先日も宣言(そんな大げさなもんじゃない)したとおり、ここのところは主に商業本を読んでいる。名作だけじゃなくて、小説以外もね。
で、読んだ本はこちら。
・伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
これは素晴らしく目からウロコの落ちる本。
もう、数限りなくアンダーラインを引いて(Kindleで)、本がアンダーラインだらけになってしまった。直接的に創作へのヒントになるということもないけれど、《ものの見方》をがらりと変えさせてくれる本だった。
「目の見えない人」を可哀想な存在と考えるのではなく、モノを見る時に「目を使わない人」と捉えることが大事なのだ。だから逆に、可哀想という見方をしてしまうと、本来構築できるはずの人間関係を壊してしまうことにもなる……。
少しだけ、引用しておこうかな。
このような意味で「大事にする」のは、友達と友達の関係ではありません。からかったり、けしかけたり、ときには突き飛ばしたり、小学生の男子同士なら自然にやりあうようなことが、善意が壁になって成立しなくなってしまった。
手を差し伸べるのではなく、「うちはうち、よそはよそ」の距離感があるからこそ、「面白いねぇ!」という感想も生まれてきます。
たとえば赤は「りんご」「いちご」「トマト」「くちびる」が属していて「あたたかい気持ちになる色」、黄色は「バナナ」「踏切」「卵」が属していて「黒と組み合わせると警告を意味する色」といった具合です。 ただ面白いのは、私が聞いたその人は、どうしても「混色」が理解できないと言っていたことでした。
なんと、新鮮なモノの見方でしょう!
・泉鏡花『高野聖』
幻想、恐怖、ファンタジーの日本における元祖のような作品だよね。未読でごめん、という感じ。
・レオ・トルストイ『イワンの馬鹿』
こちらも「今さらかい、読んでなかったんかい?」という感じだけど、大変面白かった。子供向けだけど、大人が読んでも充分に面白い。深い。しかし、文明批判とか社会批判ってのは作家にとって避けて通れない大きなテーマなんだよね。
(あ、もちろん、全然そうは思わない作家さんも多いけど)
・フィヨードル・ドストエフスキー『百姓マレイ』
とても短い作品。物語というよりスケッチのような、ふと思い出したことをさらりと語っているような作品。
とても、味わい深い。文学って、いいよね。と思ったりする。
・手塚治虫『フィルムは生きている』
もちろん、こちらは漫画。すっかり忘れていたけれど、やっぱりこの作品も子供の頃に読んでいた。でも、また買って読んで良かったな。創作の苦しみ、喜びがじんわりと染み込む。
・月狂四郎『わなび隊長の助言』
こちらはもちろんインディーズ。
ずっと前(一年くらい前?)に無料キャンペーンをやっていた時、DLしたくてできないうちに期間が終わってしまって諦めた作品(そんなことで諦めるなよ!)。
また無料キャンペーンをやってくださったので、読みました。面白かった。きっと、一年前に読んでいたらもっとずーっとためになったのだろうな。ここに書いてあることの多くは、僕もこの一年でいろいろな方から学ばせて頂いたことばかり。ちょっとだけ、成長したと思っておこうか──。
意外に、たくさん読んだかな。
(ナショジオが一冊も入っていないのはご愛嬌!)
では、また明晩!