Category Archives: 自作について

【再放送連載!】『さよなら、ロボット』第2話「失踪」

本作の無料公開期間は終了しています。現在はAmazon専売となっていますため、連載本文も『お試し読みとしての第1話』に差し替えさせていただきました。ご了承下さい

今晩は、再放送新連載と銘打って開始しましたこのシリーズ、お楽しみいただけましたでしょうか?
もしも第1回を見逃してしまったあなたのために、特別にこちらにリンクを張りますね!
第1話『シード』

では、続きをどうぞ〜!

第2話『失踪』
『さよなら、ロボット』第2話

いかがでしたか?

次回は第3話の『ケンイチ』です。
是非、またおいでくださいね!

BiB/iの表示に不具合のある方用のPDFは、こちらです!
第2話『失踪』(PDF版は、書式などが若干異なることがあります。ご了承下さい)


この物語は、毎週木曜日に1話ずつ掲載します。


もう待ちきれない!
というあなたは、Amazon Kindle Storeに急ぎましょうか!

【再放送新連載!】『さよなら、ロボット』第1話

本作の無料公開期間は終了しています。現在はAmazon専売となっていますため、連載本文も『お試し読みとしての第1話』に差し替えさせていただきました。ご了承下さい

こんばんは。
さて、愛読者の方は予測出来ていたかもしれません。
初めてこちらにいらっしゃる方にとっては、【再放送新連載】ってなんじゃろ?
と思われたかと思います。
(「再放送」については、こちらの記事をご参照くださいませ)

この『さよなら、ロボット』は、ぼくにとって、とても愛着のある作品です。
初めて書いたSF作品ですし、『孤独の王』という大長編を書いている途中で、いろいろな理由で執筆が停滞している間に一気に書き終えた勢いのある作品なので、迷いなく結末へと突っ走る心地よさがあるかと思います。
物語自体は少々ひねくれていて、決してストレートではありませんが……。

2014年にAmazonさんで発売してから3年弱が経過し、現在は「期間限定」で無料公開しています。淡波作品に興味を持っていただくための最初の1冊に最適だと思ったからということもあります。

そういった流れで、淡波作品に興味を持っていただくための作戦の一環として、このたび『さよなら、ロボット』の“再放送”連載を行なうことになりました(笑。

そして今夜はその第1話、『シード』です。

この『さよなら、ロボット』を読み始めて、挫折してしまう方の多くはこの第1話なのだろうと思います。
この物語はカクヨムさんにも掲載させて頂いていますが、第1話のアクセス数に対して第2話は半数以下です。
そこを乗り越えると、比較的先まで読んでいただける割合が上がっていくのですが。

どうしてそうなってしまうかと言うと、ここに残念で明快な答えがあります。

冒頭でロボットとの会話が多く、ロボットのセリフがカタカナで書かれているためとっつきにくい!

もう、これが全てではないかと思います。自分としては、ですが……。

物語の内容としては、決して導入に失敗しているということもないと思うのですよね。きっちり謎を提示していますし、先を知りたくなるような引きのある終わりかたにしていますから、第1話の最後まで読めば次を読みたくなる読者さんが多いと思うのです(あくまでも自分としては)。
恐らくは最初の1ページか2ページで読むのを止めてしまうケースが半数以上ではないかと思われ……。

これは今後改善すべきポイントかとも思いますが、実はカクヨムで公開する際にも同じことを考えていて、最初に電子書籍で出版したバージョンに比べて、ロボットのセリフをかなり削ったのです。
それでもこれですから、そもそも冒頭部分にロボットのカタカナセリフを固め打ちしたこと自体が間違いであったのかもしれません。

さて、この説明を読んでロボットのセリフを読む気が起きたか、それとも読み始める気が失せてしまったかは微妙なところですが……。

どうかどうか、おつきあいくださいませ!

第1話『シード』
『さよなら、ロボット』第1話

いかがでしたか?

次回も是非、おいでくださいね!

BiB/iの表示に不具合のある方用のPDFは、こちらです!
第1話『シード』(PDF版は、書式などが若干異なることがあります。ご了承下さい)


この物語は、毎週木曜日に1話ずつ掲載します。


もう待ちきれない!
というあなたは、Amazon Kindle Storeに急ぎましょうか!

CG画集を作っているのですが……

とはいえ、まだいまひとつゴールが見えていない状況で。
どんどん画像を作成したはいいものの、Amazonの「絵本・コミック」などを出版するときのやりかたでやるのだろうと思っていた程度で、実際出版用にどんなデータを用意すればいいのかも分かっていない状況なのですよね。
今までは文字ベース(+挿し絵程度)のものしか出版したことがないので。

文字ベースではないKindle本を作成するツールとしては、
「Kindle Textbook Creator」
「Kindle Kids’ Book Creator」
「Kindle Comic Creator」
という3種類のツールが用意されているらしいのですが、どうやらいずれもPDFをベースにして編集するもののよう。

Textbook〜は文字通り教科書用のツールで、音やビデオなどもKindleアプリ内で再生出来ると書いてあります。でも、iOSは対象外。それはないよなあ。まあ、そんなリッチな本を作るつもりもないのでパス。
Comic〜は全面画像の本が対象のようなので、Kids’ Book Creatorをまずダウンロードしてみました。

Kids’ Book Creatorをインストールして起動すると、日本語表示で「新しい児童書を作成」などと書かれています。
画面デザインもかわいくて、なかなかいい感じです。

かわいらしい起動画面
かわいらしい起動画面

ほう、日本語で出来るんだ! と思って、初期画面に出ている説明を読み進めます。
じゃあ早速作ってみようと思って、わくわくしながら次のページへ。

言語の選択肢に……
あれれ、言語の選択肢に……

日本語がないんです。
これ、全面画像の本なら良いのでしょうが、そういうわけにもいきませんよね……。

また、Kids’ Bookは、画面をタップするとポップアップ・テキストを出せるのが特長のようです。
日本語が出せるのかどうか調べてはいませんが、まあそれも、今回は必要なさそう。

ここで、振り出しに戻ります。

CGさえ出来てしまえば楽勝! と思っていたのですが、まあ何ともぐだぐだな感じです。

PDFベースなら、まずはワープロ上でレイアウトして、書き出せばいいんだよな、と思ってMacの標準ワープロであるPagesを開いて、そこで自分の動きが止まりました。
そもそも、執筆にはエディタHagoromoを使っているし、Pagesを使ったことがない!
基本操作もままならないわけで……笑。

本作りは置いておいて、取りあえずCGの完成度を上げる方向に気持ちをシフトさせていった僕なのでした。

さて、どうなることやら……

続く!

再放送も悪くない

最近はちっともテレビを見ない僕ですが、子供のころはいわゆるテレビっ子でした。
学校から家に帰ったらすぐにテレビを点けて、夕ご飯までテレビ。ご飯は急いで食べて、またテレビ。夕ご飯中にテレビを見てはいけないという家庭内ルールがあったのですが、どんなタイミングで食べていたのかはよく覚えていなかったりして。
子供用のアニメで見ていないものはないというくらいどっぷり浸かっていました。
(当時は毎日6時〜8時くらいまでずっとアニメ番組が放映されていたんです)

それでも、やはり裏番組やら兄弟事情で見られない番組があったりする。

そこで、再放送の出番ですよね。

同じ番組を何度も何度も再放送していたから、自分が本放送で見たのか再放送で見たのかの区別も曖昧でした。

ウルトラマンなんて、絶対本放送で見たと思い込んでいましたけれど、Wikiなどで最初の放映年を見ると、「こりゃ見てるわけねーわ」となるわけです。大人になるまで、それが再放送だと知らなかったわけです。

で、再放送。

このブログも、1回の記事はその時だけです。
もちろんスクロールしたりタグをクリックしたり、カテゴリー別に探せばいくらでも遡れますけれど、どんどん流れていってしまうことは明らか。
とは言っても、このブログの記事をここに再掲しても意味はありませんよね。ツイッターなどでリンクをつぶやくのはありかと思いますけど。

そこで考えました。

これまでに発信した情報の再放送って?

発信したい情報で、検索で辿り着いてもらえなさそうなものの代表は自作のアピール記事でしょう。CGのチュートリアルなどはどんどん検索してもらえますから。
でも、自作のアピール記事を再掲しても仕方がない(ツイートまとめではやってますがw)。

では、どうすれば自作に興味を持ってもらえるか?
再放送でテレビ番組を見るように、自分の作品に出逢ってもらえるか?

思いつきました。
(いや、前々からそんなことをやったらどうかとは何度か思っていたのですが)

発表済みの作品で、販売先との縛りがない作品をここで連載するという形はどうなんだろう、って。

どうやったら効果的か?
物語の途中で見つけたひとにとって、遡るモチベーションはあるのか?

そのあたりを考えながら、ちょっと計画を温めています。

どうなりますか、お楽しみに!
(既読作品が載っていても読む気は起きないのでしょうけれど、あくまでも初めてここに来た方に興味を持ってもらう作戦ですので……)

じゃ、また明晩!

シンチョク─1030

ここ最近でいちばんのトピックは、何といっても新SF雑誌『オルタニア -現実以外-』の創刊ですよねー。
ということで、まずはこちらの話題から。

【オルタニア】
僕もいち編集部員として発刊ギリギリまで各種作業に参加して楽しく過ごさせていただきました。
ちょうど、本日Amazonでの販売も始まりました。いきなり有料本で1,000位台に突入です。なかなかのグッドスタートですね!

先日もちらっと書きましたが、このvol.2用の原稿も既に書いてあるんですよ。まだ推敲が途中なので完成まではほど遠いんですが。

それから、オルタニアのティーザー動画を3本作らせていただいていますが、vol.3に使っている曲のフルバージョンを作りたくて仕方がない最近なんですよね。
そんな時間がどこにあるのさ! と脳内ディレクターに怒られながら、なんか良い感じのポップチューンになりそうだもんと思わずにはいられなかったりして。

【ティプトン】
こちらで連載してきたSF叙事詩の『ティプトン』ですが、いよいよ今週で最終回を迎えます。
まあ、最終回らしい最終回でもなく、ただティプトンさんが現実と頭の中のギャップを淡々と書きつづったものですから、いつもの調子なのですが。
いったんは書き終わっていた作品ですが、やはり連載するにあたって見直していると、必ず修正の手が入ります。
何度も書き直したり削ったり足したりして、小説より直す余地って大きいかもしれないですね……。ケプラーズ本編のディティールを既に忘れている部分とかがあってティプトンさんの気持ちになりきれていなかった部分を直したり、事実関係を直したりとかもあって。

電子書籍化も予定していますが、きっとまたまとめる段階で直したくなるんでしょうね。もう、目に見えるようです。
だから、いつ発売かは不明な状態。
表紙絵はまた、ティオセノス号でいいかなあ……手抜き?

【CG画集】
今も絶賛レンダリング中で、この作業の裏でBlenderくんがウインウイン回ってます。

すでに完成済みのCGデータを再利用して、
「サイズを大きく」
「レンダリング品質を上げて」
静止画を作るだけだと思って始めた省エネ企画でしたが、やはりそうは問屋が卸しません(笑。

もともと小サイズ前提で、各シーンが動いてすぐに通り過ぎる予告編映像用に作ったCGは作りが甘いですし、そもそも当時のスキルが問題。
最初のPV『さよなら、ロボット』予告編を制作したのはもう3年も前ですから、まだまだ全然Blenderの制作ノウハウがなかったんですよね、当時はまだ仕事でもほとんど使っていませんでしたし。

で、マテリアルの設定を見直しはじめて、泥沼に突入です。
質感を見直すと今度は形状が気になって、ライティングが気になって……。全部が気になるスパイラルという。

なんとか『さよなら、ロボット』はレンダリングまで上がり、今は『孤独の王』のCGを修正中。
これが全部終わったら、いったんレンダリングまでの作業は終わりにして、コンポジットなどの画像調整に移ります。
まだ、何点になるかは不明ですが、『孤独の王』までの作品で最初のCG画集にしようかと思っています。

画像だけでなく、ちょっとしたメイキング的なものも載せようかと思っていますが、そちらの内容は未定……。

【魔女と王様】
こんな調子で挿し絵の進捗はゼロ。
前回の反省から、少しずつコツコツと挿し絵を書き進めようと思っていたのに、この体たらくです。
連載は現在全体の3分の1ほどですから、気持ちのどこかでは「まだ全然ヨユーだぜ」と思っているふしがあるんですが、そこがやばいですよね。
うーむ……。

しかし、楽しようとしてもろくなことがないよね、というのが今週の教訓!

じゃ、また明晩!

ヘイ、9月のKUはどんなもんだった!?

セルパブ作家のみなさん、9月はどうでした?

KU(Kindle Unlimited=Amazonの読み放題サービス)が始まって2ヶ月が経過しました。

さて、出版社がかなりの読み放題本を引き上げ、お試し需要も一段落したKUですが、かなりの利用数低下が懸念されましたね。僕の場合はどうだったでしょう?
悪影響がなかったとは言えませんが、もろに受けた感じでもありません。
8月にどーんと増えたわけでもないので、山谷が小さいだけとも言えますが……。

では、まずは世間の出版社関連状況の観察から。
日本独立作家同盟理事長、鷹野凌さんのツイートを貼っておきますね。

いろいろと減少している中、アダルトの登録点数がかなり増加しています。
これは、アダルトカテゴリーで何百万ページも読まれたという方の存在が大きいのでしょうね。別のチャネルで売られていたアダルトコンテンツが大挙してKUに押し寄せたような感じでしょうか。

そうそう、8月のKENPのレートは多くの方が予測したような超低水準ではなく、0.5円@ページという比較的安心できる水準だったことも書き添えておきます。

では、僕個人の状況です。

KU開始後1ヶ月で書いたこの記事(KINDLE UNLIMITED、どうですかね?)と同じように、グラフ化して見てみましょうか。

先月のグラフに9月分を足しました。KENPページ単価は、仮に8月と同じ0.5円で入れています。

(まあ、単位は今回も内緒w)
(まあ、単位は今回も内緒w)

KENPページ数は8月の半分ほどになったものの、それ以前のページ数と比較すれば、特別低いものではないように思われます。印税額も、低い水準ではありながらもぎりぎり平常運転を維持、という感じでしょうか。

では次に、売上げ冊数と無料DL数の推移です。

kenp_1609_02

これもやはりKUの影響云々というより、長期的な傾向が大きいです。
これまで無料公開していた小説のうち、『壁色のパステル』と『夜啼く鳥』の無料を止めましたが、大きな悪影響は出ていないように思います。KUの影響だけで無料本のDL数が大きく減るということはなかったのではないかと思います。
もちろん、無料キャンペーンという飛び道具を使っていませんので、そのあたりの影響具合は計れないのですが。

最後に、印税額の推移です。
こちらはやはり、悲しいものがありますねえ。

kenp_1609_03

まあ、KUの影響はない。と言い切りたいところですが、やはり有料本の売上げは低いです。価格の高い本もほとんど動いていませんし、この1年以上で最低の印税額になりました。
でも、これからですよね、いろいろと。

10月は新SF雑誌『現実以外 -オルタニア-』も出ますし、それでちょっとだけ知名度が上がったりするかもしれないなんて、期待していたりなんかしています。
(期待してるだけじゃだめだ。自分で動くんだ!)

そんなこんなの今日この頃です。

じゃ、また明晩!

可愛くなきゃだめですか?

先日たまたま、CG関連の方との会話を辿って和牛先生という有名なCG講師の方のTwitterアカウントに行き着きました。
Blenderのマニュアル本を(紙で)出版している方なのですが、プロフィールをたどったらAmazonへのリンクに行き着いたので、踏んでみて驚きました。

そこには、僕が昨年購入したポストカード絵本が掲載されていたのです。
当時は、これがBlenderで作られたものだなんて考えもしなかったのに!


ミニチュアの写真?
いや、CGと写真の合成かな?
くらいに思ったけど、深く考えることもなかったのですね。

うーん、甘い甘い。
よーく見ていれば、これがフルCGであることは分かったはずですし、著者名から検索すればBlender作品であることも分かったはずですから!

まあ、そこで今回の僕は考えたわけです。

こういうの、自分も作りたいなあ……と。
もともと、Kindleで電子書籍を作る時に、マニュアルの中に絵本などの作り方の説明があって、ずっと気になっていたのです。

これまでにいろいろとCGの絵を作っていますから、それらを集めた画集を作るのもいいなあと。
前述のもののようにストーリー性というか、それぞれの絵の関連性は低いですが。

そこで、妻にちょっと言ってみたところ、
「えぐいからねえ」と一言。

「あ」

ダメですかね?
可愛くないと、受けないですかね?

グロい絵が好きなひとがいれば、ひたすらかっちょいい絵が好きなひともいますよね。
まあ、僕のはいずれでもない……。

可愛くもない、グロくもない、かっちょよくもない……

「えぐい……」

そんなこんなで、今、CG画集を作るべくちょこちょこ過去のデータを再レンダリングしたりして、手を入れています。

どうですかね、
──可愛くなきゃ、ダメですか?

お知らせ─無料本を有料にするよ!

Kindle Unlimited云々の話とは直接関係がないのですが、一つ思ったことがあり、すぐに実行しました。

これまで無料配布してきた小説のうち、次の2冊を有料に戻します。

『壁色のパステル』
『そののちの世界1 夜啼く鳥』

それぞれ理由があります。

『壁色のパステル』は、僕が初めて書いた小説。有料にしておいてもほとんど売れないし、淡波亮作を知っていただくために無料にしようと思って無料にしていました。
──でも、気付いたんです。

無料にするのは、自分に興味を持ってもらって、次の有料本に手を伸ばしてもらうため。
ところが、『壁色のパステル』には《その次に読む本》がありません。家族小説で、SF要素もファンタジー要素も一切ありません。もちろん誰も死んだりしませんし(笑)、不思議なことは何も起こらない平和な物語です。
内容にはそれなりの自信がありますし、初めて書いたからといって、別に文章が拙いということもない(はず)。
であれば、無料にしておく意味がないのではないのかな?
そう思ったわけです。
せっかく広橋悠さんをはじめ、素敵なレビューをいただいている本でもあるので、これはこれで一冊の独立した本として考えた方が良いだろう、とも思い。

『そののちの世界1 夜啼く鳥』については、10冊で構成される同シリーズの3冊も無料というのは、お金を出して買うモチベーションを減らしてしまうかもしれないな、というのが一つの理由。
もう一つの理由は、無料にするのは、シリーズ内でも最も面白い部類の本にすべきだろうと。

『夜啼く鳥』はかなり軽い内容で、さくっとすぐ読めて冒頭にはちょうどいいと思いますが、同様に無料化している5巻の『プロテイン・パック』や6巻の『段ボール箱の中の人形』に比べるとちょっと面白さのレベルは落ちます。これを最初に無料で読むと、せっかく無料の5巻や6巻に手が伸びにくくなるのではないだろうかと、思ったのですね。
逆に、5巻や6巻を気に入ってくだされば、「1巻から全部読みたい」と思う可能性も高いのではないかと。

まあ、そういった訳で、この2冊を有料に戻します。価格は元々設定していたとおりの250円(壁色)、99円(夜)です。
さっそく、BWインディーズと楽天KOBOで価格改定の申請を上げました。
『壁色のパステル』は楽天KOBOで出版停止手続きをして、Amazonではセレクト登録出来るようにしました。
これが通り次第、Amazonサポートさんに有料化をお願いする予定です。
(『壁色のパステル』については、セレクト登録を押すだけで良いかもですが)

と、いうことで、この2冊がAmazonで無料なのはあと数時間かもです。数日かもですが。
(この記事が公開された頃には、BWでは有料になっているはず)

もし、まだお持ちでない方は、今のうちにどうぞ!



彰子(しょうこ)はいったいどこへ? なぜ?
何ひとつ不自由なく、だが無為な日々を過ごす専業主婦の瀬口彰子。突然姿を消した彰子に、夫広平は戸惑い、自らを責める。
妻が隠すように持っていた伝説の抽象画家ヒルダ・ヴーハーの額を見つけるが、娘の言葉から、それが自分の不在時にのみ飾られていたことを知る。
──妻の失踪をきっかけに、平凡で平和な家族に訪れた小さな危機と再生を描きます。



いつもと同じ朝、恭一の目の前を飛び去った二羽のカラス──。
右手の青い袋に顔を向けると、そこには一羽のカラスが陣取っていた。この荷物は自分のものだと主張するかのように。
壊れ始める日常と、非日常がいつの間にか日常になってしまう違和感。そして、更なる非日常の連鎖が、あり得ない出来事を招く──。

『ティプトン』連載第10回

“農民として食料生産に携わるアフタースリープ世代は、この宇宙での放浪生活が永遠に続くと思い込むことで、逃げ場のないこの空間を自分の故郷と考えることもできたのだ。”

『ケプラーズ5213』より


── 10 ──


星などない

窓の外にあるのは
漆黒の虚空だ

星は微塵も動きはしない

わたしは見たのだ

わたしたちの船は
どこにも向かってなどいない

飛んでいるのかすら
怪しいものだ

ジャンプだって?
時空を超えるだって?

知ったものか

あれはきっと
彗星か何かが
近くを通った時の
言い訳なのだ

わたしたちは永遠に
何もない漆黒の虚空で
ただじっと浮かんでいるのだ

目的地などない
星などない

そうでなければこの人生が
このままひっそりと終わってしまうことに
耐えられるわけがないではないか

選ばれたものだけが眠り
《希望の星》との出会いを待っている?

まさか!

わたしの寂しい人生とともに
この世界は終わるのだから!


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。

晩年の詩人ティプトンは、SF作品『ケプラーズ5213』にちょっとした脇役として登場しています。本当にちょっとした脇役ですが、案外存在感があって、作者のお気に入りキャラクターなのです……

地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


ルビ、どうしてる?

本日の記事は昨日の続きです。
昨日の記事はちょっと文字数が増えてしまったので、「自分だったらこのくらいまでしか読まないかも」というあたりで切りましたw。

さて、ルビについて、いま一つどうしようかなあと考えているのが、Furi『振り仮名』サイトを利用するかどうか。
このサイト、日本独立作家同盟の鷹野理事長が教えてくださったもの。テキストファイルをアップロードするか、テキストボックスにペーストすると、自動的にルビ付きのHTMLファイルを生成してくれる優れものなんです。

こんな、超シンプルなページです。
こんな、超シンプルなページです。

シンプルなページながら、機能はちゃんと備わっています。
見ての通り、書き出す形式は「BCCKS」「HTML5」「でんでんマークダウン」の3種。
そして、開くひらがなのレベルも選べるのです。

総ルビなら小学1年生向けですね!
総ルビなら小学1年生向けですね!

僕もちょこっとテストをしてみたのですが、振り間違いもほぼなく、手で振ったものと遜色のないルビが振られました。
僕の場合は総ルビということもあり、文章量が多いとエラーが出てしまいます。いろいろ試したところ、1話分(1,000〜1,200字くらい)なら問題なく変換できます。

今までかなりルビ振りには苦しんできたので、これは本当に福音。
でもね、僕のワークフローにはちょっとはまらなさそうなんですよね。この方法だと。

愛用のエディタHagoromoでは、執筆時にルビや圏点を振りながら、縦中横や行の下揃えなども全部最終形のepubと同じ形で盛り込めます。

Hagoromoからepubを書き出すと、ほぼそのままの形で販売できるepubが出来上がるのですよね。僕の場合はそこにちょこちょこ手を入れるのですが、一度HTMLに書き出してしまったものを再びHagoromo形式に戻すことは出来ませんから、後々のepub編集が逆に辛くなってしまいそうなのですよね……。

『振り仮名』サイトにはルビ機能しかありませんから、縦中横や圏点、他の書式は後から手作業でやらざるを得なくなります。もちろん、cssも自分で手編集し直さないといけないでしょうし。
う〜む。

それでも、ルビが自動で付くのは非常に魅力的ですよね〜。

さて、まだ連載をいつから開始するのかも決めていない状況ですから、もう少し悩もうかと思います。いいやり方が見つかるかもしれないですし。

WEBページに載せるものに振るルビならばっちりですから、ご存知なかった方はお試しになってはどうでしょう?

最後に、『魔女と王様』第一話の前半部分をFuriで変換したものをお見せします。

まずは、ページのキャプチャから。

HTMLのタグを見慣れていないとびっくりするかも。
HTMLのタグを見慣れていないとびっくりするかも。

 

こんな風に、変換結果が直接ページ上に表示されますが、慌てなくて大丈夫。例えばブログ上に掲載するのであれば、この文字すべてをテキストエディタにコピペするだけでオッケーです。

独立したHTML書類にするのであれば、HTML書類であることの宣言や各種のタグが必要になりますが、皆さんの使っているワープロやエディタに、HTMLの書き出し機能はありますよね?
あれば大丈夫。適当な短い文章をHTMLで書き出しておいて、<body>タグから</body>までの中身をそっくり入れ替えてしまえば良いんです。

では、この文字をこのブログのエディタに「そのまま」貼り付けてみますね!


1 (ぎん)(きつね)

「そら()けー、ほれ()けー!」

ほんとうは(ちい)さい(こえ)でしたけれど、ニーダマは愛馬(あいば)パカラの(みみ)(くち)(ちか)づけて()いながら、かかとで(はら)()りました。あの、(うつく)しい(ぎん)(きつね)が、(いま)まさにニーダマの()(まえ)姿(すがた)(あらわ)したのです。これは、興奮(こうふん)しないわけにはいきません。

ニーダマは一瞬(いっしゅん)たりとも()(はな)さないようにしながら、(こし)にゆわいた弓矢(ゆみや)(うし)()にまさぐりました。すると突然(とつぜん)、パカラの(あし)()(しろ)(こおり)(うえ)(すべ)り、キラキラと(ひか)(こおり)(きり)()()げました。そうです、夢中(むちゅう)でパカラを(はし)らせているうちに、いつの()にやらニーダマは(こお)った(みずうみ)(はい)ってしまっていたのです。

ニーダマは、ふと背後(はいご)()(かえ)ります。(しろ)(けむ)視界(しかい)()こうには、(いろ)とりどりの(はる)(はな)()(みだ)れていました。

(ぎん)(きつね)(あし)()め、こちらに(かお)()けました。そして、(くび)をちょっと()ってコーンとひと(こと)()くと、(こおり)(うえ)悠々(ゆうゆう)(ある)()しました。

「おのれ、(きつね)め! おれ(さま)馬鹿(ばか)にするなよ」

ニーダマはパカラの(はら)を、(ちから)いっぱい()()げます。びっくりしたパカラは、ヒヒーンといななくと(はし)()しました。


どうです、ばっちりでしょう?
みなさんも是非、チャレンジしてみてくださいね!

じゃ、また明晩!