どうしようもなく散文だ
美しさに憧れるだけの
垂れ流すその言葉を
見抜かれぬとでも
詩でないのなら
詩の真似をした
ただの行進だ
行間には
何もない
真似ごとなら
止めておけばいいのに
私は
指を滑らせ続ける
短い言葉を改行しただけ
どうしようもない散文だ
物語のない
からっぽの散文だ
誰が気に留めるだろう
心を揺らすものはいまい
心の中から染み出してきただけの
もしくは
ただ
指がキーボードの上を
滑っただけの
それを詩とは呼べまい
それでも私は
綴らずにいられない
私はただ
自分のためだけに
書き留め続けるのだ
それだけが
自分の心の中に
沈んでいる何かと
正体の解らない何かと
向き合う方法なのだ
たったひとつの
方法なのだ