知っている人は知っている、『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の続編、『ルルルとリリリ』を現在執筆中だ。
これまではだいたいの粗筋と結末を決め、ストーリーと空間構成を決めたら、すぐに書き出していた。書いているうちにどんどんどんどん枝葉が広がったり横道にそれたりしても気にしない。結末は決まっているんだし、主人公たちが生きている空間(時代、時間、国や土地)は決まっているのだから、それほど話が変な方向へ行くこともなく、何となく、ちゃんと収束してくれていた。
でも、針とらさんのお書きになった『ぼくのかんがえたさいきょうの小説プロットの書き方!』を読んで、もう少しプロットというやつに注力した方が良いんじゃないかと考えたのだ。
そこで、今書いている『ルルルとリリリ』は、いったん書くのをストップして、きちんとしたプロットを組み立てようとしてみたのだ。
これが結構ハードだった。休みの日を丸2日以上は潰したかな。粗筋も結末も決まっているはずなのに、ぼんやりと考えていたストーリーをちゃんと順序立てて章立てとして整理し始めたら、何だか未解決のストーリーの穴が、たくさん出て来たのだ。
いつもはそれも書きながら少しずつ発覚するので、書きながら何となく解決するような感じだった。
今回、きちんとしようとし始めると、案外難しい。
全てのエピソードがちゃんと意味を持って繋がっていなければならないし、未解決のストーリーの穴は、全て塞いでしまわなければ気持ち悪い。
すごいエネルギーが必要だった。執筆するよりずっと疲れてしまう。
まあ、でもその注力のお蔭で、物語の全体のボリュームもだいたい見えてきたし、悩むことなく、考え過ぎることなく、どんどん筆が進むような気が……していた。
して、いた。のだった。
実際に書き始めると、プロットはプロットに過ぎず、やっぱり書くことこそが物語に血肉を与えるという事実に変わりはなかった。
しかも、だ。プロットを書き慣れないからなのか、1章分のつもりで組み立てた筋がどんどん膨らみ、3章にも4章にもなってしまう。かと思えば、思ったほど書き込むことがなくて、1章分には足りなかったりする。普通の小説だったら別に1章あたりの文章が多かろうが少なかろうが気にしないのだけれど、今書いている『ルルルとリリリ』は、『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』に続いてこの淡波ログでの連載として考えているのだ。
1章あたりだいたい2枚〜3枚のボリュームを標準としているので、あまり多かったり少なかったりすると連載を読んでくださる読者さんが読み難いものになりそうだ。
でも、まあまずは書き切ることが第一なので、どんどん書き進めている。
プロットをきちんと書いたことが本当にプラスになっているのか、時間を無駄にしただけだったのか、それはまだ分からない。
でもきっとね、途中で行き詰まってしまうようなことはないんじゃないかと思うんだ。一応、全ての穴は解決済みだから──今のところね──。
全体では40〜45章になる予定で、現在は20章を書いているところ。書き始めてしばらくは調子が出なかったけど、プロットができあがってからはスムーズに書けているような気もする。
来月の連載開始まで、あと三週間。
さてさて、開始時点でどこまで書けているのかなあ──。
じゃ、また明日!