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シンチョク0716

先日ちらりと書いたけれど、今は2作を並行で進めています。
連載中の叙事詩『ティプトン』も入れれば3作ですが。

1作は、ご存知『ルルルとリリリ』のシリーズ、『とっても小さな九つの国』の最終巻。タイトルは『魔女と王様』に仮決定中です。
以前は『やさしい北の魔女とわがままな南の王様』と仮題を付けていましたが、考えてみれば(考えてみなくても)、王様のいるエックエックの国は、小さな国々の中で北方に位置しています。今回出てくる魔女ローズンの住む森はエックエックの国の北にある湖の北側に面しているのですから、位置関係としては間違っていないのですが……。
map2

 

この地図の、ちょうどタイトルが書いてあるあたりにあるのが北の湖。『ルルルとリリリ』の中では、まだこの国の存在は何となく曖昧にしていました。『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』でリンガリンガの国をぼやかしていたように、ね。

お話が進むに従って世界の全容が見えてくるようにしたかったので、今回の『魔女と王様』で、小さな国々の全体像が見えるというわけです。
(そんなにもったいぶる内容じゃないですが──)

ま、それはいいとして、先週の初めに書き始めた『魔女と王様』。約二週間後の今日で、概ね半分まで来ました。今回は短いお話になる予定で、現在25話まで書けています。文字数で言うと27,000字ほど。
このお話も淡波ログで連載する予定ですが、今度は物語を書き終わって推敲を最低1回は回してから開始しようと思います。『ルルルとリリリ』の連載を終えてから発売までの修正や準備がかなり大変だったし、毎回の更新もスリル満点でしたよね。だから今回は、《連載を載せるだけで》、《間に合わせるだけで》手いっぱいになってしまわないようにしたいのです。きっと、その方が内容も濃くなりますし。

そしてもう一つのお話は、サイバーパンク(風)の物語です。そう、あれですね。
(いや、誰も知らないか……)
絵師の禅之助さんがツイッターでアップしてらした『完全包囲』というイラストからインスピレーションを得て突然書き始めてしまった作品です。小説の仮タイトルも『完全包囲』(禅之助さん、勝手に使ってゴメンナサイ!)。
これは『ルルルとリリリ』の連載中から書き始めていましたが、最近はご無沙汰気味。ファイルの更新日を見たら、最終更新からもう三ヶ月も経過していました……。
こちらは現在まだ19,000字ほど。この作品も長編にはならないと思いますので、恐らくはここで半分くらいかなぁと。

目下の目標は、『ティプトン』の連載が終わる前に『魔女と王様』の連載を開始し、同時に『完全包囲』の執筆を再開する。というところでしょうか。淡波ログに来れば、週に一度は何かしら新しいストーリーが載っているようにしておきたいのですよね(まあ、連載を追いかけていない──ほとんどの──人にとっては、それを読もうという動機付けになるわけではないのですが……)。

さて、来週末もシンチョクを報告しますよ。37話くらいまで進んでいるといいのですがねえ……。

じゃ、今日はこんなところで!
(今回は自分の話ばっかりだ──失礼をば!)

『ティプトン』連載第5回

“だが、センターの定めたハイパースリープ期間を破るだけに留まらず、人口調節の規律をも破ってしまうことになるだろう。それは、犯罪なのだろうか? ソーは自問した。”

『ケプラーズ5213』より


── 5 ──


バースコントロールは
簡単だ

この船の人口を
将来の安定を
約束するために

コントロール・センターはコントロールする
コントロール・センターはいくらでも嘘を吐く

平気な顔で

彼らは
いとも簡単に不足した人口を補う

私たちに
知らされる事は決してない

事実
真実
私たちは──何者か?

この船のほんとうの出生率は
記録に残されているものより
はるかに高い

不足する若年人口を
人知れず補わなければ

この船に未来は無いのだから


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


『ティプトン』連載第4回

“ケイトは小さく呟いて、両目を見開き、音の来る方向に顔を向けた。真っ白い髪の毛をボサボサに伸ばした老人が片手でワゴンを押し、もう片方の手で器用に蓄音機のハンドルを回していた。”

『ケプラーズ5213』より


── 4 ──


船外活動の地獄は
それを経験した者にしか
分からないだろう

互いに見張り合う一対のゴテゴテしたロボットが
外壁の凹みにぶら下がるように隠れている

自己修復型のマシンが故障する時を待っている
冷たい肌をしたロボットたち

その修復ができなくなってしまうことを
避けるためだけに
彼らは存在している

絶えず互いの存在を気に掛け
異常があればすぐに
互いをいたわりあうように修理を施す

外殻に点在する恐ろしい発電設備や
大小の船が出入りするための開口部

わずかな隙間が私たちの生命を簡単に奪う

冷たい肌をしたロボットたちに
生命の感覚など解りはしない

ただ
完璧であろうとするためだけに
彼らは働いている

私には船外活動の経験はない

彼らを見たのは
小さな窓から遠くに見える
小さな小さな鉄の塊としてだけだ

彼らを間近に見た者は
生命の儚さを思わずにいられないと言う

あれが
私たちの生命を握っているのだと

私たちはみな
身震いをせずにはいられないのだ


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


『ティプトン』連載第3回

“ジョージ・ガーシュインのゆったりした旋律が、暗い廊下を静かに流れていた。か細く、だが円やかな手回し蓄音機の音だ。滑らかに回転するチタン製のレコード円盤が天井からの光を受けてぬらぬらと反射している。
誰かがゆっくりとハンドルを回すキイキイという音もまた、音楽と寄り添うように小刻みにリズムを刻んでいた。”

『ケプラーズ5213』より


── 3 ──


では、《新しい知識》とは、何だ?

私たちはそれを
禁じられたのではないのか

私たちは
私たちの未来を壊さぬため

あの新しい星を
赤い土くれに変えてしまわぬため

人類の生きる可能性を
狭めてしまわぬため

考えても考えても理解できない
《新しい知識》は
捨て去ろうと決意したのではないのか

今の私たちが持つことを許されている
《産業革命以前の技術》
というものですら

私のような者には
理解が及ばないのだから

美しい音楽を奏でる
輝けるこの円盤ですら

その針が冷たい肌を滑る瞬間に立ち昇る
眼に見えぬ何かを
理解することは叶わぬのだ

音とは振動なのだと
若い時分に学んだことは覚えている

だがその先の知識を求める級友に
教師は言ったものだ

それ以上、知ろうとしてはならない
その飽くなき好奇心と探究心こそが
あの星を
破滅に追いやったのだからと

探求を諦めようとしなかった級友の一人は
やがて出世して
コントロール・センターの一員となった

知識を持つことが許される
それを使うことが許される
ひと握りのエリートたち

彼らは私たちの未来を
コントロールしてくれるのだという

間違いなく、あの星へと船を導くために
眠り続ける九万の同胞が
その尊い命を失うことがないように

だが本当に
信じているのだろうか

彼らは私たちの未来を
コントロールすることができるだなどと

理解することのできない
恐ろしい魔術の中で


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


『ティプトン』連載第2回

“廊下を滑る手押しワゴンのキャスターが控え目にゴロゴロと立てる音に混じって、キイキイと何かを回す音と、か細くも円やかなクラリネットの音色が、周囲の壁に響きながら少しずつ大きくなっていた。
「これが、祝祭の音楽?」”

『ケプラーズ5213』より


── 2 ──


疑わぬようにと、教えられた。

いや、
疑いを持つことなど、
想像もできぬように、
導かれた。

私たちの知識は全て
十箇所の図書館と
選び抜かれた教師たちから
与えられたものだ

与えられたものだ

考えることは、不要だった

与えられたものだ !

私たちはただ、前に進むために
事実、
物理的に前へ進むためだけに、存在している

存在させられている

存在を
許されている

美しい少年や少女たちよ、
きみたちは違うのだろう?

あの大地に降り立つために、
きみたちは《新しい知識》を注ぎ込まれているのだろう?

私たちは何のために生まれたのか
世代を引き継ぐために
船を前に進めるために

美しい少年や少女たちよ、
きみたちは本当に信じているのか?

私たちと同じ未来が待っているかもしれないと、
心をよぎることはないのか?

私たちが信じたように
信じているのか?
きみたちは、
自らの輝かしい未来を

それとも?


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


『ティプトン』連載第1回


── 1 ──


まるきりの失敗だったなどと
誰に言えよう

私の人生が

大人になり、
そして年老いた

決して着くことはない地
ずっと教えられ
子供時代を過ごし

この、
白く美しいガラスの棺は
もう、
老いさらばえた肉体を包むことは

美しい少年よ、
少女たちよ、
いずれきみたちは迎えるのだろう

緑に包まれた星に降り立つ日を
栄光の日を

白い靄に包まれ
二百年の時を過ごし
私と同じさだめの老人が
いく百人も宇宙に打ち捨てられた後

きみたちは、
悠然と、
その美しい肢体をもって

柔らかな土を
私たちの知らぬ色の土を
踏みしめるのだろう

この分厚い鉄の檻に護られ
育まれた私たちは

あの《地球》という名の星を、
《母なる星》、
そして、
《本当の心の故郷》であると
教えられて育った

映像でしかない星を

私たちは
心に刻みつけられ続けた

繰り返し繰り返し、
茶色く汚れゆく地球の姿を

私たちは
恨むようにと
学習を強いられ続けてきた

母なる星を死に追いやった
科学技術を

文明とは何であったかを
文化とは何であるべきだったのかを

──この、科学技術の粋を集めた冷たい檻の中で

いや、
いや、
ここは、檻などではない
決して、
ないのだ

この場所、
この船こそが、

私たちにとって
ただ一つの故郷なのだから!



本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


唐突に新連載『ティプトン』第0回

このタイトルに見覚えのある方はいらっしゃいますかー?
(しーん)

はい、本日から新連載の『ティプトン』、実は長編SF作品『ケプラーズ5213』にちょこっと出てくる脇役の老人の名前です。
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『ティプトン』はケプラーズのサイドストーリーですが、きちんとしたストーリーはありません。それもそのはず、これはティプトンが長年にわたって書き連ねた言葉の断片であり、ティオセノス号唯一の(?)詩人(?)、であるティプトンが遺した手稿なのですから──。

それでは、はじまりはじまり……


『希望の夜、絶望の朝』

この船にはティプトンという詩人がいた。
いや、彼を詩人と呼ぶべきなのかどうか、
判断は後の人々に任せよう。

彼の死後、
貴重な紙のノートに書き記された言葉の断片が大量に見つかった。
いったいどこであれだけの紙を入手したのか。
今となっては知るものもいない。

この手記は、
記録に残る唯一の文学者であるティプトン・スティーブンスの書き記したものを後の世代伝えるためにコントロール・センターによって永遠に《ティオセノス号船内に》保管されるものである──。

なお、最も古いノートの冒頭には『希望の夜、絶望の朝』と記されているが、それが手記自体のタイトルであるかは定かではない。
断片の中から、『希望の夜』そして『絶望の朝』と題された二篇を冒頭に置くことで、形ばかり文学作品のような体裁とさせていただくことを、読者諸氏には──もし、この記録に読まれる機会があるのなら──お許し願いたい。

──コントロール・センター記


希望の夜

闇が好きだ
闇は実感をくれる
わたしたちと漆黒を隔てる
冷たい壁は溶け

漆黒の中で
生かされていることを
この乾いた肌で感じるのだ

無という名の音楽が
わたしの両耳をつんざくのだ

わたしは
生きている

漆黒とひとつになり
無と結合し
真空に溶け出しながら

わたしは
生きているのだ


絶望の朝

目を開けると
目をそらすことができない闇が
わたしを待っている

白い闇が
わたしを冷たい両腕で
包もうとして伸びてくる

鉄だ
この世は全て
白い鉄だ

本当に存在するのかすら危うい
作り物の夢は
わたしの心を満たしてくれはしない
誰の心も
満たしてくれはしない

目を覚まし
最初に映るのは
白い鉄だ

目をそらすことができない
白い闇だ



本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


進捗どうなのよ?

image1
毎週土曜日に掲載してきました『ルルルとリリリ』が先週で完結し、カクヨムでの掲載も一昨日で完結を迎えることが出来ました。
(カクヨムのほうは「完結済み」ボタンを押し忘れていて、読んでみないと完結していることがわからない状態でしたが……未だに0ビューのエピソードがいくつもあったりして、ちょいと淋しいなあと思いつつ、完結済みボタンを押しましたです。これで少し、「読もうかな」と思う気持ちを呼び起こせると良いのですが……)

今は、先週から引き続き紙に出力したものの推敲と校閲を行なっているところ。
で、進捗どうなのよ?

ようやく、半分を越えたところです。
思いのほかルビのミスが多かったり、通して読むと表現がちょっとおかしいかなあと思うところがあったりで、予想より多く赤字を入れることになっているのです。

大量の挿し絵を描き下ろすと書きましたが、それは?

──ゼロですわ。あはは、あかん。まあ、挿し絵を描き始めるのは校閲が終わってからになりそうです。一話一話、内容を頭に描き直しながら、どんな挿し絵を描くか考えるところからになりますので、ね。まだまだ時間が掛かりそう。

そのくせ、ちょっとした曲を思いついたりして、そっちもやりたいなあと。もう、欲張りでいけません。
そっちは、それこそいつ手を付けられるかわからない状況なのに、ねえ。

ずっと休みなくやってきて、「疲れたなあ、ゆっくりやりたいなあ」という気持ちと、「休んでなんかいられないぜ」という気持ちがごっちゃになっている今日この頃。
最近書き始めたサイバーパンク風の新作『完全包囲』もちょこちょこ進めてますし。

また、報告しますわ。

じゃ!

連載の効用

さて、無事に二回目の連載小説(お伽噺は小説って言うのかなあ?)を終えたところで、連載の効用ってやつを書いておこうかなと思った淡波でございます。
本当に効果があるかないかは別として、連載して良かったなあと思っているので、その気持ちが大きいうちにまとめておこうかと──。

さ、スタート!

■誤字脱字が減少したっ!

これは一話あたりの分量がとても少ない(900〜1,100字くらいまで)ということにも起因しますし、子供向けだから、ということもありますが、いいサイクルだったんじゃないかと思います。
なぜ、誤字脱字が少なかったのかを箇条書きにしてみました。

・執筆後、ルビを振る必要があったので、一話ずつじっくり読み直した。
・BiB/iに変換してから表示を確認し、その時にブログに書く粗筋的な紹介を書くためにもう一回読んでいた。
・もちろん、PDF版もざっくり目を通していたので、そこでもチェックになった。
さらに
・カクヨムに投稿する際にはサブタイトルを付けるために一話ずつもう一度、ざっと目を通せた。

一気に全体を読み直したりチェックするのとは異なり細切れに作業を行なったため、《冷静に》《疲れないで》《無意識に読み飛ばさないで(コレ大事!)》出来たのではないかと思います。
こんなことで、誤字脱字を減らせたのかな、と。

実際、紙の出力を読んだ妻から指摘されたのはルビの間違いが一箇所と、言葉の選び方が不自然なところがあった一箇所だけ。自分ではまだ読み直している途中ですが、いまのところ、衍字を一箇所見つけただけです。
(え、いや、その後で重大なストーリー上の過ちを発見(顔面蒼白)! 即、アップ済みのものをすべて修正しました。えへへ)

では、次。

■執筆ペースの固定化(?)

当初は毎日一話、中盤からは週に四話、と連載ペースを固定していたので、最低限、一週間にどれだけ前に進めなければならないかが見え、精神的に良い部分もありました(終盤のプレッシャーは凄まじいものがありましたが)。
どうしても厳しい時は、とにかく連載に追いつかれない分だけ書けばいいと思えましたし、長い目で見て、連載終了頃までどんなペースで先へ進めばいいかも分かりやすかったですね。

■事前プロモーション

連載中は、各回ごとにブログ記事の宣伝ツイートを流しましたし、Twitterの自分の名前にも@ルルルとリリリ好評連載中と付けました。これを四ヶ月半継続したお蔭で、この物語の認知度は(僕のこれまでの作品と比べると)上がったのではないかと思います。
もちろん、アリの産毛の背比べ程度ですが。
まだ電子書籍の発売日を決められない状況ですが、皆さんの記憶が蒸発してなくなってしまう前に出したいなあと思っていたり。
(無理)

カクヨムへの掲載も、効果があるのではないかと思っています。
セルフ出版の界隈(自分の周囲限定)では、あまりのカクヨムでの不人気に絶望して撤退してしまう方もいますが、僕は、それはもったいないんじゃないかと。そもそもWEB小説とは想定読者層も書く人の年齢層も違うので、別ルートに少しだけでも広げられれば、と。
この淡波ログでの『ルルルとリリリ』のビュー数は、きっと1,000前後です(個別にカウントはしていないし、中盤以降は一度に複数話公開なので単純には比べられませんが)。カクヨムではその三分の一くらいの数字がプラスされていますし、僕のことを全く知らなかった人にも少しは届いていることを加味すれば、効果はあると考えてもいいのではないでしょうか。
好意的なレビューも得られましたしね!

ちょこっとだけ読んだり目にしたりした方が、電子書籍化を機に「ちゃんと読んでみようかな」と思ってくださる可能性は、結構あるのではないかと思ったりして。
(でも、『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』は正直あんまり売れてませんがねえ……)


とは言え、連載はやっぱり大変。『とっても小さな九つの国』は三部作なので、もう一度、年内に連載を行なうことになるのです。
更新を楽しみにしてくださる方がごく少数でもいるということにも、大きな励ましをいただきました。
これも、創作のモチベーションに繋がる《効用》ですよね!

では、次の連載もお楽しみに。
また明晩!

たぶん、最終回は近い──そして。

『ルルルとリリリ』の最新話を読んでくださった方は、おわかりかと思います。この物語、そろそろ最終回が近づいています。
ただ、作者としてもまだあと何話くらい続くかわからないのです。

現在の舞台であるお城の中庭と、最終回の舞台が、まだ自分の中でスムーズに繋がっておらず、主人公たちの行動がまだはっきりと見えないのですよね。
ラストシーンとかセリフとかはそこそこ見えているんですが……。

『ルルルとリリリ』の次にシリーズ第三部として予定しているお話『やさしい北の魔女とわがままな南の王様』は、『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』よりずーっと前の時代に遡ります。大蛇の呪いが生み出されたきっかけになるお話です。
(また、長いタイトルだなあ……)

でも、『ルルルとリリリ』のエンディングを考えていると、
「きっと、この続きを読みたい読者さんがいるんじゃないか──」
なんて思ったりします。
ちゃんと結末を描きますが、きっと、その後が気になるんだろうなあ……って。
でもね、書かぬが花、言わぬが花ってこともあるし、今はその先のエピソードは考えられないかな。

と、いうことで、まだもう少し、最終回に辿り着くために七転八倒が必要な淡波です。

次回の四話が最終回になるのか、もう一週続くのか、作者にも全然見えていないのですよっ!

では──、

震えて待て!

王木亡一朗さん風に)

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