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フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん 第十三話

さあ、9月ももう2日ですね。淡波有料作品一挙値上げの時期が、少しずつ迫ってまいりました。とは言っても、今はこの作品に全エネルギーを注ぎ込んでいるため、全然準備が出来ていません。恐らくは、シルバーウィークの終わりあたりに合わせて価格変更を行なうことになろうかと思います。
さ、皆さん今のうちに……。

そんなことより、気になるのはカニエスさんですよね!

いよいよ、海に到着するカニエスさんとルルル。
大きな勘違いから、カニエスさんはとんでもないピンチに陥ってしまうのかも?

楽しみですねー。
さーてさてさて、はじまりはじまり〜!

Amazon Kindle Storeでの発売のため、連載データの掲載は終了しました。こちらは第七話までの試し読みとなります。

『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』試し読み

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『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』試し読み《PDF版》はこちらです。

フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん 第十二話

連載を始めて一番嬉しかったのは、毎晩続きを楽しみにしてくださる方が出来た、ということです。Amazonなどで電子書籍を出版していても、次の作品を心待ちにしてくださる方まではなかなかいませんよね。

そもそも、一作出版すると次の作品までにはかなり時間が開いてしまいますし、作品はそれぞれなので、前作を気に入ってくださった方が好きになれる作品を提供できるかは分かりませんしね。(特にぼくの場合、書く作品のジャンルがそこそこ変わりますし……)

その点、毎日少しずつ連載、というこのスタイル、書き手にとっても読み手にとっても、何だか幸せな時間を創り出せているようで、とてもやりがいを感じています!

読者さまの期待を裏切らないよう、今後も楽しい作品にしていきます!

それではそれでは、はじまりますよ〜!

Amazon Kindle Storeでの発売のため、連載データの掲載は終了しました。こちらは第七話までの試し読みとなります。

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フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん 第十一話

さあ、ぼーっとしているカニエスさんはどうするのでしょうね?
今日は、出会いがありますよ!

さあさあ、はじまりはじまり〜!

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フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん 第十話

本日の『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』は、いよいよ第十話です。
海へ向かって歩き始めたカニエスさん、さあ、今日はどんな出来事が待っているのでしょう?

と、その前に、今日は先週約束しました《連載まとめ》が準備できましたというお知らせをしておきましょう。
このページ右上にある「作品のWEBページへ」をクリックすると、新たに『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』のページが並んでいます。その中に、本日までのお話をずらっと並べてあります。BiB/i版はもちろん、別ページでPDF版もご用意。読みやすくなってますよ!

ちなみに、PDF版はこれまで画面キャプチャの画像ベースのものでしたが、全てエディタから書き出し直しました。データはかなり軽くなりましたので、読み込みもスムーズになりました。

それでは、はじまりはじまり〜!

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山田佳江著『ボタニカルアリス』を読んだ件

何を隠そう、AR関連の小説にはあまり没入することができない。仕事でARコンテンツ開発をやってるせいもあって、数年後の未来までは見えているんじゃないかと思っている。で、その先は、現在の延長の技術では越えられないハードルが存在していることを知っている。そこが、知識としてのサイファイと現実の境界だ。
一般世間の人が思っているARより先が見えていても、いや、だからこそ、だろうか……。(もちろんそれを越えていくのが技術の進歩なのだけど、)それにはあまりにも大きなブレークスルーが必要だから、サイファイの中で繰り広げられるAR的な出来事には違和感が大きくなるばかりなのだ。

だから、ARを扱った小説にはその辺りの説得力が感じられなくて、どうにも冷めてしまうことが多い。
特に、これでもかとIT知識を捲し立てているものに対しては、そこへの抵抗感がどうしても大きくなる。
ARは嘘を吐くための方便なのだから、「ファンタジーでいいっしょ」と割り切って書いてくれればいいのだが、《こんなに詳しいんだぜ》とか《説得させよう》《知識でねじ伏せよう》《科学的にこんなすげー予測してみた》みたいなものが透けて見えてしまうものは、読んでいて正直ツライ。
あんた、そこまでガチガチに理論組んどいてさ、その子供みたいなファンタジーは何よ? そもそも予測のバランス悪いし、そのズレに気付かないでえらそーな顔しないでよ。となってしまうのだ。(まあ人のことは全然言えないけど)

さて、前置きが長くなった。

山田佳江さんの『ボタニカルアリス』には、それがない。
全然ない!

かなり荒唐無稽な設定もあるけど、全体としてバランスが整っていて、楽しく納得できるファンタジック・サイファイになっているのだ。主人公が美男でないというのも好感が持てる。あ、これは関係ないか?
物語も設定も無理せず、美味しいところを上手くつまんでいる。中編という長さも丁度いい。理屈に流れず、ストーリーと人物が主役の座をきちんと守っているのだな。

人工生命、AR、デザインド・クリーチャー。そして、近未来のネット世界。植物園という舞台設定も申し分ない。
植物園舞台のサイファイというだけで、こりゃもう傑作間違いないだろ。と思って説明文も読まないでポチってしまったのは僕だ。大当たりだった。
最新ぽいキーワードで構築された世界観が、とてもセカンドライフっぽいのはご愛嬌。なんだか可愛らしささえ行間に漂っているんだもの。

とても楽しい三日間を過ごさせていただきました(読むの遅い!)。
あの大御所の例の作品より読後感は良かったなあ。何しろ、無理のあるところも無理のないようにホンワカ読める文体に五つ星、かな。

みなさん、コレはお薦めですぞ!

この表紙、さっきリンクを貼っていて気がついたんだけど、ARのイメージになってるんだ。バラの花に重畳表示された人物(上下逆?)。これ、山田さんだったりして?
あ、ちなみに、重畳ってのはAR用語なのかな? 同じ位置に重ねて表示するってことですね。

ではまた!

同盟セミナー第四回に参加

と、題名に書くと、前回のような詳細なレポートを期待してくださると思うのですが、済みません。今回はさらりと行きます。
実際、会場でメモったのは1,300字あまり。これをきちんとまとめると、どう考えても数時間は必要なのです、僕の能力だと……。
で、そこは諦めさせてください。ちょっと、今それだけの時間を確保することが困難で、でも時間を空けると熱が冷めてしまうし、で……。今回は感想的な記事ということに。

昨日のセミナー『佐渡島庸平氏×鈴木みそ氏「凡庸な作家のサバイバル戦略──結局どうすりゃ売れるのさ」』もとても良かったです。基本的には自分のやっていることが間違っていないことと、もっともっと《コンスタントにコツコツと》やらなきゃいけない、ということを確認し、力を貰った半日でした。

ちょっと関連ツイートを貼ってみます。まずは登壇者の鈴木みそさんから。

 

筋トレ、というのはもちろん肉体の筋トレのことなのだと思いますが、これは対談中でお話されていたことと大いに関係があると想像しています。
《一度だけ会ったすごい美人より、しょっちゅう会うそこそこの人と恋に落ちる。》つまり、コンスタントに顔を見せることでこそ、魅力が伝わる。
それから、
《ファンとの関係を継続的に密接に構築することで、新作品の下地を作れる。》
《作家へのファンのあり方にはLOVEとlikeがある。作品へのLikeを作家へのLOVEに変えることでブランドが創られる》
《コンスタントな情報発信が場を温める。それは、そののちグッズが売れることにも繋がる》

とにかくコツコツと続けること。それだけがブレイクを連れて来る。だから、日々の活動は筋トレ。日々鍛え続けていないと、チャンスが来たときにつかむことも、気付くことも出来ない。だから、自分を鍛えまくるのだ。そんな覚悟が、かいま見えるツイートなのでした。

いやあ、鈴木みそさんほどのプロがここまで仰ってるんです。僕らヒヨッコは、覚悟して臨まねばなりません!

これは僕のメモをベースにしているので端折っていますし、対談者の佐渡島庸平氏(とにかくスゴイ方! でした。こんな方に売って頂けたら最高ですが、例によってお話できませんでした。ダメ波です)のお言葉とも混ざってますが、具体的で濃い内容の発言には大いに刺激されました。

そして理事長鷹野さんのツイート。(冒頭の鈴木みそさんのツイートは、これへの返信ですね)

そしてこちら。

小嶋智さんが実況なさっていたので、それもちょっと貼らせてくださいね。リアルな感覚。

 

これ、僕も「おおーっ」と思いました。

それから、Cironさん。

 

最後に、僕のメモからもう少しだけ書いておきますね。

《急に食いつかなくても、コンスタントにやっていれば少しずつ溜まっていく》
《自分のやっていることの棚卸しをしよう。“何のために”、“どういう事をやっていれば”、“今それはどうなっているのか?” Googleトレンドで分析して、次のプッシュを決めるのだ》

《何でもそうだけど、ブレイクするまでの曲線はすごく緩やか。ドン! とブレイクするのは貯めていた人だけだ》

【7/26 追記:もう一つ、心に残った言葉を。
 「いい作品なら黙っていても見つけてもらえると思うのは、白馬の王子様を待つのと同じ。自分自身で読者を見つけに行くのだ!」
 ね、これ、心に刻んでおこう! コツコツ活動が辛くなったとき、思い出すんだ。自分が動くことが全てなんだから!】

どうでしょう?
勇気が出ましたでしょうか……。

一緒にがんばりましょうね!

では、この記事がいつか誰かの役に立ちますように!

出版物の基本ルールってやつ

『さよなら、ロボット』無料化のために、Amazonのmobiフォーマットでは許されて、一般的なEPUBでは表示できないタグを修正する作業をしているんだけど、その中でいろいろと気付いてしまった。以前の作品とは言え、ちょっと基本ができていないことにびっくりしてしまったんだな。
どこまでがルールで、どこまでが作家の自由に委ねられる部分かの判断は難しいけど、明らかに現在の書籍(小説作品)に求められる基本を外れていたものがあった。それも含めていま、修正を行なっているところだ。

 

■ルールその1:《」》と《。」》

これは以前もどこかで書いたけど、基本中の基本とも言える書きあらわし方。もちろん、プロの純文学作品などでは平気で破っているものがあるし、それはオッケーなんだけど、それを素人作家がやると、「判ってない!」と言われてお終い。
気を付けなきゃいけないポイントなんだよね。

・カギ括弧を使うとき、閉じに句点を付けてはならない。

そう、これはそもそも教科書の基準に合致していないんだよね。小学生の時は、「○○でした。」って書くように指導されたし、作文もそうだった。
これは、まあ言ってしまえば商業小説のルール。だから僕も、最初は全然知らなかった。きっと、紙やインクが貴重だった頃、それに活字拾いが大変だった頃、少しでも手間やコストを下げるために考えられたんじゃないのかと、僕は想像している。《句点がなくともカギ括弧閉じがあることで、明らかに会話の終了が理解できるから不要》と、どこかで読んだ記憶がある。
僕の最初の小説である『壁色のパステル』を読んだ娘が、『カギ括弧の終わりに丸が付いてるよ』と言ったのが発端。妻もその言葉を理解できなくて、本棚の本を片っ端から引っ張り出して、会話文を見たんだ。それでびっくり、カギ括弧閉じの直前に、句点はない。一切ない。
それで、大急ぎで修正したんだ。初版を読んでくれた方は気付いたかもしれないな。
詳しいじゃないか、娘よ!
(彼女はすごい読書家で、一日3〜4冊を平気で読破していた。今は受験などもあってあまり読まなくなったけど、きっといつか小説を書く日が来るのではないかと密かに期待している)

で、この間違いがね、第二作の『さよなら、ロボット』にも残っていたというわけ。ヘイ、なんてこった!

 

■ルールその2:《…》と《……》

ご存知、三点リーダというやつ。これも、基本ルールとして《二連続にしなければいかん》ということは知らなかった。いつ知ったのかも覚えていないけど、『孤独の王』以降は大丈夫じゃないかと思う(自信なし)。
もちろん、英字のピリオドを六回打つのはNGだし、コロンを倒して続けるのもダメだ。
これも、現在修正中。

 

■ルールその3:《――》と《──》

これはね、結構難しい。例えばMacの《ことえり》や《かわせみ》では、長音の変換で出てこないから。候補がこれだけ出るのに、文字の間に空間が入らない《──》を出すにはどうやったらいいのか、ずっと分からなかった。

この記号の候補はこんなにある!
この記号の候補はこんなにある!

 

ところで一方、インディーズ小説の電子雑誌である『群雛』の八月号に初めて短編小説を寄稿したのだけれど、そのときに読んだ表現統一ルール(BCCS準拠)に、この《──》の記述方法が記載されていたんだ。そこで初めて、この使い方を知ったというわけ。実際、どうやってこの記号を出したら良いのか分からなかったので、そのルールからコピペして使い回しているんだな。なんだか、原始人が火を絶やさないように木切れを燃やし続けているみたいでしょ?
《7/19追記:よいこのみんなは辞書登録しようね〜》

 

今、直しているのはこの三つ。

ちなみに、文頭に書いた《Amazonのmobiフォーマットでは許されて、一般的なEPUBでは表示できないタグ》というのは、ブロック引用で枠囲みをするもの。Kindle上では意図したように枠囲みで表示されるのだけど、EPUBではそもそもエラーメッセージが出て、Blockquoteタグから先は何も表示されないんだな。だから、どうやったら引用の雰囲気を出せるかどうか、いろいろとEPUBの表示を調べてみた。
《7/19追記:鷹野凌さんからご指摘いただきました! BlockquoteタグはEPUBでもオッケー。そう、僕のはxhtml内のタグではなく、CSSの記述の問題だったようです(そもそもタグの使い方自体もEPUBルールに従ってなかったりする……よくmobiで成立していたよな〜汗)。EPUBは複雑で奥が深い。いずれにせよ、枠囲みの引用表現は無理なようなので、以下の記述はイキ、ということで。》

そこで、ヘリベマルヲ氏の『Pの刺激』が参考になった。ある未完の小説の断片が、紙片に印刷されて街中に張られていたり、WEBに載ってたりするのだけど、その小説の断片に書かれた内容の見せ方が、ちょうど、僕の求めていたものに近かったのだ。

段落全体を字下げして、級数(文字サイズ)を若干縮小することで、引用の表現をしていた。これなら、基本的なタグで実現できるし、それを利用することにしたんだ。で、もう一ひねり欲しかったので、少しだけ文字色を明るくしてみている。Eインク端末でどれだけ再現できるかは分からないけど、例えばKIndle Paperwhiteの初期型でもグレースケールは16階調表示できるのだから、きっと90%グレーならそれっぽく表示されるのではないかと思って、これから実験に入るところ。結果はまた、ここに書こうと思っている。

現在のところ、明らかに間違っていると思われるルール上の間違いは上述の三点だけど、まだ出てくるかもしれないな。ひらがなに開くべきところを漢字で書いてしまっていたり、初出の人物名にルビを振っていなかったり、は、ご愛嬌。いずれまた、手を入れるかもしれないけどね……。

 

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

作品の表紙:共通デザインがあると、とっても便利!

昨日の記事で新作小説を公開しようと思った時に、一瞬、脳ミソが固まった。BiB/iでEPUB(今回から全て大文字に統一。この表記が正しそうなのでね)を公開するってことは、表紙が必要じゃん、って。

そこで、お! と思い出す。淡波e文庫ブランドは統一フォーマットがあるし、今回はプレーンな感じで行っちゃえば、すぐできるかなぁと。

これが統一フォーマット。見覚え、あるよね〜?
(これだけだとどうにも淋しいけど)

これさえ入っていれば、淡波e文庫の作品だと一目で分かるのだ!
これさえ入っていれば、淡波e文庫の作品だと一目で分かるのだ!

 

これは、『さよなら、ロボット』での試行錯誤が元になって、『孤独の王』でのフォーマット化に結実したもの。以降、僕の全小説作品は、基本的にこれを用いている。
(『光を纏う女』の掌編版で自作オープンオフィステンプレを活用したことは内緒。未発表だし)

この統一フォーマットをベースに、出来るだけシンプルに構成してみようと考えたわけ。何しろもう夜中だったし、寝なきゃいけないしで。そうしてデザインを考え始めたのだ。この新作はテーマが《波》だから、文庫のイメージエレメントである波線を利用すれば早いだろう。そう思うのは当然の流れだよね。

で、これが完成した表紙。

初のWEB限定公開作品『波』(昨日の記事から)

 

ちょっとした画像処理テクニックを使っているけど、作業時間としては10分程度だったかな。統一フォーマットがあって、そのためのテンプレを用意してあれば、とっても簡単にバリエーションを作れるという好例になったか。

ここで使った簡単な画像処理のテクニックについても、追ってチュートリアルを書いてみようかと思っている。(リクエストがあれば……)

それと、知ってる人は知っている、例のオープンオフィステンプレだけど、使い方次第でバリエーションが作れるようになっている。ただ、自分で考えて加工する必要もあるので、ちょっと難しい部分もあったかもしれないな。今後、ワンタッチでいろいろ作れるテンプレ集を考えてみようか、とも思った今夜の淡波。

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

推敲・校閲・校正。知らなかったことがいっぱいある。

もう一つ白状しよう。

僕は最近まで、推敲、校閲、校正の違いをよく分かっていなかったのだ。だから、Kindleで校正なんて記事も書いてしまった。(ずーっと前の記事だけど)
正しくはKindleで校閲なんだな。この違いがくっきり分からないあなたは、先月までの僕と同じさ!
推敲という言葉も、実はずっと使ったことがなかった。やりとりのある作家さんが推敲という言葉を使っているのを見て、その語感がカッコいいな、と思って使い始めたほどだから。
僕の中では、文章を直すことは全部ひっくるめて校正だと思っていたんだ。痛い事実だ。
(盗用にならないよう今回改めて辞書は引いていないので、間違いがあったらそっと指摘してくれると嬉しいな)

推敲:作品を制作する行程で、ストーリーの矛盾や齟齬を拾い上げて修正したり、完成度を上げるための行為。文法や用語用法の使い方はこっちにも含めていいかな。

校閲:作者としてはいったん完成形になった作品、つまりエンドマークを打った作品の誤字脱字やいろいろな間違いを修正するために行うもの。文法的な間違いや用語用法などの誤用チェックもメインはここではないかな。

校正:これは、校閲を行なって赤字を入れた原稿と、修正結果の出力などを突き合わせて、修正漏れがないか、間違った修正を行ってはいないかを確認する行為だ。

混同されてしまいがちなこの三者だけど、全く違うのだった。

《7/16追記:辞書的な意味をもう少し補足すると、校閲は「しらべ見ること。他の人の文書・原稿などに目をとおして正誤・適否を確かめる」となっている。校正は、「文字の誤りをくらべ正すこと」というのが第一の意味だ。(いずれも広辞苑より(第三版だけど))
解釈によって二つの言葉には重なる領域があるし、文字面は校正、意味は校閲。と、取れなくもない。いずれにせよ、その言葉をずっと使っている業界などでは、そこでの慣習・常識・理解があるだろうし、それを間違っているというのも間違いだろうな。僕はただ、自分が使っていた言葉のズレ感に驚いたんだな。それで、その思いを書き留めた程度のことだと、考えてくれたらいいな》

クライアントのために画像や映像を作る仕事をしている関係で、校正という言葉は日常的に使う。色校正とか、文字校とか。以前制作ディレクター(なんて曖昧な職業名だろう!)をやっていた頃も、やはり《校正》に親しんでいた。親しみたいものではないけどね。
クライアントの書いた赤字があって、それが正しく修正反映されているかどうかを見るのが校正なわけだ。そういった意味では、自分の側や中に正解があるクライアント自身は、校正でなく校閲という言葉を使うのが正しいのかもしれない。
僕がADとして画像に書き加える赤字も、本来は校閲と言うべきなのかな。どうもしっくりこないけどね。

まあ、そんなこんなで、電子書籍セルフ出版における制作工程で、校正という言葉を使う機会はあまり多くはないのかもしれない。
以前は僕も必ず紙に出力して赤字を入れていたけど、最近は短編が多かったこともあってKindle校閲しかしていなかった。
でも、大長編を書くときはやっぱり、紙に出してボールペンで赤字を入れるスタイルが一番良いようにも思うかな、自分の場合。
家族に読んでもらうにしても、紙の方が嫌がられないしね……。

さて、創作の上では何の役にも立たないネタだけど、皆さん、《言葉》が大好物だと思うので、ちょっとでも楽しんでいただけたらいいなぁと。(ニヤリとするひとが10人くらいはいてくれるんじゃないかと密かに思っている……)

校閲校正の段階でコピー用紙を1パック使い切った(もちろん両面使って)、『孤独の王』は、Amazon Kindle Store で絶賛発売中!

(見ると読みたくなるブックトレイラーを貼ってみた)

さて、この記事がいつか誰かの役に立ちますように!

ePub編集:解は一つじゃないよね

ヘリベマルヲさんから紹介された《Macでは一番便利なePubの圧縮解凍ツール》ePub zip/unzipを使ってみた。
(どうでもいいけど、『ポンコツ日記』というタイトルに対してhtmlのファイル名がlemon.htmlというところがかわいい)

まず、ソフトのダウンロード。ググったところ、どうも公式っぽいページがみつからない。とりあえず、検索トップがこちら
これは、Ver2.1.1で検索して出て来たページ。Verを入れたのは、実はここまでにちょっと寄り道したから。公式っぽいページが見つからないので、どのバージョンが最新なのかわかりづらく、最初はVer2.0.1をダウンロードした。でも、DLページ内にはVer.2.1.1があると書いてある。しかし、どうにも2.1.1が見つからない。仕方なく2.0.1を使ってみたが、便利である。せっかくだからなんとかVer.2.1.1を入手しようと再度ググって出たのが冒頭のページ。ところが、その中にはもっと新しいVer.3.0のDLリンクがあった。そこで、これをDL。Ver.2.0.1と同じ使い勝手だが、普通のePubをiBooksのePubを解凍したものにも出来るらしい。ちょっとわけわからんけど。早速それも試してみると、エラーが出る。が、解凍はされている。ePubフォルダ内にOEBPSフォルダを含まないと、エラーが出るらしい(Hagoromoから書き出したePubにはOEBPSフォルダはなく、OPSになる)。
あ〜、誰も読まない記事だなあ。

では、本題。
これと、僕が愛用しているEtreZipを簡単に比較してみる。EtreZipの公式ページは英語(作者はフランス人らしい:公式ページのアイコンがアライグマで可愛い)だけど、Mac App Storeで扱っているからアプリ管理は比較的安心かな。

■ePub zip/unzip:

・任意の場所に解凍したフォルダを作ってくれる
→元のePubファイルはそのまま残る
・ePubに戻したいときは再度アプリにドラッグしてePubに戻す
→元のePubを上書きしたくなければ、ファイル名を変更する
・ePub専用だから、安心感がある

■EtreZip:

・ePubをドライブとしてそのままマウントしてくれる
→元のファイルをそのままいじれる
・ePubに戻したいときは、アンマウントするだけ

どちらも同じように便利。甲乙つける必要もなかったので、これは完全に好みかな。ちなみにEtreZipの場合、解凍したフォルダが独立したドライブとして認識されるので、任意のフォルダに中身のファイルをドラッグすると、移動ではなくコピーされる。元データの構造を壊すことがなく、外にデータを持っていけるし、ePub内のファイルを直接エディタで開いて上書きできるので、僕にとってはこっちが便利かな。バージョン管理が苦手なので、無駄にバージョンを増やさずに済む。でも、失敗すると戻れない。だから、バックアップの必要もあるかも。
ePub zip/unzipなら解凍されたフォルダは元のファイルとは別で存在するので、再ePub化のときに気を付ければ元のファイルを上書きする心配はない。

ね。

でも、もっと便利な解もあるかもしれない。

それから最後に一つ注意事項。どちらのソフトウエアも、利用は自己責任だ。ファイル自体を改変するタイプのソフトは、予期せぬエラーでファイルを破壊してしまうこともあり得る。
だから、やっぱりどんな場合もバックアップは必須。と申し添えておこう。

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!