こんな情景を見ると、ちょっと不思議な気持ちになる。
そして、ちょっと嬉しくなったりもする。
コンクリートから生える鉄柱。
コンクリートの中にはごろごろと小石が埋まっている。
鉄柱は赤く錆び、雨に流され落ちた錆がコンクリートの表面を覆っている。
鉄柱とコンクリートの境界は、どこだろう?
視覚的にはもう、ほとんど判別がつかない。
両者の境目に線引きをすることは、なかなかに困難だ。
想像による創造と、事実による描写。
心の中と外。
愛と憎しみと、苦しみと優しさと、冷たさとあたたかさと。
尊敬と蔑み。
慈愛とネグレクト。
美と醜。
拒むこと、過ぎたるがこと。
肉と野菜。
鉄と岩。
光と闇。
善と悪。
男と女。
生と死。
白と黒。
赤と緑。
毒と薬。
右と左。
夢と現実。
原始と科学。
教師と生徒。
老いと幼さ。
人工物と自然物。
アナログとデジタル。
日本語と英語。
自然食品と人工食品。
川と海。
土と砂。
理想の未来と唾棄すべき未来。
過去の想い出と本当の記録。
あなたと私。
あの国とこの国。
あの宗教とこの宗教。
境界は、どこ──?
じゃ、また明晩!
《境界》
と言えば……
自他の境界が混ざり合って渾然一体となってしまうような淡波さんの恋愛小説。短編なのですぐに読めます。オススメですよ。 https://t.co/vZNge7TDf3
— 牛野小雪 (@cowfieldtinysno) 2016年1月11日
書き下ろし短編、著者初の恋愛小説にして不思議な香りのするSF短編小説です。 《メタモルフォーゼと永遠の命》とは──?