Category Archives: 自作について

値上げのお知らせ:予告の予告

そうそう、丸木戸サキさんの値上げのお知らせを見て急に思い出した。僕も自作の値上げを予定しているのだ。理由は単純。Amazonに並んでいる自作と商業作品の差。

商業作品と自作品が並んでいると、(たとえ表紙で負けていなくても!)安っぽく見える。それは、価格のせいというのが大きい。とても大きい。

安売りなの? 安っぽいの?

そう思われてしまう危険が大きい。

商業作品でも、消費者の誰もが作家名や出版者名を知っているとは限らない。何も知らない消費者(がいるとすれば、その人)にとっては、判断基準は《タイトル》《表紙(帯含む、デザイン全体)》《価格》《商品紹介》だろう。

《価格》以外は頑張ればなんとかそれっぽいものになる。
でもなぜ、《価格》はなんとかならないのか?

それは、今までのセルフ出版本の価格に対するイメージがある。商業出版の電子書籍でも、安いものは500円くらいから存在する。いつの間にか、それを超えるとヤバいんじゃないかという不文律が存在するような雰囲気になっていた。
気がする。
350円を超えると《強気価格》と揶揄されそうな雰囲気。実際僕は、これをものともせず、350円、450円という値付けをしてきた。でも、そんなんじゃあダメだ。商業作品の横に並んでいて、新刊が350円?

やっぱりこれは、自分で自分の作品を安っぽく見せてしまっているのではないか、そんな疑問が、日々大きくなっていったのだ。

僕はそれを超えようと思う。平気で大きく超えようと思う。

僕が考えている自作品に対する《適性価格》のレベルと具体的な数字、値上げ時期については、明日以降、この場でお知らせしようと考えている次第。

ではまた!

7月のKENPC:読まれている実感2(?)

7月のKENPC
7月のKENPC

 

いきなり冒頭にグラフを貼ったけど、これが先月のKENPC既読ページ数。
最初の10日間、ほぼゼロが続いていたところが痛ましい。淋しかったなあ、あの頃……。
念のため復習しておくと、これはKindleオーナーライブラリーの仕組みを使って読まれた本のページ数。最大で一日600ページ読まれたあたり、これは嬉しかった。まさに、読まれている実感が生まれたなぁ。

ではKindleオーナーライブラリーとは何かと言うと、
【KindleまたはFire端末を持っている】+【Amazonプライムに加入している】という条件を満たすAmazonカスタマーが、【月に1冊 無料で読書】できる仕組み。
僕はKindle Paperwhiteを持っているけど、プライムには加入していないので対象外だ。
作者側から言えば、【KDPで書籍を出版していて】+【他の書店では発売していない】+【KDPセレクトに登録している】書籍が対象だ。KDPセレクトに登録すると無料キャンペーンを行なえたり、上述のオーナーライブラリーで本を借りてもらえたりする、書籍の周知や収入を増やすためにも役立つ仕組み。

KENPCをもう一回復習すると、
Kindle Normalized Page Countの略。Kindleオーナーライブラリー(海外ではKindleアンリミテッドも込み) の既読ページ数を示したもので、KDPセレクトグローバル基金の分配対象となっている。

6月までは借りられた冊数を基準にカウントされ、基金からの分配があった。これはその本が読まれようが読まれまいが関係がなかったのだけれど、今月からは読まれたページ数に応じて分配金が入ることになった。
全世界でその一カ月に読まれたページ数で基金の総額を割るので、一カ月が終わってからでないと、1ページ当たりの分配金は弾き出せない。6月の段階では、約0.6円@ページという情報があったけど、今月はどうだろう……。

さて、僕の作品でKDPセレクトに登録しているのは三冊。
『孤独の王 合冊版』『ケプラーズ5213』『そののちの世界』だ。
上述のグラフだけど、残念なことにケプラーズは含まれていない。一番の自信作にして評判もそこそこいいのに、借りてくれる人がいないのだ。思うに、いかにもSFらしいハードっぽい表紙や、感情を排した冷たいタイトルが避けられているのかもしれない。難しそうなイメージがあるのかも。そこは出版前にもかなり悩んだのだけれど、どんなにタイトル候補を考えても、これ以上にこの作品を表わせるタイトルを思い付かなかったのだ。
ま、それはいいとして、ケプラーズに関しては、今後に期待かな。

で、KENPC。ちょっと引っ張り過ぎた。
『孤独の王 合冊版』のKENPC数(つまりページ数)は1,202ページ。既読ページ数は1,677ページ。
『そののちの世界』のKENPC数は679ページ。既読ページ数は1,459ページ。
つまり、孤独の王は先月約1.4冊読まれ、そののちの世界は約2.1冊読まれたということ。もちろんこれに有料版のものや過去の無料キャンペーンでDLされた数は入っていないから、オーナーライブラリーで借りられた分しか入っていないのだけど。まあ、この数倍以上は読まれているだろうと想像してみることにしようかな。
これが先月の、《読まれている実感》。

ということで、KENPC開始初月の既読数合計は、3,136ページ。これから毎月初旬にこの数字を記録していこうと思う。
(ちなみにこのブログ、更新を日曜日と水曜日に決めようかなと思っている。今はちょっと体調不良なので、今度の水曜日に更新できるか定かではないけれど……)

いつかこの記事が、誰かの役に立ちますように(?)

ケプラーズ5213の作品ページを更新

今日はごく短い記事です。
ずうっと放っておいた『ケプラーズ5213』のCG ブレイクダウン映像 for ブックトレイラーがようやく完成しましたので、ケプラーズの作品ページにリンクを追加し、リンク画像も新規作成して差し替えました。
作品ページに行かなくても下記からどうぞ!

 

CG制作のWIP画像とレンダリングされた各要素を時間軸で並べたブレイクダウン映像はこちらです
CG制作のWIP画像とレンダリングされた各要素を時間軸で並べたブレイクダウン映像はこちらです

 

いつもどおり、CG制作とコンポジット(合成)はBlender、映像編集はMotionで行なっていますが、まだMotionの機能がよく分からず、実は大半の編集はBlenderの映像編集機能で行ないました。Motionでやったのは文字入れや最後の仕上げ程度になります。

では、ぜひご覧くださいませ〜!

 

『さよなら、ロボット』最新情報!

楽天KOBO電子書籍ストアにて、いよいよ『さよなら、ロボット』の無料配信が始まりました。kindle storeへのプライスマッチ申請がこれからなので、お急ぎの方(いないか?)はこちらからどうぞ!

『さよなら、ロボット』は、大人も子供も楽しめる空想科学小説です。
舞台は、謎の奇病「グラマン氏病」が蔓延する近未来。この不治の病によって、人類は存亡の危機にさらされようとしていました。
主人公の森池マサルはジャーナリストで、グラマン氏病に冒されている父ケンイチの命を救うため、この奇病の謎を追って世界を駆け巡ります。治療法が確立するまで冷凍睡眠によってその命を永らえさせられているケンイチですが、あるとき《財団》の医師によって、目を覚まされます。
取材旅行から帰ってきたマサルは自分より見掛けの若い父と再会します。が、そんなとき、介護兼ペットであるロボット、シードが突然姿を消します。
でも、姿を消したのはシードだけではなかったのです。数千万体にもおよぶ世界中のロボットたちが、突然大移動を始めたのでした。そして、誰も予想しなかった大事件が巻き起こります。
ロボットたちは、いったいどこへ?
マサルはグラマン氏病の謎を解くことは出来るのか?
そして、世界は……?

こんなお話、いかがでしょう?
(ストアにある小説の紹介文より上手く書けたかも!)

本当はこの機会に表紙も差し替えたいと思ったのだけど、そうするとせっかくのARコンテンツ(ここ参照!→作品ページ内なのでご安心を)が動かなくなってしまうので、今回は見送ることにしました。知ってる人は知っているジュナイオのサービスが12月15日で終了するので、それまでは同じ表紙で行こうかなと思っています。まあ、表紙の画像認識に悪影響を及ぼさない範囲で帯などの改変はしようかと思っていますが。
さて、ここでいきなり話題が変わりますが、ちょいと振り返っておきましょうか。

・まずはARって何?
スマホやタブレット(昔はPCにWEBカメラという組み合わせだった)、はたまたグラス型端末のカメラに写っている映像に、デジタルコンテンツを重ね合わせて表示し、《現実を拡張する》こと、ですね。
日本では最初に流行ったのが《セカイカメラ》に代表されるジオタグ型でした。今は画像認識から動画や3DCGを出すタイプが主流です。今どきは立体認識、環境認識などもありますし、塗り絵タイプなんてのも流行っていますね〜。

・ジュナイオって何?
ドイツのメタイオ社が展開していた世界的なARアプリとそのサービス。何しろ機能が豊富で、追随するものがないほどのすごいアプリでした(個々の機能では優れたものもあるけど、その開発性、機能追加のしやすさ、シナリオの自由度、オープンな開発環境など、最高のARと言っても過言ではなかったのです)。
そしてこの春、アップルがメタイオ社を買収したことによってジュナイオのサービスは終焉を迎え、世界中のAR開発者にものすごいショックを与えました。僕も仕事上、大変な思いをしました。これで食えなくなった開発者も大勢いると言います。
僕は個人的にもその開発者登録をしていて、『さよなら、ロボット』と『孤独の王』でそれぞれコンテンツを制作して公開しています。

・『さよなら、ロボット』のARコンテンツってどんなの?

詳しい説明はこちら(画像をクリック)
詳しい説明はこちら(画像をクリック/冒頭のリンクと同じですが……)

 

ね、面白そうでしょう?(強引)
残念ながら、このジュナイオサービスはこの冬の初めで終わってしまうのだけど、日本でメタイオ社の代理店をしていたサイバネットさんから素敵なお知らせが届きました。ジュナイオ用に作られたARコンテンツの多くを移植できる独自サービスを始めるんですって!

これを個人向けにフリーで開放することは無さそうなので、やはり『さよなら、ロボット』のARコンテンツはいったん終了せざるを得ないんですけど、ちょっと将来に希望を残してくれた感じがします。それに、来年になればアップルがメタイオの技術を基にした、オープンで新しいARプラットフォームを始めてくれそうな予感も大きいですしね!

今日はちょっとITな感じで迫ってみました……。

では!

このタイミングで、もう一つ白状しておこう

KDP(Kindle Direct Publishing)本、つまりAmazonのKindle Storeで出版している個人作家の本として最長とも言われる僕の『孤独の王』ですが、ちょっとした記憶違いで間違った数字を発信していました。
いつだったか、うろ覚えの数字を元に、『孤独の王』は1,300枚ですよー。と、呟いた淡波。何人かの方に「それはスゲー」「それ、最長」みたいに言っていただき、すっかりその気になっていたのです。

あるとき、自分で作った『孤独の王』のブックトレイラーを見て、目が点になりました。《渾身の千二百枚》って書いてあるじゃないですか!

ほら、ね。
……ね。(クリックするとYoutubeで見られますよ〜!)

 

それで、再度原稿フォルダをチェック。書き終わったときに20字×20行でレイアウトし直して、ページ数を計算したメモがどこかに残っていたはず、って。
ホラ、これ。

スクリーンショット 2015-07-20 19.32.06

 

メモどころか、フォルダのタイトルに入っている……。しょっちゅう見てるはずなのにね。これ、《壁紙効果》ってやつですね。“あまりにも頻繁に目にしているものは、その意味が失われてしまい、壁紙の模様のように目に入っても脳に入らないものになってしまう”、というやつです。
名言ですね(あ、ググっても出て来ませんよ。これ、僕が今作った言葉ですからw)

と、いうわけで、『孤独の王』は正確に言うと1,232枚です。今日の記事の直接のきっかけはこちら。
昨晩、ヤマダマコトさんとのTwitterやりとりでこんな会話があったのです!

さすがです。Kindleで読んで、原稿用紙換算の枚数が分かるなんて、ちょっとびっくりですよね。ヤマダ氏にはとっくにバレていたということで、本日の告白タイムでした。

さあ、皆さん、もう一回繰り返しましょうね〜。

『孤独の王』は1,232枚!

 

つまらん記事で済まん!

作品の表紙:共通デザインがあると、とっても便利!

昨日の記事で新作小説を公開しようと思った時に、一瞬、脳ミソが固まった。BiB/iでEPUB(今回から全て大文字に統一。この表記が正しそうなのでね)を公開するってことは、表紙が必要じゃん、って。

そこで、お! と思い出す。淡波e文庫ブランドは統一フォーマットがあるし、今回はプレーンな感じで行っちゃえば、すぐできるかなぁと。

これが統一フォーマット。見覚え、あるよね〜?
(これだけだとどうにも淋しいけど)

これさえ入っていれば、淡波e文庫の作品だと一目で分かるのだ!
これさえ入っていれば、淡波e文庫の作品だと一目で分かるのだ!

 

これは、『さよなら、ロボット』での試行錯誤が元になって、『孤独の王』でのフォーマット化に結実したもの。以降、僕の全小説作品は、基本的にこれを用いている。
(『光を纏う女』の掌編版で自作オープンオフィステンプレを活用したことは内緒。未発表だし)

この統一フォーマットをベースに、出来るだけシンプルに構成してみようと考えたわけ。何しろもう夜中だったし、寝なきゃいけないしで。そうしてデザインを考え始めたのだ。この新作はテーマが《波》だから、文庫のイメージエレメントである波線を利用すれば早いだろう。そう思うのは当然の流れだよね。

で、これが完成した表紙。

初のWEB限定公開作品『波』(昨日の記事から)

 

ちょっとした画像処理テクニックを使っているけど、作業時間としては10分程度だったかな。統一フォーマットがあって、そのためのテンプレを用意してあれば、とっても簡単にバリエーションを作れるという好例になったか。

ここで使った簡単な画像処理のテクニックについても、追ってチュートリアルを書いてみようかと思っている。(リクエストがあれば……)

それと、知ってる人は知っている、例のオープンオフィステンプレだけど、使い方次第でバリエーションが作れるようになっている。ただ、自分で考えて加工する必要もあるので、ちょっと難しい部分もあったかもしれないな。今後、ワンタッチでいろいろ作れるテンプレ集を考えてみようか、とも思った今夜の淡波。

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

「作品ページを更新しました」のお知らせ

ようやっと、というか、とうとう、というか、今更という感じがしなくもないのですが、作品サイトに『そののちの世界の』のページが仲間入りしました。
最初の作品である『夜啼く鳥』をリリースしてから6か月以上が経過していますが、何とかWEBページ公開まで来ました。いや〜、ここまで長かった。

少しでも作品を読みたくなるようにと考えて工夫した、今回のポイントはこちら。

・全作品の試し読みをBiB/iで用意。
(もちろん、Amazonさんの試し読みよりもちょっと多め!)

・ランキングのついている作品について、最高位を記載。SF・ホラー・ファンタジーに再分類していただいたお陰で、金冠がつきましたからね〜!
(しかし、売れていない作品もバレてしまう諸刃の剣であった)

・表紙やブックトレイラーの制作中に生まれたCG画像をまとめて掲載。Twitterなどで見そびれてしまった淡波CGファンなあなたのために!(誰もいないぞ……)
→もちろん、CG好きな人がたまたま検索で辿り着けるように、キーワードを散らして。

・今までにいろいろな方からいただいたレビューや感想をまとめて掲載。Amazon上のものは(レビューを書いてくださった方と知り合いではないケースが多いので)タイトルとリンクにしています。

・各作品のページには《概要》のほかに、《気になるシーン》と題して試し読みでは読めない部分の一部を抜粋して載せてみました。試し読みの後が気になる方がいるかもしれませんし!

まだまだ工夫が足りないとは思いますが、まずはここで公開しておくことにしました。やはりSEO的には《生きている》ページが強いわけなので、まとめて更新してそのあと放っておいてしまうスタイルはよろしくないですもんね。
これからもちょくちょく手を入れて行きたいなあと思います。他の既刊本ページも含めて。

さーて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

KENPC:読まれているという実感

これまでKDPにあったKU/KOLという仕組みは、ダウンロードされた冊数に応じて(10%以上が既読になれば)ロイヤリティが支払われる仕組みだった。これが、Kindle書籍のページ数をカウントする新しい仕組みであるKENPCを利用した《既読ページ数》によるロイヤリティ計算に変更された。

以前の仕組みの場合、KDPセレクトに登録しておくことによってちょっとずつ印税が増えるのは嬉しかったけど、実際にその本が読まれているのかどうかは分からなかった。無料キャンペーンやプライスマッチによる無料本と同様に、DLされて積まれて、そのまま忘れ去られてしまうこともあっただろう。
だから、自分の本が読まれているという実感を得られるのは、誰かがTwitterやブログ(ブクログなど含む)に感想を書いてくださった時か、ごく稀にAmazon上でレビューがつく時に限られていたように思う。
これは結構寂しいものだった。売り上げ自体も《売り上げ》と言えるようなレベルのものではないが、それすら本当に最後まで読まれたのか、知る方法はない。(もちろんそれは、商業作家の紙の本でも同じかもしれないけど)

だけど、このたび始まったKENPCは違う。実際に読まれたページ数が、作品ごとに表示されるのだ(KDPセレクトに登録してある場合)。もしこの数字を毎日ウォッチしていれば、自分の作品が前の日に何ページ読まれたのかも分かりそうだ。これは、凄いことではないか?
印税云々より、この《読んでくださってる!》という実感のリアルさが半端ではない。

例えば『孤独の王』のKENPCを見ると、今月の数字は1,202ページだ。Amazonカウントではこの本は468ページだから、三冊弱がこの一週間くらいで読まれていることになる。『ケプラーズ5213』『そののちの世界』を合わせると、6〜7冊ほどになる。
売れているかたの基準からすれば
ゼロのような数だけど、実際に読まれているという感覚は、作者をとてつもなく幸せにしてくれるものなのだ!

《7/12追記:
ヤマダマコト氏、赤井五郎氏などの情報から、やはりKENPCの正しい数字は“既読KENPC”のグラフに現われているものだそうだ。作品ごとのページ数は、“今月の販売数”にある表で確認できる。残念ながら僕は勘違いしていて、Ver.1の後ろにあるページ数は、あくまでもその作品が何ページありますよ、という数字でしかない。現在のところ、僕の作品のKENPC数は、『孤独の王』が12ページ、以上だ。ぬか喜びもいいところだったようだ……》

その昔、僕にとって音楽こそがすべてだった頃、思っていたことがある。もし夜中に街を歩いていて偶然に、酔っ払いでもなんでもいいから誰か僕の知らない人が僕の歌を口ずさんでいるところに遭遇したら、もうそれで死んでもいいや、と。
それはとうとう実現しなかったけど(今のところね!)、今、ほんの少しでも、僕の全く知らないどこかで、僕の本を読んでいる人がいると思うと、僕はなんて幸せ者なのだろうと心から思うのだ。

この仕組みを構築してくれたAmazonさんに多大なる感謝を込めて!
(この仕組みは作家からのリクエストによって生まれたらしい。世界の作家さんに、ありがとう!)

ところで一つ、気を付けなければいけないことがある。KDPのヘルプ頁にはこのKENPCを用いたKU/KOLロイヤリティの計算方法が載っているけど、実際にこれを弾き出すのはとても難しそうだ。世界中でその月にKU/KOLで読まれた総ページ数が月末にならなければ分からないということもそうだけど、もっと分かりにくくしている大きな要因がある。それが何なのか、ちょっと見てみよう。

まず、実際にKENPCのページを見てみよう。管理ページ内の本棚から各書籍欄の右側にある《アクション》の「…」をクリックする。そうすると、下の画像にあるメニューが現われる。
次に、その中から《キャンペーンと広告》をクリックする。

KENPCのカウントを見るには?
KENPCのカウントを見るには?

 

すると、《本の販促ツール》というページに入る。そこの左下にあるのが、これだ。

これがKENPCの表示
これがKENPCの表示(KDPセレクトに登録してある場合だけ入れるページだ)

 

この欄の一番下にある右側の数字がKENPCだ。先ほど気を付けなければいけないと書いたのは、この数字の読み方。ページ数で言えば、1,202ページで間違いがないだろう。でも、この数字はロイヤリティとは直結しない。なぜなら、KU/KOLで読まれた本以外でも、KDPセレクトに登録されてさえいればこのカウント数が掲載されているのだ。

無料キャンペーンや、普通に購入された書籍データが読まれたページ数も、ここには含まれていると考えるのが妥当だろうと、僕は推論した。恐らく、間違いではないだろう。というのも、今までに一度もKU/KOLされたことのない本の同じ欄にも、KENPCは載っているのだ。

『サタンと呼ばれた男』が77ページ。この本は32ページだから、約三冊だ。
『五感の嘘』が74ページ。この本は31ページだから、これも約三冊。
『希望の船』が142ページ。この本は61ページだから、これも約三冊。
『未来からの伝言』が172ページ。この本は71ページだから、これも約三冊……。

《7/12追記:
つまりこれは、KENPC計算による作品の総ページ数を示しているだけ。後述の7/9、赤井五郎さんからのご指摘による追記内容がすべてなのだ。もっと読まれたいと、心から思う。でもね、有料版を見てると、ちゃんと第一部に続いて第二部、第三部と購入されてるのだから、これは間違いなく最後まで読まれていると考えていいのだろうな。無料でDLしたひとが途中で読書を止めてしまうのは、しかたがないと考えるしかないし、届くべきでない人に届いてしまっただけだと考えよう。同じセルフ作家のなかでも、KENPCのグラフがじゃんじゃん伸びている方もいるみたいだし、このシステムは正しいのだ》

こんな調子だ。7月に入ってから、こんなに短編が売れた記録はないのだ。どう考えてもこれは、今までにDLされていた本の、今月の読書ページ数だと考えるべきだろう。
ということで、ここで示したページ数は、ロイヤリティには恐らく全く影響しないであろう数字なのだ。

だけど、《読まれた実感》としては、とてもとても大きいものだと、もう一度申し添えたい。

さて、いつかこの記事が誰かの役に立ちますように!

《7/9、公開直後に追記:
赤井五郎さんから、こんなご指摘がありました。

ううーむ。難しいですなあ……》

人称の揺れ、二つの文体

このブログをずっと読んでくださってる方は既にお気付きのことと思うけど、最近、文体が混在している。今回のような紋切り型《だ・である体》と以前のような丁寧語型《ですます体》だ。

僕はどうにも無計画で勢いに頼るタイプなので、こういったブログ記事では自分の文体をコントロールすることが出来ない。

事前に型を決めて書き始めるられなくて、その内容とその日の気分によって、書いてから自分の文体を知ることになるのだ。
かつては、丁寧語型でなければいけないと思って、いったん紋切り型で書いた記事を全て書き直すようなこともしていた。
でもそれはどう考えても自然じゃない(書いている自分が自分でないような気がしてくる)ので、自然体を旨とする僕としては精神的に辛いものがあったんだな。
だから、ごちゃ混ぜになってもいいから、その時の記事にあった書き方で行ってしまおうと考え直した。
二人(以上!)の人物を登場させて上手く書き分けている牛野小雪さんスタイルも良いけど、無計画な僕にはあんな高度なワザはムリ。

時により読み辛いこともあるかもしれないけど、どうか、呆れないで付き合ってくれたらいいなぁと思う我儘な淡波なのだった。

一方、月刊群雛8月号に掲載していただくために現在執筆中の短編『光を纏う女』では、初めて人称の揺れに挑戦している。
僕はどちらかと言えば人称(語り手)の統一にこだわるタイプなんだけど、今度の小説はどうしても途中で語り手を変える必要があった。それがどの程度効果を現すかは分からないけど、読者が変な意味で迷子にならないようには配慮して書いているつもり。もちろん、語り手を変えるというのはミスリードを意図しているので、んん?  と思うことはあるのだろうけど。

読んでくださった方が大きな疑問に思わず、スルリと物語を飲み込めるものになれば成功なんだろうな。

おっと、いつの間にか自作の宣伝になっていたようだ。では、この辺で〜!

KDPカテゴリ変更をお願いした

ヘリベマルヲさんの記事をきっかけに赤井五郎さんのこの記事『Kindle本のカテゴリ分類方法がわかりました!』を読んで、ハタと気付いた。

Kindle Storeの小説は、カテゴリ分類を変更できる!

赤井さんの記事によると、これはずっと以前にも忌川タツヤさんが指摘していたことなのだ。でも、僕ら新入りは全然知らなかった。Amazonのジャンル分けってひどいなあと思いながら、どうすることもできないと思い込んで放っておいたのだった。
赤井さんのように自ら問い合わせる姿勢はとても立派ですね! 本当に助かる。で、僕もカテゴリ変更をお願いする問い合わせフォームを送ろうと思って、ヘルプを辿ったんだ。

そうしたら、見つけた。
そもそも、お問い合わせ欄で《問い合わせ内容のカテゴリ選択》を追っていけば、《本のカテゴリの追加または変更》というのが出るんだ。

 

問い合わせ内容のカテゴリ選択
問い合わせ内容のカテゴリ選択

 

なんてえこった、ヘイ、オリーブ(昔のポパイのアニメで←誰も分からんね)!
そしてさらにご丁寧なことに、問い合わせフォームを開くと既に下記のことが書かれている。

以下の情報を入力してください。
本のタイトルと ASIN:
削除するカテゴリ(オプション):
新しいカテゴリ (Kindle 本カテゴリーを 2 つまで選択):
注: カテゴリ変更は、ステータスが「販売準備中」になってからご連絡ください。

 

ね、これって、Amazonさん自身が、カテゴリー分類がちゃんと著者の希望通りになってないと分かっているのだ。だから、ここまで親切にフォームが用意されている。
サポート体制は懇切丁寧だけど、システムがダメだということなのだろう。

僕は自作の全18点について、カテゴリ変更をお願いしたんだ。さ、これでちゃんとカテゴリー別のページに表示されるといいな。本当は問い合わせフォームにこう書こうと思ってこんな下書きをしていたんだけど、上述の内容が既にあったから、それは止めた。僕の気持ちだから、ここにペーストしておこうかな。

■下記の作品につきまして、Kindleストアにおけるカテゴリ分類が希望(管理ページの本棚において入力したもの)と異なっています。読者様の検索に少しでも役立てたく考えておりますため、誠にお手数ですが、再分類をしてくださいませんでしょうか。

 

例えば『壁色のパステル』なんて、最初は《フランス文学》だったんだよ。なんじゃいそれは? って思うでしょ。まあ、そのおかげで無料キャンペーン時にカテゴリ別一位になったりしたけど……。
その後、《文学・評論》になって。
どうも、大抵の《文学作品》ものは、自動分類では《文学・評論》で止まるみたいですね。その下にようやくサブカテゴリが出てくるのに。
そもそも本棚で選択するカテゴリのツリーとストア上で書かれるカテゴリのツリーがずれてるから、どうしようもないんだろうなあ。システムをなんとか修正してもらうためには、僕らコンテンツ提供者が声を上げ続けるしかないんだろう。

と、いうことで、読者さんが少しでも好みの本を探しだせるように、セルフ作家の皆さん、サポートさんにカテゴリ変更をじゃんじゃんお願いしましょう!

この記事が、すぐに誰かの役に立ちますように!

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