モノの見方を変えること。差し出された答えを疑うこと。
きっと、詩人じゃないのに詩を書く人間にとって、これが大きな動機付けなんじゃないかな、と思う。
転がる石に苔はむさない
変わらないで居続ければ
何かを成し遂げられるだろうと
英国人は言うらしい
変わり続けなければ
新しい気持ちでいられないだろうと
米国人は言うらしい
石は転がらないよ
天邪鬼のぼくはそう言うらしい
転がる石は蹴られた石
転がる石は掘られた石
転がる石は投げられた石
そんな大きさの石に
苔はむさないんじゃないの?
天邪鬼のぼくはそう言うらしい
手入れされていない庭には
苔が生える
そんなような言葉が変化して
この言葉が生まれたらしい
誰かが言っていた
言葉は生きていればこそ
ひとは考えてこそ
どんな意味を見出そうが
そこに何を感じようが
自分のこころがあってこそ
ただ
そこにあるものを
受け入れるだけではない
自分のこころが
あってこそ
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