Manuel Lab 1.5登場!(MANUEL BASTIONI LABを使おう! その23)

ええ、そうです。今回のVer.1.5も、チェックを怠っている間に公開されていましたとも……。

公開日は4月14日ですから、まあ10日ちょっとの遅延です。ま、良しとしましょうか。
WIP段階ではこまめにチェックしていたんですがねえ……。

前回の「その22」から、約5ヶ月が経過しています。その前回はVer.1.4登場の記事でしたから、5ヶ月ぶりのバージョンアップということになります。

さて、今回の目玉はというと……?

・人体の構造がより正確になり、モデル形状がアップデートされました

・テクスチャがよりリアルになり、特にディスプレイスメント用のマップがかなり良くなったそう
それによって、別途使っていたディティールマップは不要になったとのこと

・首、肩、胸筋、腹部においてトポロジーの最適化が進みました。口腔側面にも形状追加

・スキンシェーダーが進化し、2レイヤーで反射を設定出来るマテリアルに。年齢をプロシージャルで制御。眼や歯のシェーダーを改善

・モーションキャプチャーのファイル(.bvh)をサポート

・ボーンの捻りをサポート
(〈脇の下〉やあぐらをかいたときの〈足の付け根〉など、自然な変形になりました)

・その他、新しいポーズが追加されていたり、アニメキャラ形状やテクスチャ読み込み、プロキシツールのバグが修正されていたり……

今回も盛りだくさんのアップデートですね!

詳しくは、こちらのリリースノートをご覧下さい(英語ですが、画像たっぷりなのでアップデート内容は分かりやすいです)。

さっそく、デフォルト設定のキャラ(ヨーロッパ女性、33歳)を作成し、そのままレンダリングしてみました。

600×600ピクセルでCyclesのサンプル数は256です。これで51秒です。
これまでよりちょっとレンダリング時間が遅くなったかもしれませんね。

気になったので、バージョンを1つ前に戻して同じようなものをレンダリングしてみます。

ML15_02_1,4

これで47秒。まったく同じ設定ではないので単純には比べられませんが、8%ほど遅くなっていました。肌の艶感など、リアリティはかなり増していますが、やはり表現がアップした分、レンダリング時間は我慢しなければならないようです。

1.4と同じくらいのノイズに減らすため、サンプル数を倍の512にしてみました。レンダリング時間は1分48秒。このサイズでこの時間なら、まあ待てる限度内でしょうか……。

ちょっと肌の色が浅黒いし、表情が儚げな感じですね。0.1のバージョンアップで随分と変わるものです……
ちょっと肌の色が浅黒いし、表情が儚げな感じですね。0.1のバージョンアップで随分と変わるものです……

にしても、全体的なリアル感はかなり増していますね!
なんというか、存在感がかなりリアルです。1.4までのものはまだいかにもCGぽいというか、今回のものは全体のバランス、ポーズも含めてかなりリアルな人間のように感じられます。

指のSSS感は減っていますが、確かに1.4では光が通りすぎていたのかもしれません。とてもきれいで好きでしたが、現実的にはこんなに明るくはならないのでしょう。

と、思いましたが、ちょっと待ってください。
設定済みのスタジオライティングが変更になっているようですよ。ちょっと比較してみます。
ML15_04

Ver.1.4までは逆光で下から照らしていたライトがなくなり、全て上方向からの光になっています。確かに、あの下からのライトはちょっと違和感があったのですよね。これもまた、改善点ということなのでしょう。

改めて、Ver.1.5に1.4のライティング設定を読み込んだものでレンダリング。
ML15_06

 

全体が程よい感じに調整されています。肌の色がかなり異なるのは、これまでは2枚のテクスチャを重ねて色を出していたのが1枚のテクスチャで表現出来るようになったことが大きいようです。

Ver.1.4の肌テクスチャ:

肌の表面用、皮下用、ディティール用、顔色用+ディスプレイスメント用で、合計5枚ものテクスチャを使用していました。

 

Ver1.5の肌テクスチャ:

肌用のテクスチャは、ディフューズとディスプレイスメントの2枚だけ。これなら、肌の色を調整するのも簡単そうですね。

 

シェーダーの構造はそれぞれこんな感じ。
(複雑すぎて、キャプチャーでは文字も見えませんが……)

1.4nodes
こちらは1.4のもの。複雑すぎて、どこをいじったらよいのか分からないですね。
1.5nodes
こちらが1.5のもの。これだけシンプルになれば、ノードのパラメーター調整もしやすそうです。

 

いろいろとパラメーターをいじってみましたが、肌色を調整したいときは、やはりディフューズマップの色を変えるのが早そうです。最もお手軽な方法として、ディフューズマップを接続している「Color Map」の前に、「Hue Saturation Value」ノードをインサートしてみました。

こんな感じです。

ML15_07

上の設定でレンダリングしたのがこちら。明るくして再度を抑えています。

彩度を90%に落とし、明るさを120%にアップしています。
彩度を90%に落とし、明るさを120%にアップしています。

 

元がこちら
元がこちら

 

肌の話で誌面が尽きてしまいましたが(笑、最後に追加になったポーズのことを少しだけ……。

瞑想のポーズ。間接の捻りが追加されているので、足の付け根での不自然な変形がなく、とても自然なポーズになっています。

ML15_08

 

セクシーな座りポーズ。脇の下の筋肉の伸び方などを見ても、かなり自然です。

ML15_09

 

その他にもいろいろ新しいポーズがありますよ。一覧はこちら。

ML15_10

お、と思ったポーズがあったら、ぜひ試してみてくださいね!

では、今回はここまでです。


なお、本バージョンのテストはBlender 2.78bを用いています。最新バージョンの2.78cでなくとも、無事動作したことを追加で報告しておきますね。

今後もますます注目のManuel Lab、また何かニュースがあればこちらに記事を書かせていただきます。

その時まで、チャオ〜!

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