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電子書籍ってやつを、改めて考えてみた−1

日本独立作家同盟の鷹野凌さんをはじめ、本日Twitterで少々話題になっていた「電子書籍のどこがいいか」的なネタ。これまでに恐らくたくさんの人が同じことを書いているのではないかと思いますが、僕なりに、改めて考えてみました。紙の本との比較をしてみましょう。
(電子書籍は主にハードウエア《Kindle》を想定したものです。「電子書籍」という呼び方自体も賛否両論あるようですが……)

では、第一回の本日は、まず【表示系】から

1.字の大きさ

《電子書籍》
・拡大できる
→遠視(あくまでも「遠視」)でも読みやすい
→字を大きくするとページをどんどんめくるのが快感だったりもする

《紙本》
・拡大できない
→不用意に紙面をこすっても邪魔なUIが出ない
→ページが固定されているので、読んだ量、残りの量が分かりやすい

そう、「できる」「できない」いずれもメリットでした。

 

2.紙面の明るさ(電子はライト有り限定で)

《電子書籍》
・明るくできる
→暗いところでも読める

《紙本》
・明るくできない
→暗いところでは読めないので、目に優しい

はい、こちらも両者それぞれメリットですね。

 

3-a.表示能力(固定表示)

《電子書籍》
・解像度は決して高くはない
→文字に多少のジャギーを感じることがある

《紙本》
・解像度は非常に高い
→とてもきれいで読みやすい

紙本に分がありそうです。
よく、印刷に近い解像度、という触れ込みのディスプレイがありますが、それは事実ではありません。一般的に写真やイラストなどの画像は350〜400dpiが印刷適性解像度です。それなら、たしかにRetinaディスプレイは印刷同等ですね。画像を見る限り、300dpi前後あれば人間の目でドットを感じることはまずありません。が、この解像度はラスターデータの基準です。
ディスプレイ上の文字は白黒二値のデータで再現されることが多く、特にeインクの端末ではアンチエイリアス処理も期待できません。そのため、画像と同じ解像度で表示した場合、ドットは感じられなくとも、どことなくぼやけた印象になったり、角度の浅い曲線のエッジがジャギーになったりします。
一方、印刷における文字データは三次曲線で表現されるベクターデータですので、紙面上に印刷される文字の解像度は、(印刷前工程におけるRIP処理機の性能などにもよりますが)2,000dpi以上になるでしょう。これが、印刷の文字が非常に滑らかできれいな理由です。

 

3-b.表示能力(固定表示:書体)

《電子書籍》
・変更できる
→美しく読みやすいことが重要なので、変更できること自体はメリットにはならない

《紙本》
・変更できない
→ブックデザイナーが考え抜いて選んだ、美しく読みやすい書体。
その本の内容にも合っている

紙本の勝ち!

 

3-c.表示能力(固定表示:書式)

《電子書籍》

・行間、余白など変更できる
→筐体、ディスプレイの大きさは固定。
文字サイズを確定した時点で行間や余白を調整する必要性は失われる。
そのため、変更できること自体はメリットにならない

5/10追記:
 上記は、「文字サイズを確定し、行間や余白を決定したら、以降は余白を調整する必要性が失われる」との意味合いです。
 ただし、行間が調整できても余白(つまり文字の表示領域)が調整できない端末(アプリ?)も多いらしいので、この読み難さの緩和のために行間はいじれた方がいい。前述の鷹野凌さんからご指摘いただきました)
 →デメリットの緩和のための微妙なメリットが、ある

《紙本》
・変更できない
→これは書体と同様。
特に文字間については、滑らかに読めるよう、細かく調整されているのが大きく異なる点

まあ、紙本の勝ち!

 

3-d.表示能力(固定表示:表示面)

《電子書籍》
・平滑、滑らか
→真平らであること自体は読みやすさには直結せず、メリットにはならない
→表面が滑らかであるため、外光の反射が読書の妨げになる
→表面がガラスなど繊細であるため、何らかの保護が必要な場合が多い

《紙本》
・心地よいざらつき
→鏡面反射はないため、明る過ぎない限り外光は読書の妨げにならない
→表面テクスチャが斜めからの太陽光を受けた時の、何とも言えない柔らかな凹凸が美しい(私見)
→折ろうが落書きしようが割れない

5/10追記:
「紙の本はページが曲面になるので、それで文字が歪んで読みづらい」
→そんな感覚を持つ読み手も既にいるようです。デジタルネイティブ。僕らとはもう生まれが違う。この価値観の違いも興味深いですね。この記事に対してはTwitterでちょっとした反響があり、それを知りました

紙本の勝ち!(私見60%)

 

3-e.表示能力(ページめくり表示)
→操作性は別項目とします

《電子書籍》
→eインクの場合はリフレッシュが必要で、表示ギャップがある
→リフレッシュ前は全ページが裏写りのように残ることがある
→eインクでない場合はめくると瞬時に次ページを表示

《紙本》
→めくると瞬時に次ページを表示
→文庫本や雑誌など、紙が薄ければ裏写りがあるが、読書を妨げるほどではない

こちらも紙本がやや有利か。

 

さあ、第一回目はいかがだったでしょうか?

どうも、今のところ電子書籍は分が悪そうです。
では、どうして淡波亮作は毎日Kindleを持ち歩いているのか?

その謎は、第二回以降をお楽しみに!

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

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