きっかけはこの上の車のナンバープレート。
信号待ちでぼんやり見ていたら、「?」が点灯した。
上の行の小さな3と8、下の行の大きな3と8、書体が違わないか?
よーく見直すと、明らかに違う。しかも微妙に。
3は上の弧と下の弧で大きさのバランスが全然違うし、真ん中の突き出し方も微妙に違う。8は下の丸の縦横比が違う。これ、単純に細字と太字という違いではないのでは……。
家に帰ってから、近所の車のナンバープレートの数字をいくつかパシャッと撮り(不審者ぎりぎり)、画像にして検証。
むむ、どれもこれも違う。5なんか、下のカーブが全然違うでしょ?
これはもう別書体というくらい違う。
かろうじてかなり近いのは0だけど、やっぱり違う。写真には撮ってないけど、1ですら違っていた。小と大で文字の太さが逆転しているっぽい。
うーむ、何でだろう?
こんなことで悩む人は他にいないと見え、ネットで軽く調べたけど答えはなし。ナンバープレートの書体は「小松書体」というもので統一されているそうだ。きっと、小松書体にはいくつかのバリエーションがあるのだろう……。
いろいろな仮定があり得るだろうけど、僕の想像はこんな感じ。
お役所仕事での予算取りの問題: 業者:「視認性を高くするためには、小さい文字と大きい文字は微妙にデザインを変える必要がありますよ」 役人:「え、同じ書体の太さ違いじゃだめなんですか?」 業者:「だめですね。ウチは『読みやすさ』に関する専門の先生と協力して書体をデザインしていますが、同じだと認識時間に差が出ます。事故や事件が起きた時、それぞれの書体を変えた方が認識ですとか記憶される率が上がって、検挙率も上がるんですよ」 役人:「はあ……」 業者:「ひいては、自動車の安全性にも関わってきます」 役人:「それとこれとは関係ないんじゃ……」 業者:「いいですか、これは私の意見ではなくて、専門家の先生のお話なんです。なんなら研究論文をお持ちしましょうか」 役人:「論文……いいですいいです。じゃあ、はっきりとした根拠があるということなんですね?」 業者:「もちろん、そうですよ。ご予算、確保できますよね」 役人:「えぇ、まあ……」 業者:「ではこちら、お見積もりです。書体二種類、読みやすさ検証費、先生のコンサルティング費も含まれてます」
役人:「課長、こんなやり取りがあったんですよ、書体のデータをデジタル化しようっていう時に」 課長:「そうか、それでそんなに金がかかったんだな」 役人:「はい」 課長:「で、今回の見積もりは何?」 役人:「はあ、ナンバープレート作成システムのOSがアップデートしたとかで書体のデータが使えなくなるんだそうで」 課長:「流用できないのか?」 役人:「はあ、私もそれを聞いたんですが、専門用語ばかりで何のことやら……」 課長:「で、押し切られたのか」 役人:「はい。これ、見積もりです」 課長:「しょうがないな、分かったよ。じゃあ予算に積んでおくか」
あ、もちろん単なる空想ですよ。妄想。
今回調べられなかった4,6,7,9についても、気になる方は調べてみたらどうでしょうか?
面白いですねえ……。
じゃ、本日はこれまで!