Category Archives: 自作について

敗北宣言にはまだ早いぞ!

先月、価格改定の一週間後に、その影響について書いた記事(10/11『価格改定の影響をちょろっと報告』)があったけど、いつの間にかそれからさらに40日が経過していた。

ここでもう一度、価格改定の影響について書いておこうかなと。

実は、あの記事の直後、もうどうしようもないくらい本が売れなくなってしまったんだな。
あちゃー、やっぱり高すぎたかなぁ。あの記事の時はいろいろ別の要因があって売れただけだったんだなあ……。と、かなり落ち込むような状態でもあった。10月11日以降、10月いっぱいで売れたのはたった3冊。つまり、一週間で1冊だ。
《半分にはならない》どころか、4分の1にも満たない状態。そして、常時無料開始からも数ヶ月が過ぎ、無料本のDL数も徐々に下がってきていた。
自分の本を広める、とか、安っぽく見られないとか、それどころじゃない気がしていた。とにかく早く新刊を出さなきゃ、という思いもあったけど、本業が笑っちゃうほど忙しくて、それも完全にストップ状態。
何も手を打てずに時間だけが過ぎてしまったのだ。

ただし、KENPCだけは伸びた。価格が高い分、やっぱり無料で借りられるメリットを感じてもらえるのだろう。
9月の既読数を基準(1)とすると、
10月:2.77
11月:4.45(11/22まで)
 という大幅な伸びを見せてくれたのだ。
しかも、1ページも読まれない日が1日もないという嬉しい状態。これは価格効果なのだろうな、というのが正直なところ。

10月を終えた時点で、まあ売れなくても読まれればいいか、とも考えたくなったけど、やっぱり売れないのは淋しい。

それが、最近になってなぜだか変化した。もちろん、特に理由が見当たらないのでたまたまかもしれないけど。今月の売上げ数が本日時点でほぼ9月に並んだのだ。半分どころか、ね。
(もしかして、“ぽっきゅん”効果?)

これで売上げ倍増?
というと、そうでもない。売れる本の半分は価格があまり変わらない短編だったりするし。
でも、『孤独の王』の売上げが9月と同水準、しかも最高額(850円!)の合冊版もとうとう売れたんだ(1冊だけどね)!

だから、これはもう敗北宣言をする必要はないんじゃないかな、と、思い始めているのだ。
今のところは、ね。

しかし、金額で言えば、まだ自分の小遣いにも遠く及ばないのだ。
家計を助けるとか……、夢は遠い──。
(遠い目で)

これからもまたどんどん書いて、どんどん活動して行くので、見守っていてくれると嬉しいな。
(誰に言ってんだろ……)

じゃ、また明晩!

無料キャンペーンと常時無料の差は?

ちょうど同じ時期に出した本で有料のものとプライスマッチによる常時無料の作品がある。同じシリーズを構成する作品だから、文章のボリュームもテイストも似通っているし、ジャンルも同じだ。その中でも、雰囲気の近い作品同士を比較してみようと思う。

無料作品:
『夜啼く鳥』
『プロテイン・パック』
『段ボール箱の中の人形』

同シリーズの有料作品:
『完全なテロメア』
『可愛くてしかたがない!』
『フローラ』
『サタンと呼ばれた男』
『五感の嘘』
『希望の船』
『未来からの伝言』

傾向は読み取れない?
傾向は読み取れない?(グラフはAmazonと楽天での合計DL数。有料・無料混在)

 
1.『段ボール箱の中の人形』VS『サタンと呼ばれた男』

ちょっとダークっぽいテイストで、かなりエンタメに振った両作品。
この2冊は第6巻と第7巻なので、10日違いでの発売。だからほぼ同時期に無料キャンペーンを行なった。段ボールは2月末から月またぎだったので、キャンペーンでの合計数はサタンの1.5倍ほどあったということになる。そのキャンペーンで読まれたものが割と好評で、段ボールについてはその後も有料版がちょぼちょぼと売れることになる。サタンについても(グラフでは見えない程度だけど)、まあ、ちょぼちょぼとは出ていた。
そして7月のプライスマッチ発動。段ボールはDL数をぐんと伸ばしたけど、サタンはちょぼちょぼのまま。ここで無料キャンペーンを打てばその違いが分かったのだろうけれど、《有料で買った人がいるのに、その後で無料にするのは失礼だ》という方針にしたため、キャンペーンはしないことに。
結果として、段ボールはサタンの数倍DLされているということになった。ま、当然だよね、ずっと無料なんだから。

2.『プロテイン・パック』VS『希望の船』

どちらも見るからに未来のSF。ちょっと懐かしい感じの雰囲気も共通している。
希望の船は無料キャンペーンとしてシリーズ中で最高のDL数を記録。しかし、その後は超低空飛行だ。一方でプロテインは、常時無料作品の中でDLは低い方だ。だが、11月現在まででは(このグラフにはないけど)、ほぼ希望の船と同数のDLを記録している。もちろんこれからも無料が続くのだから、近いうちに抜いてしまうのは間違いない。

■一つの簡単な結論:
読まれたいなら(積まれるだけかもしれないけど)、無料キャンペーンより常時無料。常時無料を続けることによって、DL数がTwitterでのフォロワー数、ブログの読者数を大きく上回ることになる。これは、いわゆる《電書クラスタ》《インディーズ作家クラスタ》以外の読者に、本が届くことを意味するんじゃないか?
無料キャンペーンで数百冊DLされたとしても、それはたった五日間の出来事に過ぎない。だから、《電書クラスタ》《インディーズ作家クラスタ》にくまなく行き渡って、つまり元々自分を知っていた人に行き渡って、それで終わる可能性が高い。読者層を広げるためには、やっぱり常時無料作品を複数用意しておくことが重要なんじゃないか、な。

■もう一つ、あるとしたら:
絶対数が少ないのでグラフからは読み取れないけど、無料キャンペーン後〜5月までと、常時無料開始後の有料作品DL数同士を比較すると、概ね同じ月数でも常時無料開始後の方が約1.6倍多く購入されている(価格アップ後を含めてもね!)。
無料キャンペーンを定期的に行なっている場合、「また無料になったら落とせばいい」という気持ちが、読者のなかにあるのではないかな、とも考えられる。
僕は「発売直後以外はもう無料キャンペーンをしないよ」と宣言しているわけだけど、それをどれくらいの人がご存知なのかは全然分からない。
それでも、《無料の作品は常時無料、有料のものは新発売の時だけ無料キャンペーン》という方針を取ることで、有料のものをきちんと買ってもらえるような気が、しないかな?

まあ、はっきりとした傾向はないし、半ば強引な結論、しかも較べなくても分かるようなことだけど……。

もし、どなたかの参考になれば嬉しいな。

では、また明晩!

『孤独の王』について、ちょっとまとめてみた

盛大ネタバレ注意。でも、ネタバレの上で読んだ方が安心して読み進められるかもしれません……。
(今日はですます体です)

まずは、Twitter上でいただいた感想など、貼ってみましょう。最近のもの、と思ったのですが、この1ヶ月で感想をくださったのはお二人だけでした。ので、ここ半年くらいに期間を広げてみますね。
では、古い方から並べますよ。

まずは、『キミコロ』の藤崎ほつまさんから!
(今さら済みませ〜んw)

(この頃までは自分も記憶違いをしていたのだけど、正確には(?)1,232枚というボリューム)

(繰り返しの説明を多めにしたのは、長い時間をかけて読む人が忘れてしまわないようにという考えでした。藤崎さんは一日で読了なさったので、より、重複感があったのでしょうね!)

藤崎さん、ありがとうございます!

お次は『青き国の物語』の平沢沙里さん。

そして、平沢さんが読み終わる前に『ターンワールド』の牛野小雪さんがブログに感想記事を書いてくださいましたね! (こちらは完全に結末まで触れてますので、、)

平沢さんが読み終わってくださり、ブログに感想記事をば。

次はインディーズ作家ではない方から、最近です。

星三つ、ってどうなのかな? と最初は思いましたが、この方の感想をいろいろ読ませていただくと、結構辛口が多く、三つだったら褒めてくださってるんだなぁ、と勝手に解釈したのでした。
普段関わりのある方以外からの感想がとても嬉しく、ちょこっとやり取りさせていただきました。ありがとうございます。

(そうです。本日の記事は、この方からいただいた感想が一つの切っ掛けだったのです!)

では次、行きましょう。 『要約 武士道』など、古典の現代語訳を手がけてらっしゃる水上基地さんです。 ブログに書いてくださいました。

僕自身が書いたこんな解説記事も思い出しましたよ。
『淡波ログ:パラドックスの面白さ(?)』


 

さて、もうほとんどの方はお腹いっぱいかと思いますが、ここからが本題ですよ!

これは、本編を読み終わった方用に《あとがき》として書くようなことなのですが、これを知って読むと理解が深まるかもしれないなと思いつつ、冒険してみることにします。
でも、ネタバレが嫌な未読の方は、読まない方がいいかもしれないません。
騙される悦びというのも読書の楽しみの中で大きなものですから……。

『孤独の王』は、普遍的な歴史を扱った話です。

謎の美女と少年、賢いおじいさんというお膳立てに、穏やかで優しげな雰囲気で幕をあけるけれど、夢いっぱいのファンタジーでは決してない。
全然、ないのです。
(ベルセルクよりダークだと言われて苦笑い)

どんなに繁栄を極めても、崩壊しない文明は決してありません。歴史上、亡ばなかった文明は存在しないですよね。今、存続している文明だって、単にまだその時期が訪れていないからに過ぎないのでしょう。

当初から、本の内容紹介ではこううたっています。
《滅亡した古代王国》
《その最後の数十年を辿る物語》と。

《悲劇》というキーワードを書き加えたのは最近ですが、どうもハッピーエンディングを期待して読まれてしまう傾向もあるようなので、変な形で読者さんを裏切りたくはないな、と思っての処置なのです。
《滅亡》という言葉を忘れてしまった読者さんのために、ね。
もちろん、意図的にギャップを拡大させるためのミスリードをしてるわけでもあるのですが。

そしてこれは、現代の日本を扱った話でもあります。

悪政を敷く王は自民政権、《羽ばたける自由の民》は野党、ジュノレア姫は自民造反組だと、簡単に読み替えられるようにできています。

表向き主人公のセニーロくんは、希望に胸を膨らませて立候補した若き政治家。きっかけはどうあれ、現実と向き合い、やがて何かに染まってゆきます。政権を奪取したまではいいけれど、血で血を洗う政争の果てに、というよりは己の愚かさのせいで、追い落とされる運命にあるわけです。

鎖国を敷く内向きなティオル王国は、多神教というかアニミズム信仰を持ち、一神教世界の侵略によって滅びます。これを日本に当てはめると……そこは想像にお任せしますけれど。

このまま行くと日本は……ってね。

そう考えるとごくごく簡単でスタンダードな構造なのですよね。

さて、かなり反則技なこの解説をどう読んでいただくかは、あなた次第。

未読の方、お待ちしてますよ〜!

年末にかけてのリリースなど予定を少々

これからのリリース予定をちょっとだけお知らせしておこうかな。

まずは、例のやつ。

『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』は12/6頃の刊行予定。
それまでに、主題歌をサウンドクラウドで公開します。します。絶対します。──きっと。
『ルルルとリリリ』は同じ頃、ここで連載開始予定。

それから、初めての詩集(こっぱずかしい?)『猫になりたい』も年内に刊行予定。
タイトル作の『猫になりたい』は、淡波ログでは5篇載せています。これは、今のところ全10篇の予定で書きためています。

そしてもう一つ、これは間に合えば、ですが、短編集『光を纏う女』を刊行予定。
あ、ご存知の人はご存知ですね。月刊群雛に初めて掲載していただいた短編、僕の初めての“完全に”大人向きの小説である『光を纏う女』を中心に、全3話の短編・掌編集になる予定です。
群雛掲載時は結構評判が良かったのですが、きっと、未読の方が多いのだろうなあと思います。この機会にぜひ、“大人向けの淡波”を味わっていただきたいなあなんて、思っているわけで。
そしてもし気に入ってくれたら、雑誌の群雛にもぜひ手を伸ばしてみて欲しいな、と。

さてさて、どこまで実現できるかな?
連載も含めてこれからあと4冊出すだなんて、ちょっと欲張りすぎだろうか──。

じゃ、また明晩20時にお会いしましょう!!

のろ過ぎる、のろ過ぎる/新作の執筆状況など

知っている人は知っている、『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』の続編、『ルルルとリリリ』を現在執筆中だ。

これまではだいたいの粗筋と結末を決め、ストーリーと空間構成を決めたら、すぐに書き出していた。書いているうちにどんどんどんどん枝葉が広がったり横道にそれたりしても気にしない。結末は決まっているんだし、主人公たちが生きている空間(時代、時間、国や土地)は決まっているのだから、それほど話が変な方向へ行くこともなく、何となく、ちゃんと収束してくれていた。

でも、針とらさんのお書きになった『ぼくのかんがえたさいきょうの小説プロットの書き方!』を読んで、もう少しプロットというやつに注力した方が良いんじゃないかと考えたのだ。

そこで、今書いている『ルルルとリリリ』は、いったん書くのをストップして、きちんとしたプロットを組み立てようとしてみたのだ。
これが結構ハードだった。休みの日を丸2日以上は潰したかな。粗筋も結末も決まっているはずなのに、ぼんやりと考えていたストーリーをちゃんと順序立てて章立てとして整理し始めたら、何だか未解決のストーリーの穴が、たくさん出て来たのだ。
いつもはそれも書きながら少しずつ発覚するので、書きながら何となく解決するような感じだった。
今回、きちんとしようとし始めると、案外難しい。
全てのエピソードがちゃんと意味を持って繋がっていなければならないし、未解決のストーリーの穴は、全て塞いでしまわなければ気持ち悪い。
すごいエネルギーが必要だった。執筆するよりずっと疲れてしまう。

まあ、でもその注力のお蔭で、物語の全体のボリュームもだいたい見えてきたし、悩むことなく、考え過ぎることなく、どんどん筆が進むような気が……していた。

して、いた。のだった。

実際に書き始めると、プロットはプロットに過ぎず、やっぱり書くことこそが物語に血肉を与えるという事実に変わりはなかった。

しかも、だ。プロットを書き慣れないからなのか、1章分のつもりで組み立てた筋がどんどん膨らみ、3章にも4章にもなってしまう。かと思えば、思ったほど書き込むことがなくて、1章分には足りなかったりする。普通の小説だったら別に1章あたりの文章が多かろうが少なかろうが気にしないのだけれど、今書いている『ルルルとリリリ』は、『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』に続いてこの淡波ログでの連載として考えているのだ。
1章あたりだいたい2枚〜3枚のボリュームを標準としているので、あまり多かったり少なかったりすると連載を読んでくださる読者さんが読み難いものになりそうだ。
でも、まあまずは書き切ることが第一なので、どんどん書き進めている。
プロットをきちんと書いたことが本当にプラスになっているのか、時間を無駄にしただけだったのか、それはまだ分からない。

でもきっとね、途中で行き詰まってしまうようなことはないんじゃないかと思うんだ。一応、全ての穴は解決済みだから──今のところね──。

全体では40〜45章になる予定で、現在は20章を書いているところ。書き始めてしばらくは調子が出なかったけど、プロットができあがってからはスムーズに書けているような気もする。

来月の連載開始まで、あと三週間。
さてさて、開始時点でどこまで書けているのかなあ──。

じゃ、また明日!

『ぽっきゅん』に参加して見えてきたこと

ユーザーランキングを見てまず気がつくのは、自分の《積ん読》の多さだ。
淡波亮作:気になる4,持ってる56、読んだ59

一目で《読んだ/積ん読》比の高いことが分かる。数字でいうと、比率は1.05だ。周囲のユーザーを見ると、自分の積ん読本比率の高さが目立っている。

そしてもう一つ、もっと重要なのが、《積んどかれてる本》の多さ。
僕の著書をサーチしてみると、こんな数字が見えてくる。(2015年11月8日現在)

■無料本
壁色のパステル:気になる1,持ってる1、読んだ1
さよなら、ロボット:気になる1,持ってる2、読んだ2
奇想短編集 そののちの世界
 1 夜啼く鳥:気になる0,持ってる3、読んだ1
 5 プロテイン・パック:気になる0,持ってる1、読んだ1
 6 段ボール箱の中の人形:気になる0,持ってる2、読んだ3
孤独の王 第一部かけら:気になる0,持ってる2、読んだ4

■有料本(高価な部類)
孤独の王(合冊):気になる0,持ってる1、読んだ2
ケプラーズ5213:気になる2,持ってる3、読んだ3
奇想短編集 そののちの世界:気になる0,持ってる1、読んだ2

孤独の王 第二部別離:気になる0,持ってる3、読んだ1
孤独の王 第三部赤い影:気になる0,持ってる1、読んだ1

■有料本(安価な部類)
奇想短編集 そののちの世界
 2 完全なテロメア:気になる0,持ってる1、読んだ1
 3 可愛くてしかたがない!:気になる0,持ってる3、読んだ1
 4 フローラ:気になる0,持ってる1、読んだ1
 7 サタンと呼ばれた男:気になる0,持ってる2、読んだ3
 8 五感の嘘:気になる0,持ってる1、読んだ1
 9 希望の船:気になる0,持ってる1、読んだ0
 10 未来からの伝言:気になる0,持ってる2、読んだ0

簡単にまとめるとこんな感じだ。

無料本:気になる2,持ってる11、読んだ12
有料本(高価な部類):気になる2,持ってる9、読んだ9
有料本(安価な部類):気になる0,持ってる8、読んだ7

合計の《読んだ/持ってる》比はちょうど1.0、つまり積んどかれている本と読まれた本が同数なのだ。

まあ、はっきりとした傾向を読み取れるほどのサンプル数はないけれど、
1.他人の本を積んでおかないでどんどん読んでる人のほうが、著作を読まれてる(気もする)
2.長い本、短い本、無料の本、高い本では、それほど積ん読傾向に差はない(気がする)

ただし、例えば根木珠さんの掌編のように際立って短い作品には《積ん読》がほとんどなく、《読んだ》比率が100%に近い。きっと、DLしたらすぐに読んでいるのだろう。もちろん、面白いし。

これ、一つの大きなポイントではないかと思っている。

自著を無料で配布するのは、読んで欲しいからだ。気軽にDLして、読んで、気に入ってくれたら有料本にも手を伸ばして欲しいと思うからだ。しかし僕の著書の場合、無料本も有料本も《読んだ/持ってる》比に差はない。もちろん、有料本を《積んでる》ひとの多くは無料キャンペーンで手にしたのではないかと思うし、読んでくださったひとの多くはお金を出して買ってくださったのだろうと思う。
ということは余計、《無料でDLしたちょっと長い本は取りあえず積んでおく》傾向が高いのではないかと推論せざるを得ない。

読んで欲しいから無料にする。

無料だから気軽にDLする。
特に長い本はおトクな気がするし、どんどんDLする。
でもさらっと読むにはちょっと長いから積まれてしまう。
無料で持ってる本があるから、取りあえず有料本には手を伸ばさない。
これは負のスパイラルかもしれない……。

ドアオープナーになるような、もっと短くて読みやすい無料本を用意する方がいいかもしれないなあ──。
なにしろ、まずは読んでもらわないことにはねえ──。

と、そんな感覚を得たような気がする、淡波なわけです。
(ちょっとだけ、ね)

『そののちの世界』の短編ですがね、前半の5冊はホント短いんですよ、マジ、15分で読めるんだから。ね、積んでるそこのお兄さん、お姉さん、読んでみてくださいよ、後悔させませんから、ねッ!

さ、おあとがよろしいようで────。

では、また明日!

BCCKSに挑戦したけど──

いやあ、選んだ本が悪かった。別に、BCCKSさんのせいじゃない、とも思うけど、まあ編集しづらいのは確かだな。

ということで、今日の愚痴ツイートを並べてみよう。

まずは順調に開始!

サクッと公開完了。
──が。


(注:リンク先に本はありません……)

こんなことが起こり。

徐々に暗い気持ちになっていく淡波……。

その暗さが行き場のない憤りに変わり──、

ちょっと反省。


そうそう、データはちゃんと保存されていた。でも分かりづらいよね。

引き続き挑戦しつつも、《HTMLなどのタグを知らなくてもブログ感覚で簡単に編集できる!》というコンセプトに足を掬われる。
何とか自分なりのやり方が見つけられそうになってはきたが、何しろ全て手作業でやり直す必要が生じてしまった。cssで字下げしたり、文の途中で中央揃えにしたり、訳注リンクを埋めている部分など、全てが失われてしまう。
ようするに全文を見直す必要があり、これはちょこっと隙間時間にできるような作業では全然なくなった。

うーむ。

残念ながら、『孤独の王』については当分BCCKSには載せられないなあ。
今度、短編で挑戦してみよう。

そんな、今日の淡波状況──。

ではまた明日!

猫になりたい──5

じゃみじゃみなのか
しゃりしゃりなのか
かりかりかもしれない

仕方ないから
あれをもらいに行こう

警戒しながら
それでも少々
愛想を振りまきながら

しゃかしゃかの
のろまだったら
すぐにでもパクリとできる

でもこんな朝は
そんな気にもなれない

どっちが美味いかって?

そりゃ
しゃかしゃかの
のろまだよ

でもこんな朝は
とにかく腹いっぱい
じゃみじゃみでも
しゃりしゃりでも

この際、
かりかりでもいいんだ

腹がふくれたら
ぱたぱたのやつらをもう少し
じっくり観察してやるんだ

今度は
逃がさないぞ




お茶の間のアイドル、ネコのミーム。人気はCMに始まり、ミームをあしらったチョコレートは飛ぶように売れ、テレビもネットも可愛いネコで溢れていた。さらにどういうわけか、時を同じくしてハリウッドからはネコが主役の映画が同時に2本も届けられた。世界は、ネコの一大ブームに沸いていたのだ。
降って湧いたネコブームに乗り、俺の会社もついにネコ業界へと乗り出したらしい。街を散歩する犬の姿が眼につかなくなった頃、世界の歯車は、大きく狂い始めたのだった。

で、どうして最近の淡波は詩ばっかりなのか? -2

《前向きなほうの(?)理由》
そうやって公開したそれらの詩は、ちゃんといつものアベレージ程度のビュー数を稼いでくれた。ちゃんと、一見さんを招き入れてくれていた。
しかも、これは《日々の何となく》を書いただけの記事じゃなく、これを気に入ってくれれば小説作品の購読にも繋がるかもしれない記事だ。

これは、ひょっとして一石二鳥なんじゃないか?
そう思ったとしても不思議はない。

そう、僕は気が付いた。
これは、作品だ、と。

《詩》といっても、多くは歌を書こうと思って途中まで書いた歌詞だったりして、《詩》を書こうと思って書いたものはあまりなかった。
だんだんそのストックも減ってくると、新しい記事を書く必要性が生じていた。

そうだ、じゃあ新しい詩を書こう。そう思った。どんなにまともな状態の思考ができないくたびれた脳味噌であっても、詩なら書ける。
詩は、頭で書くんじゃない。心で書くのだ。心さえ健全であれば、自分らしい詩が書ける。

寝ていなくたって、倒れそうだって、書ける。
そんな自信があった。
心の奥から染み出してくるいろんな感情を、言葉を、僕は吐き出し続けた。

書き直しも見直しもしない。溢れ出てきたものを書き留めるだけだ。ロジカルである必要も、起承転結を考える必要も、誰かに喜んでもらえるか、役に立つかを考える必要もなかった。

詩は、僕であり、作品であり、排泄物だ。

これまで、セルフ作家の方達が読んで役に立ちそうな記事を書こうと努めてきた。でも、それが本当に誰かの役に立つかどうかは分からないし、少なくとも自分の作品を《一般の読者に》広める役には立たなさそうだ(立っているのかもしれないけど)。

もっと、自分の作品を読んでもらいたい。
これが本音だ。当然だ。そしてそのための方法が、一つ増えたのかもしれないと思った。

《もう一つ》
このブログの読者は、半数以上は検索から来ている。固定読者は案外少ない。
しかも、その多くはCG関連、Mac関連、iOS関連の検索語だったりする。小説関連の検索語で来る人はまれだ。
(でも『山彦』で検索してくるひとが結構いるんだ!)
そんな人たちが僕の作品に眼を留める切っ掛けになるのは、やっぱりこの場所に載せた作品なのだと思う。それも、短くて読みやすい作品。

一つの答えが『フックフックのエビネルさんとトッカトッカのカニエスさん』だったわけだけど、《詩》というのが一つの選択肢としてあってもいいんじゃないかと、今は思う。
まあ、詩ってとてもニッチで、興味のない人が大半じゃあないかとは思うけどね。それでも、検索してきたサイトに変な詩が載ってて、それが短くて読みやすければ、ひょっとしたらちょっとだけ読んでくれるかもしれない。
これが、セルフ作家オンリー向けのノウハウ記事だったら、どうだろう?
今月のKENPCがどうだとか、さ。
もちろんそれも重要だし、やめるつもりも全然ない。少しでもセルフ作家さん(=仲間!)の役に立つ記事が提供できれば、それはとても嬉しいことだし。

でもね、少しだけ、自分の作品に眼を留めてもらうための小さな作品を、載せる機会を増やそうかな、なんて思ったりもする訳で。

今後も、詩や小品を載せていこう。と思う淡波でした。

じゃ、また!

で、どうして最近の淡波は詩ばっかりなのか? -1

前向きな理由と後ろ向き(?)な理由が一つずつ。

《前向きでないほうの理由》
本業が忙しすぎて、いつも脳味噌のどこかが死んでいた。とてもじゃないけれど、論理的な思考なんか、できる状態ではなかった。
そこそこ書き進めている長編の続きを書くのであれば、まあそんな状態でもなんとか書けたかもしれないけれど、まだ書き始めたばかりの話じゃあどうにもならない。これからどんどんイマジネーションを広げながら前後の脈絡やエピソードのつながりなんかを考えて、と思うと、こんな肉体と精神の状態で小説の執筆は無理だった。
それでは普通のブログ記事ならどうなんだ、というと、これまた意外に論理的な思考が必要なのだ。僕は記事を書くとき、何度も何度も読み返して書き直している。たった千字の記事を書くのに2時間もかかったりすることがしょっちゅうある。

せっかく毎日更新を続けて来たんだから、このまま続けたい。仕事が忙しいとか、言い訳したくない。
そこで考えた。働かない頭で。

苦し紛れにある日、書きためていた詩の1篇を載せてみた。当然、過去に書いた《出来上がった作品》なんだから、もう書き直す必要はない。
DropBoxに保管してあるテキストファイルを開いてコピーし、Wordpressにペースト。公開設定をして自動ツイートを書き込めばオッケーだ。これを、書き溜めていた最後の普通の記事を載せる前の日に、載せてみた。

それからあっという間にまた2日が経って予約投稿した記事はなくなり、いよいよ諦める時が迫っていた。もうダメかな、と思い、こんなことを呟いた。

そうしてまた、苦し紛れに詩をコピペした。それから、たまたまDropBoxに放り込んであった過去に書いた文章を載せてみた。
→これは、悪い記事じゃないと思うよ。ちょっと湿っぽくて青臭いかもしれないけど、セルフ作家さんやクリエイターさんを勇気づけてくれる言葉だから。

どちらにしても、その週はまともな記事を書くだけの余裕が脳味噌になかった。徹夜、泊まり込みの連続で、週に2度しか家に帰らないような生活だったのだ。土日も全く休めなかった。電車に乗っている時間にブログの更新を1週間分仕込まなければ、毎日の継続が途切れてしまう。
僕はコピペした。過去、書き貯めてあった詩を、どんどんコピペした。

<明日へ続く>