Category Archives: インディーズ出版

《ワンパターン》と《好んで描く主題》

いろいろなことを小説に書いているつもりだけど、ふと気付くとやっぱりまた同じようなことを書いている。
僕の場合、何しろ変身ネタが多い。変身に値するほどの心変わりも含めて、だけど。

これから書こうとしている幾つかの物語の中にも、変身を扱ったものが少なくとも一つはある。そうでないものも、プロットを書き進めていく間に変身を盛り込みたくなってしまう気がする。
すごく、する。
敢えて盛り込むわけではないんだけど、ね。

偉大なるワンパターンという言葉があったけど、その域を狙ってもいいんじゃないかと思うこともある。いやいや、それは危険だろうという気持ちもまた、ある。
もちろん、別に僕の作品はそこが評価されているわけじゃないし、それが淡波らしさだと思って読む人は誰もいないだろうけど。

例えばある有名なヒット曲メーカーは、たった一つの王道コード進行で数百曲でも作ってしまえるという。それが時代の空気にはまれば、いとも簡単にヒットしたりするわけで。
それは、柳の下のドジョウを狙っているというよりは、好きなだけなのではないだろうか……と。それが、一番気持ちいいんだろう、と、僕は思う。
無数にあるヒット曲コード進行の中で、売るためだけにワンパターンになろうとする必然性ってのはあまりないだろうし。

翻って小説のテーマ。
仮面ライダーとか、ウルトラマンとかね。
その手の変身ヒーローモノは、子供の頃、浴びるように見ていたからなあ。僕の小さな頃は今と違って曜日の関係もなく、7時から8時の間は子供向けの番組ばかりが溢れるほど放映されていたし、1つだって見逃したくないつもりでテレビにかじりついていたもの。
もう、あらゆる変身モノのエッセンスが僕の身体の奥底には染み付いているんだよなあ……。

まあ、僕の作品で変身ヒーローが出てくるものは今のところ1つもないんだけど、奥底には、ねえ───
(あ、『太陽の子孫』はある意味変身ヒーローものかな??)

《ワンパターン》と《好んで描く主題》ってのは紙一重なんだなあ、と思うわけです。

そうそう、『太陽の子孫』は7/7に表紙リニューアル版が発売になりますよ。
旧表紙のファンシーな絵が好きなひとは(いるのか?)、今のうちにポチりましょうね。

じゃ、本日はこれで!

よし、準備は万端整いつつある(!?)

珍しく強気(?)のタイトルを付けてみましたが、何のことだかはもうお分かりですよね?
ね?

これまでずっと出版準備中と称して推敲・校閲・絵の描き直しに邁進していた『ルルルとリリリ』。
とうとう、もう直せるところがなくなりました。
(もちろん、間違いがもうない、という意味ではないんですけどねぇ)

この淡波ログのヘッダにも掲載していますが、既に『太陽の子孫』の表紙リニューアル&内容修正版は、7/7の発売と決定しました。そして連載終了から2ヶ月半も経ってしまった『ルルルとリリリ』ですが、こちらもいよいよ7/7発売に決定することにしました。
(言い方が回りくどい……だって、まだ完璧には完成してないんだもの)

結局、今週も予定になかった2点の絵を描き直し、いや、3点だ。手描きで修正を入れたものが2点……。もちろん、100ヶ所を超える文字修正も全て反映し、もう1周し、更に入った修正も反映し、ようやくepubデータの準備も整いました。

発売前最後の『ルルルとリリリ』情報は、上下巻の表紙を並べて公開、といきましょう。
covers

はい、ここで気づきましたね?

シリーズタイトルの『とっても小さな九つの国』ですが、番号が2と3になっています。当然、1は『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』なのですが、表紙に統一性がないのはいやですよね。そのため、急遽エビネルさんのほうの表紙もリニューアルすることに相成りました。エビネルさんの表紙絵はモノクロ線画のみでしたから、これはちょっと寂しい。

発売日がどんどん迫る中、またもや追加工事が出てしまったわけですが……。何とかなるかな、なりますよね。

さて、7/7に出る淡波作品は、

『ルルルとリリリ』の上下巻(新刊)
『太陽の子孫』(リニューアル版)
『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』(表紙リニューアル版)

ということで、全4冊になります。
(マジで、間に合うのか──)

さあさあ、乞う、ご期待!

今週の一枚──デジタルの恩恵にあずかる

ようやっと『ルルルとリリリ』の発売が秒読み段階になってきたのですが、今週も挿し絵を3枚修正しました。
1枚はもう完全に描き直さないとNGなレベルだったのですが、あとの2枚はデジタルで修正するという今どきの技を使ってしまいました……。

どっちが修正前でどっちが修正後かは、言うまでもないですね──
どっちが修正前でどっちが修正後かは、言うまでもないですね──

 

まあ、これで格段に上手い絵になったかというと全然そんなことはないのですが、これ以上やり直しが増えるともう発売できないような気もしてきました。
一発で納得出来る絵を描けることもあれば、何度描き直してもダメなものもあります。内容を考えるところからやり直すという手もあるのですが、今回はデジタルの恩恵にあずかることにしてみました。

とにかくなんとかして、《最低限の合格点》を付けられるものにしていかないことには、先の予定も全然立たないですからねえ……。

章のタイトルが『ずるいぞ、卑怯者!』というのも何だか微妙ですが、別に自分を卑怯者だと思っているわけではないですよ。

最初からデジタルで描く場合は、途中段階で形を修正したり、部分的に拡大縮小回転移動……して整えるなんてことは普通に行なうことですからねえ。手描きだとゼロからやり直すしかないのが本当ですが、電子書籍のための挿し絵で最終的にはデジタルデータになるわけです。しかも、扉絵にするために多少の加工はしますから、「デジタルでは手を入れないぞ!」みたいなこだわりも、あまり意味がないとも言えますし。

さてさて、残りはあと1枚。いつになったら発売日決定の告知を出来ることやら──。

では、また明晩!

忘れでる子はいねーがー?

SP_gang_cam4

ご存知(?)、明日は「このセルパブがすごい!」の投票締切日ですが──
僕は散々迷った挙句、5作を選んで投票を終えました。

この5作っていう数が微妙なんですよね〜。好きな本、作家さんをどんどん上げていくとすぐに10を超えちゃいますから……差をつけるのもなかなか困難ですしね。

しかも、自分がまだ読んだことのない面白い本が山ほどあるはずだと思うと、更に焦る焦る──。ここのところちょっと頑張って読もうともしてたんですけど、仕事も忙しくって体力に余裕がない状況でもあり……

それほどたくさんのセルパブ本を読んでいない僕が5冊を選ぶというのも本当に僭越な話なんですけど、そこはもう諦めていただいて、結局はこれまで読んだ中からセレクトさせていただくことにしました。
これは! という本が3冊はすぐに決まったんですが、難しかったです、あと2冊を絞り込むのは。

10冊だったらなあ〜と未だに思ってしまう気持ちもあり。
(だって、自分の本だって10冊の中になら選んでもらえる可能性が結構あるかもって思うじゃありませんか。そんな下心も出ちゃったりしてね?)

僕の本も誰かの5冊の中に入れたらなあ〜と思いつつ、逆に、僕の5冊に入れられなかったけど、もっともっと好きな本はいっぱいあるんですよ!
と宣言しながら、今夜はこの辺で。

あ、いや、もう少し──

そうそう、皆さんはもう投票しました?
まだ間に合いますよ、きっと。
(ギリギリだと編集長の藤崎ほつまさんが大変になっちゃいそうですけど。まあ、僕がここで叫んだくらいで今から投票する人が増えるとも思わないですけど……。もし、藤崎さんやヘリベマルヲさんからの声がけはなかったけど、是非とも投票したいという人は、直接藤崎さんに聞いてみると良いかもです)

セルフパブリッシングの世界には、
面白い本、怖い本、楽しい本、悲しい本、ビックリする本、じっくり味わえる本、読むのを止められない本、ずっと読むのを中断しててもすーっと続きが入ってくる本、読んだこともない本、唖然とする本、ポンと手を叩きたくなる本、じーんとする本、嫉妬に狂う本、優しさに震える本、疲れを癒してくれる本、怒りが怒りを昇華してくれる本、本の外の世界を忘れさせてくれる本、大事な人を思い出させてくれる本……………………

そんな本がいーーーっぱい、あるんですからね!

そんなことで、みんなで読もうぜセルパブ本ッ!

じゃ、今夜はこれにて!

固定ツイートは強力

スクリーンショット 2016-06-25 18.03.25
これ、強力。
だと思う。

僕の通常のツイートは、だいたいいつも数十件のインプレッションを得られるに過ぎない。
(「うひゃあ、人気ないなあ、淡波ぃ──」って言わないで!)
ツイートってすぐにタイムラインを流れて行ってしまうから、それは仕方がない。だからこそ定期ツイートってのをしている人も多いのだろう。

でも僕は、この定期ツイートってのがどうにも好きになれない。もちろん、みんな生活時間とかパターンが違うから、6時間ごとに同じツイートを自動で繰り返させるっていうやり方──ガイ・カワサキ式?──も有効なんだろうとは思う。
だけど、タイムラインを追いかける身としては、それって結構辛いものもある。

すべてのツイートをそういう設定にしてたら、TLが4倍に伸びてしまうんだから、スクロールする手間も眼への負担も4倍だ。

だったら、通り過ぎないツイートを最大限活用しようよ。それが僕の考えだ。
固定ツイートを設定している人は多いと思うけど、ずっと固定っていうのはもったいないと思う。
特に期間を考えてはいないけれど、定期的に変更するのが効果的だと思っているのだ。

固定ツイートなら、数百件レベルのインプレッションが得られるし、エンゲージメントも伸びやすい。
何かのトピックがあるとき、特にお知らせしたい内容があるときに、GIFアニメなんかを含めた固定ツイートを設定するのが最近のお気に入り手法。
それまで売れなかった本がポンと売れて行くこともあるし、プロフィールの補完にもなる。

コレ、皆さんももっと積極的に活用すると良いんじゃないかなあと思ったりしいてる、ここんとこの淡波です──。

ひとつ前の固定ツイートに使っていたティオセノス号のGIFアニメ。「これって何の宇宙船?」って興味が湧くでしょ?
ひとつ前の固定ツイートに使っていたティオセノス号のGIFアニメ。「これって何の宇宙船?」って興味が湧くでしょ? 知らなかったあなたは、ここをチェック

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

ではまた明晩(≧∇≦)//

進捗:最低限の合格点

『ルルルとリリリ』を見直した結果については先週も書いた通りだけど、下巻の推敲兼校閲を終えてみると、その修正点は100箇所を超えていた。これはもう一周する必要があるんじゃないかと思わないわけにはいかない……。

さらに、描き終わって熱の冷めた状態で再度見ていると、NGな挿絵もチラホラ見つかる。目に付く。
気になりだすともう無視は出来ない──。

数点、またも描き直す必要が出ている。

キリがないだろうか?
──完璧主義?

いやいや、そんなことはないのだ。ただ、ストアに出して値段を付けてもいいよっていう合格点を、今のままでは自分に与えられない。
お金を取るっていうのは、そういうことだと思う。
面白いだけじゃダメ。
商品として最低限以上の体裁が整っていなければ、それは一般読者には絶対届かない。広がらない。

目指しているのは商業本と変わらない品質なのだ。
素人が趣味でやっていると思われたら、伸ばした手はそこで引っ込む。
内容もビジュアルもパッケージ全体としてちゃんとしていなければ、商品としての品質・価値を担保しているとは言えないと思うから。

もちろんこれは、自分の作品に対する自分だけの考え。
誰かに押し付けようとは思わない。

──そんなこと言って格好つけたって、そこまでのものを作ってないだろ!?
そう、あなたは思うかもしれないけど、それはそれ。

誰もがみんな満足するものなんて、誰も作れない。まずは自分基準をクリアすること。その基準は、自分としては十分な厳しさを持っていること。

とにかくもう一周。
修正をすべて反映して、挿絵もいくつか描き直し、それからもう一周。
発売日を決めるのは、それからでいい。

じゃ、また!

あるひととの会話と。

ちょっと前に、「内輪って分からない」とつぶやいたことがある。僕は何十人ものセルパブ作家さんたちと、この一年半くらいで知り合いになり、本を読み、楽しみ、笑い、泣き、苦しみ、喜び、充実した時を過ごしてきた。だからといって、そのひとたちとぐるりと小さな環を作って閉じこもろうとなんて思っているひとはいない。

偶然知り合ったひとたちは、何かの必然を持って繋がり合ったのだと思う。内輪とか、なれ合いとか、そんなものでは断じてない。

リアルの友達は、こんなにたくさんいない。セルパブ作家同士が友達といえるかどうかはまだ判らないけれど、ある領域で理解し合い、尊敬し合い、高め合い、リアルの友達からは望んでもなかなか得られないものを貰ってきた。

と、思う。心から思う。

でも、リアルの世界と同じように、いや、顔が見えないだけそれ以上に、人間関係は難しいのかもしれない。

僕がセルパブ作家さんの本を読む時、結構ドライな取捨選択をする。つまらなければ、途中で止める。最後までどころか、数ページしか読み続けられない本もある。そういう本は、読み終わっても黙っている。良いものにもっと注目を集めたいという気持ちは、面白くなかったものを面白くなかったと言いたくなる気持ちより遥かに勝るのだから。
(これって、先日のラノベの話と矛盾する? いや、そんなこともないんだ。まだ判断がつかないし、読み終えるまで読むつもりだから。それに、その作品が今後読者を得るための邪魔にはならないようにと思ってる。好きか嫌いかなんて僕の中の問題であって、作品を悪く言うつもりは、決してないし)

あまりにもたくさんの面白い本が、いい作品が、あちこちに埋まって、隠れてる。だから、出来るだけたくさん読んでみたいと思うけど、そうもいかないし、読書傾向が偏らないようにすることも難しい。

それはそうだ。人には好みがあるし、それはそれで仕方がない。

そんな風にしてやってきた中で、何人かの大好きな作家さんができた。新作が出たら必ず読みたいと思う作家さんが何人かいる。もちろん積ん読の数も半端じゃないから、そうそう読めるものではないけど──。

 

自分の作品は、自分で宣伝するしかない。電書ちゃんやぽっきゅんや、日本独立作家同盟のお世話にはたくさんなっているけれど、それだって、まずは自分が動かなければ誰も気づいてはくれない。

そんなセルパブ作家をつないで文脈を作り、少しでも大勢の目に触れるようにいろいろな人が努力している。なかなか上手くいかない試みもたくさんあるけれど、その熱量ときたら、たいしたものだ。

セルパブ作家同士は確かに相互の読者であって、共依存の関係かもしれない。でも、誰だって本当は、世間の普通の本好きのひとに自分の本を届けたいはずだ。だから逆に、同じことをやっている人とは関わりを持ちたくないという人もいるのだろう。

せっかく尊敬できる仲間に巡りあって、様々な刺激を受け、もっといい作品を生み出したいと思っているのだから、そのエネルギーを使って、どうにかして一般読者に本を届けたいと思う。

これはきっと、そんな思いの流れる短い会話──。

「例えば似たジャンルの本に手を広げる時を思い出すと、面白かった本のあとがきで触れられている本には興味が湧きますね。それから、同じ出版社の同じシリーズの別作者。これは、出版社の編集部がキュレーションをしていた(今のことは分からないので過去形ですが)と考えると、納得できる気がします」

「僕たちがどうやって知り合いになって、互いの本を読むようになったのか。そこにヒントがあるような気がします。僕らは自分自身で自分の読みたい本をキュレーションして、自分の本棚に並べているようなものですよね」

「ジャンルや内容は違っても、そこにある共通の何か。次々と読みたいと思わせてくれる何か。ですよね。僕らがもっと周囲の人たちの本を読みたいと思うのは、やはり面白いと思うから。本屋で売っている本と遜色のない喜びを与えてくれるからなんだと思います」

「もっと具体的な何かがないと、読者には伝わらないですが、もっと、考えます。。」

もっと考えて、もっと考えて、届けたい。

校閲のちょっとした裏技発見(!)

書き終えたばかりの自作、冷静に校閲するのは難しいですよね。ちょっとした偶然から便利そうな方法を一つ見つけました。

まずは、執筆環境とは異なる見栄えのデータを用意します(これは、基本ですよね)、epubなどに書き出して、電子書籍リーダーで見るのが良いかと思います。

どこでもいいので、ページを開きます。
パッと目についた言葉を選びます。これは、動詞か形容詞が良いと思います。その言葉で全文検索をかけましょう。
ずらずらっと出てきますよね、同じ言葉を使った文章が。
その言葉が個性的な言葉だった場合、近くのページに登場したら要注意です。故意に使った場合はともかく、たまたま同じ言葉が近くに現れたなら、表現の幅が狭いかもしれないと疑う必要があるでしょう。
ちょっと周りを読んでみて、もっといい表現がないか、別の書き方は出来ないか、模索してみるとトレーニングになりそうですよ。

次に、その言葉が出てきた箇所から1ページだけ読んでみます。先へは進まず、検索結果に出たところだけ、次々に1ページだけ読みます。物語の内容に引きずり込まれる前に次へと飛びますから、案外冷静になれそうです。
不思議と、今までには気がつかなかった「気になるポイント」が、どんどん見つかったりします。

最後まで行ったら、またそのページで気になる別の言葉を選びましょう。
そして、全文検索。
これを繰り返すと、同じ表現の頻出や、癖で使ってしまっている言葉があぶり出されるように思います。もう少し工夫が必要なのに、手癖で書いてしまっていることって、案外あるもの。

もちろん、物語を順々に読まないことによって冷静になれる効果も大きいです。「流れ」に流されず、単文ごとの表現や誤りをチェックできるので。

どうでしょう──
参考になりそうですか?

では、この記事がいつか誰かの役に立ちますように!
(久し振りにこの言葉で締めたナ……)

挿し絵を《容量の軽い》扉絵データにするために、加工しよう。

はい、どうも!
ついに終わりましたよ、挿し絵が!

と、言っても、描くのが終わったという話です。
結局2枚をいちから書き直し、6枚を部分的に修正しました。
本日全ての絵をスキャンし、扉絵にするための加工を始めたところです。これがまた、手間が掛かるんですよね。電子本のデータができるかぎり重くならないようにしたいので、白黒2値のGIF画像にしても汚く見えないよう、明るさなどを調整しています。

今日は、挿し絵などを入れる場合に参考になるかもしれない簡単な画像処理の話をしてみましょう。
では、まず見本を貼りますね。

元のイラストをスキャンし、そのまま扉画像としたもの。画像の大きさは、Kindle用の表紙画像サイズと同じ2,560×1,600ピクセルとしました。

標準画質で保存したJPG画像。データは141KBあります。
標準画質で保存したJPG画像。データは141KBあります(もちろん、ここに貼った画像は縮小したものですが)。

これでは紙の色が暗くて変ですので、明るさを補正します。いろいろなやり方がありますが、今回は「レベル補正」を用います。例はPhotoshopですが、GIMPやKRITA、メディバンペイントでも同様の機能はあります。

Photoshopの「レベル補正」
Photoshopの「レベル補正」

一番右の白い部分が、紙の色(明るさ)を示しています。このグラフの下にある白い上向き三角が、《これより明るいものは無視して》という設定です。紙の色より左側に持ってくることで、それより明るい色は全て真っ白になります。
それだけだと絵の線までつられて明るくなってしまいますので、真ん中の灰色の上向き三角を右に動かします。これはグレーレベルといって、《ここの明るさをグレーとします》ということです。もっと明るい部分をグレーと解釈させることで、黒い線をぐっと締めることが出来るわけです。

せっかくなので、メディバンペイントで「レベル補正」をしたところのキャプチャも用意しました。

メディバンペイントの「レベル補正」
メディバンペイントの「レベル補正」

見掛けは違いますが、考え方は同じです。入力側の右端にある三角を左にずらすことで、紙の色を白くします。線の色を黒く締めるために、真ん中の三角を(こちらの場合は)左にずらします。メディバンペイントの場合は入力と出力に分かれているので、「入力されたグレー値はもっと暗いです」と教えてあげることで、暗い側をより暗くします。
(専門的な説明ではありません。あしからず)

ついでにGIMPの画面も。GIMPでは、名称が「レベル」です。こちらはPhotoshopとほぼ同じですね。さすが、フリーのPhotoshopを目指しているソフトだけのことはあります。

GIMPの「レベル」
GIMPの「レベル」

さて、では次に保存です。
いろいろな端末で、パッとページが開くようにしたいので、出来るだけデータを小さくします。先ほどのレベル補正済みデータをJPG標準画質で保存すると、約141KBでした。これを、JPG最低画質で保存してみます。ほとんど白黒の画像なので、画像の荒れは気にならないはず!(画質が分かりやすいように、大きく載せますね)

レベル補正後、JPG最低が質で保存
レベル補正後、JPG最低画質で保存。ファイル容量は約90KBです。

これで、約90点の画像を入れると8MB。これで充分だと思う方もいるでしょうが、もっとずっと軽くできます。最も軽くなるのが、GIF形式です。線画イラストなので、思い切って白黒2色のみのデータにしてしまいます。つまり、中間のグレーを全てなくしてしまうわけです。線を滑らかにするためのアンチエイリアス処理※も掛かりませんからアップで見るとがたがたになりますが、解像度が高い画像なので心配はいらないでしょう。

白黒2値のGIF形式で保存。ファイル容量は40KB
白黒2値のGIF形式で保存。ファイル容量は40KB。ぱっと見て、違いは分かりませんよね?

※「アンチエイリアス処理」という言葉を聞いたことがない方のために、アップ画像を並べてみますね。

上、アンチエイリアス処理あり。下、なし。
上、アンチエイリアス処理あり。下、なし。

電子書籍を読むとき、挿し絵をここまでアップにしてみる読者はいないでしょうから、原寸ではまったく分かりませんし、むしろくっきりして見やすかったりする場合もあります。

では、本日はここまで!

カラー画像にはまた別のやり方がありますが、もしも参考になれば幸いです。

じゃ、また明晩!

『ルルルとリリリ』連載を終えて

4ヶ月超にわたる連載を終え、まだ熱のさめやらぬ淡波です。
楽しかったり辛かったり、何とか一回も掲載を落とさずに完結できたことだけは、ちょっとばかり褒めてやってもいいですよね?
ね?

最初の連載である第一部の『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』は、いろいろな方に面白いと言っていただけました。第二部(続編)である『ルルルとリリリ』が前作と比べてつまらないと言われたらどうしようと、プレッシャーもかなりのものがありました。

しかも、書けば書くほど長くなってしまい、もう本当にこの物語はちゃんと終わるのだろうかと思ってもいました。最新話を公開した後、次の原稿がだいたい出来上がっても、いつも「まだまだ先が見えないよぉ」という状態でした。次第に書き終わった分のストックがなくなり、三月に入った頃はもう、毎週毎週やばいやばいとつぶやいていたような気がします。

終わってみればエビネルさん(=約45,000字)の倍以上もの長さ(=10万字オーバー)になってしまい、子供向けとしてはちょっと長すぎたかなあと反省。

でも幸い、最初の読者である妻からは、「エビネルさんより面白かった」との感想を引き出すことができ、一安心したのが昨日のことのようです。
果たして皆さんの心に届いたかなあと、今は不安(とほんのちょっとの期待w)でいっぱいです。
(だって、これを書いているのは最終回公開の直前なんだもの。今夜の反応にどきどきです。反応ゼロかもしれないけど……)

そんなことを言っていても始まらないので、未来のことを。
今後の予定などをちょっと、書いておきましょうね。

現在は、アイキャッチ画像にあるように、現在は書き終えた物語を紙に出力して推敲と校閲を同時進行中。全体の構成を変えることはないと思いますので、主に誤字脱字つぶしと表記の統一、漢字を仮名に開いた方がいいところやその逆の取捨選択などを行なっています。

それが終わったら、挿し絵を描こうと考えています。
『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』では、電子書籍化のために十点程度の描き下ろし挿し絵を用意しました。ちょっと少なかった気もしますので、できれば二話につき一点くらいの挿し絵を入れたいなあと思っています。
全九十二話なので、四十六点もの挿し絵を描くって、ちょっと多過ぎるかな、大変すぎるかな?? と、今からびびってもいますが……。

挿し絵を描き終えたら、それを基に電子書籍のPVを作ろうかな、と。前作のように主題歌を作るかどうかはまだ考えていません。ちょこっと歌は作りたいですけどねえ。そう言えば、エビネルさんのPVは結局作り掛けでお蔵入りになっています。
そっちを先に仕上げた方がいいかしら?

当初の予定ではGW中に電子書籍で出したいなあと思っていました。でも連載の終了自体が予定より一ヶ月も伸びてしまったのと、ようやく原稿の見直しを始めたところなので、リリース時期は未定とするしかないようです。

で、いろいろ片づいてくるあたりで第三部『やさしい北の魔女とわがままな南の王様(仮題)』の執筆を開始します。これまでの二つの物語より、ちょっと対象年齢層が上がりそうです。と言うより、そもそも大人にしか読まれていないのですが(作者想像による)!
これは、恐らく第一部より短いものになる予定。というか、短くしたいですね。真夏になる前には連載を始めたいですが、どうなりますやら。
今、同時進行で初めてのサイバーパンク小説(!)を書いているので、そっちとのバランスもあるし、その後に書きたい長編もそろそろ考えたいし──。

いやあ、夏に向けて盛りだくさんですなあ。
がんばるぜいっ!

では、また明晩も来てね!



楽天KOBOさん(201円で販売中)のページはこちら!

初の連載小説にしてほんわかしたお伽噺『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』。
大変好評を戴いた物語はそのままに、新たに描き下ろしの挿し絵を加えた電子書籍版です。
《第一話から第七話までを収録したお試し読み版が、こちらの作品ページにございます。》