Works of 淡波亮作


Home
About
Blog

〈2015年 3月 5日発売〉 
ランキング
Amazon Kindle Store 無料本ランキングにて最高42位を記録。(無料キャンペーン時:約15,000冊中)
概要
主人公佐山哲夫は、就職内定後にM&Aで世界的な工業食品コングロマリットに買収された陽山食品工業に就職した。違和感を覚える中、周囲はこの成長産業に入った佐山を祝福してくれた。
佐山は毎晩、業務終了後に会社と業界を研究し、この世界の理解を深め続けた。だがその結果として自分自身を困った立場に追い込んでしまった。学生が他人事を観察して論文を書く程度のノリで、工業食品の欠陥と将来性への不安を報告書にまとめていたのだ。そして、佐山は就職からたった半年で合成食品工場への異動を言い渡されたのであった。
俺は知ってるんだ。本当に旨いものなどもう、――少なくとも外食産業や一般に流通している食材を見る限り――どこを探したって見つからないってことを。

ある小さな事件をきっかけに、佐山は自らの目に見えていた世界が、本当の世界ではなかったことに気付き始める。

そして佐山は、もはや畑も家畜も必要としなくなった世界で、自分だけのために菜園を耕し続けるのだ……。
気になるシーン
榊原は壁際の日陰に、俺を手招いた。
「この統計を、見てください」
榊原は眼鏡から壁に、色鮮やかな棒グラフをプロジェクションして見せた。横軸は年度、縦軸は後天性感覚器異常の実数らしい。
「水色が弱視および盲目者発生数、緑が聴覚異常発生数、赤が味覚、黄色が嗅覚――第四の健康被害ですね――、そして紫が触覚です」
「触覚?」
「ええ、触覚異常は、手で触れても感覚がない異常です。佐山さんの周囲にはいませんか?」
「いや、そんな人間は誰も……」
待て、思い当たる節がある。
レビュー・露出
(Amazonレビューはタイトル+リンクです)
 
《Amazonレビュー1》 斬新だと思います!

 

《Twitter上のレビュー》

 
試し読み(Amazonより、ちょっと多め!)
『奇想短編集 そののちの世界8 五感の嘘』
購入ページへ(Amazon)


©Ryousaku Awanami 2015.