入門書を書く以上、自分にとって当たり前だったことも常に疑わなければいけないということを痛感した朝でした。
本日のタイトルを見て、「あ、それ知りたかった!」と膝を叩いたBlenderユーザーがいるかもしれませんね──。
現在Blender99の8巻を執筆開始した状況ですが、7巻の初期設定ページに大きな追記を行ないました(本日、1.1版として改訂予定)。大きな改訂とも言えないため、恐らく再配信は叶わないと思います。お困りの読者さんのために、追記した部分をまるまるこちらに掲載させて頂きます!
──以下、Blender99シーズン1.5、7巻の序章から抜粋したものです──
そしてもう1点、レンダリングして画像を保存する時に重要な設定について記載しておきます。次の図をご参照下さい。
これまでにも、Blenderで画像を作成した時に《真白が真白にならない!》と困ってしまった読者さんがいるかと思います。その原因が、図にある「Color Management(カラーマネージメント=色彩管理)」の問題です。
詳しく解説を行なうと1章分を費やすような内容になってしまいますため、ここでは設定の説明のみとさせて頂きます。
Renderプロパティ(デジカメアイコンのタブ)で、Color Managementの設定はいちばん下にあります。初期設定では「Filmic(フィルミック=フィルム映画調)」になっています。これは、内部的にディスプレイでは表示出来るより遥かに幅広い明るさの領域を持っているBlenderの計算結果を「より現実世界の見た目に近く合わせる」ための設定です。
人間の目は非常に高性能なため、明る過ぎる色や暗過ぎる色を自動的に調整して「自然な見た目」を作っていますが、Filmicによってそれに近い見た目を実現してくれます。
いっぽうで、イラストやマンガ、デザインなどの用途でレンダリング画像を使いたい時には、これが足かせになってしまうことがあります。図にあるキューブのように、意図したとおりに色や明るさが再現されないからです。これをマテリアル設定そのままの色にしてくれるのが「Standard」です。ただし、「明る過ぎる色・暗過ぎる色・派手過ぎる色」が表示可能なレベルを超えていても未調整で保存されますので、「不自然な色飛び」が発生しやすくなります。
Filmicでは空気感のある美しい絵を作りやすいいっぽう、Standardではデザイン意図どおりのレンダリング色を得られます。
この初期設定はどちらが正しいということではなく、画像を作る目的によって使い分けるものです。レンダリング後、画像を保存する時に変更するだけで反映されますので、いったん画像を保存してみてから変更してみるという使い方もアリでしょう。
何を隠そう私もColor Managementの導入時には戸惑ってしまったユーザーの一人です。まさかそんな気の利いた設定がデフォルトになっているとは気が付かず(!)
この初期設定がCG画像作りの助けとなると良いのですが……。
以上です。
では、本日はこれまで。
Happy Blending!!