昨夜は何人かの方に、とても心配をお掛けしてしまいました。
何を隠そう、『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の関連フォルダを丸ごと全て消去してしまったという、大事件を起こしてしまったのです。
この連載もいったんは存続の危機に瀕してしまうという非常事態でしたが、仏滅さんのアドバイスによりデータ復旧ソフトを掛け、なんとか連載データを生き返らせることが出来ました。
もしこの先、同じことをしてしまうひとがいたら、《それでも何とかなる》ということを知っていただきたくて、ちょっとだけことの顛末を記しておきましょう。
発端:iPad mini4 を購入
・我が家のWifiネットワーク設定は、妻のiPhone3GSが繋がるようにレガシー設定になっている
・最近の機器は、Wifiを検知するとサクッと繋がるようになっているが、我が家ではそれはない
・繋げるためにはDNSの設定をしなければならない
つまり新規購入した機器は、設定をちゃんとしないとWifiに繋がらず、何もしなくても繋がることが前提の機器は初期設定が出来ないのです。
(iPad mini4については、今夜から別の短期連載が始まります……)
そこで、iTunesで設定オプションを用いるために、iPad mini4をMacに接続したのです。
事件1:iPad miniとiTunesが繋がらない
・iTunesのバージョンが古く、最新過ぎるiPad mini4は互換性がないといわれる
(YosemiteのフラットデザインGUIがどうしても好きになれず、Mavericksを使い続けていたのです)
・iTunesをバージョンアップしなければならなくなる
・iTunesのバージョンを上げるためにはOSを上げる必要があると短絡的に考える
→これが最初の間違い
事件2:バックアップの失敗
・OSを上げるなら、最低限のバックアップを取らなきゃと考える
・夜中なので、Mac丸ごとTimemachineは辛いよな、と考える
・じゃあ、大事なデータだけバックアップしようと考える
・エビネルさん関連の親フォルダを、丸々Dropboxにドラッグ
・クラウドへのコピーが開始された……
・容量オーバーでバックアップが中止される
そう、通常の小説用フォルダなら、データ容量は数十MBがいいところ。でもエビネルさんのフォルダには、音楽データがごっそり入っていたのです。DAW(Digital Audio Workstation)ソフトの曲データは、1曲分で2〜3GBになったりします。生録の全テイクが保存されてますからね。だから、あっという間にDropboxの容量が一杯になってしまったわけ。そこで有料版を購入するという選択肢もありましたが、まあ、通常はDropboxにバックアップを取ったりはしないので、「じゃあ止めるか」となったわけです。
事件3:決してやってはいけないミスを犯す
・バックアップに失敗したので、Dropbox内に持っていった『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の親フォルダを消去。
・作業中フォルダをゴミ箱に入れたからなのか、Dropboxの同期が上手く取れない
・ゴミ箱を空にした────!!
実はコレ、昨晩ではなくて木曜日深夜の出来事でした。そのまま何の疑問も持たず、iTunesをアップデートしてiPad mini4を設定し、大喜びで床についた僕だったのです。(ちなみに、iTunesはYosemiteにしなくても最新版(?)に出来ました……)
事件4:事件は、二日遅れで発覚する
昨夜の『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』、第三十話ですが、例によって自分自身、どんなお話だったか思い出せず、皆さんからのTwitterのコメントなど見ながらここでもう一度読んだのです。
で、誤字を一字発見。これは直さなきゃ、と思い、エビネルさんフォルダを開ける、開ける、探す……。ん? フォルダがない!!
こうして、事件が発覚したのでした。
検索しても、あちこち探しても、エビネルさん関連のデータは全てが失われていました。前回のTimemachine日付を見ると、8月9日。物語の中盤までしか書いていない頃。もちろんデータはプレーンテキストで、ルビも何もない。
もう、絶望です。どこにもバックアップはなく、第三十一話のEPUBすらどこにも残っていない。
僕は、絶望の呟きをしたのでした。
お話はほぼ残っているとか書いてますが、とんでもない。お盆前ですものね、残っていたのはまあ半分がいいところでした……。
光明:そこで、救いの手が!
このぶっきらぼうな呟きがいいですね。仏滅さんが、データ復旧ソフトを紹介してくださったのです!(しかも無料で使えるバージョンがある!)
ちょっと考えれば、こういう復旧ソフトの存在を思い出せるはずなのですが、何しろひどくパニクっていて、頭の中は「もう駄目だ〜」で一杯になっていました。
即ダウンロードし、インストール。ファイル検索を開始しましたが、何も現われなかったのです。やっぱりSSDだからHDDと違って消したら終わりなのか? やっぱりもう駄目なのか、と諦めかけたとき、『ファイルが見つからないときはディープサーチを試してください』というような説明を見つけたのです。即開始。これは2時間弱くらい掛かりましたが、なんと160万ファイル以上が検索されました。
ここから目的のフォルダを探し出し(中々見つからず、苦労してしまいましたが)、無事、連載データや表紙画像データなど、復旧させることが出来たのです。
ただ、音楽のデータはやはり重過ぎて、無料バージョンでは復旧不能でした。
どうしようかな、買っちゃおうかな、とも思いましたが、消えたのはあくまでも中間データ。完成品はSoundCloudにアップ済みですし、無圧縮データがiTunesにも残っていますから、まあいいかな。と結論したのです。
ミックスのやり直しとか、ボーカルの録り直しはもう出来ませんが、まあ、それはそれでいいでしょう。どうしても必要になったら、また復旧させることが出来るでしょうしね!(全部唄い直してミックスし直すのとどっちがいいかな?)
教訓:Dropboxの特性を把握せよ!
一番の敗因は、Dropboxでバックアップを取るとき、Dropboxのフォルダに入れること=バックアップコピーを取ることと考えてしまったことです。
実際は、Dropboxフォルダはローカルにあって、そこにデータを移すと《移動される》わけです。その時点では、データは一つしか存在していない。それを、Dropboxの機能がクラウドにコピーしてくれるわけです。
だから、バックアップに失敗したら、同期を止めて、フォルダを元の階層に戻してやる。それだけ。それが鉄則。間違えてもDropboxフォルダからデータを削除してはいけません。そこはローカルのディスクだから!
ええ〜、いかがでしたでしょうか?
こんな凡ミス、普通はやらないですよね。しかも、まともなバックアップを取っていなかったという二重のミスですしね。データを消してしまうのは『そののちの世界』の大ポカで懲りたはずなのに、本当に懲りないなあと思いつつ……。
もし、少しでも参考になったら幸いです!
では、奈落の底から無事生還した『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』を宜しくお願いしますね!
20時になるのが待ち遠しいですね────!