Works of 淡波亮作

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乾いた四行のあいだ、湿った四行のあいだ、何でもない、何かが、
淡波ログにて2015年の暮れから2016年の春にかけて掲載された作品をまとめた詩集です。全23篇になります。
前作同様、難解に走らず、分かりやすさに走らず、ちょっと斜めに、あくまでも自分らしく表現したものになります。相変わらず、あまり詩っぽくはないのですが──。
(2016年8月21日 Amazon Kindle Storeより発売予定)

掲載作
四行分の感情
風に叫ぶ
思い込みでいい
種たちは
六角のゆめ
冬の芽がほら
おもひで
空っぽだ
こわい
いつか
こんなかたちで
いやなやつなんて、いない
「わたしのこと、わかってほしい」
テーマだって?
詩篇をひとつ
こぶし
転がる石
間違ってる
夜の水たまり
がんばれ、アリよ
364日間
負け
青い命よ
ピックアップ「間違ってる」
ぼくらはみんな間違ってるだけだから
正しさになんか
寄りかかる必要はない

当てにならない価値に
価値を感じる必要なんかない

ぼくらはみんな間違ってるだけだから
間違ってる誰かを
責めることなんかできない

うん、
うん、
──うん。

だからといって正しさは
否定すべきことでもない

正しくあろうとし続けることは
間違ってるからこそ
できるものなのだろう?

あなたは正しいんだよって
誰も言ってくれなくたって

あなたはきっと
考え続けるのでしょ

あなたはきっと
探し続けるのでしょ

その先には何もないよって
わけ知り顔で言われたって

手探りで道を外れてゆく姿を
憐れだねってさげすまれたって

考えなくたって
答えはここにあるよって
いやらしい顔で笑われたって

あなたはきっと
あなたでしか

あなたはきっと
考えることでしか

だって、
正しいとか正しくないとか
それが答えなんだって言うみたいに
割り切った顔なんか
できないんだから

きっと、
あなたにだってできないんだから
たぶんぼくと、
おんなじように

ぼくもあなたも
間違ってるだけだから
自分のこころで
探し続けるだけだから

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©Ryousaku Awanami 2016.