『奇想短編集 そののちの世界』の第六話にあたる『段ボール箱の中の人形』の表紙が完成しました。これまでで最も手間をかけたものになっています。いやー、これさえやらなければ、もっとどんどん小説執筆が進むんですが……。
この、少しでも注目されるための作戦、本当に効果があるのかどうか。でも特徴のあるプロっぽい表紙を作るのは、とても大切なことだと思います。今後も続けますよ!
さて、せっかくブログでお見せするからには、ここに見に来て良かったなと思える追加情報を。
Twitterを読んで下さっている方はすでにご存知のものもあるかと思いますが、途中経過や別バージョンの画像をいくつか載せちゃいます。
さて、人形のアップを見て、あれ? と思った方は鋭いです。
人形や段ボールの「汚し処理」は別にレンダリングした画像をコンポジット(合成)したもの。ここに載せるアップカットを作るためにそこまでの労力はかけなかったので(つまり手抜き!)、リアリティが足りなくて雰囲気がかなり異なりますね。
下に、今回書き出したエレメントをまとめます。
中央がフルレンダリング。Kindleの表紙用フル解像度よりやや大きめ(長辺3,000pix)で、約1時間半のレンダリング時間です。サンプル数は1,000。
上の画像は32bitデータの現像処理前なので、白っちゃけて見えますね。
以下、順に左側から。
・1番目:アンビエント・オクルージョン版、光の当たらない凹んだディティール部に影を追加で加えるためのものです。
・2番目:ダート(汚し)版。これで人形と段ボール箱をはじめ、全体に汚しをプラスしています。
・4番目:スポット版:段ボール箱の辺りにだけ、追加で光を当てるためのもの。雰囲気を左右する光は、こうやって後調整出来るようにしておくと便利です。
・5番目:Zバッファ版。こちらも32bit画像なので、現像処理前のものは真っ暗ですね。カメラからの距離をグレースケールで表したもので、距離に応じたレンズのぼかしを調整します。
ディスプレイで見えるラチチュードに調整した画像を載せておきましょう。こちらの場合、明るいほど画像がぼけていく、ということになります。
今回はCG画像の解説のような記事になりましたが、分かる人には物足りない、分からない人には意味不明、という微妙な内容だったかもしれませんね……。でも、ハリウッド映画のメイキング映像も、別に内容を全部理解して見ているわけではないですよね。「すっげー!」という感じが面白い、ということだと思うので、まあ、今回の記事もそういうことで。
丸三日も掛かってしまったので、まあ作者の自己満足だと思ってくださいな。
最後に、表紙用デザイン抜きの画像だけにしたものを、参考までに載せておきますね。
この記事がいつか、ちょっとだけ、誰かの役に立つといいな。