今週の一枚─015/写真の嘘?

shirotsumekusa
はい、釣りタイトルですね。
もちろん、ちゃんと落ちはつきますが。

この写真は、ぼくの家の近所というか、目の前にある芝生。
今の季節、芝生は完全にシロツメクサに覆い隠されているんですね。で、写真の撮り方によっては、「どこまでも続くシロツメクサの草原」に見えるわけです。
当然、実際にそんなことはなく、シロツメクサで覆われているのはせいぜい100か200平米ってところでしょう。

「適度にアップにして上手くトリミングすることで、実際の何倍も広く見せることが出来る」という特性を活かした写真。これ、この場所を知っている人にとってはもう「騙し絵」レベルの写真なのです。
合成も色調以外の編集もしていないので、嘘ではないです。実際にある風景。
こんなところに行ってみたいなあと思わされてしまったあなた、そう、あなた。がっかりしますよ、来たら。
トリミング外はよその家のフェンスがあったり樹が立ってたり、もちろん、他の種類の雑草もたくさんはびこってます。しかも左側なんかは、アスファルトの道路ですから──。

この写真をFacebookに投稿したところ、友人たちからいろいろとメッセージが入りました。
「ダイブしたい」「すばらしい」など……。
きっと、ここに来たらがっかりするんだろうなあと思いつつ、「トリミングのマジックだよ」と種明かしをしてみたり──。

小説でも、こういう嘘を吐けたらいいなあと思ったりするわけです。
事実の見せ方を上手く工夫して読者に勘違いをさせておいて、後でひっくり返す。叙述トリックみたいな徹底的な騙しではなくて、もう少し柔らかい感じの騙し方。事実を知ったときに読者が嬉しくなるような仕組みを、潜ませられると良いよなあ……などと考えたりします。

1枚の写真から、いろいろと広がりますよね。
ね?

じゃ、また明晩!

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