観てきた:映画『フィレンツェ,メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館』

ああ、またハズレを引いてしまったよ。楽しみにしてたのになあ。残念。ここまでひどいとは……。

まず3Dが意味不明すぎる。彫刻、建築はいい。ちゃんと効果が出てる。だからどうだという程の効果は感じないけど、まあ、立体だから、多少はその場で見るような迫力があった。特に建築は。

彫刻は微妙。カメラワークが悪くて、まだるっこしい。じっくり見せたいからじっくりカメラを動かしてるんだけど、見たいところは人それぞれだからね。うーむ、もっと工夫のしようがあるでしょ、と思わずにいられない。
(例えば、2画面に分割して、片側は全体像を常に見せ、もう片側で特徴のあるところのズームアップを順に見せるとか?)

圧倒的にダメなのが絵画作品。
全く意味のない3D化。
おいおい、そこをわざわざ立体にしてどうするの?
元の作品と全然違うじゃん。のオンパレード。

当然、《絵のすべての部分を完全に立体化してからそれに絵画をマッピングして、世界を再構築するような手間》は取られていない
何となく程度のレベルでZデプス(=奥行き情報)ぽいグレースケール画像を起こして、疑似的に立体にしている。曖昧なところや前後の逆転、切り抜くべきところで曖昧に誤魔化されていたりして、もう、手抜きの極致。

デッサン、ステンドグラス、果ては作者の肖像画まで擬似立体で見せられた日にゃあ、もう冗談としか思えない。
本当にまじめに作ってんのか?
単に「3Dにすると客が喜ぶだろう」くらいに思ってやってないか?

そこに追い討ちをかけるのが、無駄にうるさい音楽。全体的にはクラシカルな構成なんだけど、盛り上げるためなのか低音部には変なシンベが加えられて、もう安っぽいミステリーのよう。何しろうるさい。
美術館を再現するような映像なら、音楽なんかいらないんじゃないか?

さらにさらに、ダメダメポイントはまだまだ続く。

メディチ家の当主が案内役をしてるんだけど、無駄な芝居や裏話が多く、目を塞ぎたくなった。
(実際、3Dで見ていると目が疲れるので、この人のパートは半分くらい目をつむっていた。吹き替えだから、内容は分かるし)
おいおい、もっと作品を観賞させてくれよ〜。

それから、ウフィツィ美術館の元館長による解説がもう、押しつけがましすぎてあんまりだ。
いわく、美術を鑑賞するだけじゃだめだ。ちゃんと学んで、そこに込められた深い意味を理解しなければ、観たことにならないとかなんとか。
大きなお世話でしょ!

美術作品を生み出した人が、鑑賞者にそんなことを望んでいるとでも言うのかい?
作家は美しいものを生み出したくて作品を生み出しているんじゃないのか?
これは○○の象徴で、裏の意味はこう。それを知ることが一番大事で、それを知らなければ作品を見たことにならないなんてこと、作家が僕らに望んでいたとでも?
裏の意味って、「そういう理解もあるよね」、「そういう楽しみ方もあるよね」っていう程度なんじゃないのかな。
そもそも、後世の研究者なりが勝手に言ってることに過ぎないんだから……。

ああ……無駄無駄無駄。

美しい作品の数々を、その場にいるように鑑賞させてくれる映画だと期待して観に行った自分が馬鹿だった。
反省しますよ。
内容を事前に調べていたら、絶対観に行ってない。

それからね、駄目押しで編集がまずい。
意味のない(いや、深い意味を込めてるんでしょ、きっと)ロングショットの挟み込み。頻繁に行われるフェードアウトでは色相が破綻してるし、これじゃ素人じゃん……。
(あ、もちろん、これはお金を払った観客としての感想。別に、自分ならもっと上手いとか、そんなことは言ってないので念のため)

余計な部分なしで作品をきっちり丁寧に見せてくれる映画だったらどんなに良かったか……作品数もきっと倍は入れ込めただろうな。こんな無駄な演出を観客が喜ぶと思ってやってるんなら、客を馬鹿にしているにも程がある。

エンドロールの後でおまけについていた、登場作品の目録のような映像。あそこが一番良かった、と、妻も言ってました。

あ、一つだけ良かったこと。
前半の建築の見せ方や紹介の仕方はとても良かったかな。
アップにロングに空撮にCGに図面に、このあたりはかなり効果的だったし、これは現地で見るよりいろいろな側面を見る・感じることが出来た。

はあ……。

済みません……毒を吐きすぎたかな。
あんまりがっかりしたんで。
(一緒に行った家族も同じ感想だったので、念のため)

じゃ、お休み!

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