がこの物語世界に説得されなかった点は、《Pによる幻想が現実を侵食し》というくだりだ。未読の人にとってのネタバレにならないように注意しながら書いたので、やはり曖昧な書き方になっていたようだ。
きちんと書いたようにも思うけど、誤解を与えたのだからしかたがない。

各種の物語に登場する《ほんものの魔術》や《超能力》や《現実を超えた天変地異》が説得力を持つためには、その世界観にその種が蒔かれていなければならない。僕は単に、その種を見過ごしてしまった読者だったのだ。昨夜のヘリベさんの記事を読む限り、それはちゃんと物語の世界に埋込まれていた。だから僕がそれを見逃してしまったに過ぎない。

郁夫の《力》は、その後のファンタジーを予感させる道具立てとして、充分に成立・機能していた。夢の中で他人の夢に侵入し、それを左右してしまう能力。それは、既に一線を越えたものだった。僕はそれをある種の精神世界の出来事として自分の中で片付けてしまっていたんだ。でも、よくよく考えれば分かる。この描写は読者に完全に違和感なく受け入れられるものだし、後半でそれが拡大していけば現実世界に影響を及ぼすこともきわめて自然に受け入れられるべき現象だったんだ。

分かるかな? 僕が唯一の欠点だと指摘してしまったポイントは、つまり欠点などではなかったということだ。
僕の感想文を読んでそこが欠点だと思ってしまった人がいたら、申し訳ない。ごめんなさい。謝ります。ヘリベさんにも頭深々と「ごめんなさい」だ。
僕は、自分の読解力不足を暴露したに過ぎないわけなんだ。だからあの作品に、《僕が》、《直すべき点として指摘できるもの》は、何もないんだ。
そもそもあれは《感想文》なのだし、《指摘》なんてそんな大それた、おこがましいことをする気は微塵もなかったのだし。

もう一度言おうかな。『Pの刺激』は傑作。ただし、受け入れ側には少々の読解力が必要。
以上。

ここからは私信のようなものになるかな(小説クラスタ以外の方、ごめんなさい)。


ヘリベさんは他人の言葉のネガティブ側面を拾い出して繋ぎ合わせ、ネガティブな結論として思い込んでしまいたい性向があるのかもしれませんね。(その拗ね方がカワイイとも言えるんですが、)そんな風に思わなくていいんです。
僕だってネガティブに捉えれば、ヘリベさんのお書きになった記事からこう思って落ち込むことになります。

「淡波亮作は作家のくせに一般読者と同じ浅い読み方しかできないし、読解力も低いようだ。構造を理解しようとしないくせに批評するなよ、泣き言言うくらいなら読まんでくれ」って。うわーっ。

あなたは多くの読者やセルフ作家から愛されているし、あなたの作品は尊敬を持って読まれている。(キモイと言わないで!)
それは間違いないんです。いいと思ったからこそ、僕はもっとヘリベさんの別の作品を読みたいと思ったし、「ダメ」と思った作者のものには、恐らく二度と手を伸ばしません。(自分の読書力を確認するためとか世間の評判に引っ張られてとかで、もう一度手に取ることもないとは言えませんけど)

感想記事のタイトルを《感想を書くことが困難な作品》としたのは、きっとあなたに誤解されるだろうな、と思ったこともあります。《批評する者は批評される》わけですし、それは予測していました。(無視されていたとしても拗ねませんよ!)
読んだ作品をべた褒めするだけが感想ではないですし、僕は自分の感想として、出来るだけフェアに書いてみたかった。それが少々ずれていたとしても、べた褒めだけして終わりにはしたくなかったのです。褒めたい部分は褒める。気になった部分は気になったと言う。それだけです。僕は一般読者のように読むし、僕の感想はいわゆる批評ではありませんしね。

牛野小雪さん推薦の『シュウ君と悪夢の怪物』の次には『ガラスの泡』を読みますよ!

(願わくば、無計画な『そののちの世界』に幻滅しませんように!)

では!

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