(はい、ファンファーレ)
鋭意編集作業進行中の『SF雑誌オルタニア Vol.3』ですが、とうとう誰ひとり原稿を落とす懸念がなくなりました。
さっそく、全執筆者の発表を行なうことと致しましょう!
じゃじゃん!
と、いうことで、小説作品ゲストは、あの広橋悠さんです。
広橋さんといえば、ジャンルを固定しない様々な作品をお書きになっているセルパブ界のやさしき貴公子ですね。
昨年の夏に話題になったセルパブ紹介誌『このセルパブがすごい』でもかなりの得票があったにも関わらずランキング付け自体を辞退した潔さも記憶に新しい出来事です。
その描写力、イマジネーションの豊かさ、匂い立つような文章の美しさには定評があり、ぼくは彼の作品の大ファンです。
(だから、ぼくが編集長になって最初に招くゲストはきっと広橋さんだろうと想像した方も多かったのではないでしょうか)
作品を少しだけ紹介しますと、SFジャンルでは傑作『IMAGO』が代表作かと思います。
Amazonのストアには、こんな紹介文が掲載されています。
ずっと遠い未来——。
人類は叡智を結集し、ついに目前まで迫っていた滅亡の危機を乗り越えていた。
その結果として生み出されたのが、生命維持のすべてが自動化され、市民には自らの幸福を追求することだけが課された世界だった。
しかし、そこには張り巡らされた巧妙な罠と恐るべき悲劇の蓄積があった——。
ここはユートピアなのか? ディストピアなのか?
因縁の鎖をたぐり寄せ、いま静かなる戦いが始まる。
そして、広橋さんの評価を決定的なものにしたのが、この耽美的な幻想小説『妄想する子供たち』ではないでしょうか。
Amazonレビューでは星4.5ですが、独特の文体に好き嫌いがあるかもしれないという配慮から星4つにしたレビュアーさんは、
・・・逆にいうと、ハマる人は、6つ☆にも7☆にも成りうるだろう
と書かれています。
すごいっ!
Amazonの内容紹介文は、こんな始まりです。
嵐で遭難した「私」は、山深い奥地で一人の美少女を救う。
導かれるようにして訪れた古城で、一人の老婆と、美しい子供たちに出会うが、そこは妄想渦巻くこの世の最果てだった……。
この作品が発表された2015年、たいへんな話題をさらったのはまだ記憶に新しい出来事です。
怖くて美しい物語です。
夢野久作を想起させる不思議な世界を、是非お楽しみください。
さて、お次はオルタニア初の絵師さんゲスト、禅之助さんです。
(こちらはツイッターの固定投稿になっているもの。ステキですねえ。著書の表紙を描いてもらいたい作家が多いのも、よく分かります)
ツイッターでの投稿を見ていると、数々の商業作品を手がけてらっしゃるようなのですが、〈SNSなどで作品を発表しています〉という超控えめな自己紹介をいただいています。
奥ゆかしい方ですね!
Tumblerの作品ページをお持ちなので、現在のトップページをキャプチャにてご紹介。
実はぼくのSF作品『ケプラーズ5213』を題材にした〈ファンアート〉を描いてくださったこともあるのですよ。
さて、レギュラー執筆陣については表紙を見ての通り、波野發作氏、米田淳一氏、淡波亮作、山田佳江氏の4名です。
伊藤なむあひ氏は今回はお休みですが、決して原稿を落とされたわけではありませんよ。『49パラグラフにも及ぶリロの素晴らしき生涯(その半生)』の後半を楽しみにしている方、ごめんなさい。Vol.4での掲載に向けて、執筆は順調のようですから、もう少々お待ちくださいね!
今回もたいへん面白い作品が揃いました。
波野發作氏の『モノローグ・ワン』はアレのパロディかと思いきや、スピード感溢れる超快作です。
米田淳一氏の『或る会議の風景』は、ちょっと硬いタイトル、難しそうな始まりに反して、なんとあの超有名作品の前日譚というファン大喜びのエンタメ作品です。
淡波の『醜い腕』は、『痛みの見せる夢』連作の中でも異色の作品ですが、ストーリーの中ではとても重要な位置づけの作品です。
山田佳江氏の連載『詐欺師の鍵』も、いよいよ、いよいよ盛り上がっています!!
もう、早く発売したくてうずうずうずうずしている、編集長の淡波です。
ではまた!