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敗北宣言にはまだ早いぞ!

先月、価格改定の一週間後に、その影響について書いた記事(10/11『価格改定の影響をちょろっと報告』)があったけど、いつの間にかそれからさらに40日が経過していた。

ここでもう一度、価格改定の影響について書いておこうかなと。

実は、あの記事の直後、もうどうしようもないくらい本が売れなくなってしまったんだな。
あちゃー、やっぱり高すぎたかなぁ。あの記事の時はいろいろ別の要因があって売れただけだったんだなあ……。と、かなり落ち込むような状態でもあった。10月11日以降、10月いっぱいで売れたのはたった3冊。つまり、一週間で1冊だ。
《半分にはならない》どころか、4分の1にも満たない状態。そして、常時無料開始からも数ヶ月が過ぎ、無料本のDL数も徐々に下がってきていた。
自分の本を広める、とか、安っぽく見られないとか、それどころじゃない気がしていた。とにかく早く新刊を出さなきゃ、という思いもあったけど、本業が笑っちゃうほど忙しくて、それも完全にストップ状態。
何も手を打てずに時間だけが過ぎてしまったのだ。

ただし、KENPCだけは伸びた。価格が高い分、やっぱり無料で借りられるメリットを感じてもらえるのだろう。
9月の既読数を基準(1)とすると、
10月:2.77
11月:4.45(11/22まで)
 という大幅な伸びを見せてくれたのだ。
しかも、1ページも読まれない日が1日もないという嬉しい状態。これは価格効果なのだろうな、というのが正直なところ。

10月を終えた時点で、まあ売れなくても読まれればいいか、とも考えたくなったけど、やっぱり売れないのは淋しい。

それが、最近になってなぜだか変化した。もちろん、特に理由が見当たらないのでたまたまかもしれないけど。今月の売上げ数が本日時点でほぼ9月に並んだのだ。半分どころか、ね。
(もしかして、“ぽっきゅん”効果?)

これで売上げ倍増?
というと、そうでもない。売れる本の半分は価格があまり変わらない短編だったりするし。
でも、『孤独の王』の売上げが9月と同水準、しかも最高額(850円!)の合冊版もとうとう売れたんだ(1冊だけどね)!

だから、これはもう敗北宣言をする必要はないんじゃないかな、と、思い始めているのだ。
今のところは、ね。

しかし、金額で言えば、まだ自分の小遣いにも遠く及ばないのだ。
家計を助けるとか……、夢は遠い──。
(遠い目で)

これからもまたどんどん書いて、どんどん活動して行くので、見守っていてくれると嬉しいな。
(誰に言ってんだろ……)

じゃ、また明晩!

価格改定の影響をちょろっと報告

一斉値上げから1週間が経ったので、その影響はどんな感じなのか、ここでちょいと報告しておこうかな。

「値段を倍にしたって、売上げが半分になることはないよ。だから、値段はその商品が提供する価値に見合うものにするべきなんだ」

とは、レタリング・アーティストで起業支援家のSean McCabe氏の得意なセリフ。それを実行に移してみた形になるわけだけど、この1週間で言えば……。

まあ、今のところ失敗ではなかったかな、というレベル。と、言っておこうかな。売上額的には確かにその前の一週間より若干増えている(値上げ前の駆け込み需要があったのに!)し、売り上げの冊数も思ったほど減ってはいない。ただし、これにはちょっと理由があるかもしれない。

・『孤独の王』第二部の価格が、僕の最初の設定ミスの影響もあって旧価格のままほぼ一週間が経過してしまった。管理画面で何度も見直したり再出版したのに、どうにも価格が変更されなかったのだ。
そのことを何度か呟いたおかげか、《安いうちに》買ってくださった方が何名か。誠にありがとうございます!

・ある方のブログ掲載掌編小説(?)の感想にケプラーズのことを書いたら、買っていただけた! オチのちょっとしたアイデアに、ケプラーズとの関連性というか、底に流れる共通したものを感じて嬉しかったのだ(読んでいただけたら嬉しいなあ、なんて書いちゃったし!)。
どうもありがとうございます。

価格改定前の駆け込み需要も思いのほかあったし、少しだけ価格を上げた短編もいつになく買っていただけた。これも、価格改定をしつこくアナウンスしたから、かな。
消費税云々の騒ぎがあって、Amazonさんも更新作業が相当お忙しいのだろうな、と思ったけど、18冊もの一挙変更(表紙のみ変更の無料本も含めて)を短時間で対応して下さってとても感謝している。

つい、売り上げの変化について書いたけど、本当の目的は、価格をアップして売り上げを上げることじゃない。
前の記事を読んでくださった方は覚えてるよね?)
商業作家の本の中に並んだ時、《安っぽい》《安いんだから中身もそれなりに違いない》と思われたくないための値上げ戦略なわけで。だから、いかにも個人出版だと思われてしまう《淡波e文庫》から、なんだか分からんけど個人ぽくはなさそうな《Newday Newlife 出版部》に出版元も変更したのだ。ずっと使っているドメイン名と、これでようやく整合性が取れたし、ね。

それにもちろん、消費税の件とは全く関係ないし、たまたまこの時期になってしまったのが自分でも不思議なくらいだった。
正直、この段階で細かな売り上げの額を気にしたって意味はないと思っている。お小遣いが少し増えるのはたしかに嬉しいことだけど、副次的なものだ。
月に千円や2千円の収入を得るために、僕は恥ずかしい思いや嫌な思いをしてまで宣伝したり苦労しているんじゃない。
《知られること》《読まれること》《存在を確立すること》それが今の目的なのだから。
今日はそんな感じ。

いつかこの記事が、(もしかして)誰かの役に立てますように!

価格改定の件をアップデート

そう言えば、10月1日から有料本の価格改定を行なう予定だったのだ。でも先週は、急に星新一賞に応募しようと思いついて新作を書いたり、それが長過ぎたために相当苦労して縮めたりしていた影響で、時間があまり取れなかったのだな。おおかたの表紙は修正し終わったのだけど、どうも平日の夜に著作全てのデータをストアで更新できる気がしないのだ。(ちょっと弱気……)

出版社表記を全て差し替えるので、無料本も含めて全冊を更新する予定なのだ。そうすると、全18冊ある。このうち11冊は楽天さんにも出してるから、全部で29冊分。しかも、一部は表紙を変えてるから、その準備もあるのだった。

と、まあ、そういうことでね、今度の週末中に、価格が変わります。たぶん10月2日(金)の適当な時間までは、まだ現在の価格かもよ、というのが本日のお知らせ。まずは無料本からどんどん差し替えて行くので、もしウォッチしていれば、タイミングが分かるかも。
(いやいや、そんなとこ見てるひとがいるわけないか……)

以前の記事を読んでくださった方はご存じかと思うけど、本当に大幅改定なので、興味のある方は今のうちにダウンロードしてくださると嬉しいな。

「まじか?」と思われてしまうような価格になりますので、請うご期待!

そうそう、せっかくだから、週末に作った新表紙を1冊、お見せしちゃおうかな。
(別に見たくないですけど、って言わないでさ)

絵まで変えたのはこの本くらいですが。
絵まで変えたのはこの本くらいですが。

 

では、20時更新の『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』も宜しくお願いしますなみ〜〜〜!

暴挙? 愚行? 適正価格をめぐる冒険-2

さてさて、暴挙予告の第二回。僕の想定価格を発表しちゃおう。

自作の価格=同程度のボリュームを持つハードカバー商業本価格÷2÷2

最初の÷2は、電子書籍とハードカバー書籍の価格差。(商業出版の電子版もこのくらいの値付けが妥当ではないか)
次の÷2は、個人出版であるが故の経費差額と考えている。働いているのは自分一人だからね。

ここで重要なのは、その内容に対しては妥協する気がない、ということ。強気と思うだろうか? 尊大な態度だと思うだろうか?

でもこれは、そういう次元とは異なる判断なのだ。前々回も書いたように、Amazonのストアではセルフ出版だろうが大手出版社だろうが、分け隔てなく並列で書籍が並ぶ。その中で、チープに見られたらそれで終わりなのだ。人の感覚は不思議なもので、安いものを欲しがるくせに、安いものには《しょせん安物》という目を向ける。
そこをなんとかしなければ、同じフィールドで対等の勝負はできない。僕はそう考えた。間違ってるよと大勢に言われそうだけど、僕はそう考えたんだ。

大長編作品の『孤独の王』を例に取ってみよう。同じ程度の長さの作品を、仮に『ハリーポッター・シリーズの長めの本』あたりに置いてみる(ページ数をきちんと比較してはいないけどね)。
後者の価格は4,000円くらいだろう。僕の記憶イメージを元に独断で決めると、3,800円。これの4分の1で、950円。これが、今考えている孤独の王の適正価格だ。高いだろうか? 強気すぎるだろうか?
(HPの価格を調べてみると、実際はもう少し高かったけど)

値上げ時期については、まだ決定していない。ちょっと準備をしようと思っているから、恐らくは9月頃になりそうだ。

今、僕のことを知っている、これを読んでいるあなたは、《幸運な初期カスタマー》ということになるかな……。450円で買える今のうちにポチッとしておくと、お得かもしれないですよ。(もちろん、無料キャンペーンもしませんしね!)
まあ急がなくても、そんなすぐに価格が変わっちゃうことはないけど。
え? そんな高いセルフ出版本、読む気はないですって?

これは失礼いたしました。

では!

暴挙? 愚行? 適正価格をめぐる冒険

アメリカの起業家界(?)にはこんな言葉がある。
価格を倍にしても売り上げが半分になることはない。自分の商品に付けている今の値札が本当は安過ぎると思っているとしたら、値上げするべきだ。商品をその価値より安くして売ってはいけない。あなたの信じる適正価格を付けるべきだ。

そして、もう一つ。

Full price or free.
商品の価値を貶めないために、決して値下げをすべきではない。サービスは、初期からあなたの価値を認めてくれた顧客のためにのみするべきだ。だから、発売からしばらくの間だけ無料にしたり、安く価格設定をするのはいい。でもその後は値引きなしの定価販売を続けるべきだ。初期からの忠実な顧客を裏切らないためにも、自分の商品の価値を貶めないためにも。

僕はこれを実践しようと考えている。

無料キャンペーンは新作の発売時だけ。後は適正価格のみで販売する。そして、その適正価格は僕なりの基準を考えて決めるつもりだ。

で、その基準とは?

それは次回のお楽しみにとっておこう!
(あれ、もったいつけ過ぎてるかしら?)

じゃ!

値上げのお知らせ:予告の予告

そうそう、丸木戸サキさんの値上げのお知らせを見て急に思い出した。僕も自作の値上げを予定しているのだ。理由は単純。Amazonに並んでいる自作と商業作品の差。

商業作品と自作品が並んでいると、(たとえ表紙で負けていなくても!)安っぽく見える。それは、価格のせいというのが大きい。とても大きい。

安売りなの? 安っぽいの?

そう思われてしまう危険が大きい。

商業作品でも、消費者の誰もが作家名や出版者名を知っているとは限らない。何も知らない消費者(がいるとすれば、その人)にとっては、判断基準は《タイトル》《表紙(帯含む、デザイン全体)》《価格》《商品紹介》だろう。

《価格》以外は頑張ればなんとかそれっぽいものになる。
でもなぜ、《価格》はなんとかならないのか?

それは、今までのセルフ出版本の価格に対するイメージがある。商業出版の電子書籍でも、安いものは500円くらいから存在する。いつの間にか、それを超えるとヤバいんじゃないかという不文律が存在するような雰囲気になっていた。
気がする。
350円を超えると《強気価格》と揶揄されそうな雰囲気。実際僕は、これをものともせず、350円、450円という値付けをしてきた。でも、そんなんじゃあダメだ。商業作品の横に並んでいて、新刊が350円?

やっぱりこれは、自分で自分の作品を安っぽく見せてしまっているのではないか、そんな疑問が、日々大きくなっていったのだ。

僕はそれを超えようと思う。平気で大きく超えようと思う。

僕が考えている自作品に対する《適性価格》のレベルと具体的な数字、値上げ時期については、明日以降、この場でお知らせしようと考えている次第。

ではまた!