先週、とても強くイメージの湧き上がる絵を見た。
絵師禅ノ助さんの描いた“お題絵”、「完全包囲」だ。
お題絵「完全包囲」
キーワード サイバーパンク より pic.twitter.com/2gKAMKKZ9r— 禅之助 (@rakugaki100page) 2016年4月6日
この絵を見たらもう、ここに描かれた男のストーリーがずんずん湧いてしまって、先に書かなきゃいけない小説があるにも関わらず、電車でいきなり物語を書き始めてしまったのだ。後の展開の想定も何もなく、ただ、湧き上がるシーンを追いかけて。
うーむ、このパターン、多いな。
そうそう、実を言うと、あれだけ長い『孤独の王』(原稿用紙1,200枚超)も、まさにこのパターン。
あるときふと、老人が若い女性(死にかけているらしい)を看病しているシーンが浮かんで、それは何だろうと、周りの情景や出来事の前後のことを“思い出す”ように描写したのだった。
ファーストシーンのイメージが強かったからこそ、それが内包しているドラマを掘り下げていくことで物語世界がどんどん構築されていったのだ。
あらすじやプロットをガチガチに決めてから書き出すのもいいけれど、こんな書き方もワクワクしていい。
『さよなら、ロボット』が1枚の絵から生まれたというのも何度か書いてきた話だけど、あの時は、思いついたのはファーストシーンではなくクライマックスの後、いろいろと騒動が落ち着いたあたりのシーンだった。まあ、書き始めた時点では、あの表紙絵のシーンが全体でどんな位置付けになるのかなんて全く分からなかったし、結局主人公がピンチのど真ん中にいる時点でのシーンになったんだけど……。
話を元に戻すと、「完全包囲」に触発されて書き始めた小説は、今のところタイトルも「完全包囲」の予定だ。
ちょこっと、金曜日のツイートを埋込んでおこうかな。
@rakugaki100page お蔵入りになるかもしれないので、チラ見せw pic.twitter.com/6XH74nJZUx
— 淡波亮作@ルルルとリリリ好調連載中! (@RyoAwa) 2016年4月7日
さてさて、この断片が作品になるのかどうかまだ分からないけど、書いていて楽しいことは間違いないんだよね。
名前がおふざけっぽくなってるけど、実はそこそこちゃんと設定を考えたおふざけネーム。
こういうのも、実に楽しいなあ。
現時点で20枚ほど書いたところ。きっと、100枚前後の中編になるんじゃないかな、と、今のところは思っている。
まだ全体像は見えないけど、いろいろと設定めいたことは浮かび上がってきつつある。しばらくは楽しく書き続けられそうな気がしているのだ。
よしよし、もっと書くぞいっ!
じゃ、また明晩!!