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残しておきたいツイート─031

よ、みんな!
(と、いきなりフレンドリーになってみる)

今日は、こんなツイートからだよ。

1.

楠樹さんのツイノベ、面白いですよね〜。最近、あんまりツイッターに潜っていないんで、いっぱい見逃しているなあ。
新作も出てますよね。
↓(こちらはツイノベでなく、原稿用紙各5枚の作品集。買っちゃったよ)

2.

すっかり忘れてた。自分用メモ。
──CGネタでごめん。

3.

先々月、残念なことがあったなあ。
(僕は気にしてませんよ)

4.

むふふ。たまにはこういうのもね、思い出しておきましょ。

5.

そうそう、それからね、こういう気持ちなんだ!!

6.

先週、最後の無料キャンペーンを敢行した『ケプラーズ5213』の、今や懐かしい茶色版の表紙。

7.

「あ、この宣伝文句、また使おう」
っと思ったので……(笑

8.

こっちも──。

9.

これ、独立作家同盟での藤井大洋さんのセミナーですね。
うむ。覚えておかなきゃ。

10.

もちろんね、文字で読みたい人だってたくさんいる。
映画と原作を比べれば(ほぼ?)原作のほうが優れているんだから、やっぱり小説ってのは大事で大きなものなんだよね。

文字で書かれていれば、読んだ人数分のイマジネーションがあるんだから。
それって、すごいことだよね!

じゃ、今日はこれまで。

報告:ツイッター広告を打ってみた!

セルパブ夏の100冊の発刊に合わせた最後の無料キャンペーンを行なった『ケプラーズ5213』ですが、その効果を高めるために初のツイッター広告を実施してみました。
ほんと、急な思いつきで。

こんな広告です。@マーク以降はちょっと違いますが。
こんな広告です。@マーク以降はちょっと違いますが。

キャンペーン開始当日の夜から約5日間。
シンプルに、結果を報告します。

スクリーンショット 2016-07-31 17.07.16

これがインプレッション。つまり、どれだけの人の目に触れたか、ですね。
合計で74,704です。これが多いのか少ないのかは分かりませんが、僕の普段のツイートに対するインプレッション数から言えば破格の多さ。
5日間くらいの固定ツイートで、まあ740いくかというと、きっと無理でしょう。
つまり、100倍以上の人の目に触れたわけです。
こんなGIF動画を入れましたので、ツイートが表示されれば自動的に再生されます。

実際には動画が再生される前に流れて行ってしまったり、ツイッタークライアントの仕様で自動再生にならない場合なんかもあるようで、動画の再生数は7,664回でした。

しかも、ツイッター広告というのは自分のフォロワーさんに対しては発信されない仕様。
だから、僕のことを知らない人のタイムラインで、これだけ見られたということです。これはすごいかも!

次、エンゲージメントです。
リンクのクリック数が97、動画のクリック数が30(これは別画面で動画が出るだけだと思うので意味はないですね)、リツイートは2回のみ(ただし、僕のフォロワーさんではない方!)、このツイートによって新規に得られたフォロワーさんは1。

ちなみに、投入額は7,500円でした。

そして、無料キャンペーンへの効果はいかに?
と、いうところで腰砕けになります。

5日間のダウンロード総数は、恐らくこれまでの無料キャンペーンの中でも最も少ない、たったの59冊。
無料なのに、リンクをクリックした人の数よりこんなに少ないとは……。
いやあ、難しいもんですねえ。
「僕のことを元から知っている人の手元には、きっと既に行き渡っているだろうから、このキャンペーンは効果が少ないだろうなぁ」とは思っていましたが、この結果はやはり残念でした。。

広告を見たひとの大半は、それを見た次の瞬間には全く覚えていないという調査もあります。
僕の名前、作品の名前をツイッターで1回見てくれた人が、何かの機会に思い出してくださる確率は、まあゼロ%でしょうねえ……。

みなさんは、どう思われます?

じゃ、またあとで

『ティプトン』連載第7回

“ソーは再び視線を冷凍睡眠装置の中で眠るケイトの横顔に向け、手にしたフラッシュライトの光でそっと照らした。細くて形の良い鼻筋は少しだけ反っていて、固く閉じた目にはシルバーブロンドの長い睫毛がきれいな半月を描いていた。冷凍されているというのに、僅かに開いて見える唇には血の気があるかのような赤味が差していた。”

『ケプラーズ5213』より


── 7 ──


花のような少女という比喩を
わたしはあるとき見つけた

わたしの知っている自然の中に
あの少女のような花はない

その言葉が生まれたとき
花は、
少女たちは、
美しかったのだろう

私の人生の中で
出逢うかもしれない
どんなに美しいものよりも
きっと

長いのか
短いのか
囚われているのか
自由なのか

答えのない
宙ぶらりんの心で

ああ
それでもなお
その言葉を愛おしいと思うわたしは

少女のような花の美しさを
愛おしいと思わずには
想像せずには
いられないのだ

恋しているだろうか?

花のような少女は

あの
少年を


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。

晩年の詩人ティプトンがちょっとした脇役として登場するSF大作『ケプラーズ5213』は、現在最後の無料キャンペーン中です。
この機会にぜひ、ご入手下さいね!

地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


シンチョク0723

さて、一週間はセルパブノミクスの矢のように過ぎました。今週の執筆状況はいかに!?

先週、何を言ったか振り返ってみると……

さて、来週末もシンチョクを報告しますよ。37話くらいまで進んでいるといいのですがねえ……。

じゃん、結果です。

スクリーンショット 2016-07-23 17.06.25

つい先ほど、第37話を書き終わったところです。先週末の27,000字から42,000字まで、約15,000字進みました。日曜、月曜と何かと忙しくて1文字も書けず、実質火曜スタートの今日まで五日間です。まあ、僕の生活リズムの中で──平日メインで──これだけ書ければオッケーとしましょうか、ね。文字数の問題じゃないんですけど。

物語の内容としては、概ね四分の三までは来ているかと思います。プロットの行数で言えば、もう九割方まで来てます。上手くいけば、来週末に書き終わってホッとしている姿が思い浮かぶようじゃあ、あ〜りませんか!

新作『魔女と王様』のお話はここまで。
(今のうちにシリーズ第一部第二部を読んでおこうぜ)

さて、ちょこっと冒頭で触れた『セルフパブリッシング夏の100冊 2016』ですが(触れてねえ!)、もちろん僕も参加しています。著者オススメの一冊を掲載しているんですけど、実は僕の場合、ぱぶにゃんちゃんのオススメなんですよね〜。「淡波さん、参加するにゃんね? 掲載の本はケプラーズで決まりにゃんね?」と、イエスとしか言いようのない口説き文句で誘われたんですから(にっこり)。

そしてそして、またも《もう一匹のゆるネコ》ぶくにぇーのつぶやきにヒントが潜んでましたよ。
(ちょっと存在感の薄いぶくにぇーよ、がんばれ!)

これ。

それから、これ。
きっと、ぶくにぇーの情報源はここからだなw

積んでます……読まなきゃ!

と、いうことで、僕も便乗して無料キャンペーンを行なうことにしました。

明日、7/24(日)午後5時開始で、5日間たっぷりやっちゃいます(お金を出して買ってくれた方、済みません!!──しかも、「無料キャンペーンはもうやらない」って宣言した気も……。まあ、人の心は移り変わるものですからねえ……)。
久し振りの無料キャンペーンだし、きっと既に僕を知っている人にはそれなりに行き渡っているような気もする『ケプラーズ5213』ですが、どのくらいダウンロードされるか楽しみでもあり、恐ろしくもあり、です。

しかしまあ、このくらいのこと自分で思いつけよ! という感じがして情けない淡波です。

前述の作品、花笠香菜さんの『光を超える未知』ですが、児童書なのですね。ブログでの紹介に、「(時間がある時に本文にルビ打ち処理したいのですが今はなかなか、、、)」と書いてあり、とても共感しました。総ルビの作業って、本当にきついんですから!
早速僕もダウンロードしました。
読ませていただきますねー(う……思ったより長い!)。

じゃ、今日はここまで!


「また会おうね。約束だよ……」

今から十の百乗年という気の遠くなるような年月が過ぎた時代。
かつて数多存在した銀河はその生涯を終え、宇宙はわずかな素粒子だけが彷徨う暗く冷たい空間となり果てた。
はるか昔に滅亡寸前の地球を出発した世代宇宙船スプートニクの中で、最後の乗組員ミチは終焉の時に向けて静かに日々を過ごしていた。
そこに使者と名乗る謎の白いクモが現れ、ミチが間もなく始まる「六番目の世界」を担う伝説の女神だと告げられる。クモに誘われるままスプートニクを降りてみたら……
「宇宙船泥棒!」
運命の歯車が回り始める。

スプートニクを取り返すべくショウリョウバッタのコアトルと、船外で出会った青年ケイとともにクモの行方を追っていくミチ。
創世を阻む闇の存在と自らの使命、そしてかつて星が交わした「約束」を少しずつ知ることになる。

未知の世界をめぐるスペース・ファンタジー。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。

初の連載小説にしてほんわかしたお伽話『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』。

大変好評を戴いた物語はそのままに、新たに描き下ろしの挿し絵を加えた電子書籍版です。



本作は、ほんわかとしたお伽噺『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の五年後のお話。著者ブログに連載されたものに加筆修正し、全話の扉に描き下ろしの挿し絵を加えました。挿し絵の数は上下巻合わせてなんと93点!
(前作をお読みになっていなくてもお楽しみになれます)

大変好評を戴いた物語はそのままに、新たに描き下ろしの挿し絵を加えた電子書籍版です。


『ティプトン』連載第5回

“だが、センターの定めたハイパースリープ期間を破るだけに留まらず、人口調節の規律をも破ってしまうことになるだろう。それは、犯罪なのだろうか? ソーは自問した。”

『ケプラーズ5213』より


── 5 ──


バースコントロールは
簡単だ

この船の人口を
将来の安定を
約束するために

コントロール・センターはコントロールする
コントロール・センターはいくらでも嘘を吐く

平気な顔で

彼らは
いとも簡単に不足した人口を補う

私たちに
知らされる事は決してない

事実
真実
私たちは──何者か?

この船のほんとうの出生率は
記録に残されているものより
はるかに高い

不足する若年人口を
人知れず補わなければ

この船に未来は無いのだから


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


『ティプトン』連載第4回

“ケイトは小さく呟いて、両目を見開き、音の来る方向に顔を向けた。真っ白い髪の毛をボサボサに伸ばした老人が片手でワゴンを押し、もう片方の手で器用に蓄音機のハンドルを回していた。”

『ケプラーズ5213』より


── 4 ──


船外活動の地獄は
それを経験した者にしか
分からないだろう

互いに見張り合う一対のゴテゴテしたロボットが
外壁の凹みにぶら下がるように隠れている

自己修復型のマシンが故障する時を待っている
冷たい肌をしたロボットたち

その修復ができなくなってしまうことを
避けるためだけに
彼らは存在している

絶えず互いの存在を気に掛け
異常があればすぐに
互いをいたわりあうように修理を施す

外殻に点在する恐ろしい発電設備や
大小の船が出入りするための開口部

わずかな隙間が私たちの生命を簡単に奪う

冷たい肌をしたロボットたちに
生命の感覚など解りはしない

ただ
完璧であろうとするためだけに
彼らは働いている

私には船外活動の経験はない

彼らを見たのは
小さな窓から遠くに見える
小さな小さな鉄の塊としてだけだ

彼らを間近に見た者は
生命の儚さを思わずにいられないと言う

あれが
私たちの生命を握っているのだと

私たちはみな
身震いをせずにはいられないのだ


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


『ティプトン』連載第3回

“ジョージ・ガーシュインのゆったりした旋律が、暗い廊下を静かに流れていた。か細く、だが円やかな手回し蓄音機の音だ。滑らかに回転するチタン製のレコード円盤が天井からの光を受けてぬらぬらと反射している。
誰かがゆっくりとハンドルを回すキイキイという音もまた、音楽と寄り添うように小刻みにリズムを刻んでいた。”

『ケプラーズ5213』より


── 3 ──


では、《新しい知識》とは、何だ?

私たちはそれを
禁じられたのではないのか

私たちは
私たちの未来を壊さぬため

あの新しい星を
赤い土くれに変えてしまわぬため

人類の生きる可能性を
狭めてしまわぬため

考えても考えても理解できない
《新しい知識》は
捨て去ろうと決意したのではないのか

今の私たちが持つことを許されている
《産業革命以前の技術》
というものですら

私のような者には
理解が及ばないのだから

美しい音楽を奏でる
輝けるこの円盤ですら

その針が冷たい肌を滑る瞬間に立ち昇る
眼に見えぬ何かを
理解することは叶わぬのだ

音とは振動なのだと
若い時分に学んだことは覚えている

だがその先の知識を求める級友に
教師は言ったものだ

それ以上、知ろうとしてはならない
その飽くなき好奇心と探究心こそが
あの星を
破滅に追いやったのだからと

探求を諦めようとしなかった級友の一人は
やがて出世して
コントロール・センターの一員となった

知識を持つことが許される
それを使うことが許される
ひと握りのエリートたち

彼らは私たちの未来を
コントロールしてくれるのだという

間違いなく、あの星へと船を導くために
眠り続ける九万の同胞が
その尊い命を失うことがないように

だが本当に
信じているのだろうか

彼らは私たちの未来を
コントロールすることができるだなどと

理解することのできない
恐ろしい魔術の中で


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


『ティプトン』連載第2回

“廊下を滑る手押しワゴンのキャスターが控え目にゴロゴロと立てる音に混じって、キイキイと何かを回す音と、か細くも円やかなクラリネットの音色が、周囲の壁に響きながら少しずつ大きくなっていた。
「これが、祝祭の音楽?」”

『ケプラーズ5213』より


── 2 ──


疑わぬようにと、教えられた。

いや、
疑いを持つことなど、
想像もできぬように、
導かれた。

私たちの知識は全て
十箇所の図書館と
選び抜かれた教師たちから
与えられたものだ

与えられたものだ

考えることは、不要だった

与えられたものだ !

私たちはただ、前に進むために
事実、
物理的に前へ進むためだけに、存在している

存在させられている

存在を
許されている

美しい少年や少女たちよ、
きみたちは違うのだろう?

あの大地に降り立つために、
きみたちは《新しい知識》を注ぎ込まれているのだろう?

私たちは何のために生まれたのか
世代を引き継ぐために
船を前に進めるために

美しい少年や少女たちよ、
きみたちは本当に信じているのか?

私たちと同じ未来が待っているかもしれないと、
心をよぎることはないのか?

私たちが信じたように
信じているのか?
きみたちは、
自らの輝かしい未来を

それとも?


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


『ティプトン』連載第1回


── 1 ──


まるきりの失敗だったなどと
誰に言えよう

私の人生が

大人になり、
そして年老いた

決して着くことはない地
ずっと教えられ
子供時代を過ごし

この、
白く美しいガラスの棺は
もう、
老いさらばえた肉体を包むことは

美しい少年よ、
少女たちよ、
いずれきみたちは迎えるのだろう

緑に包まれた星に降り立つ日を
栄光の日を

白い靄に包まれ
二百年の時を過ごし
私と同じさだめの老人が
いく百人も宇宙に打ち捨てられた後

きみたちは、
悠然と、
その美しい肢体をもって

柔らかな土を
私たちの知らぬ色の土を
踏みしめるのだろう

この分厚い鉄の檻に護られ
育まれた私たちは

あの《地球》という名の星を、
《母なる星》、
そして、
《本当の心の故郷》であると
教えられて育った

映像でしかない星を

私たちは
心に刻みつけられ続けた

繰り返し繰り返し、
茶色く汚れゆく地球の姿を

私たちは
恨むようにと
学習を強いられ続けてきた

母なる星を死に追いやった
科学技術を

文明とは何であったかを
文化とは何であるべきだったのかを

──この、科学技術の粋を集めた冷たい檻の中で

いや、
いや、
ここは、檻などではない
決して、
ないのだ

この場所、
この船こそが、

私たちにとって
ただ一つの故郷なのだから!



本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


唐突に新連載『ティプトン』第0回

このタイトルに見覚えのある方はいらっしゃいますかー?
(しーん)

はい、本日から新連載の『ティプトン』、実は長編SF作品『ケプラーズ5213』にちょこっと出てくる脇役の老人の名前です。
Keplers_ADs
『ティプトン』はケプラーズのサイドストーリーですが、きちんとしたストーリーはありません。それもそのはず、これはティプトンが長年にわたって書き連ねた言葉の断片であり、ティオセノス号唯一の(?)詩人(?)、であるティプトンが遺した手稿なのですから──。

それでは、はじまりはじまり……


『希望の夜、絶望の朝』

この船にはティプトンという詩人がいた。
いや、彼を詩人と呼ぶべきなのかどうか、
判断は後の人々に任せよう。

彼の死後、
貴重な紙のノートに書き記された言葉の断片が大量に見つかった。
いったいどこであれだけの紙を入手したのか。
今となっては知るものもいない。

この手記は、
記録に残る唯一の文学者であるティプトン・スティーブンスの書き記したものを後の世代伝えるためにコントロール・センターによって永遠に《ティオセノス号船内に》保管されるものである──。

なお、最も古いノートの冒頭には『希望の夜、絶望の朝』と記されているが、それが手記自体のタイトルであるかは定かではない。
断片の中から、『希望の夜』そして『絶望の朝』と題された二篇を冒頭に置くことで、形ばかり文学作品のような体裁とさせていただくことを、読者諸氏には──もし、この記録に読まれる機会があるのなら──お許し願いたい。

──コントロール・センター記


希望の夜

闇が好きだ
闇は実感をくれる
わたしたちと漆黒を隔てる
冷たい壁は溶け

漆黒の中で
生かされていることを
この乾いた肌で感じるのだ

無という名の音楽が
わたしの両耳をつんざくのだ

わたしは
生きている

漆黒とひとつになり
無と結合し
真空に溶け出しながら

わたしは
生きているのだ


絶望の朝

目を開けると
目をそらすことができない闇が
わたしを待っている

白い闇が
わたしを冷たい両腕で
包もうとして伸びてくる

鉄だ
この世は全て
白い鉄だ

本当に存在するのかすら危うい
作り物の夢は
わたしの心を満たしてくれはしない
誰の心も
満たしてくれはしない

目を覚まし
最初に映るのは
白い鉄だ

目をそらすことができない
白い闇だ



本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。