セルフ作家のための表紙ワークショップ……的な。

(前置きが長いです。本題はかなり後に出てきますので、ご面倒な方はスキップしてくださいな)

2年半ほど前、KDPを利用してセルフパブリッシングを始めようと思った時、まずは参考にしようとAmazonで様々な自己出版書籍を見て回りました。そのとき、最初に気になったのは表紙のクオリティでした。ぱっと見て、その本を手に取ってみたいと思うより先に、まずは素人っぽさが目に付いてしまって、何とも言えない寂しさを感じたものです。

実はここだけの話、一冊目の本をリリースした2012年、僕は他のセルフ作家さんの作品には全く興味がありませんでした。というより、自分の小説を出すことだけにしか興味がなくて、ストアに並んでいるセルフ作家の作品を「読む」という発想がまるでなかったのです。いやあ、ひどいですねえ、それで自分の書いたものを「他人に買って欲しい」と思っていただなんて!

これを読んでくださっている方の中にも、セルフ作家の作品を未読の方がいらっしゃいますでしょうか?

それは、もったいない!

僕が初めて読んだセルフ作品は、澤俊之さんの『440Hz』でした。澤さんのセルフパブリッシング・ノウハウ本を先に読んでいて、その中に書いてあった『440Hz』の想定読者層が、あまりにも自分にぴったりとはまっていたからです。ノウハウ本を読んだだけで文章の上手い方だということは分かりましたから、初めてセルフ作家の小説を読むことに対する不安はありませんでした。

そして、そこで眼からウロコが落ちまくったのです。
これはすごい! もう、びっくりです。普通に書店に並んでいても全然おかしくないクオリティ。“ギター小説”という独特なジャンル、読者を引きつける滑らかな語り口に、スナップの効いた、でもストレートなストーリー。夢中で読んで、シリーズ物を読むようになりました。
そこから、色々なセルフ作家の方の本を読むようになり、それに伴って、Twitterなどで他の作家さんとの繋がりも出来ました。今では購入済みの商業作家の本をほっぽって、次々にセルフ作家さんの本を読んでいるほどです。
澤さんのお名前を出してしまったので、他にも僕の好きな方の名前をいくつか書いておきましょう。

・広橋悠さん:『妄想する子供たち』が最新作。はっきり言って大ファンです。「芥川賞レベル」と評していた方がいましたが、そう思えるほど文学的で美しい文体、表現力をお持ちだと思います。

・藤崎ほつまさん:『キミコロ』という青春推理小説が素晴らしく面白いです。KDPでは頻繁に話題になる作品の一つです。

・牛野小雪さん:今盛り上がっているは『ターンワールド』ですね。このブログでも感想を書かせて頂きました。

・新潟文楽工房 ヤマダマコトさん:最新作『山彦』中巻が発売になったばかり。この方の文章も、書店に並んでいて全く遜色のないものです。『山彦』はサンカという山の民族をテーマにした物語です。民俗学や文化の香り漂う文学作品ですが、エンタメ性も強く、わくわくドキドキが止まりません。

・王木亡一朗さん:『アワーミュージック』という短編集しかまだ読んでいませんが、端正で文学的な表現が素敵です。表紙のおしゃれさでも定評がありますね。

他にも面白いなあ、と思う作家さんはいますが、このくらいにしておきましょう。(僕が言及するまでもなく充分に有名な方々は省かせて頂いていますし、僕が知っているのはほんのごく一部。素敵な本を出されているセルフ作家さんは、それこそ何百人もいると思いますよ!)

ここでお名前をあげさせて頂いた作家さんの作品は、いずれも表紙が良いものばかりです。作品世界をイメージさせる表紙は、やはり無名作家の作品にとっては重要な要素だと、僕は思います。
(中には、「白地に文字のみ」という体裁でもヒット作があったりするようですが、作品が読まれるポイントは様々ですので、表紙が良ければ読まれる、という単純なものではありませんが)

さて、表紙の話に戻ります。

今でこそ、プロの方にお願いして素敵な表紙を作っているセルフ作家さんも多いですが、当時は《ワードで打った文字を四角で囲っただけ》《スナップ写真にとりあえず文字を乗っけてみた》レベルのものが多かったように思います。もちろん、それでもいいのですが、その場合、そこには一つの大事な要素が必要です。そう、デザインですね。
(澤さんの表紙はとてもシンプルなのものが多いですが、良いと思います。WEBのお仕事をなさっているだけあって、押さえるところはきちんと押さえたデザインになっていますね)

作家が自ら表紙を作るということは、デザインするということになります。美術やデザインの勉強をしたことがない方にとっては、頭の痛い作業なのではないかと思います。
僕は幸いデザインの専門教育を受けているので、グラフィックに関しては見る目があるつもりです。現役のグラフィックデザイナーではありませんが、アートディレクションが僕の商売の大部分なので。
(あ、自分の作ったモノに対してはちょっと評価が甘いかもしれません。そこは突っ込まないでくださいね。)

本来ならばこのブログで、少しずつ表紙デザインのノウハウを書いていこうと考えていました。でも、なかなかそれもままならず……。
たまたま、ある方の表紙画像にアドバイスさせて頂く機会があって(勝手に!)、少しだけお役に立てたかもしれないと思ったのです。それから、こんな方法もありかな、と思い付いてしまったのでした。(墓穴掘りまくりか?)
 

■ここで、ちょっと無謀なプランを立ててみました。

《先着10名様に表紙デザインの添削指導を行ってみよう》というものです。もちろん、お代は頂きませんし、見返りも求めません。セルフパブリッシング作品のクオリティアップが、セルフパブリッシング界の盛り上げに繋がると信じていますので。

見るポイントは、概ね下記の項目かなぁと思います。
・書体の選択、色、処理
・文字間、行間
・紙面全体でのレイアウトバランス
・画像の使い方、トリミング
・可読性と目立ち具合のバランス
我こそは、と思う方は、下記の要項をお読みの上、メールでご連絡くださいね。(10人なんてそうそう集まらない気がしますが……淡波じゃあなー、と思うひともいるでしょうし……)
 

【応募資格】

・セルフ作家であること、またはセルフパブリッシング準備中の非商業作家であること。
・対象は小説作品のみとします。実用書は含みませんので、ご注意ください。
・表紙はご自分で制作したものであること
・使用する写真や画像の著作権に利用上の問題が存在しないこと
→ご自分の作品、商業利用可能なパブリックドメインの画像、作者の許諾取得済み画像であること。もちろん、それがどういう経緯で作者さんの手元にあるのか、僕には分かりません。信頼だけがよりどころとなりますので、そこはご配慮ください。
・メールのほかに、Twitter、Google+などのアカウントを持ち、連絡が取れる手段が複数あること。
・淡波の赤字通りに表紙を作っても、売り上げが伸びる保証はまったくございません!
 そのことに同意してくださること。批判の材料にしないこと。
・自分としては、「そこそこ出来上がり」と思う表紙画像が既にあること。
 デザインできないので白紙とタイトルのみ、というものはNGとします。
 

【応募要項・必要な情報】

・作者名
・作品のタイトル
・作品の簡単な概要

・画像サイズ:1563×2500ピクセル、またはその50%程度に縮小したもの
(勝手ながらKDPの推奨サイズを基準とさせて頂きます)
 このサイズでないものは、その旨ご記入ください。
 画像をトリミングしている場合、全体の画像も合わせてご送付くださいますと、トリミングのバランスも添削できます。

・画像フォーマット:jpgまたはpng

・画像の容量:可能な限りメールで添付できるサイズ(10MB未満程度)にしてください。
 ご自分のサイトやFTPなど別の送付方法をお持ちの方は、容量に制限はありません。(常識と良識の範囲内で)

・送り先:awaあっとnewday-newlife.com
(あっとは@に置き換えてください。添削の戻しはメールへの返信で行ないます)
 

【添削の方法】

・表紙画像上に赤字を直接入れます。
・画像とは別途、その赤字の説明を書かせて頂きます。
・赤字の送付後、可能なら修正後の画像を再度ご送付ください。
 修正状態をチェックし、もっと良くなるポイントがあるかどうか検討します。

・表紙画像をご送付頂いてから、赤字の発送までには二週間程度掛かることがあると思われます。
 出版までのお時間に余裕を持って、ご送付くださいね。
 

【締め切り】

・特に締め切りは設けません。10名に達した時点で、このブログとTwitterでお知らせします。
 もしも応募数のカウントが間に合わなかった場合、締め切りのお知らせが遅れることもあるかと思います。その際はご容赦ください。

 
なお、もしも表紙画像に著作権上の問題が生じた際は、淡波亮作は一切の責任を持ちませんので、予めご了承ください。淡波亮作が行なうのは出来上がった表紙作品に対する添削のみで、画像に付随する一切の権限とは関わりがありません。

以上です。

それでは、奮ってご応募ください!

 

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

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