この本は、記念すべき例のやつの第一号なのだった。遅ればせながら、ようやっと読みました。
例のやつ?
と思った方は、こちらへどうぞ。
『Kindle用表紙を作成するために最適化したOpen Officeのテンプレート』
こちらがその表紙。
『エチュード』は、『即興劇』『傍観者』という2本のミステリ短編で構成されています。簡単な粗筋は帯に書いてありますね!
日常の中のちょっとした非日常から、背筋がゾクッとするような気持ちを味わい、すっきりと落ちます。前者の『即興劇』は途中で先が読めた部分もありましたが、ちゃんと心の中に踏み込んだ描写があり、《意外なオチ》だけではない味わいがありました。
後者の『傍観者』は、鮮やかなオチがいいですね。ただ、惜しむらくはちょっと前置きが長い。このオチなら、ショートショートでスピーディーに読ませて欲しかったかなあと思います。ちょこちょこと短いエピソードがあり、登場人物がいますが、あまり生きていなかったような……。
半分か三分の一の長さで密室劇に仕立てても良かったのでは、というのは私感ですが。
2作を通じて、ちょっと残念だったのは、文体に流れが乏しいような気がしました。これは感覚的なことなので読者によっても違うと思いますが、もう少し滑らかに読めたら、と思います。難読漢字と平仮名遣いのバランスであるとか、主要な人物とそうでない人物の描写ボリュームのバランスであるとか、そういった部分にも改善点がありそう。
楽しんで読書できましたので、ま、欲を言えば、ということですが。
最新作の『ヴィランズ』はとても評判が良いようですし、僕自身、既にKindleに積んでいます。
こちらも楽しみに読ませていただきますよ!
では、また明晩!