Kindle Unlimited云々の話とは直接関係がないのですが、一つ思ったことがあり、すぐに実行しました。
これまで無料配布してきた小説のうち、次の2冊を有料に戻します。
『壁色のパステル』
『そののちの世界1 夜啼く鳥』
それぞれ理由があります。
『壁色のパステル』は、僕が初めて書いた小説。有料にしておいてもほとんど売れないし、淡波亮作を知っていただくために無料にしようと思って無料にしていました。
──でも、気付いたんです。
無料にするのは、自分に興味を持ってもらって、次の有料本に手を伸ばしてもらうため。
ところが、『壁色のパステル』には《その次に読む本》がありません。家族小説で、SF要素もファンタジー要素も一切ありません。もちろん誰も死んだりしませんし(笑)、不思議なことは何も起こらない平和な物語です。
内容にはそれなりの自信がありますし、初めて書いたからといって、別に文章が拙いということもない(はず)。
であれば、無料にしておく意味がないのではないのかな?
そう思ったわけです。
せっかく広橋悠さんをはじめ、素敵なレビューをいただいている本でもあるので、これはこれで一冊の独立した本として考えた方が良いだろう、とも思い。
『そののちの世界1 夜啼く鳥』については、10冊で構成される同シリーズの3冊も無料というのは、お金を出して買うモチベーションを減らしてしまうかもしれないな、というのが一つの理由。
もう一つの理由は、無料にするのは、シリーズ内でも最も面白い部類の本にすべきだろうと。
『夜啼く鳥』はかなり軽い内容で、さくっとすぐ読めて冒頭にはちょうどいいと思いますが、同様に無料化している5巻の『プロテイン・パック』や6巻の『段ボール箱の中の人形』に比べるとちょっと面白さのレベルは落ちます。これを最初に無料で読むと、せっかく無料の5巻や6巻に手が伸びにくくなるのではないだろうかと、思ったのですね。
逆に、5巻や6巻を気に入ってくだされば、「1巻から全部読みたい」と思う可能性も高いのではないかと。
まあ、そういった訳で、この2冊を有料に戻します。価格は元々設定していたとおりの250円(壁色)、99円(夜)です。
さっそく、BWインディーズと楽天KOBOで価格改定の申請を上げました。
『壁色のパステル』は楽天KOBOで出版停止手続きをして、Amazonではセレクト登録出来るようにしました。
これが通り次第、Amazonサポートさんに有料化をお願いする予定です。
(『壁色のパステル』については、セレクト登録を押すだけで良いかもですが)
と、いうことで、この2冊がAmazonで無料なのはあと数時間かもです。数日かもですが。
(この記事が公開された頃には、BWでは有料になっているはず)
もし、まだお持ちでない方は、今のうちにどうぞ!
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