詩/負け


詩と格闘なんかしたって

勝てるわけがない

少しでも有利に進められる可能性を
始めっから投げ出している闘いだ

わたしの言葉は
虚しく
白いディスプレイに浮かぶ

年齢別人口構成グラフのような
横顔を描きつつ

ただ、画面を埋めてゆく

詩を書くことで
わたしはわたしの感情を
記録しておきたいとは思わない
それは後になって思い出したところで
幾つかの疑問符と
幾つかの共感を
呼び起こすだけだ

振り返りたいとすら
思わないそれを
なぜわたしは書き留めるのだ

じゅうぶんに行数を稼いだころ
わたしはニヤリとする

これでまた
作品がひとつひねり出せたと

そんなことに
何の意味がある

わたしは負けながら
流されてゆくのだよ

わたしには人の心を揺さぶる能力など
これっぽっちの欠片もないと
わたしの書いたこれが
証明しているのだから

それでもわたしは

わたしは負けながら
流されてゆくのだよ


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