今、新作を書いています。誕生日(今日)までに書き上げようともがきましたが、ちょっと体力の限界です…。週末までお預けにします。
その後は校正も待っているので、発売はまだまだ先。こちらで状況を少しずつ書いていこうかと思います。
新作はSFです英語でSci-Fi(サイファイ)。SFというより響きがカッコいいですねえ。かなり未来のお話で、地球を駄目にしてしまった人類が、遙か遠くの惑星に移住を目論むというストーリーです。「目論む」というところがミソですね。
今日はここまで。
Category Archives: 自作について
モバイル執筆
現在執筆している新作は、実は初めてMacだけで書いている小説です。これまでの作品は、大体半分から3分の2を電車の中で、愛用のiPod touchで書いていました。その時に使っていたメインのテキストエディターが、これ。PlainTextです。基本的にはフリーですが、フリー版には広告が表示されます。アプリ内で「広告なし」を購入すれば、少しだけ画面を広く使えますね。
このアプリの特徴としては、シンプルで余計な機能がない。これ、Mac用ワープロの選択基準と同じですね。(ワードは本当におせっかい過ぎて、最低のワープロだと思いますよ!)
便利なポイントとしては、DropBox連携があります。まあ今どきは増えましたが、これを使い始めた当初は、途轍もなく便利なことに思えました。何しろ、電車の中で書いていた原稿が、家に帰ってMacを開いたと同時に同期されるのですから、すぐに続きを書き始めることができるんです!
もう一つは、フォルダで整理できること。しかもどんどん入れ子にできるので、小説/さよなら、ロボット/第8章〜というような整理ができて便利です。
さて、ではどうして新作ではこれを使わなくなったかというと、最も大きな理由は四十肩。やはり小さい画面でちまちまとキーボードを打っていると、手が非常に疲れます。『壁色のパステル』執筆後に、初めてひどい四十肩になりました。それでもその時はiPod touchで書くことを諦めず、新兵器を用意しました。
7 note miniです。上の画像は指で入力したところですが、タッチペンでの入力が非常に便利です。小さなキーボードと違って、手書きで大きく字を書けるので、肩の疲れは随分減りました。『さよなら、ロボット』の半分くらい、これで書いたかな。PlainTextも使いましたが。
こちらは、インターフェイスと変換効率がかなり優れています。どんどん書いていくと、するすると勝手に文字変換されていきます。入力に慣れれば、丸々一行以上書いても、誤変換が全くなかったりします。自分の字の癖を覚えさせるまでは、似たような字どうしをかなりごっちゃにしてくれますが。
残念な点は、フォルダ機能がないんです。保存したファイルがずらっと並ぶだけ。まあ、このアプリで小説を書く人はあまりいないのでしょうが…。また、DropBox連携や同期機能がないんです。今、再度調べてみたらEvernote連携機能がありました。知らなかった。有料オプションですが。
もう一つ、これは欠点というより使い方と視力の問題なんですが、手書きの字の形から類推して変換するので、意味のまったく違う、形だけ似た字に変換されることが結構あって、しかも全然気が付かなかったりするんです。例えば、ロ(ろ)と口(くち)。こうやって書いてもそっくりですね!
『さよなら、ロボット』を書いていて、何箇所も“口(くち)ボット”となっていたのには参りました。
『孤独の王』でも、この7 note miniをかなり使いましたが、やはり後になって校正で苦労する原因の一つになってしまいました。
これを書こうと思って書き始めた記事なのに、書くのを忘れていたことを思い出しました。
—> モバイル執筆の最大の弱点とは!?
画面が小さい。これに尽きます。原稿用紙でいうと、一枚の半分程度しか同時に表示できないですものね。縦位置だとキーボードが小さ過ぎてミスタッチも多いので、横位置で使ったりもします。すると…
書いている最中の段落以外は何も見えません。集中していても頭の中に先の構成が組み上がっている時はいいのですが、シーンシーンをばらばらに書いていたりすると、もう、前後関係が何も分からなくなってしまう。電車の中で細かくスクロールして見ても、目がちらちらして疲れるばかり。(動体視力0なんです)
それで、書いたテキストを最終的にMacに持っていってから、大変な思いをして組み直したり、気付かずに書いてしまったストーリーの酷い矛盾を修正したりで、これ、せっかく通勤時間を使って書いた意味がないんじゃないの? なんて思ったりした訳です。
長くなりました。次は、モバイル校正について書こうかな。
ワードプロセッサー
執筆用に使っているソフトウエアについて。直近の『孤独の王』まで、ずっとEG Word Pureでした。MacOS8の頃から16年間も使用してきました。何といってもEG Bridgeの変換効率は最高で、これはEG Word Pure購入の更に前、Macを使い始めた1990年(!)から追随するものがないほど。
EG Bridgeは同じメーカーのEG Wordとはとても相性がよく、全ての文章はこの組み合わせでずっと書いていました。ただ、EG Wordを開発していたエルゴソフトが2009年には解散してしまったので、私のPureはRosettaアプリ対応のOSX上、つまりSnow Leopardまでしか動きません。
昨年暮れに新しいMacBook Proを購入し、OSはMavericksに。いよいよ、執筆のための環境を大きく変える必要が生じたのですが、EG Wordで書いた文書のファイルは他のソフトと全く互換性がありません。これまでの小説や詩、取っておきたい文章など、pdfに書き出して保存しましたが、もしこれらにまた手を入れたいと思ったら、大変ですね。
そこで、置き換えるワードプロセッサの条件は?
・縦書きでサクサク動く
・シンプルで余計な機能がない
・かわせみ(EG Bridgeのエンジンを後継している変換ソフトがあるのです)が使える
・Kindle形式に変換しやすい
・文書に互換性がある
と、こんなところでしょうか。
縦書きワープロについて色々と調べましたが…ないんですね、Mac用の縦書きワープロって!
最終的に選んだのが、以前からフリー版を使用していたiTextのプロ版、iText Pro9です。名前にちょっと古臭さがありますね。何でもかんでも頭に「i」を付ければいい、という時代の生まれなんです、これが…。最新版のアップデートが2011年、Snow Leopardへの対応がどーんと謳われている、など、ちょっと不安もありましたが。
でもこのiText Proはいわゆるワープロではなく、エディタなんです。だからファイル形式も独自のものではなく、txtかrtf。rtfならルビも傍点も打てますし、フォントサイズや他の書式も設定できる。エディタだから置換機能や動作性に優れている、という利点があります。もしもiText Proが新しいMac OSXに対応しなくなっても、ファイル形式がrtfだからどんなワープロにでも持って行けます。これも利点ですね。そして、圧倒的な軽さ。瞬時に起動し、どんどん入力しても全くストレスがありません。かわせみもEG Bridgeゆずりで、何行も一遍に入力してから変換しても、誤変換が少ないのです。
先ほど、改めてiText Proのウェブを見ていて発見したことがあります。なんと、EG Wordと文書の互換性があって、画面同士のドラッグ&ドロップで書式付きの文書を行き来できるそうです。これは、試してみる価値がありますね、古いMacBookを起動して!
『孤独の王』を更新
7月に発売した『孤独の王』ですが、最近本を読んでくれた親しい友人が、何カ所かの誤りを指摘してくれました。一括検索置換による熟語の重複(Rubyタグが悪さをしていた!)や、漢字だったところを平仮名に変更したことによる変換間違いなど、校正終了後に入れてしまった修正で間違いが新たに発生してしまうという痛い状況。
こういった間違いを修正するのには、Text Wranglerが使いやすいですね。テキスト〜.epub〜.mobiへの変換途中ファイルであるxml書類をそのまま編集してしまうので、章ごとにファイルは分かれているし、html/xmlタグが無数に入った文書なので。
全て修正し、改訂第三版として、現在Amazonさんのレビューステイタスです。
追記:9月28日に改訂第3版発売、としましたが、9月27日中に公開ステイタスになりました!