セルパブ作家のみなさん、9月はどうでした?
KU(Kindle Unlimited=Amazonの読み放題サービス)が始まって2ヶ月が経過しました。
さて、出版社がかなりの読み放題本を引き上げ、お試し需要も一段落したKUですが、かなりの利用数低下が懸念されましたね。僕の場合はどうだったでしょう?
悪影響がなかったとは言えませんが、もろに受けた感じでもありません。
8月にどーんと増えたわけでもないので、山谷が小さいだけとも言えますが……。
では、まずは世間の出版社関連状況の観察から。
日本独立作家同盟理事長、鷹野凌さんのツイートを貼っておきますね。
Kindle Unlimitedのジャンル別点数9月1日時点との比較暫定(4桁変動のみ)
【増加】
アダルト:+2662
雑誌:+1181
【減少】
コミック:-3384
文学・評論:-2941
ボーイズラブ:-1185
趣味・実用:-1023— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2016年9月30日
たくさん配信していたフランス書院、白泉社、光文社、プランタン出版、イースト・プレスがゼロになってますね。ぶんか社、講談社も数点残してごっそり消えてる。9月1日時点の変動よりインパクトあるかも。
— 鷹野凌 (@ryou_takano) 2016年9月30日
いろいろと減少している中、アダルトの登録点数がかなり増加しています。
これは、アダルトカテゴリーで何百万ページも読まれたという方の存在が大きいのでしょうね。別のチャネルで売られていたアダルトコンテンツが大挙してKUに押し寄せたような感じでしょうか。
そうそう、8月のKENPのレートは多くの方が予測したような超低水準ではなく、0.5円@ページという比較的安心できる水準だったことも書き添えておきます。
では、僕個人の状況です。
KU開始後1ヶ月で書いたこの記事(KINDLE UNLIMITED、どうですかね?)と同じように、グラフ化して見てみましょうか。
先月のグラフに9月分を足しました。KENPページ単価は、仮に8月と同じ0.5円で入れています。
KENPページ数は8月の半分ほどになったものの、それ以前のページ数と比較すれば、特別低いものではないように思われます。印税額も、低い水準ではありながらもぎりぎり平常運転を維持、という感じでしょうか。
では次に、売上げ冊数と無料DL数の推移です。
これもやはりKUの影響云々というより、長期的な傾向が大きいです。
これまで無料公開していた小説のうち、『壁色のパステル』と『夜啼く鳥』の無料を止めましたが、大きな悪影響は出ていないように思います。KUの影響だけで無料本のDL数が大きく減るということはなかったのではないかと思います。
もちろん、無料キャンペーンという飛び道具を使っていませんので、そのあたりの影響具合は計れないのですが。
最後に、印税額の推移です。
こちらはやはり、悲しいものがありますねえ。
まあ、KUの影響はない。と言い切りたいところですが、やはり有料本の売上げは低いです。価格の高い本もほとんど動いていませんし、この1年以上で最低の印税額になりました。
でも、これからですよね、いろいろと。
10月は新SF雑誌『現実以外 -オルタニア-』も出ますし、それでちょっとだけ知名度が上がったりするかもしれないなんて、期待していたりなんかしています。
(期待してるだけじゃだめだ。自分で動くんだ!)
そんなこんなの今日この頃です。
じゃ、また明晩!