出版物の基本ルールってやつ

『さよなら、ロボット』無料化のために、Amazonのmobiフォーマットでは許されて、一般的なEPUBでは表示できないタグを修正する作業をしているんだけど、その中でいろいろと気付いてしまった。以前の作品とは言え、ちょっと基本ができていないことにびっくりしてしまったんだな。
どこまでがルールで、どこまでが作家の自由に委ねられる部分かの判断は難しいけど、明らかに現在の書籍(小説作品)に求められる基本を外れていたものがあった。それも含めていま、修正を行なっているところだ。

 

■ルールその1:《」》と《。」》

これは以前もどこかで書いたけど、基本中の基本とも言える書きあらわし方。もちろん、プロの純文学作品などでは平気で破っているものがあるし、それはオッケーなんだけど、それを素人作家がやると、「判ってない!」と言われてお終い。
気を付けなきゃいけないポイントなんだよね。

・カギ括弧を使うとき、閉じに句点を付けてはならない。

そう、これはそもそも教科書の基準に合致していないんだよね。小学生の時は、「○○でした。」って書くように指導されたし、作文もそうだった。
これは、まあ言ってしまえば商業小説のルール。だから僕も、最初は全然知らなかった。きっと、紙やインクが貴重だった頃、それに活字拾いが大変だった頃、少しでも手間やコストを下げるために考えられたんじゃないのかと、僕は想像している。《句点がなくともカギ括弧閉じがあることで、明らかに会話の終了が理解できるから不要》と、どこかで読んだ記憶がある。
僕の最初の小説である『壁色のパステル』を読んだ娘が、『カギ括弧の終わりに丸が付いてるよ』と言ったのが発端。妻もその言葉を理解できなくて、本棚の本を片っ端から引っ張り出して、会話文を見たんだ。それでびっくり、カギ括弧閉じの直前に、句点はない。一切ない。
それで、大急ぎで修正したんだ。初版を読んでくれた方は気付いたかもしれないな。
詳しいじゃないか、娘よ!
(彼女はすごい読書家で、一日3〜4冊を平気で読破していた。今は受験などもあってあまり読まなくなったけど、きっといつか小説を書く日が来るのではないかと密かに期待している)

で、この間違いがね、第二作の『さよなら、ロボット』にも残っていたというわけ。ヘイ、なんてこった!

 

■ルールその2:《…》と《……》

ご存知、三点リーダというやつ。これも、基本ルールとして《二連続にしなければいかん》ということは知らなかった。いつ知ったのかも覚えていないけど、『孤独の王』以降は大丈夫じゃないかと思う(自信なし)。
もちろん、英字のピリオドを六回打つのはNGだし、コロンを倒して続けるのもダメだ。
これも、現在修正中。

 

■ルールその3:《――》と《──》

これはね、結構難しい。例えばMacの《ことえり》や《かわせみ》では、長音の変換で出てこないから。候補がこれだけ出るのに、文字の間に空間が入らない《──》を出すにはどうやったらいいのか、ずっと分からなかった。

この記号の候補はこんなにある!
この記号の候補はこんなにある!

 

ところで一方、インディーズ小説の電子雑誌である『群雛』の八月号に初めて短編小説を寄稿したのだけれど、そのときに読んだ表現統一ルール(BCCS準拠)に、この《──》の記述方法が記載されていたんだ。そこで初めて、この使い方を知ったというわけ。実際、どうやってこの記号を出したら良いのか分からなかったので、そのルールからコピペして使い回しているんだな。なんだか、原始人が火を絶やさないように木切れを燃やし続けているみたいでしょ?
《7/19追記:よいこのみんなは辞書登録しようね〜》

 

今、直しているのはこの三つ。

ちなみに、文頭に書いた《Amazonのmobiフォーマットでは許されて、一般的なEPUBでは表示できないタグ》というのは、ブロック引用で枠囲みをするもの。Kindle上では意図したように枠囲みで表示されるのだけど、EPUBではそもそもエラーメッセージが出て、Blockquoteタグから先は何も表示されないんだな。だから、どうやったら引用の雰囲気を出せるかどうか、いろいろとEPUBの表示を調べてみた。
《7/19追記:鷹野凌さんからご指摘いただきました! BlockquoteタグはEPUBでもオッケー。そう、僕のはxhtml内のタグではなく、CSSの記述の問題だったようです(そもそもタグの使い方自体もEPUBルールに従ってなかったりする……よくmobiで成立していたよな〜汗)。EPUBは複雑で奥が深い。いずれにせよ、枠囲みの引用表現は無理なようなので、以下の記述はイキ、ということで。》

そこで、ヘリベマルヲ氏の『Pの刺激』が参考になった。ある未完の小説の断片が、紙片に印刷されて街中に張られていたり、WEBに載ってたりするのだけど、その小説の断片に書かれた内容の見せ方が、ちょうど、僕の求めていたものに近かったのだ。

段落全体を字下げして、級数(文字サイズ)を若干縮小することで、引用の表現をしていた。これなら、基本的なタグで実現できるし、それを利用することにしたんだ。で、もう一ひねり欲しかったので、少しだけ文字色を明るくしてみている。Eインク端末でどれだけ再現できるかは分からないけど、例えばKIndle Paperwhiteの初期型でもグレースケールは16階調表示できるのだから、きっと90%グレーならそれっぽく表示されるのではないかと思って、これから実験に入るところ。結果はまた、ここに書こうと思っている。

現在のところ、明らかに間違っていると思われるルール上の間違いは上述の三点だけど、まだ出てくるかもしれないな。ひらがなに開くべきところを漢字で書いてしまっていたり、初出の人物名にルビを振っていなかったり、は、ご愛嬌。いずれまた、手を入れるかもしれないけどね……。

 

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

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