『孤独の王』について、ちょっとまとめてみた

盛大ネタバレ注意。でも、ネタバレの上で読んだ方が安心して読み進められるかもしれません……。
(今日はですます体です)

まずは、Twitter上でいただいた感想など、貼ってみましょう。最近のもの、と思ったのですが、この1ヶ月で感想をくださったのはお二人だけでした。ので、ここ半年くらいに期間を広げてみますね。
では、古い方から並べますよ。

まずは、『キミコロ』の藤崎ほつまさんから!
(今さら済みませ〜んw)

(この頃までは自分も記憶違いをしていたのだけど、正確には(?)1,232枚というボリューム)

(繰り返しの説明を多めにしたのは、長い時間をかけて読む人が忘れてしまわないようにという考えでした。藤崎さんは一日で読了なさったので、より、重複感があったのでしょうね!)

藤崎さん、ありがとうございます!

お次は『青き国の物語』の平沢沙里さん。

そして、平沢さんが読み終わる前に『ターンワールド』の牛野小雪さんがブログに感想記事を書いてくださいましたね! (こちらは完全に結末まで触れてますので、、)

平沢さんが読み終わってくださり、ブログに感想記事をば。

次はインディーズ作家ではない方から、最近です。

星三つ、ってどうなのかな? と最初は思いましたが、この方の感想をいろいろ読ませていただくと、結構辛口が多く、三つだったら褒めてくださってるんだなぁ、と勝手に解釈したのでした。
普段関わりのある方以外からの感想がとても嬉しく、ちょこっとやり取りさせていただきました。ありがとうございます。

(そうです。本日の記事は、この方からいただいた感想が一つの切っ掛けだったのです!)

では次、行きましょう。 『要約 武士道』など、古典の現代語訳を手がけてらっしゃる水上基地さんです。 ブログに書いてくださいました。

僕自身が書いたこんな解説記事も思い出しましたよ。
『淡波ログ:パラドックスの面白さ(?)』


 

さて、もうほとんどの方はお腹いっぱいかと思いますが、ここからが本題ですよ!

これは、本編を読み終わった方用に《あとがき》として書くようなことなのですが、これを知って読むと理解が深まるかもしれないなと思いつつ、冒険してみることにします。
でも、ネタバレが嫌な未読の方は、読まない方がいいかもしれないません。
騙される悦びというのも読書の楽しみの中で大きなものですから……。

『孤独の王』は、普遍的な歴史を扱った話です。

謎の美女と少年、賢いおじいさんというお膳立てに、穏やかで優しげな雰囲気で幕をあけるけれど、夢いっぱいのファンタジーでは決してない。
全然、ないのです。
(ベルセルクよりダークだと言われて苦笑い)

どんなに繁栄を極めても、崩壊しない文明は決してありません。歴史上、亡ばなかった文明は存在しないですよね。今、存続している文明だって、単にまだその時期が訪れていないからに過ぎないのでしょう。

当初から、本の内容紹介ではこううたっています。
《滅亡した古代王国》
《その最後の数十年を辿る物語》と。

《悲劇》というキーワードを書き加えたのは最近ですが、どうもハッピーエンディングを期待して読まれてしまう傾向もあるようなので、変な形で読者さんを裏切りたくはないな、と思っての処置なのです。
《滅亡》という言葉を忘れてしまった読者さんのために、ね。
もちろん、意図的にギャップを拡大させるためのミスリードをしてるわけでもあるのですが。

そしてこれは、現代の日本を扱った話でもあります。

悪政を敷く王は自民政権、《羽ばたける自由の民》は野党、ジュノレア姫は自民造反組だと、簡単に読み替えられるようにできています。

表向き主人公のセニーロくんは、希望に胸を膨らませて立候補した若き政治家。きっかけはどうあれ、現実と向き合い、やがて何かに染まってゆきます。政権を奪取したまではいいけれど、血で血を洗う政争の果てに、というよりは己の愚かさのせいで、追い落とされる運命にあるわけです。

鎖国を敷く内向きなティオル王国は、多神教というかアニミズム信仰を持ち、一神教世界の侵略によって滅びます。これを日本に当てはめると……そこは想像にお任せしますけれど。

このまま行くと日本は……ってね。

そう考えるとごくごく簡単でスタンダードな構造なのですよね。

さて、かなり反則技なこの解説をどう読んでいただくかは、あなた次第。

未読の方、お待ちしてますよ〜!

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