【Blender-99 絶対に挫折しない3DCG入門 -07 ビューポート操作で3Dの森へ分け入ろう!】
(本記事は連載時の内容を抜粋したものであり、電子書籍の内容とは異なります)
さあ、いきなり知らない言葉が出てきましたよ、〈ビューポート〉ってなんでしょう?
Blenderの起動画面を見てみましょう。
みなさん、ご自分のパソコン画面とだいたい同じ見掛けになっていますよね?
この中に、ビューポートと呼ばれる領域があります。
実際に3Dの形(Object=形状)が表示されている部分を、3D Viewport(ビューポート=表示域)と呼びます。
Blenderは、操作時にショートカットキー(アルファベットや数字など、キーボードのキーを押して機能を呼び出すもの)を多用します。マウスカーソルの表示されている場所によって、ショートカットの効き方、内容が変化しますので、今、マウスカーソルがどこにあるかが大事なポイントです。
3Dの操作をするためのショートカットキーを使用するときは、このビューポートにマウスカーソルがあることが重要なのです。
Blenderの初期画面について、名前と機能を簡単にまとめておきましょう。
1. 全体のメニューと状況表示
いちばん左を見ると、「i」というアイコンがあります。いかにも「インフォメーション」という感じですね。
実はBlenderの画面構成は自由自在にカスタマイズ出来るので、ここも替えてしまえます。でも、ここはそのまま使うのが賢明。常に表示されていて、ファイル関連の機能を使ったり、現在のポリゴン容量を確認したりします。
画面構成のプリセットもあり、用途によって使い分け出来ます。でも、まだ触らないほうが良いでしょう。標準のままで自分のやりたいことに合わせてちょっとずついじれば良いので。
2.ビューポート
正確に言うと「3Dビューポート」。
初期状態では、キューブが一つ、カメラ(黒い三角のついたもの)が一つ、ライト(照明、黒丸に二重点線囲み)が一つあります。
XY平面上には、長さや大きさを分かりやすくするためのグリッド線が描かれています。
3.ツールバー
左隅を見ると、タブがたくさん並んでいます。ここで、必要に応じて各種のツールを切り替えられます。
このツールバーは、3Dビューポートに付随するものです。3Dビューポートのツール群ということになります。
おいおい、深く見ていきます。
4.モードごとに変化するメニューと機能群
現在は、3Dビューポートで様々な機能を操作するときのメニューが並んでいます。
左隅にあるキューブのアイコンが、2〜4のパネルを3Dビューポートとして表示させている切り替えボタンです。
ここをクリックすると、画面を切り替えられるメニューが出ます。
全ての機能を全ての場所に割り振ることが出来るのですが、混乱するだけなので、まだ触れないでおきましょう。
5.全体のプロパティパネル
わざわざ「全体の」と書いたのは理由があります。
今後使用する各パネルには、独自のプロパティパネルを持つものがあります。
3Dビューポートもその一つ。混同しないように明記しました。
(6.~8.抜粋版につき省略)
出来る限り簡潔に解説しようと思いましたが、すっかり長くなってしまいました。まだまだ、ほんの一部分しか紹介出来ていません。それだけ多機能かつ複雑なのが、3DCGソフトなのです。
では、マウスを使って、Blenderの3Dビューポートをいじってみましょう。(抜粋版につき省略:電子書籍版をご覧ください)
【左クリック標準の設定にしたつもりなのに、戻っているのは?】 Blenderの初期設定は、保存しないと消えてしまいます。それはまだ説明していませんでしたね。 初期設定を追えたら、左下にある「Save User Settings」をクリックして保存します。
これで自由自在に画面を動かすことが出来るようになりました!
作成したオブジェクトを、どんな方向からでも、遠くからでも近くからでも観察出来ます。
でも、うまく動かせなくて、キューブがどこか見えないところへ行ってしまいましたか?
大丈夫。そんなときは、「.」キー(ピリオドキー、「。」と同じ。句点のキー)を押しましょう。キューブの選択状態が解除されていなければ、キューブが画面の中央に戻ってきます。
え、それでもだめ?
もしかして、マウスの右や左ボタンを押しまくってしまいませんでしたか?
きっと、キューブの選択が解除されたり、ライトやカメラを選択してしまっているのかもしれません。
そんなときは、〈3Dカーソルをリセットする〉という裏技があります。
3Dカーソルというのは、Blenderでオブジェクトを作成したり、複数オブジェクトの位置を合わせるときの基準となるものです。通常は原点(X=0, Y=0, Z=0の座標)にあるものですが、必要に応じて適宜場所を動かします。
(これを駆使するのは、まだずっと先のお話)
この3Dカーソルは、右クリックすることで位置を変更するのですが、たまたま画面上で右クリックすると3Dカーソルの位置が移動してしまうのです。これをリセットする操作が、「Shift + c」です。もし3Dカーソルが画面上で見えなかったり遠い場所にあった場合は、この操作で原点に戻ります。と同時に、画面の中央に表示されます。
だから、何もかもがどこかへ行ってしまってわけの分からない状態になってしまったら、Shiftキーを押しながら「c」キーを押しましょう。
それで、解決するはずです!
え、それでもまだだめ?
さては、レイヤー切り替えのショートカットを押してしまいましたね。
前回の初期設定で「Emulate Numpad」をチェックしていない場合や、テンキーのあるパソコンの場合、文字キーの上に並ぶ数字キーはレイヤーの切り替えボタンになっています。
数字を押すごとに、そのレイヤーだけが表示される仕様です。
初期状態では全てがレイヤー1に入っています。
もし、不用意に2のキーや3のキーを押してしまうと、レイヤーが2や3に切り替わってしまうのです。
そんなときは、1のキーを押しましょう。
それでもダメな場合は、Blenderを終了させてもう一度起動しましょうね。
初期状態に戻るはずですから……。
もちろん、ファイルを保存しないこと!
今回は、基本のビューポート操作と最低限のトラブルシューティングを学びました。
次回からはいよいよ本当の3DCG制作に突入します。