KENPのキャプチャだと思ったあなた、ハズレです。
今週一番のアワナミ的トピックは、やっぱりこちら。
『トロロ姫の歌』で決まりでしょう!
白井市の非公式ゆるキャラ《ジネンジャー》と、作家淡波亮作のコラボ企画第2弾。白井地底王国から姿を消してしまったトロロ姫の切ないテーマ曲です。
まあ、世間の人気動画と比べると(比べるな)、再生数は1億分の1くらいですが。僕のモノの中では最速での100再生突破のような気がします。
高評価が5つもついてるし!
今回の動画のテーマは、ずばり《絵になる》PV。
え、なってないって?
それは言いっこなしですよ、ダンナ──。
・児童文学っぽい雰囲気で
・絵本になりそうなビジュアル
・3Dを使うけど、あくまでもベタ塗りのアニメっぽく
・線画の味と温かみを感じさせる
・どのフレームを切り出してもそれなりに絵になるもの
(もちろん、トランジション中は除いて、ね)
そしてもう一つ大事なのが、短時間で計算できる設定。これです。
この動画は1分40秒ほどの長さなんですが、通常、このくらいのものを作ろうと思ったら、数日間レンダリングしっ放しになってしまいます。
この暑さでそれは辛いし、レンダリング中は他の作業もあまりできなくなってしまうので……。それから、締切り。
まあ、こういったものを自作する場合、いつもは締切りなんてあまり設けないのですが、今回はジネンジャーさんに言ってしまったんですよね、
「遅くともお盆までには仕上げますー!」って。
歌のレコーディングは日曜日に無事終わり、映像の編集も半ばまで終わった状態でしたが、まだシーンが足りず、レンダリングの必要がありました。
いつもならこれで諦めるんですが、今回は最短2秒弱@1フレームのレンダリング設定(しかも初のフルHDサイズ)なので、手作業さえ追いつけば何とか終わりそうだ、と思って頑張っちゃいました。
Blenderで、Cyclesでレンダリングしてると、何しろきれいな絵を出すためには計算時間が膨大です。
ここで、今回のようなアニメ風限定のレンダリング時間削減Tipsを書いておきますね。
・マテリアルはすべてEmitterにします。
自分で光を出すことで、陰影のない絵になります。GIが不要なので、バウンスは0回設定でオッケー。ベタ塗りなので、リフレクションも透過もすべて0設定で。
・Freestyleは手書き風の味があるライン・スタイルにします。
サンプル数を極限まで減らしても、アンチエイリアス処理のかからないがびがびな線が逆に味になるのです。
⇒これ、超裏技でしょ?
今回はカリグラフィーのラインを使い、3D形状に沿うエッジの表情が、さらにいい雰囲気を出しています。
さすがにジネンジャーが登場する後半はポリゴン数も多いので、15秒〜最大2分くらい@フレームというものもありますが、お城やトロロ姫のシーンは1秒台でした。
そうそう、いちばん重かったのが、花畑のフライスルーです。どんどん花が開いていくシーン。レンダリングの時間自体は大したものではないんですが、事前計算とFreestyleの準備計算がかなり重かったですね。
それから、今回特筆すべきは、コンポジットを行なわなかった点。
通常、レンダリングを連番静止画で書き出して、それをコンポジターに読み込み、各種合成やカラコレを行ないます。
今回は、全フレーム、レンダリングしっ放し(仕事ならぜったい許されない、あり得ないって──笑)。
あとは編集ソフトで組み上げるだけという省エネながら、最初のカラー設計通りに出来上がりました。これも、Emitterマテリアルのみを使った2D調表現にしたから、最初から最後までイメージにずれが生じなかったんですよね。
今後、このやり方はかなり可能性があるなあと、結果にホクホクしている今日この頃です。
あ、歌はね……ちょっと濃すぎましたかね?
前回のテーマ曲とはがらりと変えて優しい感じに歌ったつもりだったのですが……。
最後に、Youtubeの動画を埋込んでおきますね。まだご覧になっていない方は、是非!
じゃ、また明晩!