山田佳江著『リーディング・ナイフ』を読んだ!

遅ればせながら、あの有名作品『リーディング・ナイフ』をようやっと読んだ。ずっと気になってたんだけど、タイミングが合わず、で。

読み終わった瞬間、固まった。で、悩んだ。ドウシテ・コンナ・オワリカタヲ・スルンダ・コノ・ショウセツハ・・・・、ってね。

何しろ凄い巧さ、面白さ、この読者を引きつける力は只モノじゃあない。もう、相当興奮して読んでた。眠いのも忘れてどんどん読んでた。
どうなるんだろう、どうなるんだろう、どうなるんだろう──って、期待に胸を膨らませて、わくわく読んだ。そして、最後にいきなりドーンって、肩をどつかれて吹っ飛ばされた感じだった。

え?
え?
え?

どう考えたらいいのか、ちょっと分からなかった。イライラしながら、そのまま寝たんだ。
朝、目が覚めたら、ずっとリーディング・ナイフのことを考えてた。
こんなに面白い小説なのに、《○ラサワ○オキ・エンディング》のはずはない。考えろ、感じるな、考えるんだ、と、僕は自分の中のブルース・リーに逆立ちをさせて、考え続けたんだ。

で、気づいた。

まず、タイムループネタって、そもそも理屈では説明不能でいいものなんだよな。タイムパラドックスとか、パラレルワールドとか、自分と出会うと世界が終わる、みたいなところを超越した土台の上に、物語が構築されている。
そして、それを納得させるための数々の仕掛けがキチンと埋め込まれていたことを、どんどん思い出した。身勝手な展開なんて何もないじゃん、この小説の世界の中で、ちゃんと、納得できる物語が構築されてるじゃんか、伏線だっていっぱいあるじゃんかと、僕は徐々に思い出した。気づかされた。

ああ〜、ダメな読み手だなあ、表面的に追いかけてたなあ、と反省しきり。
どうも最近よく反省する……。

読者がよく考えて読まないといけないお話というのはマイナスになることもあるけど、この小説の場合、それはちゃんと成功していると思う。
(僕はミステリーをほとんど読まないので、そういう読み方に慣れてないんだろう、な)
なにしろ忘れられなくて、二日間くらいずーっと考えてた。この世界はどうなってるのか、ドウシテそれが起きたのかって。現実のことを考えるみたいに、ね。
それがまた、面白かったのだ。

こうやって、読み終わった後でも読者の心を捉えて放さない物語を生み出したいなあと、強く思った。

山田佳江さん、本当に上手いですね。いやあ、参った。
本屋さんで売ってても全く遜色ないもの。変なベストセラーよりよっぽど面白い。

未読のあなた、ぜひどうぞ〜!

じゃ!

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