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Magica Voxelがすごすぎる件

これはいつか書かなきゃと思っていたんだけど、伸ばし伸ばしにしている間にとんでもなくすごいバージョンアップがあった。

何も知らなかったひとに向けてざっくり書くと、Magica Voxelっていうのはボクセルベースの3Dモデリングツール。小さな立方体がベースになっていて、それを組み合わせる(足したり引いたり押したり削ったりする)ことでいわゆるマインクラフトみたいな世界を作れるツールなんです。

昔のシンプルなゲームみたいなキャラクターを作ったり、ブロックっぽい感じで造形するのに最適。プリセットでいろんな形が入っているので、3D苦手でもなんとなく面白い絵が作れちゃう。

こんな可愛いティラノがプリセットで!
こんな可愛いティラノがプリセットで!

これ、実はセルフパブリッシングの本の表紙なんかにも使えるよなあと秘かに思っていた。
レンダリング(画像として書き出す)の機能も以前からあったんだけど、あくまでもおまけっぽい感じで(にしてはきれいだったけど)。

それが、いつの間にか物理スカイっぽいものまでついていて、フォグ機能もついていて、なんと、アニメーション機能までついちゃった!
これはもう、れっきとした統合3Dソフトに進化した感じ。もちろん、巷にある統合ソフトとはまるっきり考え方も機能も違うし、まったく別世界だけど。

物理スカイ:
背景に空っぽい色を置くのではなく、物理的に空の色(太陽の位置や緯度経度、様々な物理特性)を計算して再現するもの。
まあ、このソフトの説明にはそこまで書いてないのでそうではないかもしれないけど、見た感じは物理スカイでレンダリングした絵になってる。じつに美しい。

これなんかもろに物理スカイでレンダリングしましたって感じだし
これなんかもろに物理スカイでレンダリングしましたって感じだし

 

いやあ、面白い。
こんなこと考える人がいるとは──!!

だって、こんなん出来るんですよ。

それからこんな絵も!
magica

そしてきわめつけがこれ!

magica2
物理スカイとフォグ効果による美しい空間表現!

こんな美しい絵を作れるだなんて、想像もしなかったなあ……。

で、これが無料なん!

ダウンロードはこちらから。

使い方のチュートリアルは、Daishiさんがこちらに書かれてます。日本語です。

気になった方は、是非どうぞ!!

じゃ、また明晩。

センスと技術

「グラフィックデザイナーはなぜミリ単位にこだわるのか?」

こんな質問に対して「なぜも何もない。当たり前のこと」と考えるようになるあたりが、センスを発揮できるための技術のベースラインではないかと思うのです。

いきなり偉そうなことを、とお思いでしょうか?

僕自身、偉そうなことをのたまえるような素晴らしいセンスの持ち主ではありませんし、本職のグラフィックデザイナーでもありません。それはもう、作ったものを見ればわかることなので深くは追いませんが。

でも、デザインを学び、多少は仕事にも生かしながら日々を送っていると、わかってくることがあります。

本当にセンスの良い人は道具を選ばない。でも、技術は仕上がりを左右する。そして道具もやっぱり仕上がりを左右する。
それは、時間の問題でもあるし、自分のこだわりにどこでケリをつけるかというポイントの幅や位置(ポイント=点だけど、その中には大きな揺れ幅がある)が、技術とツールによって簡単に影響されてしまうことがあります。

ひとことで言うと、技術があってツールを使いこなせれば、試行錯誤に掛かる時間が削減できるということ。そうすると、自分の施したデザインに対して完成度を追求する時間の余裕が生まれたりする。その完成度は、手作業でやっていた頃より高いような気もするし、逆に甘くなったような気もします。

最終的な判断をする局面では厳しくなったのかな? 最初のデザインを上げる段階では甘くなったのかな?

極端に言えば、僕が学生の頃はパソコンもなかったし、デザインの全ては手作業でした。
クロッキー帳に鉛筆で何度も何度もアイデアスケッチを描いて、少しずつ理想形を探してゆく作業をどこまで詰められるかが、凡人の僕らに与えられたテーマであり宿命でした。そして、「これだ」と思ってから色を入れる。その時にはもう迷いはなくなっていて、ひたすら筆を動かし続ける。

今は、違います。

いきなり色面を置ける。完璧に真っ直ぐな線で構成された色面を自由自在に変形出来るし、アイデアを瞬時に画面上に落とせます。アイデアがなくたって、何となく画面を埋めることもかんたんです。バランスが悪ければいくらでも調整が効くし、それこそ紙上で行なう作業の何百倍も効率的にデザインを詰められます。

ただそこで勘違いしたくないのは、ツールが描きだしてくれた完璧な図形は完璧なデザインではないということ。

ぱっと見の完成された雰囲気に騙されてはいけないのです。

正解はいくつもあるけれど、どれでも正解なわけではない。ちゃんとした正解は、やっぱりある(いくつも)。

デジタルですべての要素がきちんと配置されていると、それだけでバランスよく見えてしまうことがあって、僕たちの感覚はついそれに騙されてしまいそうになります。

でもね、それは勘違い。そのデザインが何を目指して始められたものなのか、何を意図してその色を選んだのか、何のためにその形があるのか、もう一度立ち返らなければそこに潜む問題は見えてこないのでしょう。

形に落とす前によく考える。ぱっと見にカッコいいふうのものを作ってしまう前に、自分がどうしたいのかもっともっと悩む。そんなことが必要なのかもしれません。

完全アナログの時代、一度塗ってしまった色はもう戻せませんでした。ガッシュを上塗りして修正しても汚くなるばかりで、結局は一からやり直すほかなかったり。だから、僕らは息を止めて──誇張とか比喩ではなく本当にぐっと息を止めて──、白い紙の上に絵の具を置いていったのです。

アナログ時代と現在のデザイン行為の違い。そんなことを考えていたら思い出したことでした。

考え抜いて、決めて、一気に迷いなく描き切る。

そんなふうにデザイン出来たらいいんですけれど、ね。

デザインという行為にとって、今は今で、いい時代です。もちろん時間あってのことですが、ミリ単位の迷いを完璧になるまで調整出来るのだし、絵の具も紙も無駄になりません(いや、でも実は電気代のほうが高いのかもしれませんよ)。文字のスペーシングを調整するときなんて、ミリでも粗過ぎる。コンマ何ミリがデザインの善し悪しを分けてしまいますし。

そう、冒頭で書いた技術というのは、実は手先の技術やデザインソフトを操る技術の話ではありません。

・美しいバランスとは何だろう?

・この色がこのくらいの面積で置かれるなら、あの色はどのくらいの面積にするべきか?

・この色がこのくらいの彩度なら、あの色はどのくらいの彩度であるべきか?

・この形がこのくらいの強さなら、主張なら、あの形はどのくらいの強さにするべきだろう?

・この密度で「主たる要素」が配置されるなら、どこにどのくらいの「空間」を、「抜き」を用意するべきだろう?

僕はデザインの先生ではないので、あまりはっきりとしたことは言えません。でも、こういう基本的な技術を身につけた上にこそ、自分ならではのセンスというものが輝くんじゃないのかな。

そう、思うのです。

ちょっととりとめのない感じになってしまいましたが……。こだわって、考え抜いて、迷い抜いて、いいデザインを創りたいものですね!

では、今晩はこのへんで。

また、明晩!

今週の1枚──さあ、SVGの出番だ!

svg

これは今のところ、Retinaディスプレイを備えたMacにしか当てはまらないことなのかもしれないのだけれど、実はAndroidのスマホなんかでもRetinaディスプレイを超える解像度のものがあったりします。WindowsのノートPCなどでも、高解像度のものがどんどん出ていますよね。
だから、今後はもっともっと気にしておかなければいけないことなんだろうなと思い、ちょっと記事にしてみました。

冒頭の画像は、ご存知この淡波ログのヘッダに使っているもの。
「PNG」と書いてあるほうが先週までのヘッダで、「SVG」と書いてあるのが現在のもの。
明らかに、シャープさが違いますよね。

普通のWEBページだと、大きめの画像を用意しておけばそれなりにきれいに表示されるのですが、Wordpressだとそうはいかないんですよね。Wordpress上の画像管理システムである《メディアライブラリ》に画像を登録する際、自動的に何種類もの画像サイズが生成されて、その画像を表示する端末に最適なサイズのものを自動的に選択してくれるようになっているのですよね。
これ、便利なようでいて、実はとてもおせっかいなくせ者。
(もちろん、僕がWordpressの扱いを熟知していないから、という前提もありますが、ね)

Retinaディスプレイは非常に解像度が高いため、画像表示の仕組みが通常とは違います。普通は1ピクセルを画面の1画素として表示しますが、Retinaでは縦横2ピクセル分(=4ピクセル)を1画素として表示します。画面上の1画素のサイズが細かいため、そうしないと表示する画像が小さくなりすぎてしまうのですよね。そうならないようにcss上で指定してあれば問題なく、つまり画像を用意した人が思った通りの大きさに表示してくれるのですが、Wordpressのシステムでは前述のように扱うため、ページの作者が特別なcssを書かない限りそのまんまで表示しようとします。
まあ、僕も難しいことは全然わからないのですが、なにしろ、Wordpress側が小さめの画像を用意し、それをMacが拡大して表示するという訳のわからない状態になるのです。
だから、自動的に変換、リサイズされた画像は、RetinaMacで見るといつもボケボケのものになってしまうのですよね。

これは寂しい!

そこで、ない頭を絞って考えました。
冒頭に書いたSVGというのは、Scalable Vector Graphicsという言葉の略。つまり、解像度に縛られないベクター形式の画像フォーマットなのです。これが線画などだったら分かりやすいのですが、普通の画像でもその利点が生きるかどうか、試してみたのです。
ベクターグラフィックを扱えるフリーのソフトといえば、Inkscapeです。
これにヘッダの画像を読み込み、単純にSVGで保存してみました。

すると、ちゃんとSVGとして解像度フリーになっていました。
これまではボケボケだったヘッダ画像が、ついにきれいな画像になりました!

やり方は簡単ですが、一つだけ、大事なコツがあります。

ベクター画像を扱うソフトには《アートボード》という考え方があります。
ビットマップ画像を扱うソフトで新たな画像を読み込むと、ドキュメントのサイズは《その画像のサイズ》になりますよね。
でも、ベクターのソフトでは、ドキュメントサイズはあくまでも起動した時に出る初期設定サイズのままです。
例えば、A4サイズなどですね。

Inkscape起動時のアートボード
Inkscape起動時のアートボード

そこに画像を読み込んでSVGで書き出せば出せるのですが、アートボードごとの画像になってしまいます。これでは、白い画像の中に浮いている形になり、どうにもこうにも使えません。画像のサイズもきちんと調整しないと、アートボードの外にはみ出た部分は切り落とされてしまいます。

解決方法はこちら。簡単です。

1.ファイルメニューのドキュメント・プロパティーを開きます。

スクリーンショット 2016-07-24 16.20.18

 

 

 

2.《カスタムサイズ》という項目の中に、《Resize page to drawing or selection》というボタンがあります。これを、押すだけです。

スクリーンショット 2016-07-24 16.18.33
画像を読み込んだだけではアートボードをはみ出していますが……

 

瞬時に、ドキュメントサイズが画像サイズと同じになりました。

そして、上のメニュー画像にもある《Export PNG image…》で書き出すだけです。
(Inkscapeの画像書き出しには少しクセがあります。まず《Export as..》で書き出し場所を指定してファイル名を入れ、次に《Export》ボタンを押すと書き出されます。不思議な仕様ですね……)

もし、きれいなはずの画像がボケボケに表示されてしまう現象に遭遇したら、是非、SVG画像を使ってみてくださいね!

では、また明日!

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!


《天使は、実在した──!》これがウワサのリアルマジックSF最新作。映画的な展開を意識した、ノンストップアクションSF中編小説です。


ヘタウマとウマヘタのあいだに

○○をどうした方がいい。っていうことじゃないんだけど。
ただ、難しいよなあと思った。
誰もが目指しているところに向かって歩いているんだけど、その道筋はいろいろある。

ではまず、表題について自分なりにちょいと定義してみる。

1.技術的にはヘタだけど、センスがあって雰囲気が出ている。なんか良いよな、と思うのが、ヘタウマ。

2.技術的には上手いけど、センスがなくて面白みも雰囲気もない。つまんないなあ、と思うのが、ウマヘタ。

3.技術的に優れ、センスも良い。雰囲気と個性も備えていて、コレは良い! と思わずにいられないのが、ウマウマ。

4.ヘタだし、センスもないよな。どんなに頑張ったってダメなんじゃないの? と思ってしまうのが、ヘタヘタ。

──お伽噺風に、図示してみる。

その旅は、どこへ向かう?
その旅は、どこへ向かう?

 

ヘタウマなひとは、自分にセンスがあることに気がつかないことがままある。

ウマヘタなひとは、自分にセンスがないことに気がつかないことがままある。

ヘタウマなひとは、うまくなりたいと思うことがある。巧くなればもっとずっとうまくいくと、思いたい。
そのままの方が良いかもしれない可能性には、なかなか気づくことができない。

ウマウマなひとは、ただ、好きで続けていたらそうなったのかもしれない。他人の目から見てどんなに努力しているように見えても、
「楽しいからやってるだけだよ」って、
たくまず、力まずに言えるのかもしれない。

ウマヘタなひとは、努力の方向がずれているのかもって、気がつけないのかもしれない。

ヘタヘタなひとは、学ぶことを忘れているのかもしれない。自分を知るには他人を知るのが近道なのかもしれないとは、思わないのかもしれない。

ヘタウマなひとは、罠に落ちやすいのかもしれない。
──巧くなりさえすれば、という罠。


さあ、今のあなたは、今のわたしはどこにいるだろう?
そして、どこへ向かって行こうとしているのだろう?

まず、それを知ることから始めてみよう──か……。
(結論も、アドバイスも何もないけれど)

じゃ、本日のざれ言はここまで!

挿し絵を《容量の軽い》扉絵データにするために、加工しよう。

はい、どうも!
ついに終わりましたよ、挿し絵が!

と、言っても、描くのが終わったという話です。
結局2枚をいちから書き直し、6枚を部分的に修正しました。
本日全ての絵をスキャンし、扉絵にするための加工を始めたところです。これがまた、手間が掛かるんですよね。電子本のデータができるかぎり重くならないようにしたいので、白黒2値のGIF画像にしても汚く見えないよう、明るさなどを調整しています。

今日は、挿し絵などを入れる場合に参考になるかもしれない簡単な画像処理の話をしてみましょう。
では、まず見本を貼りますね。

元のイラストをスキャンし、そのまま扉画像としたもの。画像の大きさは、Kindle用の表紙画像サイズと同じ2,560×1,600ピクセルとしました。

標準画質で保存したJPG画像。データは141KBあります。
標準画質で保存したJPG画像。データは141KBあります(もちろん、ここに貼った画像は縮小したものですが)。

これでは紙の色が暗くて変ですので、明るさを補正します。いろいろなやり方がありますが、今回は「レベル補正」を用います。例はPhotoshopですが、GIMPやKRITA、メディバンペイントでも同様の機能はあります。

Photoshopの「レベル補正」
Photoshopの「レベル補正」

一番右の白い部分が、紙の色(明るさ)を示しています。このグラフの下にある白い上向き三角が、《これより明るいものは無視して》という設定です。紙の色より左側に持ってくることで、それより明るい色は全て真っ白になります。
それだけだと絵の線までつられて明るくなってしまいますので、真ん中の灰色の上向き三角を右に動かします。これはグレーレベルといって、《ここの明るさをグレーとします》ということです。もっと明るい部分をグレーと解釈させることで、黒い線をぐっと締めることが出来るわけです。

せっかくなので、メディバンペイントで「レベル補正」をしたところのキャプチャも用意しました。

メディバンペイントの「レベル補正」
メディバンペイントの「レベル補正」

見掛けは違いますが、考え方は同じです。入力側の右端にある三角を左にずらすことで、紙の色を白くします。線の色を黒く締めるために、真ん中の三角を(こちらの場合は)左にずらします。メディバンペイントの場合は入力と出力に分かれているので、「入力されたグレー値はもっと暗いです」と教えてあげることで、暗い側をより暗くします。
(専門的な説明ではありません。あしからず)

ついでにGIMPの画面も。GIMPでは、名称が「レベル」です。こちらはPhotoshopとほぼ同じですね。さすが、フリーのPhotoshopを目指しているソフトだけのことはあります。

GIMPの「レベル」
GIMPの「レベル」

さて、では次に保存です。
いろいろな端末で、パッとページが開くようにしたいので、出来るだけデータを小さくします。先ほどのレベル補正済みデータをJPG標準画質で保存すると、約141KBでした。これを、JPG最低画質で保存してみます。ほとんど白黒の画像なので、画像の荒れは気にならないはず!(画質が分かりやすいように、大きく載せますね)

レベル補正後、JPG最低が質で保存
レベル補正後、JPG最低画質で保存。ファイル容量は約90KBです。

これで、約90点の画像を入れると8MB。これで充分だと思う方もいるでしょうが、もっとずっと軽くできます。最も軽くなるのが、GIF形式です。線画イラストなので、思い切って白黒2色のみのデータにしてしまいます。つまり、中間のグレーを全てなくしてしまうわけです。線を滑らかにするためのアンチエイリアス処理※も掛かりませんからアップで見るとがたがたになりますが、解像度が高い画像なので心配はいらないでしょう。

白黒2値のGIF形式で保存。ファイル容量は40KB
白黒2値のGIF形式で保存。ファイル容量は40KB。ぱっと見て、違いは分かりませんよね?

※「アンチエイリアス処理」という言葉を聞いたことがない方のために、アップ画像を並べてみますね。

上、アンチエイリアス処理あり。下、なし。
上、アンチエイリアス処理あり。下、なし。

電子書籍を読むとき、挿し絵をここまでアップにしてみる読者はいないでしょうから、原寸ではまったく分かりませんし、むしろくっきりして見やすかったりする場合もあります。

では、本日はここまで!

カラー画像にはまた別のやり方がありますが、もしも参考になれば幸いです。

じゃ、また明晩!

おい、黄金比!

Kindleのアスペクト比は黄金比だって話を聞きかじって、じゃあ表紙を黄金比でデザインしてみるのも悪くないかと思い、画像に補助線を切ってみたのだ。でも、実はこれ、黄金比じゃなかった。
微妙に違うのだ。

何となく釈然としないのだけれど、これが、Kindle用表紙画像の画面比率。推奨サイズの2,500×1,563ピクセルを正方形で切って行ったのが黄緑色の線。これが黄金比なら、永遠に同じ比率の長方形が生まれ続けるけど、四分割目でいきなり正方形二つになって終わった。これはこれで面白いし、きっと、何とか分割って名前でもあるのだろうな。美しいかどうかは別として。

(美大──しかもグラデ──出身なのにそんなことも知らないのか、って聞かないで。習ったけど覚えてはいないだけかもしれないし……)

NotGolden
Kindle用表紙の推奨サイズは1:1.599なのだ
Golden
黄金比は1:1.618 微妙な違いがここまで差を生む

 

そしてこれが、黄金分割。ぱっと見はかなり似ているけど、正方形で切られた領域が螺旋になってずっと続いているのが分かると思う。ただ、これも《概ね》に過ぎないのだ。黄金比は整数ではないので、整数でなければならない画素数に落とそうとすると、どうしても四捨五入が生じる。小さく分割するほど狂いが生じてきて、上の図で最も小さい四角形はもはやまったく黄金比ではない。

これが自然界であれば、全体として調和がとれる方向に縮小されていくので、だんだんおかしくなるということはないのだけど。

実際、一応引いた補助線を頼りにデザインを起こしてみようかと思ったのだけど、どうも変な縛りになってしまって、却って面倒なだけだった。数字に頼ってもロクなことはない。自分の感覚を信じてバランスを取ったほうがずっといいな、と思っただけだった。

そもそも黄金比にしても、学生時代には「そんなんもある」程度しか学んでないし、僕自身デザインに一度も使ったことはない。《黄金比は都市伝説に過ぎない》とも言われるしね。

と、いうことで、まあ身も蓋もない話ではあるので、もし表紙作りの参考にと思ってこの記事を読んだ人がいると申し訳ない。
ここでもう一つ、便利な──もっと便利で簡単な──分割法を紹介しておこうかな。

恐らく最もシンプルな、でもかなり強力な画面バランスの取り方。それが三分割法だ。
画面を縦横三分割するだけ。そして、四本の線が交わる四つの点に、デザイン上の重みを持ってくる。または、色面の分割をその線を頼りに行なうというもの。映画の撮影などでもよく利用されているから、知ってる人も多いのではないかな。
(でもね、実は僕も数年前まで知らなかったんだ。そういうものに頼ったことがなかったから)

Kindle用の表紙サイズに当てはめてみたのがこれ。
RuleOfThird

例えば、こんな使い方をすると便利なんだ。

・海と空の映った画像があって、海が主役。タイトル文字は海の上に書く。

左:補助線あり 右:補助線なし  三分割の交点を中心に重要な要素を配置

 

・海と空の映った画像があって、空が主役。タイトル文字は空の上に書く。

左:補助線あり 右:補助線なし  三分割の交点を中心に重要な要素を配置

 

どうでしょう?

特に考えないで配置しても、《取りあえず落ち着いた感じ》にはなってるでしょ?

これなら、悩むことなく、簡単にレイアウトのバランスが取れそうだよね!

Kindle用表紙推奨サイズのテンプレート画像をリポジトリーに用意したので、もし良かったら使ってみてくださいね。

 

では、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

もうひとり、お気に入りの作家さんを紹介しよう!

Wet Teddy
Wet Teddy

その名も、Efon Veeさん。絵本作家のエフォン・ヴィーさんです。れっきとした日本人で、コピーライターのお仕事をなさってます。都内でAD/デザイナーの相棒の方と、デザイン事務所をやってらっしゃるそう。ご自身はデザイナーではないのだけど、そのセンスの良さは、オサレ王子もびっくりです。(まるでジャンルが違うので競合にはなりませんね)
制作中の作品は相棒さんからのダメ出しが厳しいそうで、商業出版絵本並のクオリティもうなずけるところ。

まずは、Romancerにあるこのページを見てみてくださいな!
どうです? やさしくて、かわいくて、すてきでしょ?

じゃあ次。
WEBサイトはこちら
「絵本の立ち読みはこちら」というリンクからはRomancerの著者ページに行けますので、数々の絵本を無料で《全文!》読めますよ。
ブックトレイラーのページもお奨め。おしゃれでほんわかです。
冒頭に貼った可愛らしい壁紙の数々も、こちらで無料配布しています。

僕からのお奨めは、ざっくりした線で描かれた羊がセーターの写真を背景に躍動する『がけがすき』。表情のかわいさは特筆モノです!
それから『ひとコマ絵本』。木版画のような画風が素敵です。どちらもとても短い絵本で、上述のページから読めるものです。

もっと長い読み物がいいな、っていうひとには有料の『はにケンさん』。
どんなお話かって言うと────
半人半馬のはにわが出土して、小さな町は大さわぎ。心優しいヒーローたちのファンタジーです。

はにケンさん。クリックすると試し読みページが開きます。
はにケンさん。クリックすると試し読みページに飛びます。

面白そう、でしょ?

ビューワー要らず、閲覧環境を選ばないVoyagerさんのBinBで買えますし、Kindle Storeでも買えるんです。
(BinBでは半分くらいまで立ち読みできますよ)

今日は自分の宣伝はしないぜっ!

じゃあまた!

作品の表紙:共通デザインがあると、とっても便利!

昨日の記事で新作小説を公開しようと思った時に、一瞬、脳ミソが固まった。BiB/iでEPUB(今回から全て大文字に統一。この表記が正しそうなのでね)を公開するってことは、表紙が必要じゃん、って。

そこで、お! と思い出す。淡波e文庫ブランドは統一フォーマットがあるし、今回はプレーンな感じで行っちゃえば、すぐできるかなぁと。

これが統一フォーマット。見覚え、あるよね〜?
(これだけだとどうにも淋しいけど)

これさえ入っていれば、淡波e文庫の作品だと一目で分かるのだ!
これさえ入っていれば、淡波e文庫の作品だと一目で分かるのだ!

 

これは、『さよなら、ロボット』での試行錯誤が元になって、『孤独の王』でのフォーマット化に結実したもの。以降、僕の全小説作品は、基本的にこれを用いている。
(『光を纏う女』の掌編版で自作オープンオフィステンプレを活用したことは内緒。未発表だし)

この統一フォーマットをベースに、出来るだけシンプルに構成してみようと考えたわけ。何しろもう夜中だったし、寝なきゃいけないしで。そうしてデザインを考え始めたのだ。この新作はテーマが《波》だから、文庫のイメージエレメントである波線を利用すれば早いだろう。そう思うのは当然の流れだよね。

で、これが完成した表紙。

初のWEB限定公開作品『波』(昨日の記事から)

 

ちょっとした画像処理テクニックを使っているけど、作業時間としては10分程度だったかな。統一フォーマットがあって、そのためのテンプレを用意してあれば、とっても簡単にバリエーションを作れるという好例になったか。

ここで使った簡単な画像処理のテクニックについても、追ってチュートリアルを書いてみようかと思っている。(リクエストがあれば……)

それと、知ってる人は知っている、例のオープンオフィステンプレだけど、使い方次第でバリエーションが作れるようになっている。ただ、自分で考えて加工する必要もあるので、ちょっと難しい部分もあったかもしれないな。今後、ワンタッチでいろいろ作れるテンプレ集を考えてみようか、とも思った今夜の淡波。

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

お勧めの画像編集ソフトは?

セルフ作家が表紙を自作するために向いているのはどんなソフトだろう……?
Open Office用のテンプレートを作って以来、自分のような半専門家ではなく普通の人が表紙を自作する場合に向いた環境はなんだろう? 使いやすくて高機能な画像編集ソフトは何だろう? と考えていた。
Open(&Libre) Officeの図形編集は文字を入れて全体のレイアウトを調整するには便利だし、高機能ではないから覚えるのも簡単だけど、果たして僕がお勧めするソフトとして最適のものだったのだろうか? そう考えていたんだ。

表紙ワークショップに参加してくださった楠樹暖さんはGimpをお使いだし、丸木戸サキさんはInkscapeを愛用していると、最近のブログ記事で知った。
さて、僕のお勧めは?

何といっても、まずはPixelmatorがお勧めだろう。Mac用のソフトだけど、iPhone用とiPad用もある。WinやLinuxオンリー環境の方、ごめんなさい。Photoshopと非常に近い使い勝手で、プロ用の高度な機能を求めない限り、Photoshopが持つ機能のかなりをカバーできる。機能が絞られている分、覚えるのも簡単だ。価格は3,600円で、他の類似ソフトと比較してもお安いのではないかと思う。
起動すると、まずインターフェースが美しい。Macのソフトが昔から持っていた独特の美しさを継承していて、コンピューターを使う悦びを感じさせてくれる。

インターフェース。フィルタをかけるにはアイコンを画面にドラッグするだけ
インターフェース。タイトル文字の加工も簡単。画像にフィルタをかけるにはアイコンを画面にドラッグするだけという手軽さ

 

フリーウエアの雄、Gimpはたしかに凄まじく高機能だけど、独特の使い勝手のせいで、今一つMacユーザーにはアピール出来ていない気がする。レイヤーや透明度の扱いなど、とてもじゃないが直感的とは言えないから、ちょっといじってみて敬遠している方も多いのではないかと思う。僕もいっとき愛用していたけど、どうしても手に馴染まなかった。だから、一昨年だったかBlender GuruのポッドキャストでPixelmatorが紹介されたとき、僕は真っ先に飛びついた。僕の小説の表紙では、『壁色のパステル』InkscapeGimpという王道オープンソース・フリーウエアの組み合わせで作った。『さよなら、ロボット』『孤独の王』の途中まではこのPixelmatorだ。ちなみに、『さよなら、ロボット』の表紙イラストは手描き(水彩)だけど、最新バージョンではこういったものまでも描けるようだ。ベクターの機能も使いやすいので、Inkscapeも不要になってしまったほど。

最新バージョンの水彩機能

 

Win環境の方を置いてきぼりにしてしまったので、ここでフォロー。僕は使ったことがないのだけれど、クラウドアルパカというコミック用無料ツールは凄そうだ。何しろ、《世界最高峰のイラスト・マンガ制作ツール》と謳ってるんだから。文字入れと調整、レイアウトも自在だし、画像編集もそこそこ出来そう。

そうそう、忘れちゃいけない。画像編集が目的でなく絵を描くのが目的だったら、もっともっとたくさん素晴らしいソフトがある。フリーで言えば、例えばKritaファイアアルパカ(前述のクラウドアルパカの姉妹ソフトと思われる)などだ。Sketchbook(Pro版は有料)なんかもいい。低価格の有料ソフトだと、僕の愛用しているMischiefがあるし、Artrageもいい。これらはいずれもWin版とMac版の両方があったはずだし、ここに上げたものはごく一部で、それこそ、僕の知らない優秀なグラフィックソフトはいくらでもあるんじゃないかと思う。

僕は仕事でPhotoshopを愛用しているのだけれど、ちょうどPixelmatorが手に馴染んできた頃、Photoshopの《Photographer’s plan》という購入プランを知って、すぐにそちらへと乗り換えてしまった。当時、たった980円@月でPhotoshopが使えるなんて夢のようだったし、仕事で20年以上も使っているものがプライベートでも、しかも常に最新バージョンで使えるのだから。
そんなことでPixelmatorの使用歴は極めて短くなってしまったのだけれど、素晴らしいソフトであることに疑いはない。

この記事を書くために改めてPixelmatorをいじってみて、やっぱりとてもいいソフトだと感じている。手頃な価格帯の画像編集ソフトを探しているMacユーザー(特にセルフ作家諸氏)には、是非、手に取ってもらいたいと思っているんだ。

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!