さて、これは何かと言いますと──。
ですね。
広告に出ていたフレンチプレス式のポットと同じようなものが我が家にもありました。
以前は紅茶に使っていたんですが、最近は全然使っていなかったもの。しかも、お客さんが来た時に珈琲をドリップする先のポットとしても使っていたことを、妻に言われて思い出しました。
そこで週末を待ち、広告に出ていた淹れ方を思い出しながら、やってみました。
挽いた豆を入れて90〜96℃のお湯を注ぎ、4分待つ。
それだけ。
で、紙フィルターに吸われてしまう《いい香り》を奪われずに済むし、挽いた豆の成分全体がちゃんと抽出されるという仕組みなわけ。
飲んでみると、深入り珈琲なのに鋭い苦味がなく、ほんのりと甘味を感じた──気がした。
気がした!
というのも、そもそもちゃんと豆を挽いた珈琲なんて、週末しか飲まないのです。
ウィークデーはずっとインスタント(それもお徳用のやつ!)を飲んでいて、僕の舌はその味で完全に上書きされているという……。
だから、週末に飲む珈琲をとりわけ美味しいと感じるのは当然なのですね。
そこで、次の日はいつものペーパーフィルターで淹れてみたのですよ。
そうしたら、味が……
全然変わりませんでした。というか、違いは分からなかったです。
うーん、そもそもそんな繊細な舌の持ち主じゃないですから、分からなくても当然、ということでしょうねえ。
来週末はリベンジを試みます。
両方の淹れ方で同時に二杯淹れて、飲み比べをしてみようかと。
で、美味しい方を今後のスタンダードにする、という目論み。
ポットを使うと紙フィルターも使わないですから、ゴミも増えないし、いいことかなあ。
なんて思いながら。
あ、忘れちゃうかもしれませんけど、ねっ!
《繊細な舌》、と言えばこの作品を忘れちゃいけません──。
主人公佐山哲夫は、就職内定後にM&Aで世界的な工業食品コングロマリットに買収された陽山食品工業に就職した。
俺は知ってるんだ。本当に旨いものなどもう、──少なくとも外食産業や一般に流通している食材を見る限り──どこを探したって見つからないってことを。
ある小さな事件をきっかけに、佐山は自らの目に見えていた世界が、本当の世界ではなかったことに気付き始める。
じゃ、また明晩の淡波アワーをお楽しみにっ!