今週の一枚/あじさい

写真 2016-06-08 8 29 47

梅雨の合間のこんな日は、少し乾いたあじさいが別の表情を見せてくれる。
綿で作ったふわふわのボールみたいに、柔らかで優しい色のつぼみたちが明日の雨を待っている。

白から黄へ、黄から空のブルーへ、そして紫の絵の具が体内から染み出すように、いよいよ、ぱぱぱんと花が開くのだ。

一足先に開いてしまった兄貴分が、ころころとした弟分たちを見守っている。

生ぬるい風にゆらゆら体をゆらしながら。

 


淡波ログに掲載した作品を中心に書き下ろし作品を加えた初の詩集『猫になりたい』。
乾いた心にするりと忍び込む、読みやすい詩編を多数収録しています。


『ティプトン』連載第1回


── 1 ──


まるきりの失敗だったなどと
誰に言えよう

私の人生が

大人になり、
そして年老いた

決して着くことはない地
ずっと教えられ
子供時代を過ごし

この、
白く美しいガラスの棺は
もう、
老いさらばえた肉体を包むことは

美しい少年よ、
少女たちよ、
いずれきみたちは迎えるのだろう

緑に包まれた星に降り立つ日を
栄光の日を

白い靄に包まれ
二百年の時を過ごし
私と同じさだめの老人が
いく百人も宇宙に打ち捨てられた後

きみたちは、
悠然と、
その美しい肢体をもって

柔らかな土を
私たちの知らぬ色の土を
踏みしめるのだろう

この分厚い鉄の檻に護られ
育まれた私たちは

あの《地球》という名の星を、
《母なる星》、
そして、
《本当の心の故郷》であると
教えられて育った

映像でしかない星を

私たちは
心に刻みつけられ続けた

繰り返し繰り返し、
茶色く汚れゆく地球の姿を

私たちは
恨むようにと
学習を強いられ続けてきた

母なる星を死に追いやった
科学技術を

文明とは何であったかを
文化とは何であるべきだったのかを

──この、科学技術の粋を集めた冷たい檻の中で

いや、
いや、
ここは、檻などではない
決して、
ないのだ

この場所、
この船こそが、

私たちにとって
ただ一つの故郷なのだから!



本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


ラノベをちょっと読んでる

先日から、ひとの勧めで人気のあるラノベをちょっと読んでみている。
まあ、面白い部分もあるし、上手いなあとも思う。でも、良い悪い以前に小説を読んでいる感じがしないのだ。
これは、好みによるところがかなり大きいのだろうけれど。

「お前、きっと天才だよ。ってか、少なくともすげー才能ある」
僕がその作品の作者の友人だったら、そして、僕も作者も高校生くらいだったら、きっとこんなことを僕は言っただろう。
お世辞でなく。
でもそれは、それが小説作品として完成しているという前提ではなく、面白いけど小説じゃねえよな、ちゃんと書けば相当上手く書けるんじゃないの? という前提条件付きなのだ。

きっと、だから《ライト》ノベルと言われるんだろうな、と考えたりする。
小説と言い切るには何か物足りない。物語の進み方が《お約束》を前提にし過ぎている。
【Aと書けば、読者がそれは《あのA》だと分かっているような世界で閉じている感じ。たとえ一般のひとにとってのAが無数に存在しても】。
と言えば良いだろうか?

世界を構築する必要がない?
リアリティなんか必要がない?
別に悪く言いたいわけじゃない。僕のようなタイプは、やっぱりラノベには付いていけない。それだけだ。

それでもきっと、その作品は最後まで読むと思う。
食わず嫌いでなく、その味を知った上でなければ、距離を測ることも出来ないからね。

世の中に溢れている若者向けの本の多くは、こういう世界で描かれた作品なんだろう。
それを理解するだけでも、何か小さなものを得られるんじゃないかと思う。

僕はそういうものを書く気にはこれっぽっちもなれないし、もし書いても、決して売れるものにはならないだろう。言い訳だとか、逃げだとか、才能がないとかあるとか、そういうくだらないことではないんだ。
それは、音楽をやっていた頃、身にしみて分かっている。
楽しんで売れ線を受け入れられない人間が、無理に書いても売れ線のものなんか作れないのだ。
無理して自分の世界を壊すなら、売れ線ではない自分の世界を尖らせ、突き詰め、深め、自分のレベルを売れ線作品と同列になるまで押し上げるんだ。それが、自分の個性を愛するということなんじゃないか?

今日も少しだけ、考えている──。

自己出版の世界には、それを突き詰めることで生活の糧を得られるくらいの読者を得られる可能性が必ず潜んでいるのだと、まだ、信じているのだ。

じゃ、また明晩!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その11)

さて、お待ちかね!
いよいよ、深い深い森に分け入って行きますよ──。

今回は、睫毛の《効率的な》色付けに挑戦です。

まずはeditモードに入っていることを確認します。
前回の続きでそのままなら、大丈夫ですね。
スクリーンショット 2016-06-12 17.26.51

では、早速開始!

1.頭のどこかのポリゴンを一つ、選択します。
選択するのは《眉毛・睫毛・目玉》以外のどこかです。例では、おでこを選択しています。
2.「Ctrl」(MacではCommand)を押しながら「+」キーを押します。
 選択範囲が外側に拡張されましたね?
3.「Ctrl」(Command)+「+」をどんどん繰り返します。選択されている範囲が見えなくなったら、ホイールをぐりっと回して表示を縮小しましょう。
4.全身にオレンジ色が広がるまで続けます。
5.これで残った部分が、肌色の形状とは繋がっていない独立したポリゴンです。

あれ? 眉毛をやるんじゃなかったの……
あれ? 眉毛をやるんじゃなかったの……

6.「Ctrl」(Macも同じ)+「i」で、選択範囲を反転させます。
7.「Shift」+「h」(hideのh)キーを押して、選択されている部分のみ以外を隠します。

あれ? 眉毛をやるんじゃなかったの……
眉毛を含むポリゴンが選択されています…

8.zキーを押してワイヤーフレーム表示にします。
 (必ずワイヤーフレームで作業します。裏面も含め、全てのポリゴンを選択するためです)
9.眉毛以外の選択を解除します。まずは画面の表示サイズを調整します。口の周囲のオレンジ色が、目などと重なっていない状態にします。
10.cキーでサークル選択ツールにして、マウスの中ボタンで口の上をクリックかドラッグします。選択が解除されますね?
11.口の選択を解除したら、再度「Shift」+「h」キーを押して、口を隠します。
i_2
Vertexグループの工程は必須ではありませんが】
12.せっかく苦労して(でもないか……)選択状態を作ったので、いつでも再現できるようにVertexグループを設定します。

ツールアイコンで青くなっているのが、Vertex(頂点)に関する設定を行なうタブへの切り替えボタンです。
下を見ると、「Vertex Group」というロールアウトがありますね。
スクリーンショット 2016-06-12 18.28.19

13.現在の選択状態で、「Vertex Group」の「+」ボタンを押し、新しく出来た「Group」に「Eye_Group」と付け、Assignボタンをクリックします。これで、いつでも選択状態を再現できるようになりました。右側の「Select」「Deselect」ボタンで、選択と解除が可能です。

14.選択を解除し、またサークル選択ツールで眉毛を選択します。
15.眉毛のみが選択された状態で、またVertexグループ「Eybrow」を作ります。
16.Assignボタンをクリックします。

i_03

17.では、マテリアルをアサインしましょう。
18.マテリアルタブ(オレンジの玉のアイコン)を選択し、マテリアルのリストからHairを選択、Assignボタンを押します。
19.タブキーでeditモードを抜けてObjectモードに戻り、zキーでワイヤーフレーム表示からシェーディング(色つき)表示に切り替えます。

i4

はい、眉毛に色が付きましたね!

今回はここまでにしましょう。
引き続き、色を付けていきますよ。
(先は長いので、じっくりゆっくり行きましょう──)

では、次回もお楽しみに!

残しておきたいツイート─024

今日はこんなのから始めましょ。
季節外れですが、梅雨だし。

1.

2.

3.

こんな気持ち、なりますよね?

4.

面白くて、ハッとする。
発想の転換って、ぐるりと回すだけじゃない!

5.

僕のこれに対するツイート。
電書ちゃんがいいこと書いてる。 「セルフパブリッシングの素晴らしさの本質は残念な作品でも出版できることなんだから。いい? クソが当たり前の世界でクソを指してクソと呼ぶことにはクソほどの価値もないわ。」

6.

こんな体験を生む小説を書きたい。

7.

相変わらず、つい、書き過ぎちゃう自分へ──。

8.

今でも、この過程はそんなに間違っていないんじゃないかとは思っている。
潜在読者はいくらでもいるはずなんだ!

9.

針とらさんの小説は、ホント、面白いですよ!

10.

最後はこんな宣伝で締めてみる。

じゃ、また明晩!

ジャンル?

ジャンルってなんだろう?
カテゴリーってなんだろう?

学生の頃、バンドに付けようと思っていた名前がある。
Noccu。
なぜだか結局この言葉は、一度も誰にも言うことはなかったけど。

No One Can Categorize Us
誰もおれたちをカテゴリーに当てはめることは出来ないぜ!
そんな意味を込めようとしていた。

これは、ポジティブであって、しかしネガティブなメッセージでもあった。自分がカテゴライズされないタイプの音楽を作るアーティストだという自負と、基本を知らない、歴史を知らない、ジャンルもカテゴリーも知らない感覚野郎に過ぎないという暴露を含んでいるからだ。
それを証拠に、僕がミュージシャンだった頃の音楽には、いとも簡単に《渋谷系》というレッテルが貼られ、それを構成する無名無数のミュージシャンの一人という分類がなされた。
自分では、「(少なくとも日本じゃ)これまでのどんなジャンルの音楽にも属さないぜ!」なんて心ひそかに思っていたのにも関わらず、ね。
──それは、ただ自分が無知だっただけなのに、ね。

小説を書いている今も、そこから脱皮することは出来ていない気がする。

家族小説、近未来SF、古代悲劇ファンタジー、遠未来SF、近未来SF、エロティックサスペンス、お伽噺、詩集、ロマンティックSF……。これまでに自分が書いてきた物語に勝手なジャンル名を付けて時系列で並べるとこんな感じだ。
でも、別にそれぞれの世界が著しくかけ離れているわけでもない。
(エロティックとお伽噺だけはどうにも遠すぎるけど──)

まあ、ジャンルなんて、カテゴリーなんて、ショップで分類するのに必要だから存在するだけ。もちろん、読者さんが好きな作品を探し当てるための検索やリコメンドは重要だけど。
有名作家の作品が、リアル書店でジャンルごとにばらばらの棚に置かれているなんてことはないし、分類は、出版社か作家かどちらかだろう。
今、ジャンルで分類されるのは、電子書籍の利便性とネット書店の検索性のためだろう。
それから、自分が全くの無名であることも含めて。

淡波亮作の作風が確立されて、やがて売れて、知名度が上がり、名前になにがしかの意味が生まれてくれば、きっと僕の作品を分類するジャンルにはもう意味がなくなっているのだろうから。

そんな日が、いつか来ることを願って──。

『ルルルとリリリ』今週の進捗

さて、いくらなんでもそろそろ出来上がると首を長くしてお待ちの70億(細胞?)リリリファンの皆様にお知らせです。

※人間の細胞数は約37兆個なので、これだとたった一人にも遠く及ばない……

下巻のepub化も、あと一歩のところまで来ました。現時点でのエラー数は19。単純ミスでタグが閉じていないものが大半で、それを潰せば9割方は解決するかと思います。上手くいけばこの週末中に出来上がるかなぁというところ。

今一つ気に入らなかった下巻の表紙の絵も、結局完全に描き直すことでなんとか納得のいくものに仕上げることが出来ました。

せっかくですから、恥ずかしい絵を晒しておきましょう──それがなければ進捗なんか読んでも面白くないでしょうし!

さて、こちらが当初の絵。Cover_Ge_old_s

はい、そうですね。お気づきの通り、ルルルくんの体型が変ですよね。首が長すぎるし、左手のバランスが妙。まあ、セザンヌの『赤いチョッキの少年』などを思い出すまでもなく、別にデッサンなんか狂っていたっていいですし、挿し絵の味って、そういうところにもあるとは思います。
でもね、これはいただけない。首も手も、強調したい部分ではないし、狂っていることに必然性も味もない!
人物たちとお城の壁のパース感がおかしいのは、演出上の狂いとして全く問題にならないんですがね。

やはり日常的に手描きをあまりしていないので、こういうところに鍛練不足が出てしまいます。特に、群像の場合は互いの関連性もあり、自然に描くのが難しいんですよね。あー、お恥ずかしい。

そこで、淡波は考えました。
得意の3DCGで下書きしちゃおうぜ! って。

最近こちらで入門を連載しているManuel Labではなく、老舗のMake Humanを使い、3人のキャラをざっくり作りました。身長と年齢と、大まかな顔つきの特徴程度を考えながら。
それが、こちら。

怖い!
怖い!

はい。怖いですねー。謎いですねー。
でも、これでいいのです。手首が髪の毛に刺さっていようが、ルルルがはげちょろでも、目も髪の毛も真っ白でも、これは単なるアタリなので。
次に、城壁をざっくりと作り、表紙絵とカメラアングルを揃え、トレースしやすいように枠線が付くようにレンダリングします。
それが、こちら。
Cover_dummy1

このままトレースしてもイメージが壊れてしまいますよね。デッサン的にはこの画像を参照しつつ、絵柄は最初の手描きのままになるよう、鉛筆でざっくりと大事なポイントだけアタリをつけました。
(この状態では写真を撮らなかったので、あしからず……)
そして、ペン入れをして水彩で塗ったのが、こちら。
Cover_Ge_Illst_s

これ、CGで下絵を作った意味あるの? って思う方もいるかもしれませんね。
そんなあなたのために、比較画像を用意しましたよ。
意外なほど、かなりCGの下絵に忠実なのが分かると思います。

compare
顔は全く関係がないとも言える……

ね、面白いと思いません?
毎週火曜日に連載中の『Manuel Bastioni LABを使おう!』を最後までマスターすると、きっと、こんな下絵も作ることが出来るようになりますよ!

さて、出来上がりの絵はスキャニングをした時に色がかなり鈍くなってしまったこともあり、表紙に加工する段階でまた少し、手を入れています。
まだデザイン的には途中段階ですが、下巻の表紙はこんな感じになると思います。
RuruLili_cover_ge_s

いかがでしたか?
手描きにこだわるのも大事ですが、こんなやり方もあります。
いろいろと工夫して楽しみながら、作っていきたいですね!

では、今晩はこれまで!

唐突に新連載『ティプトン』第0回

このタイトルに見覚えのある方はいらっしゃいますかー?
(しーん)

はい、本日から新連載の『ティプトン』、実は長編SF作品『ケプラーズ5213』にちょこっと出てくる脇役の老人の名前です。
Keplers_ADs
『ティプトン』はケプラーズのサイドストーリーですが、きちんとしたストーリーはありません。それもそのはず、これはティプトンが長年にわたって書き連ねた言葉の断片であり、ティオセノス号唯一の(?)詩人(?)、であるティプトンが遺した手稿なのですから──。

それでは、はじまりはじまり……


『希望の夜、絶望の朝』

この船にはティプトンという詩人がいた。
いや、彼を詩人と呼ぶべきなのかどうか、
判断は後の人々に任せよう。

彼の死後、
貴重な紙のノートに書き記された言葉の断片が大量に見つかった。
いったいどこであれだけの紙を入手したのか。
今となっては知るものもいない。

この手記は、
記録に残る唯一の文学者であるティプトン・スティーブンスの書き記したものを後の世代伝えるためにコントロール・センターによって永遠に《ティオセノス号船内に》保管されるものである──。

なお、最も古いノートの冒頭には『希望の夜、絶望の朝』と記されているが、それが手記自体のタイトルであるかは定かではない。
断片の中から、『希望の夜』そして『絶望の朝』と題された二篇を冒頭に置くことで、形ばかり文学作品のような体裁とさせていただくことを、読者諸氏には──もし、この記録に読まれる機会があるのなら──お許し願いたい。

──コントロール・センター記


希望の夜

闇が好きだ
闇は実感をくれる
わたしたちと漆黒を隔てる
冷たい壁は溶け

漆黒の中で
生かされていることを
この乾いた肌で感じるのだ

無という名の音楽が
わたしの両耳をつんざくのだ

わたしは
生きている

漆黒とひとつになり
無と結合し
真空に溶け出しながら

わたしは
生きているのだ


絶望の朝

目を開けると
目をそらすことができない闇が
わたしを待っている

白い闇が
わたしを冷たい両腕で
包もうとして伸びてくる

鉄だ
この世は全て
白い鉄だ

本当に存在するのかすら危うい
作り物の夢は
わたしの心を満たしてくれはしない
誰の心も
満たしてくれはしない

目を覚まし
最初に映るのは
白い鉄だ

目をそらすことができない
白い闇だ



本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


読んだよ/長谷川善哉著『月に泳ぐイルカ・こんぺいとうの星降る夜に』

ひょんなきっかけでこの方と音楽(特にNew Order)の話で盛り上がり、長谷川さんの人となりを少しだけ知りました。80年代のイギリス音楽が好物な人ってあんまり出会ったことがないので、とても嬉しい出来事でした。

でも、実はそれがきっかけで著作を読んだのではなく、1話目の『月に泳ぐイルカ』は、もっとずっと前に読んでいました。
長谷川さんは以前から淡波ログを時々読んでくださっていると仰っていたので、それも頭にあったし、長谷川さんの作品の評判は藤崎ほつまさんなどからも伺っていましたから。

『月に泳ぐイルカ』を読んで、「いいなあ、次の話も早く読みたいなあ」と思いながらもどんどん月日だけが流れて行ってしまった頃、偶然前述の盛り上がりがあって、俄然、《長谷川善哉さんを読みたいレベル》がグリリとアップしたというわけなんです。


さて、作品です。1話目の方は読んでからちょっと時間が経ってしまったこともあり、具体的な話はあまり覚えていなかったりします(記憶力のなさを棚に上げ……)。でも作品の持つ空気がとても好きだと思ったこと、次を読みたいと思ったことは忘れません。何も紹介しないと興味を持ってももらえないかもしれないので大ざっぱに言うと、恋の話です。田舎から東京に出てきた主人公が恋をして、少しずつ大人に……という流れは二作に共通していますね。
内容を詳しく覚えていたところでネタバレになるので、いつも通り《雰囲気感想》で。

『こんぺいとうの星降る夜に』は、漫画家を目指して上京した恋人を追ってきた女の子の話。彼は現実の壁に阻まれて才能をすり減らしていき、彼の影響で絵を描くようになった彼女はやがて……という甘く切ない物語です。
(説明になってないか……)

全体に言えることは、上品で良い香りがする文章・作品だなあということ。それから瑞々しい。優しくて、柔らかい物語。ときに辛辣な現実を突きつけられるけど、全体を覆う空気は優しい。読んでいて気持ちが良く、安心できる。強烈な個性はないかもしれないけれど、これはとっても大切な美点なのではないかと思います。
ちょっと下世話でポップなところ、ありきたりに陥りそうなところを半捻りして。

あれ?
これはNew Orderの音楽と通じるものがあるんじゃないか?
と、思ったりしました。
好み、センス、性格、面白いですね。当たり前ですが、表現って、自分がボロッと出てしまうもの。
New Orderが果たして万人向けの音楽かどうかは判らないけれど、長谷川さんの作品を嫌いだって言い切る人は、少なくとも《自分自身が個性的な表現者》か《個性の強いものでないと認めたがらないタイプの人》以外にはあまりいないんじゃないかな、と思ったりしました。読みやすいということをネガティブに捉える人もいますけど、ポジティブに読みやすいです。

感想に、なったかなあ……

ポップさと切なさ、分かりやすいんだけど軽くもない。
なんか、この曲の雰囲気と似てません?
(サビの歌メロの美しさよ!)

じゃ、今日はこれまで!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その10)

まさかの連載10回目を迎えました、「Manuel Bastioni LABを使おう!」ですが、最近順調にアクセスが伸びてたりします。
(いや、もちろん、一桁@日ですよ、一桁……)

では、今回も元気にいきましょう。
《色分け》は結構大変なので、何回かに分けていきますね。

モチベーションが高まるように(高まるかしら?)結果の画像を最初に載せておきます。今回だけではここまで辿り着きませんが、何回か後にはこんな感じに色分けできると思います。

これまでの状態より、生き生きしてきました!
これまでの状態より、生き生きしてきました!

細かいところをいじりますので、まずはマウスの中ボタンでぐりぐりっとアップにしましょう。

こうやってアップにするつもりが……
こうやってアップにするつもりが……

ところが、こんな風になっちゃいませんでしたか?
いったい、何が起こったんでしょ?

わっ、怖い!
わっ、怖い!

これは、どんなCGソフトにもある「ニア・クリップ」という減少です。奥行き情報の計算負荷を抑えたり、表示上の不具合を防ぐために、オブジェクトとカメラの距離を一定の範囲だけしか計算しないようにしています。そのため、カメラとオブジェクトが初期設定より近付き過ぎたり遠ざかり過ぎたりすると、カメラに写らなくなるのです。今見ている「ビューポート画面」はカメラではありませんが、考え方としては同じで、実際は目に見えないカメラを通して画面を見ていることになります。
(CGに慣れないと、ちょっと馴染み難い考え方かもしれませんね)

ニア・クリップされている例
ニア・クリップされている例

さて、まずはこれを解決しないと、先へ進めません。

1.今見ているビューポートの右側に「プロパティ・パネル」がなかったら、表示させます。
2.マウスカーソルが「今見ているビューポート」の中にあることを確認し、キーボードのNを押します。もし、「プロパティ・パネル」が既に表示されていたら、Nキーで消えます。キーを押すとオン・オフを切り替えられるのが、Blenderのショートカットの便利な特徴のひとつです。

3.「プロパティ・パネル」を下にスクロールします。「View」という項目が見えましたか?

4.「View」のなかに「Clip」という項目があります。ボックスが2段あり、上がStart、下がEndです。このStartが、「カメラがこれ以上オブジェクトに近付くと表示しませんよ」という範囲です。初期値では、0.1になっています。この数字の単位はメートルだと考えれば問題ありません(※)。これを、現在の100分の1に小さくしましょう。つまり、0.001です。これで、1ミリの距離まで近付いても、オブジェクトの表示が消えることはありません。

※本当は初期設定で単位系を「メートル」に設定してから作業すると分かりやすいのですが、事実上同じことなので、今回は気にしないことにします。
ClipのStart値を100分の1にします
ClipのStart値を100分の1にします
ぐりぐりっと。
ぐりぐりっとアップに。

基本的な画面の設定が出来たら、次は必要な色を用意しておきましょう。
マテリアルの増やし方は覚えていますか?

1.マテリアルパネル(下のGIFアニメだと、パネル切り替えのアイコンが並んでいる一番右、オレンジっぽい丸です)を選択すると、ビューポートで現在触っている(オレンジの細い線で囲まれた)オブジェクトに当てられた質感が並んで出てきます。

2.右端の「+」ボタンを押して、新しいマテリアル用の空きスロットを作ります。

3.現われた「+New」ボタンを押して、新しいマテリアルを作ります。

4.新しく現われたマテリアル(マテリアルパネルと同じアイコン)の右側の青い帯をダブルクリックすると、文字が入力できます。下のGIFアニメに倣って、「Eye_white」「Eye_blue」「Eye_bleck」「Lips」と名前を付けます。

5.マテリアルのサムネール(チェッカー模様の部屋に置かれた球)の下にあるDiffuseカラーのボックスをクリックすると、カラーホイールが出ます。ここで、色を設定します。部位の色に従がって、白目の白、瞳の青、瞳孔の黒、唇の赤にしましょう。もちろん、青の替わりに緑や茶でもいいですし、好きな色でどうぞ。

新しいマテリアルをどんどん作って名前を付け、色を付けます。
新しいマテリアルをどんどん作って名前を付け、色を付けます。

次は、いよいよ難しい部分に入っていきます。
単純に考えれば、色を付けたい部分を選択し、服のところで行なったようにAssignボタンを押せばいいわけなのですが、これ、ものすごく大変なのです……。

眉毛のアップ
眉毛のアップ

ちょっと眉毛をアップにしてみただけでも分かりますよね?
眉毛のオブジェクトはそれぞれ、つまり毛の一本ずつ独立しています。これでは、とてもじゃないけど眉毛の色にしたいところを選択するなんて出来ません!

では、やり方を考えましょう。

────次回にっ……!!

(済みません、前置きが長くなりすぎちゃったので、次回につづきます……)

来週もよろしくっ!

淡波亮作の作り方