読書/王木亡一朗著『Our Numbered Days』

理詰めなのか、理屈じゃないのか……。

王木亡一朗さんの「Our Numbered Days」を読了し、感慨に浸っていた。
(過去形)

と、いうことでまずはツイートを貼ったり。

うん。
あれなんだ。
僕はこういう、「理屈じゃないよね」という感想を持てる作品が好きなのかもしれないな。
自分自身はどちらかというと理屈っぽいお話を書いたりするから、それを超越した良さを持ち得る作品を書ける方(インディーズでいうと、この王木亡一朗さんや牛野小雪さん。広橋悠さんも近いかな)には憧れを感じるのだ。

逆にね、理屈で割り切りたくなるタイプの作品(=ストーリー)を読んでいると、どうしても自分の中での基準みたいなものと無意識に比較してしまうんだよなあ。見方が厳しく、時にはいじわるになる。

だから、「納得いかない!」みたいな感想になったりする。
(そうすると、誰にも感想を言わなかったりするわけで)

理屈じゃないよね、っていう作品を読んだ後は、もう純粋に読者として楽しんだ(または楽しめなかった)感想を持てるので、とてもシンプルにフラットな立場でいられて、気が楽なのだ。
でも、嫉妬したりもするんだけどね。
(ボォーッ!)

この『Our Numbered Days』という作品、自分の青春時代にとても近い物語が展開されていたというのもあるのだけれど、それを超えた「これは自分のこと!」と感じられる《こころの描写》を備えた文学作品だと思う。
バンドや音楽のことをちょっぴり詳しく書いているし、バンド用語なんかが飛び交ってるから「よくわかんね〜」という向きもあろうかと思うけど、それはそれ、小粋な小道具として読み飛ばしてしまえばいいわけで。
横文字の洋楽タイトルが毎回のサブタイトルに付いているので、洋楽に馴染みのない方には親近感が湧かないのだろうけど、アレはどちらかというと王木さんの思い入れがタイトルに出ているだけで、それと内容とは全然関係ないとも言えるし、ね(笑)。

《夢に破れた男が現実と向き合えるようになる物語》
と言っちゃえばあまりにシンプルで陳腐に感じられるかもしれないけど、事象よりも心を丹念に追っているところが、この作品の魅力を輝かせているんだろうな、と。

横書きで読むのは辛かったけど(マジで)、現在、電子書籍化の準備中だそう。

是非、就寝前のお供にお薦めしますよ。

Note版はこちら
カクヨム版はこちら
(いずれも、電子書籍版が発売される頃に残っているかどうかはわかりませんから、お早めに!)

では!

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