Category Archives: 詩

挨拶しよう
声を掛け合おう
世間話をしよう

イデオロギーは
心の中にしまっておこう

宗教は
家に置いてこようよ

愛し合い
認め合い
赦し合い
慈しむ

それは、
あらゆる宗教の
根本原理なのではないのか?

神という概念は
それを分かりやすく
形にしただけではないのか?

権力と欲望
金銭と欲望
名声と欲望

曖昧でとてつもなく大きな
神という概念に
人の名前を与えたのは

のちの人間の
邪な欲望にほかならないのだろう

排斥
孤立
非難
差別
憎悪
暴力

決して、
隣人への愛からは
生まれてこないものたち

忘れよう

損や得や
嫉妬でものごとを判断することは

忘れよう

世界の覇者などという概念は
経済の観念に於いてさえ
本当は存在しないのだから

あなたがたは負けてはいない
あなたがたは勝ってはいない

忘れてはならないと
心を頑なにするだけでなく
内向きになるだけでなく
心に壁を立てるのでなく

忘れよう
赦すために

忘れよう
愛するために

愛する者たちが
より愛されるために

愛する者たちを
守るために

愛する者たちを
もっともっと
心から
愛するために

混じり合う

締め出すのでなく
混じり合えばいいのにと

移民や難民を
どんどん受け入れて

若い人たちは
異文化の中に
どんどん飛び込んで

世界中で、あらゆる民族や
あらゆる文化がどんどん混じり合い

欧米化でなく
米国化でなく

本当に地球規模の
均質化が起これば

敵も味方も
分からなくなるだろう

民族同士の
そして
異文化間の調和が

やがて
新しい価値観を
産み落とすだろう

きっと

便利だから、
簡単だから、
事実上の標準だなどと言って
一つの言語を押し付けるのでなく

互いに意思を疎通し合うための新しい言語が
自然に、次第に生まれるだろう

その人たちがまた混じり合えば
次の世代ではまた

新しい言語が生まれるだろう

いく世代かのちの世界の人々は
無数の方言を持つ共通の言語で

繋がることができるかもしれない

それは
どんな言葉だろう

未来の人々は
どんな顔をして
どんな文化を持っているだろう

もし

人々が
混じり合うことを
認め合うことが

できたなら



 

『Imagine』以上に夢物語だな、とは思う。

《難民を装ったテロリストが多数入国していた》とか聞くと、もう何をどう考えたら良いのか分からなくなる。自分の信じる正義のためには何をしても良いというのか?

猫になりたい──5

じゃみじゃみなのか
しゃりしゃりなのか
かりかりかもしれない

仕方ないから
あれをもらいに行こう

警戒しながら
それでも少々
愛想を振りまきながら

しゃかしゃかの
のろまだったら
すぐにでもパクリとできる

でもこんな朝は
そんな気にもなれない

どっちが美味いかって?

そりゃ
しゃかしゃかの
のろまだよ

でもこんな朝は
とにかく腹いっぱい
じゃみじゃみでも
しゃりしゃりでも

この際、
かりかりでもいいんだ

腹がふくれたら
ぱたぱたのやつらをもう少し
じっくり観察してやるんだ

今度は
逃がさないぞ




お茶の間のアイドル、ネコのミーム。人気はCMに始まり、ミームをあしらったチョコレートは飛ぶように売れ、テレビもネットも可愛いネコで溢れていた。さらにどういうわけか、時を同じくしてハリウッドからはネコが主役の映画が同時に2本も届けられた。世界は、ネコの一大ブームに沸いていたのだ。
降って湧いたネコブームに乗り、俺の会社もついにネコ業界へと乗り出したらしい。街を散歩する犬の姿が眼につかなくなった頃、世界の歯車は、大きく狂い始めたのだった。

猫になりたい──4

ひとつ、ふたつ
ひとっ飛びで届きそうな枝に
まるまるした ぱたぱた

ふわりとしたあいつらを仕留めれば、
今朝はご馳走

そろり、そろり
すす
すす

ぱたぱたがちょちょんと跳ねる
いや、まだだ
もう少し我慢

そろり、そろり
すすす
すすす

今だ

私は
後肢の付け根に力を込める

前脚の爪
力いっぱい
青い草叩く

音もなく
身体がふわりと風をはらむ
身体がふわりと枝に迫る

あゝ
届かない

ふたつのぱたぱたが
ぱたぱたと音をさせて

青い空に
消えて行った

昨日も同じ場所で
狩に失敗した

かもしれない

でも昨日って
いつだ?




お茶の間のアイドル、ネコのミーム。人気はCMに始まり、ミームをあしらったチョコレートは飛ぶように売れ、テレビもネットも可愛いネコで溢れていた。さらにどういうわけか、時を同じくしてハリウッドからはネコが主役の映画が同時に2本も届けられた。世界は、ネコの一大ブームに沸いていたのだ。
降って湧いたネコブームに乗り、俺の会社もついにネコ業界へと乗り出したらしい。街を散歩する犬の姿が眼につかなくなった頃、世界の歯車は、大きく狂い始めたのだった。

破壊者

ゆうべの疲れも取れ
ようやく
落ち着いてきたところだ

今朝は気持ちのいい陽射しが
糸に付いた水玉を煌めかせている

昨夜絡みついた大きな蛾も
そろそろ食べ頃になっている

そのまわりでは小さな羽虫の数々が
パクリとしてくれと
笑っているようだ

んぬ?

木が
倒れたのか?

大事な基礎糸が
急に引っ張られ
引き千切られた

私は
しっかりと繋がれた
太い糸を伝い
逆側へと走る

また、
木が倒れたのか?

もう一方の
基礎糸が
無残にも

待て
何が起こっているのか?

私の尻周りほどもある木が
宙を舞っている

もう
全ての基礎糸が
その木に絡め取られている

旨そうだった蛾の身体も
小さな羽虫たちも
ごちゃ混ぜになって

私の身体でさえも

私の美しかった糸に
ぐちゃぐちゃに絡め取られている

前後も
左右も
上下すら分からず

その木は放り出されたようだ
私たちは墜落していく

美しい朝日が
もうどこにも見えない

詩?

どうしようもなく散文だ
美しさに憧れるだけの

垂れ流すその言葉を
見抜かれぬとでも

詩でないのなら
詩の真似をした
ただの行進だ

行間には
何もない

真似ごとなら
止めておけばいいのに

私は
指を滑らせ続ける

短い言葉を改行しただけ
どうしようもない散文だ

物語のない
からっぽの散文だ

誰が気に留めるだろう
心を揺らすものはいまい

心の中から染み出してきただけの
もしくは

ただ
指がキーボードの上を
滑っただけの

それを詩とは呼べまい

それでも私は

綴らずにいられない

私はただ

自分のためだけに
書き留め続けるのだ

それだけが
自分の心の中に
沈んでいる何かと

正体の解らない何かと

向き合う方法なのだ

たったひとつの
方法なのだ

猫になりたい──3

お腹がこんなにたぷたぷしていても
めやにはなくそたっぷりたまっていても

生まれてこのかた
一度もお風呂にはいっていなくても

一日、何もしないで転がっていても
食べたい分だけ食べて放っておいても

好きなときに好きなように鳴いても
トイレの砂をぐちゃぐちゃに散らかしても

障子をびりびりに破っても
カーテンをびりびりに破っても
ソファをばりばりに破っても
柱や扉にぎりぎりと傷を付けても

じゅうたんを毛だらけにしても
一張羅を毛だらけにしても

撫でられて嫌な顔をしても
おいでと言われて逃げても

爪を立ててちょっとした怪我をさせてしまっても
花瓶を倒してじゅうたんを水浸しにさせてしまっても

もしわたしが猫だったら、
誰にも叱られることはない

もしわたしが猫だったら、
何も気にせず

ただ愛されて

幸せな日々を過ごせるのに




お茶の間のアイドル、ネコのミーム。人気はCMに始まり、ミームをあしらったチョコレートは飛ぶように売れ、テレビもネットも可愛いネコで溢れていた。さらにどういうわけか、時を同じくしてハリウッドからはネコが主役の映画が同時に2本も届けられた。世界は、ネコの一大ブームに沸いていたのだ。
降って湧いたネコブームに乗り、俺の会社もついにネコ業界へと乗り出したらしい。街を散歩する犬の姿が眼につかなくなった頃、世界の歯車は、大きく狂い始めたのだった。

猫になりたい──2

ごろごろごろおん

ぼやー

のっそりのそのそ
ふぁああああっ

きっ
しゅたたたたたたっ
さささ

とんっ

ぺし
とすとす

ふにゃああ
しゃっしゃっしゃっ
ちゃっちゃっちゃっ

ぽて

ぐるん

ぐるんぐるん

ごろごろごろおん




お茶の間のアイドル、ネコのミーム。人気はCMに始まり、ミームをあしらったチョコレートは飛ぶように売れ、テレビもネットも可愛いネコで溢れていた。さらにどういうわけか、時を同じくしてハリウッドからはネコが主役の映画が同時に2本も届けられた。世界は、ネコの一大ブームに沸いていたのだ。
降って湧いたネコブームに乗り、俺の会社もついにネコ業界へと乗り出したらしい。街を散歩する犬の姿が眼につかなくなった頃、世界の歯車は、大きく狂い始めたのだった。

ほんとうに世の中には

ほんとうに
世の中には

ヒルやダニのような人間がいた
ヒルやダニに失礼なのだけれど

どうして
そんな人生に耐えられるのか

自分のものではないものを
笑いながら壊し
奪ってゆく

あなたは
心から微笑むことはあるのか

あなたは今
勝ったと思っているのだろう

あなたは今
ちょろかったと笑っているのだろう

あなたを許せない気持ちは
やがて薄れていくだろう

あなたの心の中に溜まり続ける醜い膿は
決して洗い流されることはないのだ

もしもこの先
心から
幸せにしたいと思う誰かが現れたとき
あなたの足下にはその膿が絡みつき
あなたが軽やかに
飛ぶことを許さないだろう

私はあなたをいつか許すけれど
あなたの足下の膿は
溶けることなく薄まることなく
あなたを縛り続けるだろう

あなたがそうやって誰かの血を
耐え難いほど醜い唇で
吸い続ける限り

私ではない誰かが
あなたを許さない限り

数えきれない誰かが
あなたを許さない限り

それでもあなたは
幸せを感じることがあるのだろうか

その人生は
生きるに値するものなのだろうか

欲望

威嚇
虚勢
恫喝

せめて
そんな人生のあり方に
憧れる若い魂のないことを

微笑みのない心に
勝ち負けという価値観に
憧れる若い魂のないことを




世界的な株価の暴落を一つのきっかけに、株式市場で”サタン”と呼ばれた男、貝塚剛は、そのあり余る資産を更に拡大させようとしていた。
貝塚の秘書になって三年目を迎えた牧村は、エスカレートする彼の欲望の引き起こす異常な争いに巻き込まれ、翻弄されていく……。

猫になりたい──1

猫になりたい

今すぐ猫に

今すぐ猫にしてくれるなら

僕の持ってるものを
全部あげるよ

マックも
キンドルも
このiPadも
クルマも
ギターも
家も
貯金通帳も

だから、
今すぐ猫にしておくれよ

見栄も嘘もお金も責任も
みんなあげるから

ねえ
猫にしておくれよ