先週に引き続きまして、Manuel Bastioni Lab Ver.1.6の新機能を紹介します。
え、それって何? というあなたへ、簡単な解説を。
マニュエル・バッショーニ・ラボ(通称「マニュエル・ラボ」としてます)は、BlenderのAdd-on(つまりプラグイン・ソフト)で、人体モデリングを効率良く行う高機能なシステムです。 特徴: 1.かの有名な「Make Human」の開発者の一人でもあるManuel Bastioni氏が、さらなる高みを目指してBlender内部で動くソフトとして開発 2.Blenderとの統合が進み、ボーンはもちろん、マテリアル、ライティングまでそのまま使える 3.先進的なオートモデリングシステムを実装 4.プロキシの仕組みを使い、Blender内や外部ソフトで作成した衣服を簡単に組み込める
もっとたくさんあるのですが、書き切れないので割愛します。詳しく知りたい方は、このシリーズを頭から読む、という方法もありますね!
今回の特集は、この3つです。
Support for phonemes. Unified expressions for anime and humans.
『音素』をサポート。アニメキャラでも人間型でも、表情を統合。
Custom rest poses.
好みのレストポーズを設定出来るようになった。
Improvements in shaders and skeleton structure.
骨構造とシェーダーの改善。
【4. 音素のサポート】
では始めましょう、と言いたいところですが、まずは前回の補足から。
「複雑な表情」では、モデリング時にそれぞれの顔パーツの動きを見てました。
でも、Manuel Labの表情システムの真骨頂は、モデリング終了後にありました。
即ち、「ファイナライズ」を行った後で、表情の調整を行うのが本当のやり方でした。
今回の「音素」も含まれますので、まずはファイナライズしてみます。
ツールパネルの下から2番目に、ファイナライズ用のツールがあります。
ボタンを押すと「どこに保存するか」聞いてきますので、適当なフォルダーを選択し、画面右上のこのボタンを押します。
しばらく待つと、作成前と概ね同じ表示に戻ります。
「Face Expressions」を開くと──
凄い数の設定項目が現れました。
真ん中あたりから、「Phoneme_a_」などの項目がずらり。これが音素ですね。
音素の前に、いろいろな表情を作ってみました。
これ、楽しいです!
表情のパラメーターの上に、「Insert Keyframe」というボタンがあります。
これを押すと、その時点での表情がアニメーションデータとして保存されます。
画面の右側を見ると、「Shape Key」に登録された頂点情報がアニメーションキーとして保存(記録)されているのが分かります。
(項目が多いため、文字の周囲が緑色になっているのが見えるだけですが)
低画質ですが、レンダリングして動画に書き出してみました。
変化のさせ方が均等なので人工的な感じが激しいですが、キーを打つタイミングをきちんと調整すれば、これは相当に有効ですね!
続いて音素です。
アイウエオを喋らせてみます。
ちょっと控えめな感じがまたいいですね。
感情的な表現にしたければ、ある音の口の形を作った上で、表情のパラメーターを適度にブレンドしてやればばっちりです。
動画では、日本語の「え」の音の口の形を作ろうとして、「o」を少し混ぜてみています。
Blender標準のシェイプキーの仕組みに準拠しているので、複数のキーを混ぜるのも簡単なのですね。
先ほど同様に、低品質でレンダリング。
ちゃんと、喋ってるように見えますよね!
次、いきます。
【5. 好みのレストポーズ】
休憩ポーズとは、何もしていない時のポーズ。通常は、ボーンを仕込んだり調整するときのポーズを指しますが、MB Labの場合は最初からボーンが仕込まれていますし、調整も不要です。
今ひとつ何のためにあるのか分かりませんが、この機能を、「いつでも外部に保存出来るポーズライブラリ」と考えても便利かもしれません。
本日の最後は、
【6. 骨構造とシェーダーの改善】
シェーダーについては、公式紹介動画から、キャプチャで抜粋してみました。
歯の形状が更にリアル化されると共にシェーダーも更新されています。瞳には屈折とコースティクス(集光効果)が入り、さらに高度な表現が出来るようになっていますね。
骨について詳しいことは分かりませんが、前回も紹介したものと合わせてお読みくださればと。
前回、Bendy Boneについて書きました。あれはあれで大きく間違ってはいないと思いますが、Bendy Boneの主たる目的は、どちらかというと筋肉の表現のようですね。
最初は非表示になっているボーンレイヤーを表示すると、筋肉に沿うようにBendy Boneが配置されていることが分かります。
体格や年齢を大きく変化させてもこのボーンは追従し、筋肉の動きをきっちり表現してくれます。
いやあ、すごいですねえ!
さて、いかがだったでしょうか。
本日の講義はここまでとします。
来週も、続きがありますので宜しくお願いしますです!
では、Happy Manueling!!